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匂いを嗅ぎ分けられるのはタイミングがズレるから 理化学研究所 多細胞システム形成研究センター(CDB)

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Academic year: 2022

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理化学研究所 多細胞システム形成研究センター お問合せ:〒650-0047 神戸市中央区港島南町 2-2-3 TEL 078-306-3310 Email sciencenews@cdb.riken.jp RIKEN Center for Developmental Biology

匂いを嗅ぎ分けられるのはタイミングがズレるから

2017 年 12 ⽉ 7 ⽇ ふと気付くとどこからかキンモクセイの匂いが微かにする。あたりを⾒回し、匂いの元をたどったとこ ろでその花を⾒つけるという経験をしたことはないだろうか。わたしたちはいろいろな匂いが混ざってい る空気の中から特定の匂いを認識し、遠くで嗅いでも近くで嗅いでも強さの異なる匂いを「同じ匂い」と 認識できる。匂い分⼦の濃度によらないで同じ匂いだと認識することを保証する仕組みは、嗅覚の情報処 理のメカニズムにおける⼤きな謎であった。

理研 CDB の岩⽥遼訪問研究員(感覚神経回路形成研究チーム、今井猛チームリーダー)らはマウスが匂 いを認識するときの神経活動(発⽕)パターンを、2光⼦カルシウムイメージング法を⽤いて観察した。

その結果、嗅球にある僧帽細胞の発⽕タイミングによって匂い刺激の種類が正確に区別されていることを 明らかにした。本成果は科学誌 Neuron に 2017 年 12 ⽉ 7 ⽇付で掲載された。

(左)嗅神経細胞と僧帽細胞における匂い情報処理。匂いはまず嗅上⽪の嗅神経細胞によって検出 され、嗅神経細胞は嗅球の⽷球体で次の神経細胞である僧帽細胞の樹状突起とシナプスを形成して いる。 (右)匂い分⼦は呼吸サイクルごとに⿐腔に取り込まれて、特定の種類の嗅神経細胞を発⽕させ る。僧帽細胞では匂いの受容によって発⽕頻度の上昇や発⽕タイミングの変化(呼吸サイクルに対 して前進もしくは遅延)が起こる。今回の研究では、2 光⼦カルシウムイメージングによって発⽕

の波を捉え、波の⽴ち上がりの点を発⽕タイミングと定義して解析を⾏った。

匂い分⼦は、呼吸とともに⿐腔に取り込まれる。⿐腔の嗅上⽪には様々な匂い分⼦を認識する嗅神経細 胞が並んでおり(ヒトでは約 400 種類、マウスでは約 1000 種類)、それぞれの嗅神経細胞には固有の嗅 覚受容体が発現している。嗅神経細胞の軸索は、脳の嗅球にある⽷球体と呼ばれる構造に伸び、そこで僧 帽細胞の樹状突起とシナプスを形成する。嗅神経細胞によって⼊⼒された嗅覚情報を、僧帽細胞が電気的 な神経活動(発⽕)として嗅覚中枢に出⼒することで匂いが検知される。これまでの研究で、僧帽細胞の 発⽕は匂い刺激の種類によってその頻度やタイミングが変化することがわかっており、嗅球では僧帽細胞 の発⽕頻度や発⽕タイミングの変化によって嗅覚情報を処理している可能性が⽰唆されていた。また、嗅 上⽪の嗅神経細胞は匂いの刺激だけでなく呼吸に伴う空気の流れのような機械的な刺激に対しても反応を

⽰すことが⽰唆されていた。しかし、僧帽細胞の神経活動を⽣きた動物個体内で観察することは難しく、

嗅覚情報処理のメカニズムの中でどのように匂い刺激と機械的刺激が区別されているのかについては不明 だった。そこで岩⽥らは嗅覚情報処理のメカニズムを解明するため、⽣きたマウスの脳を深部まで観察可 能な 2 光⼦励起顕微鏡を使ってカルシウムイメージングを⾏い、匂いを嗅がせたマウスの神経活動をカル シウム濃度の変化によって観察した。

まず岩⽥らは嗅上⽪の嗅神経細胞が機械的刺激をどのように検知しているのかについて検討した。呼吸

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理化学研究所 多細胞システム形成研究センター お問合せ:〒650-0047 神戸市中央区港島南町 2-2-3 TEL 078-306-3310 Email sciencenews@cdb.riken.jp RIKEN Center for Developmental Biology

サイクルに伴う嗅神経細胞や嗅球の⽷球体における僧帽細胞の神経活動を観察した結果、嗅神経細胞が空 気の流れを感知すると僧帽細胞の発⽕は波のような周期的変動を起こした。この発⽕の波は⽷球体ごとに 異なっており、⿐腔を物理的に塞いで空気の流れをなくすと、発⽕の周期的変動が乱れた。つまり嗅神経 細胞は呼吸のリズムに合わせて、僧帽細胞における発⽕の波を作り出していたのだ。

【動画:https://www.youtube.com/embed/gGVAnndP6ww?rel=0】

呼吸による機械的刺激を受容したときに⾒られる、嗅球の⽷球体 186 個の振動パターン。

機械的刺激が⽣み出す僧帽細胞の発⽕は、匂い刺激の感知と関係しているのだろうか。僧帽細胞が匂い 刺激を受けると、発⽕の頻度や発⽕のタイミングが変化することは知られていたが、どちらが匂いの情報 処理において重要な役割を果たしているのかについてはわかっていなかった。そこでマウスに同じ匂いを

⼀定期間(20 呼吸サイクル)嗅がせたり、濃度の異なる匂いを嗅がせたりしたときの嗅球の⽷球体におけ る僧帽細胞の発⽕パターンの変化を解析した。すると、発⽕頻度は繰り返し匂いを嗅いだり匂い濃度を変 化させたりすると変化したのに対して、発⽕タイミングの変化は常に⼀定であることがわかった。つまり、

僧帽細胞が嗅覚中枢に出⼒する匂い情報とは、どんな濃度の匂いを何回嗅いでも安定した反応を⽰す、発

⽕タイミングであると考えられた。そして匂い刺激に基づく発⽕タイミングの変化は、機械的刺激による 僧帽細胞の発⽕の周期的変動がない状態ではバラバラに乱れることがわかった。機械刺激による発⽕の波 は匂い情報処理を⼿助けする、いわばペースメーカーとして働いているのだ。

「従来、匂いは匂い分⼦が結合した嗅神経細胞の組み合わせによって認識されると考えられてきました が、組み合わせだけでなくそれらが活性化する順番も匂い刺激の認識には重要であることがわかりました。

さらに、嗅神経細胞が適切なタイミングで活性化するためには、空気の流れという機械的刺激によって僧 帽細胞が発⽕の波を作り出していることが重要です。」と今井チームリーダーは語る。「匂い刺激によって 固有な発⽕タイミングが⽣じるメカニズムを知ることが次の⽬標です。」

參考文獻

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