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「…(さ)せていただきます」に関する意識調査

一、調査概要

1、調査の目的

本論アンケート調査の目的は台湾の日本語学習者(使用者)が「~(さ)

せていただきます」という言い方についてどのように感じるかを明らか にすることである。本論は『平成19年度国語に関する世論調査』の〈問 18.気になる言い方〉13に基づいて、アンケート用紙を作り(付録 1 と付 録2 アンケート用紙)、台湾の日本語学習者(使用者)を対象に、調 査した。

2、調査の対象者

本調査の対象の年齢分布、職業分け、留学経験について、次に述 べる。

2-1 第一次調査の対象 中国語母語話者 161 名 社会人 38 名

無職の方(専業主婦など) 14 名 定年者 37 名

日本語専攻学習者(台湾の大学または大学院生の中上級クラス の学習者)

大学院生 69 名

13『平成19年度国語に関する世論調査』〔2008〕、文化庁文化部国語課、73 頁

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質問紙1-第一次の調査

目的:台湾の日本語学習者(使用者)が「…(さ)せていただく」と いう言い方についてどのように感じるかを明らかにする。

対象者:大学の日本語専攻学習の院生。友愛会14、日本商社15、台中日 本人会

内容:全12問。日本語母語者と非母語者、年齢、職業と日本留学の 経験があるかどうか、「…(さ)せていただく」「もらってもいい」

「参る」などの表現について、どう思っているかを調べた。

回収:全 200 枚。有効 183 枚・無効 8 枚。

質問紙2-第二次の調査

目的:日本語専攻の学部生は「…(さ)せていただく」という言い方 についてどのように感じるかを明らかにする。これをもとに、

学部生と院生の比率を比較してみる。

対象者:大学の日本語専攻学習者の四年生

内容:全13問。日本語母語者と非母語者、年齢、職業や日本に留学 の経験があるかどうかと日本語能力試験のレベルで、「させてい ただく」「もらってもいい」「参る」などの表現に対して、どう 思っているかなどである。

回収:全 100 枚。有効 79 枚・無効 4 枚。

14 陳絢暉氏が1992年に六人の仲間と美しい日本語を残そうと創設した日本語の勉強会 である。台湾の日本語世代の人たちは「美しい日本語を残す」ことを主旨に結成され、

毎月1回、台北市内で勉強会を開いている。会員約100名ぐらい。平均年齢70歳以上。

15 高雄日立電子株式会社。

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4、計算方法

本調査は SPSS、Excel のシステムにより統計をする。

二、第一次調査の結果と分析

本節は、「(会議で司会者が)これで、会議を終了させていただきま す」「(店の張り紙で)今月末で、休業させていただきます」「(先輩 のノートをコピーしたい)コピーを取らせていただけますか」「(部下 が上司に)明日は、休まさせていただきます」「(上司が部下に書類の 郵送を頼むときに)この書類を郵送してもらってもいい( )」「(友 達に対して)その本を貸してもらってもいい( )」「(会議で司会者 が)私から御説明いたします」「(駅の案内放送で)間もなく、電車が 参ります」、この八つの質問項目の結果を全体的に見ると、台湾と日本 の比率分布にはあまり異なっているところがないと言える。年齢別に見 ると、本論の調査と平成19年度国語世論調査の百分比率は各年代の回 答でほぼ「気にならない」選択肢の比率のほうが高くなっている。

以下の図表の比率は、台湾での日本語母語者のデータを除いた結果で ある。これで、図 1-1 から図 8-416(学部生のデータを入れていない。理 由は、対象の設定が五年間以上日本語を学習・使用した方である。)を 見ながら各々説明する。

16図 1-1、2-1、3-1、4-1、5-1、6-1、7-1、8-1 の比率は付録三と付録四 図 1-2、2-2、3-2、4-2、5-2、6-2、7-2、8-2 のは付録六

図 1-3、2-3、3-3、4-3、5-3、6-3、7-3、8-3 のは付録八から十五 図 1-4、2-4、3-4、4-4、5-4、6-4、7-4、8-4 のは付録五

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1、問 1(会議で司会者が)これで、会議を終了させていただきます

図 1-1

日本の場合では、「気になる」が 18.1%で、「気にならない」が 79.4%

占めている。本調査では、「気になる」が 30.6%で、「気にならない」

が 63.8%占めている。

図 1-2 問 1 の年齢別分析-本調査 図 1-3 問 1 の年齢別分析-平成 19 年度国語に関する世論調査

年齢別(図 1-2・1-3)から見ると、日本の場合(図 1-3)では、「気 にならない」の割合は各年代が七割台半ば以上を占めている。年齢が増 えるにつれて、「気にならない」の割合が少しずつ減る。

台湾の(図 1-2)は 20 代が「気になる」38.2%、「気にならない」55.3%、

30 代が「気になる」45.5%、「気にならない」36.4%、「どちらとも言 えない」18.2%、40 代が「気になる」33.3%、「気にならない」50.0%、

「どちらとも言えない」16.7%、50 代が「気になる」45.5%、「気にな

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らない」54.5%、70 代が「気になる」18.4%、「気にならない」81.6%、

80 代以上が「気になる」5.6%、「気にならない」88.9%となっている。

各年代の「気にならない」についてみると、一番高いのは 70 代と 80 代以上であり、二つの割合が各八割台超えているが、一番低くなってい るのは 30 代の三割半ばである。それに、ほかの年齢層との違いが現われ ている。「気にならない」より「気になる」のほうが高くなっている。

質問文は、会議で司会者が多くの人に対して発言する場面である。こ のような時、多くの日本語学習者が「…(さ)せていただきます」とい う表現をよく口にしたり、耳にしたりすることがあると思われる。

図 1-4 本論のアンケート調査

本論文の調査により、職業別(図 1-4)で、学生が「気になる」36.2%、

「気にならない」56.5%、「どちらとも言えない」7.2%、社会人が「気 になる」42.1%、「気にならない」50.0%、「どちらとも言えない」7.9%、

無職が「気になる」28.6%、「気にならない」64.3%、「分らない」7.1%、

定年が「気になる」8.3%、「気にならない」91.7%となっている。

日本語非母語者は「気にならない」の割合が五割台以上が超えている。

それに、定年で「気にならない」の割合が九割以上となっている。

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2、問 2(店の張り紙で)今月末で,休業させていただきます

図 2-1

日本の場合では、「気になる」が 21.9%で、「気にならない」が 76.2%

占めている。本調査のは、「気になる」が 25.3%で、「気にならない」

が 70.3%占めている。

図 2-2 問2の年齢別分析-本調査 図 2-3 問2の年齢別分析-平成 19 年度国語に関する世論調査

年齢別(図 2-2・2-3)から見ると、日本では(図 2-3)「気にならな い」の割合が七割台半ば以上を占めている。一番高いのは、20 代のやや 八割半ばであり、年齢が高くなるにつれて、「気にならない」の比率が 減っている。

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台湾の(図 2-2)は、20 代が「気になる」27.6%、「気にならない」

65.8%、30 代が「気になる」27.3%、「気にならない」72.7%、40 代で

「気になる」と「気にならない」が半々となっている。50 代が「気にな る」36.4%、「気にならない」54.5%、70 代が「気になる」11.1%、「気 にならない」86.1%、80 代以上が「気になる」27.8%、「気にならない」

72.2%となっている。

各年齢層で「気にならない」の割合が五割台以上となっている。一番 高いのは、70 代の八割半ばとなって、最低比率の 40 代にも五割がある。

それに、40 代の方は他の年齢層と違っている。「気になる」の割合が一 番高い。

図 2-4 本論のアンケート調査

職業別(図 2-4)に見ると、学生が「気になる」23.2%、「気になら ない」69.6%、「どちらとも言えない」4.3%、「分らない」2.9%、社 会人が「気になる」42.1%、「気にならない」52.6%、「分らない」5.3%、

無職が「気になる」25.0%、「気にならない」75.0%、定年が「気にな る」13.5%、「気にならない」86.5%となっている。

学生、社会人、無職、定年で「気にならない」の割合が五割を超えて いる。一番高いのは定年者の八割半ばとなって、次は無職のも七割半ば である。それで、学生、無職と定年における、「気になる」と「気にな

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らない」の比率が大きい差になって、その差は四割がある。ただし、社 会人で「気になる」と「気にならない」の比率の差は一割程度しかない。

3、問 3(先輩のノートをコピーしたいときに)コピーを取らせていた だけますか

問3(先輩のノートをコピーしたいときに)コピーを取ら せていただけますか

44.90%

30.00%

48.10%

65.60%

本論のアンケートの率 日本の国語世論調査の率 気になる 気にならない

図 3-1

日本の場合では、「気になる」が 30%で、「気にならない」が 65.6%

占めている。本調査のは、「気になる」が 44.9%で、「気にならない」

が 48.1%占めている。

図 3-2 問3の年齢別分析-本調査 図 3-3 問3の年齢別分析-平成 19 年度国語に関する世論調査

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年齢別(図 3-2・3-3)から見ると、日本では(図 3-3)「気にならな い」の割合が六割以上を占めている。一番高いのは 50 代で、ほとんど七 割台に達している。ここは、年齢の増加に伴って、「気になる」の割合 が減少している。

台湾の(図 3-2)は、20 代が「気になる」54.7%、「気にならない」

34.7%、「どちらともいえない」8.0%、30 代が「気になる」54.5%、

「気にならない」36.4%、「どちらとも言えない」9.1%、40 代で「気 になる」と「気にならない」が半々となっている。50 代が「気になる」

54.5%、「気にならない」36.4%、「分らない」9.1%、70 代が「気に なる」33.3%、「気にならない」66.7%、80 代以上が「気になる」15.8%、

「気にならない」78.9%となっている。

この質問項目では、台湾と日本で結果が異なっている。日本では全体 的に「気にならない」の方が多い。これに対して、台湾の日本語学習者 は、年配者(70 代と 80 代以上)では「気にならない」のほうが多くな っているが、50 代以下では「気になる」の割合が高くなっており、大筋 で二つクループに分かれている。この文型ははっきりと先輩に「許可」

を求めるポジションなのに、50 代以下の「気になる」の比率が高い。こ の結果から、台湾の学習者は「…(さ)せていただきます」の表現を使 いこなすことができないのではないか、あるいは井上(1999)に言われ

を求めるポジションなのに、50 代以下の「気になる」の比率が高い。こ の結果から、台湾の学習者は「…(さ)せていただきます」の表現を使 いこなすことができないのではないか、あるいは井上(1999)に言われ

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