第Ⅲ編 ライフサイクルコスト算定に係る考え方
Ⅲ- 4 4.ライフサイクルコスト算定の留意点
【 解 説 】
ライフサイクルコストの算定にあたっては、費用の最小化を図り、最も経済的に砂防関係施設 の長寿命化対策を実施できるよう留意するとともに、計画対象期間における費用の過度な集中を 回避するため、財政状況等を勘案のうえ、修繕等の実施時期を前倒しするなどにより、費用の平 準化を図ることが重要である。
また、ライフサイクルコストは、その時点での知見等をもとに算定したものであることから、
今後の社会経済情勢等の変化に伴い、大きく変動する可能性がある。このため、適宜、健全度評 価、劣化予測、修繕単価の設定など一連の作業で得られた知見に基づいて、分析、再評価し、見 直しを実施することが望ましい。
①ライフサイクルコストの最小化
砂防関係施設における予防保全としての対策の実施時期は、健全度評価及び劣化予測の結果よ り検討することを基本とするが、この場合、対策サイクルが短くなり、計画対象期間における修 繕等の対策回数が多くなり、結果として、事後保全よりライフサイクルコストが増加するケース も想定される。
このため、ライフサイクルコストの最小化の観点から、劣化予測の結果等を踏まえ、修繕等の 対策にかかる費用及びサイクルを考慮のうえ、対策時期を検討することが望ましい。
ライフサイクルコストの算定にあたっては、予防保全を踏まえた砂防関係施設の長寿命化計画に基づ く維持、修繕、改築、更新等に要する費用の最小化と、過度な費用集中を回避するために修繕等に要 する費用の平準化を図ることに留意する。
図-3.4 ライフサイクルコスト最小化のイメージ
Ⅲ-5
②費用の平準化
砂防関係施設における予防保全型維持管理にあたっては、修繕等の費用の過度な集中を回避し、
限られた予算の中で確実に砂防関係施設の機能及び性能を保持するため、各年の修繕等に要する 費用の平準化を図ることが望ましい。
なお、平準化の考え方の1つしては、図-3.6 に示すとおり、たとえば、健全度 B を予防保全実 施の対象とした場合、健全度が B から C へと劣化するまでの期間内において、修繕等の対策時期 の設定を検討することが考えられる。
図-3.5 費用の平準化のイメージ
図-3.6 平準化の考え方の例
Ⅲ-6
③ライフサイクルコスト算定の適時、適切な見直し
ライフサイクルコストの算定は、新技術・新工法の開発、労務・資材単価の変動、点検に基づ く健全度評価の状況及び劣化予測の見直し等により大きく変動しうるものである。
このため、健全度評価、劣化予測、修繕等にかかる費用など一連の作業で得られた知見を、適 宜、分析、再評価のうえライフサイクルコストを見直し、長寿命化計画へと反映することが重要 である。
図-3.7 ライフサイクルコスト算定の見直しのイメージ