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中国のエネルギー外交

中国のエネルギー外交は概ね、鄧小平による 1970 年代末の改革開 放と時を同じくして始まった。当初、国家の全体的な外交における その地位は突出したものではなかったが、中国経済の発展・海外へ のエネルギー需要の急速な増加に伴って、海外からのエネルギー供 給ルートの開拓がエネルギー戦略の重要な任務となった。全体的な 外交におけるエネルギー外交の重要性が高まり、近年では国家元首 や政府首脳にとっても重要な外交分野となっている。同時に、中国 は主要なエネルギー企業の国際活動における外交的特性をますます 際立たせている。

1 中国のエネルギー外交の定義・特徴と目的

ロシアのエネルギー外交の権威であるStanislav Z. Zhiznin は、2005 年に出版した著書『国際エネルギー政治と外交』の中で、「エネルギ ー外交」を次のように定義した:「エネルギー外交とは、外交とエネ ルギー部門が各エネルギー企業と共に、対外エネルギー政策の目的 と任務を実現するため、様々な実践的活動を展開することを指す31」。

中国の学者は「エネルギー外交」を次のように定義した:「エネルギ ー外交」とは、国家の主導によって、エネルギー企業やその他行為 主体が共同参与し、国家のエネルギー利益を保護したり、エネルギ ー関連を手段としてその他の国家利益を追求することであり、外交 的特色を具えた国際活動である。エネルギー外交は全体的な外交で まず先にくる経済外交の重要な構成部分である。その定義において

31 Stanislav Z. Zhiznin、強暁雲・史亜軍・成鍵訳「国際能源政治與外交」華東師範大学出 版社(上海)、2005 年、45 ページを参照。

は、以下4 点が特に際立っている32

1. エネルギー外交は国家主導による:国家がエネルギー外交の 全貌を画策し、各エネルギー外交の主体となる国際エネルギ ー活動を指導したり、協調したりする。

2. エネルギー外交は外交性を具える:外交的特色を帯びた国際 的なエネルギー活動であり、あらゆる国際的なエネルギー活 動(例えば、エネルギー企業間の業務交渉)がエネルギー外 交に属するわけではない。

3. エネルギー外交は海外エネルギーを保障する:エネルギー外 交の目的は、海外エネルギーの持続的かつ安定した供給・経 済構造とエネルギー消費構造の最大利用・エネルギー利用効 率の向上・生態環境の改善・企業競争力の向上といった各目 標の実現を保障することにあり、国家のエネルギー利益とそ の他利益を実現することである。

4. エネルギー外交は本質的に国家全体の外交と経済外交の一部 である。

中国の国家エネルギー戦略は、国内のエネルギー発展戦略と国際 エネルギー発展戦略に二分できるが、中国の専門家は、国内のエネ ルギー発展戦略が対外エネルギー政策に関わることは少ないとみて いる。しかし、エネルギー需要が持続的に高まるという現実が、エ ネルギー安全保障と発展の保障におけるエネルギー外交の重要性を 高めた。中国は2006 年 3 月の第 10 期全国人民代表大会第 4 回会議 で採択した『中華人民共和国国民経済と社会発展の第11 次五カ年計 画要綱』で次のように明確に提起した:「平等・相互利益、協力・ウ

32 許勤華「中国能源外交戦略分析與思考」『教学與研究』2009 年第 12 期。

ィンウィン」の基礎の上に、海外天然ガス開発協力を拡大して、国 際エネルギーシステムに積極的に融合し、国際市場を十分に利用し て、中国のエネルギー供給の安全を保障する。これには、エネルギ ー安全保障の保障・省エネの実現・環境保護への努力・産業競争力 の向上も含まれる。かつて国家発展計画委員会も次のように提案し ている:国内資源の「自己バランス」に基づいて「国際化戦略」に 転換し、国内・国外の二つの資源・二つの市場を十分に利用しなけ ればならない。中国は2020 年までを、社会経済発展の重要な戦略チ ャンス期・工業化実現の重要な時期、つまり都市化レベル・住民の 消費構造に明らかな変化が生じる重要な時期と位置づけた。同時に、

国際的なエネルギー競争が日増しに熾烈化していることから、中国 のエネルギー外交は、海外エネルギー資源の安定を保持するのみな らず、海外エネルギーの安全な輸送の保障、国際協力を通じたエネ ルギー技術の進歩促進・エネルギー使用効率の向上、環境保護を進 めていかなければならない。中国は近年来、エネルギー外交の制定 と協調作業をますます重視しており、国家と企業による国際的なエ ネルギー活動の目的と任務を明確にし、各個別の行為主体によるエ ネルギー外交活動の実施を指導・協調している。

2 中国のエネルギー外交の外交的特性

2006 年、中央外事工作会議は、外交問題の重点を明確に示した33。 1. 外事工作は経済建設中心を堅持する。

2. 平和で安定した国際環境を構築する。

33 「中央外事工作会議在京挙行、胡錦濤作重要講話」『新華網』、2006 年 08 月 23 日、

http://big5.xinhuanet.com/gate/big5/news.xinhuanet.com/politics/2006-08/23/content_499 9294.htm)。

3. 国際経済技術協力と競争に参与し、国際・国内二つの市場、

二つの資源を十分に利用する。

4. 法に則って、中国の海外機関および人員の安全と権益を保護 する。

エネルギーは「エネルギー外交」の目的であり、また外交戦略の 重要なルートでもある。エネルギー資源国は、エネルギー資源をカ ードとしてエネルギー消費国に政治的影響を与え、エネルギー消費 国はエネルギー市場をカードとしてエネルギー資源国との関係を展 開する。エネルギーが経由する国は、経由上の便宜とエネルギール ートの十分な安全の提供によってエネルギー資源国との関係を緊密 化し、エネルギー消費国の政治的利益を満足させることができる。

このほか、グローバル化の発展に伴って、エネルギー安全保障を含 む非伝統的安全保障による脅威が際立ってきている。グローバルな エネルギー資源が限界性および不均衡性を具えているため、エネル ギー輸出国は国際的なエネルギー活動において有利な立場にある。

先進国がその他のエネルギー資源や主要なエネルギー輸送ネットワ ークをコントロールしており、国際市場のエネルギー価格に対して も比較的大きな影響力を持っている。中国は急速な経済発展・高ま るエネルギー需要からすれば、国際的なエネルギー外交において遅 れをとっている。上述した要因により、エネルギー外交は国家安全 保障におけるその重要性を明らかに高めた。また、エネルギー外交 戦略はエネルギーの持続的かつ安定した供給の保障という角度から、

国家の各安全保障を確保する必要がある。

中国はエネルギー不足型の国家であり、経済グローバル化の趨勢 においては、国内外二つの資源と市場を十分に利用することによっ て、エネルギー生産と消費の長期的な安定供給と国家の経済安全保

障を確保する。中国は「走出去」戦略を実施して、エネルギー分野 の国際協力を強化し、安定し経済的、かつクリーンで安全なエネル ギー供給システムの構築に努めている。現在のエネルギー外交戦略 の総体的な目標は次の通りである。

1. グローバルなエネルギー資源におけるシェアの拡大に努め、

海外エネルギーの安全な輸送を確保する。

2. エネルギー企業の海外経営環境をより良いものにし、有利な 国際的エネルギー秩序の形成を推進する。

3. 国家のエネルギー戦略利益を実現すると同時に、国家の外交 戦略・発展戦略と安全保障戦略の実施に対し、強力な支援を 行う。

エネルギー外交戦略目標の重点を明確にするには、国家のエネル ギー需要の趨勢に着目するのみならず、国際的なエネルギー関係を めぐる大環境にも着目する必要がある。中国は今日までに、エネル ギー問題がすでに局部的・経済的な範疇を超え、ますます多くの国 家の対外エネルギー協力が政府による全体的計画のコントロールを 受け、エネルギー協力が広範なものとなっていることに気付いてい る。中国のエネルギー外交戦略の制定も国際環境と相互に関連して おり、「走出去」によるエネルギー戦略を行っているが、そのうち、

新重商主義と一致する特徴は、以下のとおりである。

① エネルギー外交が服膺するエネルギー確保の目的

『中国のエネルギー状況と政策』白書では、世界平和と地域の安 定の擁護が、グローバルなエネルギー安全保障を実現する前提であ るとしている。中国は石油生産大国であると同時に石油消費大国で もあり、世界の石油生産国や石油消費国と共同の利益を有している。

これに基づき、国際的なエネルギー関係の発展に力を注ぎ、アフリ カのエネルギー資源国・ロシア・中央アジア諸国・中東・アラビア

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