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1 人権

1995 年 9 月、ヒラリーはファーストレディーとして北京で開催さ れた第 4 回世界婦女大会に参加し、大会中、中国の計画出産と人権 問題を激しく批判した。今回、民主党の大統領候補者に初めて選出 された時、オバマとヒラリーはブッシュが北京オリンピックの開幕 式に参加しないようそろって訴えた。しかし、ヒラリーは東アジア の 4 カ国を歴訪する前の「アジア協会」での講演では、中国の人権 問題を強調しなかった。中国の楊潔箎外相と会談した際には、自発 的に人権問題やチベット問題について言及し、米国が高い関心を払 っていることを示し、中国を離れる前には米国駐中国大使館(米国 の領土)で中国の人権グループの代表との会合を持ったが、こうし た言動は、相変わらず控えめ且つ面子をつぶさない方法だと理解さ れ、ヒラリーの訪中時のパフォーマンスは大いに自制したものであ り、特に「人権は米中の往来に影響を与えない」、「人権はグローバ ル経済の危機・気候変動・地域安全保障といった問題を解決する妨 げとはならない」といった発言は、米国の人権団体からの抗議に遭 っている。

しかし、ヒラリーがアジア各国を歴訪してから 2 週間もたたない うちに、人権問題は再び米中の焦点となった。2 月 25 日、国務省に 属する民主主義・人権・労働局(Bureau of Democracy, Human Rights, and Labor)が『2008 年国別人権報告書』(2008 Country Reports on Human Rights Practices)を発表した。その報告書の序言で、ヒラリー は人権の促進は米国の外交政策における不可欠の要素(an essential piece)であるばかりでなく、米国が他国と人的交流を進める上で信 じ、維持していく価値であると強調した。同報告の中国の部分(チ

ベット・香港・マカオ地区を含む)では、中国を独裁国家であると 露骨に形容した上、中国政府はオリンピック前にその人権問題の環 境を改善するとしたコミットメントを実現していないと指摘し、人 身・旅行・言論(インターネットの規制も含む)・出版・報道・宗教 の信仰・結社集会・デモ抗議・労働組合の結成および自由な政治参 加などの各方面において政府から深刻な損害や制限を受けていると 指 摘 し た 。 こ れ に は 政 治 的 に 異 議 を 唱 え る 者 や 民 主 化 運 動 家 の 鎮 圧・公正性を欠いた審判および訴訟過程・囚人に対する非人道的な 待遇・不法な逮捕・嫌がらせと監禁、および社会の各レベルと各領 域に対する取締り行為なども含むほか、女性・子供・少数民族や社 会的弱者に対する中国政府の保障が不足していることも挙げた24。こ の報告書は過去のものと変わりなく、中国の人権環境を非難するも のであるが、発表後にはやはり中国も強硬に反撃した。中国国務院 新聞弁公室は翌日(26 日)、『2008 年米国の人権記録』(これは 10 年 連続で発表されている)を発表し、同様に米国の人権問題を批判し た。米国政府は反テロと国家安全保障という名の下、公民権や政治 的権利を大きく抑圧し、司法と情報機関が違法な盗聴やインターネ ットの監視を行っているばかりでなく、米国には社会暴力犯罪(銃 の氾濫)・警察による公権力の乱用・婦女の安全および家庭内暴力の 深刻さに加え、驚くべきことに、深刻な貧富の差や拘留中の犯人の 犯罪率は世界ランキングで「先頭を行く」とし、米国には他国の人 権状況をあれこれ口出しする資格はないと指摘した25

24 US Department of State, “2008 Human Rights Report: China (includes Tibet, Hong Kong, and Macau),” Available: (http://www.state.gov/g/drl/rls/hrrpt/2008/eap/119037.htm).

25 中 華 人 民 共 和 国 国 務 院 新 聞 弁 公 室 『 2008 年 米 国 の 人 権 記 録 』、 Available:

(http://news.xinhuanet.com/newscenter/2009-02/27/content_10906683.htm).

2 貿易

伝統的に、人権問題を除いて、経済貿易面においても民主党は共 和党よりも保護主義の傾向がある。オバマは何度も自由貿易の精神 を擁護しているが、議会の圧力に屈し、最終的には経済刺激法案で ある「バイアメリカン」条項(“Buy American” clause)を否決しなか った。長きに渡る米中貿易の深刻なアンバランス現象は、従来米国 政府が最も懸念していた議題であり、これが両国の摩擦の主な原因 であったことは否定できない。2008 年についていえば、米国の対中 貿易赤字はすでに1700 億ドルにも達し、2008 年における中国の全貿 易黒字額はドイツを上回り、中国は世界最大の貿易黒字国となった。

よって、悲観的な人は、たとえ保護主義反対が米中のコンセンサス であったとしても、オバマが大統領に就任すれば、国内の景気は引 き続き低迷して、経済や金融関係の各指標も下落し、失業率の上昇 に伴って複雑な社会的・政治的問題が生じ、オバマが史上最大の景 気刺激法案や政府支出拡大などの措置により必死に劣勢を挽回しよ うとしても、最終的には議会・企業・労働組合といった利益団体か らの圧力により、保護主義の旗下ろしを迫られて、市場開放と人民 元の切り上げを中国に迫り、さまざまな手段、例えば環境保護基準 や責任の引き上げを求めたり、中国製製品の検疫強化などにより中 国に圧力をかけることになると予測している。

3 人民元の為替相場

ブッシュ政権時代、人民元の為替相場は米国政府と中国政府の交 渉の焦点となっていた。例えば、ここ何回かの「米中戦略経済対話」

でも、米国は人民元を切り上げるよう中国に再三申し出、これに対 し中国政府は中国は管理変動相場制を採用しており、段階的に人民 元を切り上げていくと強調していた。実際、過去数年間には、米国

からの圧力の下、中国は人民元の相場とドルを徐々に切り離し、為 替 相 場 の 制 度 改 革 を 緩 や か に 行 っ て き た 。 こ こ 3 年 間 で 人 民 元 を 21%切り上げたが、米国政府はこの切り上げ幅では焼け石に水で、

国際社会が期待する目標とは大きな隔たりがあると考えている。人 民元の過小評価は中国政府が人為的に関与した結果であり、政府が 直接輸出手当てを出しているにも等しく、これでは両国の巨額な貿 易赤字の改善にまったく役に立たないとしている。

2009 年 1 月 21 日、新財務長官のティモシー・ガイトナー(Timothy Geithner)が、上院財政委員会の書面報告の答弁において、中国は人 民元の価値を操作しており、中国政府が態度を改めるよう(為替市 場に干渉しないよう)、米国はあらゆる外交手段を用いると指摘し、

この発言に対し中国は強烈に反発した。温家宝は 2 月 1 日に「ファ イナンシャル・タイムズ」のインタビューを受けた際、米国が中国 が人民元の為替相場を操作していると非難したことに対し、根も葉 もない非難だと反発し、人民元相場が暴落・高騰するのを避ける必 要があると述べた26。そして、中国の金融システムの安定は、中国と グローバル経済に有利なものであり、「彼ら」(米国を暗に指す)は 高額な借金をしながら過度に消費するという習慣があり、また二重 の赤字や政府の怠慢と管理の甘さのため、金融危機の波に呑まれた のであり、米国の中国に対する批判は全くもって「自分の過失を認 めず、逆に他人のあらを探している」ものだと批判した。ホワイト ハウスと行政部門は危機管制を布き、1 月 31 日にオバマが自ら胡錦 涛に電話をかけ、2 月 4 日、米国財務長官・ガイトナーが中国の王岐 山副総理と電話で話し合い、この騒ぎは一旦収束した。

26 “Premier Wen Jiabao’s Interview with the Financial Times,” February 2, 2008, Available:

(http://www.chinaembassy.org.in/eng/zgbd/t535971.htm).

4 台湾 レク・ミッチェル(Derek Mitchell)が選任されると考えられる。彼は 2001 年初めに 戦略国際センター(CSIS)に入所し、国際安全保障部(ISP)でアジア問題を担当し 交関係者が予想したとおり、ジェフリー・ベイダー(Jeffrey A. Bader)が再び国家安 全保障会議に入り、アジア上級部長となった。彼は以前から中国通且つ東アジア問 題専門家であり、2005 年からはブルッキングス研究所(The Brookings Institution)の 中国部門を統括し、また選挙期間中にはオバマ陣営の東アジア政策統括者の一人で あった。外交官出身で、30 年近くの公職のうち多くは中国とアジア問題を担当し、

選挙期間中、オバマは台湾問題についてあまり触れなかったが、

2008 年 3 月に馬英九が総統に就任した際には、オバマ陣営が祝賀声 明を発表し、中国がさらに建設的且つ前途を見据えた思考と方法で 馬英九が示した実務的且つ非対抗的な両岸政策に応えることを希望 すると表明した。また、中国に対しては中国大陸東南沿海の軍隊を 削減し、台湾への武力による威嚇を減らすべきであると呼びかけた。

台湾が国際社会へ参与する空間を合理的に獲得し、これを両岸の相 互信頼発展の基礎とすることを支持するとした。同時に、米国の対 台湾政策は依然として「一つの中国」と「台湾関係法と三つのコミ

台湾が国際社会へ参与する空間を合理的に獲得し、これを両岸の相 互信頼発展の基礎とすることを支持するとした。同時に、米国の対 台湾政策は依然として「一つの中国」と「台湾関係法と三つのコミ

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