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以上述べた 、いわゆる 「北朝鮮脅 威論」への 対応に至る までの 日 本 による北朝 鮮政策によ り、日本政 府が北朝鮮 政策につい て論述 と 準 備をすっか り整え、い わゆる北朝 鮮脅威論を 充分に利用 し、一 歩 一 歩法改正を 行うことで 日本の安保 法制を充実 させてきた ことが 説 明 できたと思 われる。し かし、日本 の「北朝鮮 政策」には まだ限 界 があるかもしれない。

1 防御性反応:いかにして有効な警告措置を行うか

まず、過去 に北朝鮮が 各タイプの ミサイル実 験を行った とき、 ミ サ イルは日本 海に落下す るのが常で 、日本本土 上空を通過 するこ と さえある。2017 年 8 月 29 日午前 5 時 58 分、北朝鮮は日本上空に向 け ミ サ イ ル を 発 射 、 午 前 6 時 2 分 に は 全 国 瞬 時 警 報 シ ス テ ム

「J-ALERT」が北海道・東北地域など 12 の道県に緊急避難通知を出 し、NHK も国民保護に関する情報と避難情報を放送した。ミサイル 発射からJ-ALERT による緊急通知まで 4 分。しかしミサイルが北海 道上空を通過することが確認できるまで10 分足らずという非常に短 い 時間であり 、どうにも 対応のしよ うがないと いう感覚を 与えた 。 そ こで、北朝 鮮が日本に 向けて発射 したミサイ ルに対して いかに 有 効 な対応をと るか、また 日本が突然 空襲にさら されたとき の警告 措 置をどのように行うか、日本の各界で積極的な議論が行われた。

日本政府は2018 年 1 月、北朝鮮のミサイルに対する有効な防御手 段 と す る べ く 、 二 つ の 「 イ ー ジ ス ・ ア シ ョ ア ・ シ ス テ ム (Aegis

Ashore)」を導入することを閣議決定した。イージス・アショア・シ ス テムは海上 自衛隊のイ ージス護衛 艦に配備さ れている標 準型迎 撃 システム「SM-3」と合わせ、北朝鮮からのミサイルに対する防御範 囲 を漏れなく 構築できる ほか、迎撃 高度を高く することで 命中の 正 確 性を引き上 げ、ミサイ ルの脅威に 対する全体 的な防御力 を向上 さ せることができる。

今 の と こ ろ 、 日 本 は 二 段 階 の ミ サ イ ル 防 衛 シ ス テ ム を 有 し て い る 。そのうち 主要なもの は航空自衛 隊に配備さ れている「 ペトリ オ ット(PAC-3)」防空ミサイルシステムと海上自衛隊のイージス護衛 艦6 隻であり、イージス艦には「SM-3」反ミサイル防衛システムが 搭載されている。迎撃ミサイル「SM-3」の射程は 2000 キロ、高度は 1000 キ ロ に 達 し 、 中 間 段 階 迎 撃 シ ス テ ム に 属 す る 。 防 空 ミ サ イ ル

「PAC-3」の射程は 20 キロ以上、迎撃高度は 15 キロで、終末段階反 ミ サイルシス テムに属す る。さらに イージス・ アショア・ システ ム の導入により、日本における15〜1000 キロの範囲の防衛需要を補う こ とができる 。より注目 に値するの は、イージ ス・アショ ア・シ ス テ ムの導入は 日米の軍事 協力の範囲 を強化する ことにもな るとい う ことである。

しかし、日 本が北朝鮮 に対するミ サイル防衛 のシステム と能力 を 増 強すること で、中国と ロシアの反 対を引き起 こしている 。ロシ ア は 、アメリカ が日本のイ ージス・ア ショア・シ ステムを用 いてト マ ホ ークミサイ ルを発射可 能にするか もしれず、 日米がこれ を通じ て

「 対ロシア包 囲網」を形 成するので はないかと 認識してい る。ロ シ ア はまた、日 本の挙動は 日ロ関係に マイナスの 影響を与え るし、 日 本 周辺地域の 平和への趨 勢を進展さ せることも なく、両国 の軍事 的 信 頼関係にも 影響すると 批判してい る。中国も 日本の(イ ージス ・ ア ショア・シ ステム導入 という)行 動は新たな 軍拡である と非難 し

ている。

日本側は、 イージス・ アショア・ システムは 日本の自主 管理に な る ものであり 、主目的は 北朝鮮によ るミサイル の脅威から の防御 で あ り、日本の (北朝鮮か らの)ミサ イル防衛能 力の強化で あると し て いる。小野 寺五典防衛 相も、イー ジス・アシ ョア・シス テムは 日 本 の安全保障 の需要から くるもので あり、中ロ が懸念する にはあ た らないと述べている。

2 防御性反応:先制攻撃の可能性

次に、北朝 鮮によるミ サイルの脅 威を有効に 防衛するた め、日 本 は 対地攻撃能 力を兼ね備 えた空対艦 誘導弾の導 入を考えて いる。 こ れは長距離(射程900 km 以上)ミサイルで、航空自衛隊の戦闘機に 搭 載される可 能性がある 。これにイ ージス・ア ショア・シ ステム を 加 えたことで 、日本が「 専守防衛」 の立場を放 棄し、違憲 の疑い が あ る「先制攻 撃」行動を とるのでは ないかとい う、周辺国 家から の 疑念が引き起こされた。

小野寺防衛 相はこれに 対し次のよ うに述べて いる。世界 各国の ミ サ イルは現在 のところ射 程を長距離 化する趨勢 になってお り、各 種 レ ーダー設備 の探索能力 も上がって いる。日本 が自己防衛 、特に 敵 国 の 侵 入 を 予 防 す る に あ た っ て 、 防 衛 ミ サ イ ル の 射 程 が 短 す ぎ れ ば 、我が国の 自衛隊を危 険に陥らせ ることにな る。このた め、戦 闘 機には長距離ミサイルを搭載する必要がある。

3 戦略調整の議論:非核三原則の問題

第三に、日 本は現在す でに北朝鮮 が核保有国 であると認 識して い る ので、その 核戦力によ る脅威への 対応手段と していわゆ る「非 核 三 原則」改定 を行う必要 があるかど うかも、議 論に値する 問題で あ

る。日本の「非核三原則」は1967 年に佐藤栄作首相が国会答弁とい う 公 開 状 況 の も と 打 ち 出 し た も の で あ り 、「 核 兵 器 を 作 ら ず 、 持 た ず、持ち込ませず」という声明・約束である(ただしアメリカの「核 の傘」が日本の安全保障の重要な支えとなる)。しかし北朝鮮が核戦 力 を保有し、 各種弾道ミ サイルも配 備している 現段階では 、従来 と は違った主張をする人々も出てきている。

防衛相経験者の石破茂は「中央公論」2017 年 11 月号に寄稿し、「非 核 三原則」は 「議論」の 必要があり 、特に在韓 米軍基地に 核を配 備 し 「共同保有 」を行うこ となど、関 連する全て の問題につ いて討 論 す ることが必 要だと述べ た。また、 日本には一 方に「非核 三原則 」 と いう国是、 もう一方に 核について 「討論しな い」という 基本原 則 が あり、長い 間このよう な基本原則 と認識を持 ってきた。 しかし 、 朝 鮮半島情勢 の推移など の問題があ る中、日米 同盟に基礎 を置く ア メ リカの「核 の傘」が日 本を保護す る能力を発 揮できるの か、こ の よ う な 問 題 を 改 め て 研 究 ・ 議 論 す る 必 要 が あ る と し た 。 具 体 的 に は 、非核三原 則の「持ち 込ませず」 については 、在日米軍 基地へ の 核 ミサイル導 入・配備、 あるいは( 日米による )核兵器の 共同保 有 を 目指すなど 、可能性を 広げ、議論 を行う必要 があるとい うのが 石 破の主張である。

石破の主張 はその実、 日本は東ア ジア地域で の核武装レ ースに 乗 り 出すのか? というもう 一つの議題 を引き出す ことになる 。この よ う な議論にも 核に対する 日本の矛盾 した心理が 如実に現れ ている 。 日本は唯一、核攻撃を受けた国家であるし、2011 年の東日本大震災 も「核(原子力)」に対してさらに複雑な心理を抱かせることとなっ た。日本国民は基本的に自国の核保有にも外部から「持ち込ませる」

こ とにも強く 反対してお り、在日米 軍が提供す る核の傘に も非常 に 曖 昧な心理的 反応をする ほどである 。しかし、 北朝鮮によ る核の 脅

威 に直面して 、日本も対 応行為をと る必要があ る。少なく とも一 定 程 度の抑止力 は持つべき であるが、 日本のとり 得るオプシ ョンは 実 際 には非常に 限られてい る。日本自 身に北朝鮮 による核の 脅威に 対 応 する充分な 抑止力がな いのであれ ば、アメリ カまたはそ の他の 友 好 国にさらに 依存し、対 話方式の外 交活動を協 力して行う ことで 脅 威に対応することになるだろう。

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