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第一に、日本の新国会選挙制度は1995 年からすでに五回の総選挙 に 適用され、 台湾の新選 挙制度より 成熟してい ると言える 。民主 党 と 自民党の二 大政党の構 図が見られ るが、小政 党もそれな りに勝 ち 残 っている。 比例代表制 によって社 会の多元的 な価値観が 反映さ れ る面がある。一方、台湾では2008 年の新選挙制度の実施が始まって 以 来、二度の 立法委員選 挙しか経て おらず、比 例代表の議 席獲得 に 日本より高いハードルを設けたこともあって、2008 年の選挙結果は 完全に二大政党の構図となった。小政党はなかなか勝てず、2012 年 の 選挙では何 とか踏ん張 ったが、キ ャスティン グボートを 握れる ま で 成長できる かどうかは 未知数であ る。小政党 が生き残る 道をつ く る ために、ド イツのよう に比例代表 の議席獲得 に設けられ るハー ド ルを5% から 3% へと下げる方向での検討も可能であろう。

小 選挙区 制は 二大政 党制 の確立 に、 比例代 表制 は多党 制に つなが る といわれる 。イギリス は二大政党 制国家の典 型と見なさ れてき た が 、ドイツが 比例代表制 を導入した 影響に加え て、イギリ ス社会 に おける価値観とイデオロギーの多元化により、1990 年代から同国で も比例代表制の導入を検討しはじめている33。このような点では、日 本 と台湾が比 例代表制を 取り入れた ことはかな り先駆的な 動きで あ ったと言える。

第 二に、 政党 にとっ て選 挙制度 改革 の最大 の意 義は獲 得議 席の最 大 化にある。 だが、これ は政権を取 る力を持ち 合わせた大 政党の 立 場 である。小 政党は生存 空間を求め るだけで、 政権を取る ことは ま ず ない。候補 者を立てる 戦略におい ても、小政 党は当選よ りも政 党 の 得票数を増 やすことに 主眼を置き 、その制度 に対する要 求は大 政 党 とは異なる 。大政党所 属の候補者 と小政党所 属の候補者 がそれ ぞ れ 求める利益 も異なる。 大政党の候 補者にとっ ては、小選 挙区制 の 方 が当選に有 利で、政党 の公認によ る縛りも少 ない。一方 で、小 政 党の候補にとっては、比例代表の方が好まれるのである。

第三に、金権政治と公共政策は表裏一体の関係にある。金権政治 が なくなれば 、公共政策 は少数の関 係者ではな く、多数の 人々に 利 益 をもたらす ことになる 。だが、新 しい選挙制 度が金権政 治を一 掃 す ることはで きなかった 。新しい選 挙制度を導 入しても、 違法の 政 治 献金や贈収 賄事件など は度々起こ っている。 金権政治を 根本的 に 正 すためには 、選挙制度 改革に期待 するだけで は無理なの であり 、 議 員の財産申 告を義務付 ける情報公 開法の制定 なども必要 である 。 台湾では、日本とは異なり、1995 年に国会改革法案が提出された際 に 国会改革の 推進に沿っ て選挙制度 改革法案の ほか一連の 「情報 公

33 浜中新吾、前掲書、165~186 ページ。

開 法」を制定 したが、台 湾のこれら の「情報公 開法」は広 義的に 見

小選挙区の実施は、二大政党制を定着させるほか、「世襲政治」と

「 派閥継承」 の傾向も多 く見られる ようになる 。これが民 主政治 に お ける参政権 の平等原則 に反するか どうかは、 引き続き検 証すべ き 課題であるといえる。

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