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3 大規模崩壊潜在斜面のモニタリング

3.2 計器観測

3.2.1 地表伸縮計

地表伸縮計は、大規模崩壊の前兆現象としての亀裂・段差などの時間の経過とともに移 動状況の把握を目的に用いる。

地表伸縮計には、記録用紙を用いるものと自動観測デジタル式がある。現場の状況を勘 案し、適切に選択する。

地表伸縮計の基本原理を図 3.2.1 に示す(斜面防災対策技術協会, 20139))。観測対象の 両端部に設置された丈夫な杭(一つに伸縮計をつける)の間にインバ線(低膨張率のニッ ケル線)を張る。両杭の間の地表面が伸縮すると、地盤伸縮計のドラムが回転し、時間-

変異量のグラフが記録される。

なお、現在は用紙交換型、用紙交換・メモリカード併用型、自動観測 システム、リアル タイム監視など様々なタイプがあり、現場の状況に応じて活用する。

図 3.2.1 地表伸縮計の原理(斜面防災対策技術協会 , 2013)

1) 設置方法

大規模崩壊斜面の頭部の線状凹地また亀裂・段差地形を跨いで、大規模崩壊斜面の推定 移動方向に設置する。大規模崩壊斜面内部でも、亀裂・段差を挟んで、それに垂直になる ような方向で設置する。

図 3.2.2 に地表伸縮計の設置模式図例を示す。

9) 斜面防災対策技術協会(2013):地すべり観測便覧, p.502

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図 3.2.2 地表伸縮計の設置模式図(斜面防災対策技術協会 , 2013)

地表伸縮計の観測では、以下の点に注意する必要がある。

(1)地表伸縮計は、インバ線の延長方向に対し直角に近い方向への移動にはほとんど 感度がない。このため、崩壊側壁部に地表伸縮計を設置する場合は、インバ線の 延び方向をできるだけ崩壊移動方向に近づける必要がある。

(2)変動は引張変動だけではなく、隆起、沈下、圧縮の変動も計測される場合があ る。

このため、設置場所における変位状況を把握して設置する必要があ る。

2) 測定方法

地表伸縮計用の記録紙に日付け、地点名等を記入し、それをドラムに巻きつけて止め、

そのときの時刻に合わせて記録ペンをセットとし、観測を開始する。 所定の経過日数ごと の測定値と初期値との差を地表面移動量とする。初期値は、伸縮計設置後の測定値とする。

3) データの整理

観測データは、時間―移動量曲線図として整理する。時間―移動量図には、日付、日雨 量や観測地点周辺の地下水位などの情報を併記するとよい。図 3.2.3 に例を示す。

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図 3.2.3 地表伸縮計の観測例(橋本, 201010)

10) 橋本哲夫(2010):台風 6 号、8 号により再活動した木根橋地すべり災害報告, 地すべり学会誌, Vo.39, No.2, p89

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