(要旨)
第21条 撮影とは、UAV を用いて空中三角測量用の空中写真を撮影する作業をいう。
(撮影計画)
第22条 撮影計画は、撮影地域ごとに、作成する数値地形図の地図情報レベル、地上画素寸 法、対地高度、使用機器、地形形状、土地被覆、気象条件等を考慮して立案し、撮影計画図 としてまとめるものとする。
<第22条 運用基準>
1 撮影する空中写真の地上画素寸法は、作成する数値地形図の地図情報レベルに応じて、次表 を標準とする。
地図情報レベル 地上画素寸法 250 0.02m 以内 500 0.03m 以内
2 対地高度は、〔(地上画素寸法)÷(使用するデジタルカメラの1画素のサイズ)×(焦点距 離)〕以下とし、地形や土地被覆、使用するデジタルカメラ等を考慮して決定するものとする。
3 撮影基準面は、撮影地域に対して一つを定めることを標準とするが、比高の大きい地域にあ
っては、数コース単位に設定することができる。
4 焦点距離は、レンズの特性や地形等の状況によって決定するものとする。決定した焦点距離 は、撮影終了まで固定するものとする。
5 UAV の飛行速度は、空中写真が記録できる時間以上に撮影間隔がとれる速度とする。
6 同一コースは、直線かつ等高度で撮影することを標準とする。
7 同一コース内の隣接空中写真との重複度は 60%、隣接コースの空中写真との重複度は 30%
を標準とする。
8 コースの位置及び隣接空中写真との重複度は、次の各号に配慮するものとする。
(1) 実体空白部を生じさせない
(2) 隠蔽部ができる限り少なくなるようにする
(3) パスポイント及びタイポイントが選点しがたい土地被覆がない 9 コースの始めと終わりの地域外に1ステレオモデル以上設定する。
10 撮影計画は、撮影時の明るさや風速、風向、地形・地物の経年変化等により、現場での見 直しが生じることを考慮しておく。
【解説】
民生用デジタルカメラでは、任意の画素の情報を、周囲の画素の情報も加味して色補間処理を 行い求める場合も多い。上述の地上画素寸法は、様々な民生用デジタルカメラを使用することを 前提として、精度を満たす結果を得られるよう設定したものである。このため、必要な精度を確 保することが確認できる場合には、運用基準第1項とは異なる地上画素寸法で撮影を行うことが できる。
撮影は、気象条件が良好な時期及び時間に行うように計画することが必要である。安定した飛 行のため、風は強くないことは望ましい。画像のブレをできるだけ少なくするため、露光時間が 短くなるよう、明るい時間帯に行うことが必要である。また、太陽高度が低い場合には、陰の影 響も生じるため注意が必要である。この他、撮影が好ましくない条件としては、突風の恐れがあ る場合や降雨、降雪等がある。
(使用するUAV の性能等)
第23条 撮影に使用するUAV は、次の各号の性能及び機能を有することを標準とする。
一 自律飛行機能及び異常時の自動帰還機能を装備している。
二 航行能力は、利用が想定される飛行域の地表風に耐えることができる。
三 撮影時の機体の振動や揺れを補正し、デジタルカメラの向きを安定させることができる。
(使用するデジタルカメラの性能等)
第24条 撮影に使用するデジタルカメラの本体は、次の各号の性能及び機能を有することを 標準とする。
一 焦点距離、露光時間、絞り、ISO 感度が手動で設定できる。
二 レンズの焦点の距離を調整したり、レンズのブレ等を補正したりする自動処理機能を解 除できる。
三 焦点距離や露光時間等の情報が確認できる。
四 十分な記録容量を確保できる。
五 撮像素子サイズ及び記録画素数の情報が確認できる。
2 撮影に使用するデジタルカメラのレンズは、単焦点のものを標準とする。
<第24条 運用基準>
1 撮影した画像は、非圧縮形式で記録することを標準とする。
【解説】
デジタルカメラの良否は空中写真測量に大きな影響を与えるため、どのようなデジタルカメラ を採用するかは実際の測量に従って検証するなど、慎重に行う必要がある。本マニュアルでは、
共線条件が成り立たないレンズを装備したデジタルカメラや歪みが系統的でないデジタルカメラ は対象としていない。
(独立したカメラキャリブレーション)
第25条 撮影に使用するデジタルカメラは、独立したカメラキャリブレーションを行ったも のでなければならない。
2 独立したカメラキャリブレーションは、三次元のターゲットを用いて行うことを標準とす る。
3 撮影に使用するデジタルカメラは、独立したカメラキャリブレーションを行った状態を維 持するものとする。
4 独立したカメラキャリブレーションで作成する誤差モデルは、これを使用するソフトに適 合していなければならない。
<第25条 運用基準>
1 独立したカメラキャリブレーションにより求める値は、焦点距離、画像中心からの主点位置 のズレ、放射方向の歪み量、接線方向の歪み量を標準とする。
2 独立したカメラキャリブレーションを行ったデジタルカメラで撮影した画像の画像座標の残 差は、0.1画素以内とする。
3 作成する誤差モデルは、バンドル調整プログラムに適したものでなければならない。
4 独立したカメラキャリブレーションは、撮影前に実施することを標準とするが、撮影後に実
施することもできるものとする。
5 二次元ターゲットを用いて独立したカメラキャリブレーションを行う場合は、三次元ターゲ ットと同様に異なる方向からターゲットを撮影し、焦点距離を正しく補正しなければならない。
【解説】
民生用デジタルカメラを測量に利用するには、焦点距離や画像中心からの主点位置のズレ、レ ンズの歪みといった内部定位を固定し、これらの値を把握し、後処理で使用されるソフトで利用 できるようにしなければならない。これらの値を求めることを独立したカメラキャリブレーショ ンという。
二次元ターゲットを用いて独立したカメラキャリブレーションを行う場合は、二次元ターゲッ トに歪みを生じさせないなど、二次元ターゲット自体の取扱いにも注意が必要である。
独立したカメラキャリブレーションを行った状態を維持するには、オートフォーカスや手ぶれ 補正等、内部の機構を動かす機能を解除するとともに、フォーカスリングといったレンズを動か す機構をテープ止めしたりしなければならない。
独立したカメラキャリブレーションの結果は、デジタルカメラがテープ止め等により独立した カメラキャリブレーションを行った状態が維持されていれば繰り返し撮影に利用できるが、撮影 時の振動などの影響も受けたり、誤って内部の機構を動かす操作を行ったりすることも考えられ る。従って、カメラキャリブレーション結果の有効期間は規定していない。細心の注意を払って 利用する必要がある。
なお、独立したカメラキャリブレーションは、作業機関が独自に行うことも可能であるが、専 門機関へ依頼して行うこともできる。
(機器の点検と撮影計画の確認)
第26条 UAV を飛行させるに当たっては、撮影計画の実際への適合性を確認する飛行を行 い、機器の点検と撮影計画の確認を行うものとする。
<第26条 運用基準>
1 機器の点検は、次の各号について行う。
(1) UAV の外観
(2) UAV のネジの締付状態 (3) バッテリの状態
(4) 送信機の状態
(5) デジタルカメラの装着状態 (6) デジタルカメラの設定
2 撮影計画の確認は次の各号について行う。
(1) 露光時間、感度等の撮影条件
(2) 撮影範囲の地形、地物の状況等を踏まえた撮影コース、対地高度の見直し
【解説】
撮影に当たっては、いきなり飛行させるのではなく、機器の調子や設定の状況、計画と実際の 違い等を確認する簡単な飛行を行うことが望ましい。機器の点検については、「公共測量における UAV の使用に関する安全基準(案)」も参考とする。
露光時間や感度等は、撮影を行う際の明るさによって決定する必要がある。また、露光時間の 設定によっては、画像へのブレの混入を防ぐために、飛行速度を調整する必要もある。感度(ISO 感度の数値)を上げることは、撮像素子から読み出される信号を増幅させることに相当し、増幅 させすぎると信号に含まれるノイズも顕著となり、画像にざらつきが生じることとなる。なお、
発生するノイズの量はデジタルカメラごとに異なるため、事前に実際の撮影条件と同じ条件でテ
発生するノイズの量はデジタルカメラごとに異なるため、事前に実際の撮影条件と同じ条件でテ