6-1 結論
これまでの論をまとめて、結論を以下に述べる。
(1) 本論では、終助詞「よ」「ね」に近い中国語の語気助詞は多 種多様で、熟語の訳語「是不是」‧「對不對」なども出たこと が考察された。「よ」「ね」と語気助詞の対応状況については、
「よ」は「了」‧「的」、「ね」 は「了」‧「嗎」‧「吧」と対応し ている比率が高い。また、「よ」「ね」と中国語訳の対応状況で は「無対応」の比率が一番高いことも判明した。つまり、終 助詞「よ」「ね」と中国語の完全な対応には限界があると言える。
(2) 今回の収集した例文を見る限り、「よ」の場合は「認識要求用 法」がほかの機能より多く使われた傾向が見られる。一方で、「ね」
の「確認用法」の例文は会話文で一番用いられることが分かる。
一方、日本語の終助詞「よ」「ね」は、一つだけでなくいくつか の異なる機能があるので、中国語の語気助詞との対応状況も異 なってくる。
(3) 「よ」「ね」の「無対応」について、中国語の語気助詞以外 のカテゴリーでは、「!」(感嘆符)‧「?」(疑問符)‧感嘆感 嘆を表す言葉‧言葉の繰り返しなどにより、「よ」「ね」の機能 と似たような働きを持つことが明らかにした。これは中国語を 母語とする日本語学習者に終助詞「よ」「ね」を学ぶ際、中国語 の語気助詞で表すとは限らなく、ほかの言語表現、及び符号形式 を用い補足できることを認識させなければならないと考える。
(4) 本論では、「別れぬ理由」については二つの違った訳版を使用 したが、終助詞「よ」「ね」と中国語の「無対応」の比率は、ほ ぼ同じである。また、「よ」「ね」での同じ訳し方の割合はいずれ
も半分に達していない結果を示した。その原因として、一つは訳 者が語気助詞を選択するかどうかによって、対応状況が異なって くることと、もう一つは、直訳または意訳により、訳文に語気助 詞があるかどうかに影響するのである。
6-2 今後の課題
以上のように、本論では終助詞「よ」「ね」に対応する中国語表現 との対照を試みた。しかし、中国語の教科書で終助詞「よ」「ね」に ついてはどのように説明するか、終助詞「よ」「ね」をどのように対 応するかの調査も必要があると感じる。また、中国語を母語とする 日本語学習者の使用状況も取り扱っていない。中国語を母語とする 日本語学習者は「よ」「ね」を運用するとき、語気助詞の知識の影響 を受けるかどうかも今後究明しようと考える。
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