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計画

在文檔中 土木研究所資料 (頁 56-72)

3.1 地すべり防止計画 3.1.1 総説

地すべり防止計画は、地すべり調査結果を踏まえ、地すべり防止施設の整備によるハード対 策と警戒避難体制の整備等によるソフト対策を組み合わせた総合的な対策となるよう計画する。

計画の策定にあたっては、周辺環境や関連する諸法令、地域計画等との整合を図る。

解説

地すべり防止工事の対象となる地すべりは、一般に規模が大きく、複数の運動ブロックから 構成されることが多いため、工事完了までに相当な年数を要する場合が多い。一方、地すべり 斜面には多くの人家、公共施設等が位置することから、地すべり活動が活発化した場合には、

的確な警戒避難等ソフト対策の実施が不可欠である。そのため、常に警戒避難体制が確保され るようソフト対策の実施についても考慮し、地すべり防止計画を策定する。

地すべり防止計画は、事前に実施される地すべり調査、解析結果を踏まえて、それぞれの地 すべりの現象(地形、地質、規模、滑動状況等)、保全対象の重要度、事業の緊急性、事業効果 等を勘案した計画規模、内容とする。

なお、計画の策定にあたっては、周辺環境や関連する諸法令、地域計画等との整合をはかる 必要がある。

3.1.2 保全対象の特定

地すべり防止計画の保全対象を、対象とする地すべりの規模や発生・運動機構等を考慮して 特定する。

地すべり防止計画で対象とする被害の形態は、

①地すべり斜面上の人命、人家、道路、田畑、公共施設等への被害

②地すべり斜面より下方に位置する人命、人家、道路、田畑、公共施設等への地すべり の移動に伴う被害

③天然ダム部上流域の浸水被害

④天然ダムの決壊による下流域の土石流、洪水被害 とする。

解説

地すべり現象は一般に緩慢な動きを呈するものが多いが、中には突発的に移動、滑落に至る 地すべりも見られる。したがって、対象とする地すべり近傍での事例等を参考にして、地すべ

3.1.3 計画安全率の設定

地すべり防止計画では、地すべり運動ブロック毎に計画安全率(P.Fs)を定める。

一般的な地すべり防止工事としては、現在の滑動状況に応じて現況安全率を 0.95~1.00 に仮 定し、地すべり発生・運動機構や保全対象の重要度、想定される被害の程度等を総合的に考慮 して計画安全率(P.Fs)を 1.10~1.20 に設定する。

また、応急対策などで当面の安全確保を図る場合であっても計画安全率(P.Fs)1.05 以上を 設定するものとする。

なお、ここで述べている安全率は、地すべり防止工事の量を決定するために用いられるもの であり、工事後の斜面の安定性を示すものではないことに留意する。

解説

上記の計画安全率の設定方法は、既往の切土、盛土による地すべりの発生事例から、地すべ り発生前の安全率を 1.00 と仮定した場合に、5~10%程度の安全率の低下によって地すべりが活 発化したという事例1)やすべり面が地すべり運動に伴って強度低下を起こすこと、また、運動 の進行に伴って土塊が破砕され透水性が高まると予想されることに基づき、従来より各地の地 すべり防止工事において経験的に定められてきた計画安全率を参考にしている。また、それら の計画安全率は、安定解析式として簡便法を用い、土質強度定数を後述する逆算法(3.2.

2.1参照)によって求めた経験値であることに留意する必要がある。

3.1.4 警戒避難対策

地すべりの警戒避難対策としては、地すべりの発生・運動機構に応じて警戒避難の参考とな る管理基準(4.3参照)を定める。その上で、地盤伸縮計、地盤傾斜計等の監視機器を設置 し、関係機関への適切な連絡体制を整備する。

解説

地すべりによる被害を防止していくためには、地すべり防止工事の実施と併せて、人的被害 を防止するため、警戒避難対策が必要である。地すべりは一般に崩壊と比較して移動が緩慢で あることから、斜面変状の発生状況や計測機器による移動量の計測結果に基づき警戒避難がな されてきている。そのため、地すべりの警戒避難は、地すべり移動観測の結果に基づいて実施 することが望ましい。地すべりの移動特性は地すべりの地形、地質、すべり面形状等によって 異なることから、事前の調査・解析結果や近傍の地すべり事例を参考に検討を行い、地すべり の移動特性に応じて警戒避難のための基準を定める。さらに、警戒避難に資するため、地盤伸 縮計、地盤傾斜計等の監視機器を設置し、迅速なデータ収集を図り、関係機関への適切な連絡 体制の整備につとめる。地すべりの警戒避難対策の実施にあたっては次の点に留意する必要が

・警戒避難基準値の設定

(3) 警戒避難にかかる情報の伝達体制を明確にすること

3.1.5 環境への配慮

地すべり防止施設整備においては、防災上必要な効果を得るために、環境に何らかの影響を 及ぼすことは避けられないが、可能な限りその影響を軽微なものとする。

解説

地すべり運動の活発化は、斜面の環境に影響を与えることから、斜面環境の保全という観点 からも地すべり運動を停止させる必要がある。地すべり防止工は地すべり土塊の滑落を防止し、

地すべり斜面上に生息する動植物の生息場所の保全という効果を有するが、一方で、地すべり 防止工は地すべり運動を停止させるものの斜面環境を一変させる恐れもある。例えば、大規模 な排土工、押え盛土工は斜面上に分布する植生等を取り除くことになる。また、地下水排除工 は地すべり地の地下水条件を変化させ湿地や沼を消滅させることによって、湿潤性植物等に影 響を及ぼすことも考えられる。

防災上必要な効果を得るための施設整備においては、環境に何らかの影響を及ぼすことは避 けられないが、可能な限りその影響を軽微なものとするとともに、施設整備後に回復する環境 要因についてはできる限り自然環境の再生を促すような計画、構造、施工方法を採用する等の 配慮を行う必要がある。また、施設の形状、配置においても、景観、生態系に十分配慮する必 要がある。

地すべり防止施設の整備が影響を及ぼす環境を自然環境・景観、生活環境としてとらえた時 の、環境への配慮の留意点を挙げると次のとおりである。これらは、調査、工事、維持管理の 各段階において、適宜配慮する必要がある。

(1) 自然環境・景観

・大規模な排土工、押え盛土工は、斜面環境を大きく改変する。対策の工種を検討するにあ たっては、自然環境の再生に対する配慮を行う視点も加味し、工種の選定と緑化の推進を 行うことも必要と考えられる。

・抑止工等に伴うのり面工は自然環境と景観に配慮して早期の緑化に努めること。

・工事に伴う樹木の伐採、工事に伴う泥水の発生等地すべり防止工事中の環境への影響を十 分考慮する必要がある。

(2) 生活環境

・地すべり地は、急峻な山地部にあっては貴重な生活の場でもあることに留意する必要があ る。

・地すべり地は地下水が豊富であることが多く、地域住民が地下水を利用している場合が多 い。地下水排除工はこれらの地下水利用に対して影響を与える恐れがあることから、事前

3.2 地すべり防止施設配置計画 3.2.1 総説

地すべり防止施設配置計画は、地すべり防止計画(3.1参照)に基づき、地すべりの規模 及び発生・運動機構、保全対象の重要度、想定される被害の程度等を考慮し、地すべり災害が 防止されるよう策定する。

事前の調査では、必ずしも地すべりの全容が判明しない場合もあるため、その後の情報によ る計画の見直しを行う。

また、地すべり防止工事の施工中及び施工後は、実施した工事の効果が計画どおり発揮され ているか確認し、必要に応じて計画を見直す。

解説

地すべり防止施設配置計画は、地すべり災害が防止されるよう、地すべり防止計画(3.1 参照)に基づき、地すべりの規模及び発生・運動機構、保全対象の重要度、想定される被害の 程度等を考慮し、工法の特性を十分検討した上で、工法、施工位置、数量及び施工順位等の計 画を策定する。

地すべりは多くの場合、相互に関連しながら活動する複数の運動ブロックから構成されてい る。地すべり防止施設の配置は、防止計画に基づき必要に応じて運動ブロックの範囲、ブロッ クの相互関係や安定度、保全対象の位置や重要性に応じて各ブロックの対策の優先度を設定し

地すべりは多くの場合、相互に関連しながら活動する複数の運動ブロックから構成されてい る。地すべり防止施設の配置は、防止計画に基づき必要に応じて運動ブロックの範囲、ブロッ クの相互関係や安定度、保全対象の位置や重要性に応じて各ブロックの対策の優先度を設定し

在文檔中 土木研究所資料 (頁 56-72)

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