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日本バーチャルリアリティ学会第 12 回大会論文集(2007 年 9 月)

周辺視 周辺視 周辺視

周辺視ディスプレイ ディスプレイ ディスプレイを ディスプレイ を を を用 用 用いた 用 いた いた いた フライトシミュ

フライトシミュ フライトシミュ

フライトシミュレータ レータ レータ レータにおける における における移動感 における 移動感 移動感 移動感の の の増強 の 増強 増強 増強

The peripheral display for enhancement of speed sensation for the Flight Simulator 雑賀 慶彦1) ,岡野 裕1) ,橋本 悠希1) ,梶本 裕之1) ,野嶋 琢也2)

Yoshihiko SAIGA, Yu OKANO, Yuki HASHIMOTO, Hiroyuki KAJIMOTO and Takuya NOJIMA

1)電気通信大学 人間コミュニケーション学専攻 梶本研究室

(〒182-8585 東京都調布市調布ヶ丘 1-5-1, {saiga, okano, hashimoto, kajimoto}@kaji-lab.jp)) 2) 宇宙航空研究開発機構 総合技術研究本部

(〒181-0015 東京都三鷹市大沢 6-13-1, [email protected])

Abstract: A conventional Flight Simulator game generally have a problem that we can hardly feel speed sensation due to narrow angle of view and short of acceleration sensation etc. . The same problem may occur while flying real aircraft. Then in this research, we describe about a peripheral display to enhance the speed sensation by running aggressive optical flow on the LED Matrix. In this report, We explain about the developed system and the result of evaluation.

Key Words: peripheral vision, speed sensation, optical flow

1. 序論

現在,世界中で様々なゲームが開発されているが,その 中でも特にフライトシミュレータは,従来より根強い人気 を保っているゲームの一つであると言えよう.フライトシ ミュレータは実際の航空機の挙動を計算機上で模擬し,視 覚的に再現することにより,プレーヤーに対して実際に機 体を操作している感覚を提示することを可能にしている.

しかし一般的なゲーム環境においては,実際の航空機のコ ックピットと比較して,操縦桿の操作感,配置,視野角,

加速度感などが大きく異なるため,実際の航空機の操縦と 等価な操縦感覚を生成することは難しい.

この問題に対して従来は,物理的に実際の航空機のコッ クピットと同等のものを構築することで解決を図ってき た.実際の航空機と同じレイアウトのコックピットを用意 し,実機とほぼ同じ操作性の操縦桿,同じ視野角を持つデ ィスプレイなどを使用することにより,実際の航空機の操 縦と等価な操縦感覚の生成を可能にしている.しかし,こ れらの装置は一般に非常に巨大且つ高価であるため,これ らの環境を整えることは容易ではない.

本研究では,航空機を操縦した際に得られる感覚の一つ である移動感に特に着目した.フライトシミュレーション ゲームを行う際に移動感を増強する事によって,従来より も実際の航空機操縦時の感覚に近い状態を再現する事が 可能になると考えられる.また,実際の航空機を操縦する

際においても,ヘリコプターによる高々度でのホバリング,

あるいは飛行機による横風の下での着陸,と言った状況を 考えた場合,パイロットが得られる移動感は乏しいため,

操縦は容易ではない.この時移動感を増強して提示する事 が可能であるならば,操縦時の負荷軽減,ならびに安全性 の向上が可能になると考えられる.

今回我々は,安価に,且つ簡便に移動感の増強を可能に するシステムの試作を行い,フライトシミュレーションゲ ームにおいて試作システムを利用した場合の効果につい て,実験を通じて検証したので報告する.

2. 周辺ディスプレイとシステム構成

今回我々が構築したシステムは,被験者の周辺視野領域 にディスプレイ(以下,周辺ディスプレイ)を設置すると いう,非常に簡便な構成となっている.一般に人間の周辺 視野は中心視野と比較してオプティカルフローの検出に 優れており,移動感に対して大きく影響を及ぼす要素であ ると考えられている[1].そこで本システムでは,この周 辺ディスプレイ上に積極的にオプティカルフローを表示 する事によって,移動感の増強を目指す.

関連研究として,HMD を用いてオプティカルフローを提 示する方法がある [2].この方法を用いれば,移動感を増 強させることは可能であると考えられる.しかし,実際の 航空機への応用可能性も考慮した場合,少なくとも中心視

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では直接現実世界を観察できる事が望ましいと考えられ ることから,HMD の利用は難しい.これに対し,筆者の提 案するシステムは,周辺ディスプレイとしてマトリックス LED を採用しているため非常に安価である.さらに中心視 付近には特にディスプレイを必要としないため,現実世界 を直接観察する事が可能である.

周辺ディスプレイに使用したマトリックス LED の大き さは 4×8cm,LED の数は 16×32 となっており,H8 マイコ ンにより制御されている.LED の色は赤とした.周辺ディ スプレイ内の複数の LED をランダムに点灯して移動させ ることにより,任意のオプティカルフローを発生させるこ とが可能となっている.システム図を図 1 に示す.

図 1.システム図

3. 実験

周辺ディスプレイを用いた移動感の増強を測定するた めに,実際にフライトシミュレーションゲームを利用して 以下の実験を行った.実験風景を図2に示す.

図 2.実験風景

図2にあるように,被験者はフライトシミュレータの映像 が表示されている画面の前に頭部を固定し,周辺ディスプ レイを装着する.周辺ディスプレイに表示されるオプティ カルフローの有無,そして移動速度の違いによる,被験者 の速度感に関する主観的等価点の変化を,極限法を用いて 評価した.具体的な手順は以下の通りである.

(1) 周辺ディスプレイにオプティカルフローを提示した 状態で,PC ディスプレイに前方向に 100m/s(基準速 度)で移動する映像を 5 秒間表示する.周辺ディスプ レイのオプティカルフローの速度は 2°,4°/ms の 2 種類を用意した.

(2) 次に,オプティカルフローを提示せず,中心ディスプ レイのみに一定の速度(比較速度)で移動する映像を 5 秒間表示する.被験者は(1)の基準速度と比較速度 とを比較して,どちらが速いか,あるいは遅いかを答 えさせることにより,個々の条件における主観的等価 点を評価した.

本実験では 3 人の被験者に対して,(1)(2)の行程を 5 回ず つ行った.また,これとは別に,周辺ディスプレイにオプ ティカルフローを表示しない状態で主観的等価点を求め,

オプティカルフローを表示した場合との差分を求めた.結 果を図3に示す.

-5 0 5 10 15

A B C

オプティカルフロー無提示 状態との移動感の差(m/s) 被験者

4°/ms 2°/ms

図 3.移動感の差

図 3 より,被験者 A の 4°/ms を除けば,移動感が増強さ れていることが確認できる.これはオプティカルフローに より,移動感が増強された結果であると考えられる.

4. 結論

実験結果から今回提案する周辺ディスプレイにより,移 動感を増強させることが可能であることが確認できた.今 後は,周辺視ディスプレイの表示距離,ならびに表示手法 と増強される移動感との関連を詳細に調査していくつも りである.

参考文献

[1]Nichoras A.Webb; Micheal J.Griffin, Eye Movement,Vection ,and Motion Sickness with Foveal and Peripheral Vision, Aviation,Space, and Environmental Medicine, Vol 74, No 6,, pp. 622-625(4), June 2003 [2]Jin-uK Baek, Jaehoon Jung, Gerard J.Kim : Head Mounted

Display with Peripheral Vision ,Proceedings of the 2005 international conference on Augmentedtele-existence,pp282, 2005

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參考文獻

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