附錄(二) :消費者契約法全文
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力 の格差にかんがみ、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑し た場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができ ることとするとともに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消 費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とするほ か、消費者の被害の発生又は拡大を防止するため適格消費者団体が事業者等 に対し差止請求をすることができることとすることにより、消費者の利益の 擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与する ことを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のた めに契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。
2 この法律(第四十三条第二項第二号を除く。)において「事業者」と は、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる 場合における個人をいう。
3 この法律において「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結さ れる契約をいう。
4 この法律において「適格消費者団体」とは、不特定かつ多数の消費者の 利益のためにこの法律の規定による差止請求権を行使するのに必要な適格性 を有する法人である消費者団体(消費者基本法 (昭和四十三年法律第七十八 号)第八条 の消費者団体をいう。以下同じ。)として第十三条の定めるとこ ろにより内閣総理大臣の認定を受けた者をいう。
(事業者及び消費者の努力)
第三条 事業者は、消費者契約の条項を定めるに当たっては、消費者の権利 義務その他の消費者契約の内容が消費者にとって明確かつ平易なものになる よう配慮するとともに、消費者契約の締結について勧誘をするに際しては、
消費者の理解を深めるために、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容 についての必要な情報を提供するよう努めなければならない。
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2 消費者は、消費者契約を締結するに際しては、事業者から提供された情 報を活用し、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容について理解する よう努めるものとする。
第二章 消費者契約
第一節 消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し
(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、
当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定め る誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示 をしたときは、これを取り消すことができる。
一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内 容が事実であるとの誤認
二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将 来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の 将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該 提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認
2 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該 消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該 消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不 利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考え るべきものに限る。)を故意に告げなかったことにより、当該事実が存在しな いとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思 表示をしたときは、これを取り消すことができる。ただし、当該事業者が当 該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこ れを拒んだときは、この限りでない。
3 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該 消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該 消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消す ことができる。
一 当該事業者に対し、当該消費者が、その住居又はその業務を行っている 場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退 去しないこと。
二 当該事業者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当 該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から当該消 費者を退去させないこと。
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4 第一項第一号及び第二項の「重要事項」とは、消費者契約に係る次に掲 げる事項であって消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断 に通常影響を及ぼすべきものをいう。
一 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途 その他の内容
二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの対価その 他の取引条件
5 第一項から第三項までの規定による消費者契約の申込み又はその承諾の 意思表示の取消しは、これをもって善意の第三者に対抗することができな い。
(媒介の委託を受けた第三者及び代理人)
第五条 前条の規定は、事業者が第三者に対し、当該事業者と消費者との間 における消費者契約の締結について媒介をすることの委託(以下この項にお いて単に「委託」という。)をし、当該委託を受けた第三者(その第三者から 委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下「受託者 等」という。)が消費者に対して同条第一項から第三項までに規定する行為を した場合について準用する。この場合において、同条第二項ただし書中「当 該事業者」とあるのは、「当該事業者又は次条第一項に規定する受託者等」と 読み替えるものとする。
2 消費者契約の締結に係る消費者の代理人(復代理人(二以上の段階にわ たり復代理人として選任された者を含む。)を含む。以下同じ。)、事業者の代 理人及び受託者等の代理人は、前条第一項から第三項まで(前項において準 用する場合を含む。次条及び第七条において同じ。)の規定の適用について は、それぞれ消費者、事業者及び受託者等とみなす。
(解釈規定)
第六条 第四条第一項から第三項までの規定は、これらの項に規定する消費 者契約の申込み又はその承諾の意思表示に対する民法 (明治二十九年法律第 八十九号)第九十六条 の規定の適用を妨げるものと解してはならない。
(取消権の行使期間等)
第七条 第四条第一項から第三項までの規定による取消権は、追認をするこ とができる時から六箇月間行わないときは、時効によって消滅する。当該消 費者契約の締結の時から五年を経過したときも、同様とする。
2 会社法 (平成十七年法律第八十六号)その他の法律により詐欺又は強 迫を理由として取消しをすることができないものとされている株式若しくは 出資の引受け又は基金の拠出が消費者契約としてされた場合には、当該株式 若しくは出資の引受け又は基金の拠出に係る意思表示については、第四条第
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一項から第三項まで(第五条第一項において準用する場合を含む。)の規定に よりその取消しをすることができない。
第二節 消費者契約の条項の無効
(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効)
第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。
一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を 免除する条項
二 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故 意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する 責任の一部を免除する条項
三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不 法行為により消費者に生じた損害を賠償する民法 の規定による責任の全部を 免除する条項
四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不 法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失 によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する民法 の規定によ
四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不 法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失 によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する民法 の規定によ