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政府開発援助に関する経済学的考察―中国型の援助を中心として―

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(1)

政府開発援助に関する経済学的考察

―中国型の援助を中心として

1

部 顕 三

(大阪大学大学院経済学研究科教授)

【要約】

本 稿 で は、政 府 開 発 援 助 が 受 入 国 の 国 民 所 得 に 対 し て 及 ぼ す 影 響 を 経 済 学 の 観 点 か ら 理 論 的 に 分 析 し た。特 に、中 国 で 特 徴 的 に 見 ら れ る「 四 位 一 体 」型 の 援 助 の 特 徴 を 捉 え る た め に、供 与 国 が 受 入 国 の 公 共 資 本 ( イ ン フ ラ ) の 建 設 や 整 備 に 対 し て 援 助 を 行 う と 同 時 に、そ の 建 設 や 整 備 に お い て 供 与 国 の 労 働 や 資 本 が 使 わ れ る よ う な 経 済 モ デ ル を 構 築 し 、 公 共 資 本 の 生 産 を 含 む GDP 関数を用いて援 助 の 分 析 を 行 っ た。そ の 結 果、政 府 開 発 援 助 に よ っ て イ ン フ ラ が 整 備 さ れ、受 入 国 の 民 間 部 門 の 生 産 性 が 向 上 す る と し て も、受 入 国 の 国 民 所 得 が 低 下 し て し ま う 可 能 性 が あ る こ と を 明 ら か に し た。そ の よ う な 可 能 性 は、供 与 国 が 受 入 国 の イ ン フ ラ 整 備 費 用( 水 増 し 分 を 含 む )の 一 部 し か 負 担 し な い 場 合 や、受 入 国 が イ ン フ ラ 整 備 に 用 い ら れ る 生 産 要 素( 労 働 や 資 本 )の 一 部 し か 供 与 国 か ら 調 達 し な い 場 合 に 生 じ う る。ま た、援 助 の 形 態 の 問 題 の み な ら ず、援 助 に よ っ て

1 本稿の作成にあたり、本誌のレフェリーおよび淡江大学の小山直則氏から貴重なコ メントをいただいた。ここに感謝の意を表する。

(2)

実 施 さ れ る プ ロ ジ ェ ク ト の 有 効 性 を 考 え る こ と が 重 要 で あ る こ と が 示 さ れ た 。

キーワード:援助、公共資本(インフラ)、対外工事請負、対外労務

(3)

一 序

中 国の援 助は 、一帯 一路 構想の もと で、沿 線国 のイン フラ 整備に 大きな役割を果たしている2。中国の援助の特徴は、中国の国営企業 が 現地での工 事を請け負 うだけでな く、対外労 務協力とし て労働 者 も派遣している点にある。榎本(2017)3は、これらの対外工事請負 と 対外労務協 力を中国の 対外経済協 力の二本柱 であるとし ている 。 こ のような中 国の援助の 特徴はすで にアフリカ への援助で も指摘 さ れてきた。大野(2012)4は、中国のアフリカへの援助の特徴として、 重 点分野がイ ンフラ整備 や産業・農 業開発等の 経済・生産 セクタ ー で あり、また 中国の労働 者や資機材 調達とのタ イド化が行 われる こ となどを指摘している5 従 来の西 洋型 の援助 は、 慈善や 人道 支援と して 、社会 セク ターを

2 中国は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を通じても、諸外国のインフラ整備を促 進しようとしている。小山(2016)は AIIB への諸外国の参加要因を実証的に明らか にしている。小山直則「アジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加要因について」『問 題と研究:アジア太平洋研究専門誌』第45 巻第 2 号(国立政治大学国際関係研究セ ンター、2016 年)、73~104 ページ。 3 榎本俊一「中国の一帯一路構想は『相互繁栄』をもたらす新世界秩序か?」RIETI

Policy Discussion Paper Series 17-P-021(2017 年)(http://www.rieti.go.jp/jp/publications/ pdp/17p021.pdf、2017 年 10 月 1 日閲覧)。 4 大野泉「中国の対外援助と国際援助社会-伝統的ドナーとアフリカの視点から」『中 国の対外援助』(日本国際問題研究所、2012 年)、1~19 ページ(http://www2.jiia.or.jp/ pdf/resarch/H23_China/H23_China_AllReports.pdf、2017 年 10 月 1 日閲覧)。 5 小林(2012)は、中国の援助が「自国の開発と受入国の開発を同時に達成しようと するアプローチ」であるとして、それを「中国型開発援助モデル」とも呼んでいる。 小林誉明「中国援助に関する「通説」の再検討-伝統ドナーからの乖離と途上国へ の開発効果」『中国の対外援助』(日本国際問題研究所、2012 年)、21~33 ページ (http://www2.jiia.or.jp/pdf/resarch/H23_China/H23_China_AllReports.pdf、2017 年 10 月 1 日閲覧)。

(4)

中 心とした分 野にアンタ イドで実施 されてきた 。これに対 して日 本 の 援助は、経 済協力や経 済開発に重 点を置き、 援助と貿易 や投資 を 一体化するものであり、「三位一体」型とも呼ばれてきた。中国の援 助 はさらにこ の「三位一 体」に加え 、援助に伴 う請負工事 (対外 工 事請負)や労働者の派遣(対外労務協力)も伴うことから、榎本(2017) は「四位一体」型と表すこともできるとしている6 本 稿では この ような 「四 位一体 」型 の援助 の効 果を経 済学 的な観 点 から理論的 に検討する が、国際経 済学の分野 において、 これま で に 多 く の 援 助 に 関 す る 理 論 的 研 究 が 行 わ れ て き た7Samuelson (1947)8による先駆的な研究では、2 国 2 財からなる経済モデルに お いて、均衡 の安定性が 保たれてい る限り、援 助は受入国 の経済 厚 生 を高め、供 与国の経済 厚生を低下 させること が示されて いる。 こ の 結果が理論 的には正し いとしても 、現実の経 済における 援助を 考 え た時、必ず しも援助が 受入国の経 済厚生を高 めていると は考え に く い事例もあ る。また、 もし援助の 供与国の経 済厚生が援 助によ っ て 低下するの であれば、 供与国が援 助を行うイ ンセンティ ブがど こ にあるのだろうかという疑問も生じてくる。 このSamuelson(1947)の分析のみならず、それに続く多くの分析 に おいて、援 助は供与国 の国内で一 括税によっ て調達され 、受入 国 の 政府は受け 取った援助 を国民に一 括して移転 する(援助 をその ま

6 援助の供与国から部分的に資本や労働が受入国に移動する援助の形式は、必ずしも 中国特有のものでなく日本や韓国などについても類似のケースが見られることをレ フェリーから指摘していただいた。

7 Brakman and Marrewijk(1998)は援助の効果に関する代表的な研究成果を紹介してい

る。Brakman, Steven and Charles van Marrewijk, The Economics of International Transfer, (Cambridge: Cambridge University Press, 1998).

8 Samuelson, P.A., Foundation of Economic Analysis, (Cambridge, Harvard University Press,

(5)

ま国民に分配する)ものと仮定されてきたが、このモデル設定は「四 位 一体」型の 援助の効果 を分析する には適して いない。つ まり、 受 入 国において 援助がイン フラ整備の ために用い られている 点を考 慮 し ていない。 そのため、 そのインフ ラ整備のた めに供与国 から労 働 者が派遣され、資機材なども調達している点も考慮できない。 他方、Hatzipanayotou and Michael(1995, 1996)9や阿部(2007)10は、

受入国において援助が公共的投入財(public inputs)や公共的消費財 の生産に用いられるような紐付き援助の経済効果を分析した11。ここ で 、公共的投 入財は道路 、港湾、空 港などのイ ンフラある いは公 共 資 本であり、 これらの分 析枠組みは 「四位一体 」型の援助 の分析 に 応 用すること が可能であ る。しかし 、これらの 枠組みでは 、イン フ ラ の建設が受 入国内の労 働や他の生 産要素を用 いて行われ ると仮 定 しており「四位一体」型の援助の大きな特徴の 1 つが取り入れられ ていない。 そこで本稿では、「四位一体」型の援助の特徴を踏まえた経済モデ

9 Hatzipanayotou, P. and M.S. Michael, “Foreign Aid and Public Goods,” Journal of

Development Economics, Vol. 47, No. 2 (1995), pp. 455~467; Hatzipanayotou, P. and M.S.

Michael, “Foreign Aid Tied to Public Inputs,” Keio Economics Studies, Vol. 33, No. 2 (1996), pp. 35~45.

10 阿部顕三「対外援助と公共的中間財」、近藤健児・藪内繁己編『現代国際貿易の諸問

題-環境、対外援助、国際間要素移動と不完全競争-』(中京大学経済学部付属経済

研究所、2007 年)、64~79 ページ。

11 Kemp and Abe (1994)は、受入国において公共財が最適に供給されている場合の援助の

効果を分析している。また、Abe and Takarada(2005)は、受入国の政府が援助を消 費財の購入に充てるような紐付き援助を取り上げている。Kemp, M.C. and K. Abe, “The Transfer Problem in a Context of Public Goods,” Economics Letters, Vol. 45, No. 2 (1994), pp. 223~226; Abe, K. and Y. Takarada, “Tied Aid and Welfare”, Review of

(6)

ル を構築し、 そのような 援助が受入 国の国民所 得にどのよ うな影 響 を 与えるかに ついて、経 済学の視点 から理論的 に分析する 。特に 、 本 稿では援助 がインフラ 整備に向け られ、その 際に供与国 の対外 工 事 請負や対外 労務協力が あるような ケースを想 定して、政 府開発 援 助の効果を検討する。 本 稿の構 成は 次の通 りで ある。 第二 節で公 共資 本(イ ンフ ラ)の 生 産を導入し た経済モデ ルを示し、 均衡におい て種々の経 済変数 が ど のように決 定されるか を示す。第 三節では、 援助の分析 を容易 に するために、その均衡を簡単に表現するGDP 関数を定義し、その性 質を述べる。第四節では、「四位一体」型の援助が受入国の国民所得 に 及ぼす影響 を分析する 。最後に、 第五節でま とめと今後 の課題 に ついて述べる。

二 受入国における経済の均衡

1 生産技術と生産関数 「 四 位 一 体 」 型 の 援 助 の 具 体 的 な イ メ ー ジ を モ デ ル 化 す る た め に 、援助の供 与国を中国 とし、受入 国は他の途 上国として みよう 。 ま た、インフ ラを道路や 港湾などの 公共資本と して表し、 その公 共 資 本の生産を 導入したモ デルを構築 する。その 公共資本の 増大は 、 民 間部門の生 産性を高め る可能性が あるとする 。また、単 純化の た めに、援助の受入国において最終財を生産する 2 つの産業があると しよう12。

12 以下の分析は、多数の産業が存在するような枠組みでも分析可能である。

(7)

[図1] 受入国 中国 出 所 : 筆者 作成 。 第 i 財の生産者は、図 1 に描かれているように、労働と資本を投 入 し 、 公 共 資 本 を 利 用 し て 生 産 を 行 っ て い る と す る 。 そ こ で 、 第 i 産業の生産関数を

( ) ( ,

)

1, 2

i i i i i

Y

h G f L K

i

(1) としてみよう。ここで、

Y

iは第i 産業で生産される財(第 i 財)の産 出量、

G

は公共資本の量、

L

iは第i 産業で雇用される労働の量、

K

iは 第 i 産業で用いられる資本の量である。また、生産技術は規模に関 して収穫一定で、労働と資本の限界生産力は低減すると仮定する。 この生産関 数では、公 共資本が民 間の産業の 生産に及ぼ す影響 を

( )

i

h G

で表している。もし、

h G

Gi

( )

dh G dG

i

( ) /

が正の値であれば、 公共資本の増加によって第 i 財の生産性が高まることを意味する。 ま た、それが ゼロであれ ば、公共資 本が増えて も、それが 民間部 門

(8)

の生産には役に立たず、第 i 財の生産性が変化しないことを意味す る。 公共資本の 生産にも労 働や資本の 投入が必要 であるとす る。単 純 化のために、公共資本を1 単位生産するのに

a

LG単位の労働と

a

KG単 位 の資本が必 要であると 仮定し、こ れらの値は 一定である とする 。 この時、公共資本を

G

単位生産するのに用いられる労働と資本の量 は、それぞれ、 G LG

L

a G

(2) G KG

K

a G

(3) となる。 図 1 に描かれているように、公共資本の生産に用いられる労働や 資 本 の う ち 、

(1

)

の 割 合 が 受 入 国 内 の 労 働 や 資 本 で あ る と し よ う 。逆に 、

の 割合の 労働 や資本 は、 中国か ら調 達され るも のとす る。すなわち、公共資本の生産に用いられる労働と資本のうち、

L

G

K

Gは中国から調達されるものとする。 2 生産の意志決定と生産要素市場 受入国において公共資本は無料で利用できるとすると、第 i 財の 生産者の利潤

iは、

(

)

i

( ) ( ,

i

) (

)

1, 2

i

p Y

i i

wL rK

i i

p h G f L K

i i i

wL rK

i i

i

となる。ここで、

p

iは第i 財の価格、

w

は賃金、

r

はレンタル(資本 の 価格)を表 している。 最終財の市 場は非常に 競争的であ り、完 全 競 争の状態に あるとしよ う。この時 、各生産者 は価格の支 配力を 持 っ ていないた め、生産の 意志決定の 段階では最 終財の価格 を所与 と し て考える。 同様に、国 内の労働市 場および資 本市場も完 全競争 的

(9)

で あると仮定 し、各生産 者は賃金や レンタル( 資本の価格 )を所 与 として生産の意志決定をするとしよう。さらに、各産業の生産者は、 公共資本の量も所与として行動すると仮定する。 この時、労働の限界生産物を

f L K

Li

( ,

i i

)

 

f L K

i

( ,

i i

) /

L

i、資本の限 界生産物を

f L K

Ki

( ,

i i

)

 

f L K

i

( ,

i i

) /

K

iと表すと、第 i 財の生産の利潤 最大化条件は、

( ) ( ,

i

)

1, 2

i i L i i

p h G f L K

w i

(4)

( )

i

( ,

)

1, 2

i i K i i

p h G f L K

r i

(5) と なる。これ らの式は、 それぞれ、 労働の限界 生産物価値 が賃金 に 等 しく、また 、資本の限 界生産物価 値がレンタ ルに等しい ことを 表 している。 労 働市場 や資 本市場 では 賃金や レン タルが 伸縮 的に動 き、 均衡で は 需給がバラ ンスしてい るとしよう 。公共資本 の生産で使 われる 労 働や資本のうち

(1

)

の割合が受入国の労働や資本であるので、 受 入国における労働の供給量を

L

、資本の供給量を

K

とすると、労働 市場と資本市場の需給バランスは、 1 2

(1

)

g

L

L

 

L

L

(6) 1 2

(1

)

g

K

K

 

K

K

(7) となる。 3 受入国における経済の均衡 援助の受入 国で生産さ れる最終財 の輸出量・ 輸入量が世 界市場 に 占 める割合は 非常に小さ く、受入国 の輸出量や 輸入量が変 化して も

(10)

国際価格には影響がなく、国際価格は一定であるとする131)式か ら(7)式には、10 本の条件式がある。そこで、公共資本の量(

G

)、 財の価格(

p

i)、労働と資本の供給量(

L

K

)が与えられれば、10 個の未知数

Y

1、

Y

2、

L

1、

L

2、

L

G

K

1、

K

2、

K

G

w

r

が 決 ま る。 こ れらが受入 国の経済の 均衡におけ る値であり 、それらか ら受入 国 における国民所得を算出することができる。 以下では、 援助の受入 国が、この 公共資本の 費用の一部 、ある い は すべてを援 助によって 賄うものと 考える。つ まり、公共 資本の 生 産 を増やすた めには、よ り多くの援 助が必要と なる。この 場合、 援 助 の額と公共 資本の量が 比例してい るので、援 助は公共資 本の供 給 量の変化を通じて受入国の経済に及ぼすことになる。

GDP 関数によるアプローチ

GDP 関数の定義 前節では、援助の受入国における均衡条件を示したが、10 本もの 条 件式があり 、それらを 用いて援助 の経済的効 果を分析す ること は 必 ずしも容易 ではない。 そこで、本 節では援助 の受入国の 均衡を よ り簡単に示すことができるGDP 関数と呼ばれる関数を導入し、その 性質を示す14。 ま ず 、 前 節 で 導 入 し た 変 数 の 変 換 を 行 い 、

p

i

p h G

i i

( )

/ ( )

i i i

x

X h G

L L

  

(1

)

L

G

K

  

K

(1

)

K

Gとしてみよう。

13 経済学では、このような国のことを「小国」あるいは「小国開放経済」と呼ぶ。 14 私的財と私的生産要素のみからなる伝統的な経済モデルにおける GDP 関数の定義や

その性質については、Wong(1995)や Woodland(1882)を参照。Wong, Kar-yiu,

International Trade in Goods and Factor Mobility, (Cambridge: MIT Press, 1995);

Woodland, Alan D., International Trade and Resource Allocation, (Amsterdam: North- Holland, 1982).

(11)

L

は 受入国 の労 働市場 にお いて最 終財 の生産 に利 用可能 な労 働の量 を表し、

K

は受入国の資本市場において最終財の生産に利用可能 な 資本の量を表している。 GDP 関数は、与えられた生産技術(あるいは生産関数)と生産要 素の供給量のもとで最大化されるGDP の値を示すものである。前節 で示した枠組みのもとで、GDP 関数を次のように定義してみよう15 1 2 1 1 2 2 1 2 1 2 , ,

( , , , ) max{

|

( , ),

1,2,

,

}

i i i i i i i x L K

R p p L K

 

 

p x p x x

f L K i

L L

 

L K K

K

こ こ で 、

x

i

f L K

i

( ,

i i

)

は 前 節 で 導 入 さ れ た 生 産 関 数(1)の 一 部 を 表 し、

L

1

L

2

 

L

は労働市場の需給バランス式(6)、

K

1

K

2

 

K

は資 本市場の需給バランス式(7)を表していることが分かる。 2 GDP 関数と経済の均衡 GDP 関数を導くには、その定義にある制約付き最大化問題を解か なくてはならない。その最大化問題の1 階の条件は、

( ,

)

1, 2

i i L i i L

p f L K

i

(8)

( ,

)

1, 2

i i K i i K

p f L K

i

(9) と、制約条件の

( ,

)

1, 2

i i i i

x

f L K

i

(10) 1 2

L

L

 

L

(11)

15 阿部(2007)はより一般的な民間の生産関数を用いて公共資本の生産がある場合の GDP 関数を定義し、その性質を導出している。

(12)

1 2

K

K

 

K

(12) となる。ここで、

Lは最大化問題を解く際に労働市場の制約条件式 (11)に付けられたラグランジュの未定乗数、

Kは最大化問題を解 く 際に資本市 場の制約条 件式(12)に付けられたラグランジュの未 定乗数である。 L

を 前 節 の 賃 金

w

と 見 な せ ば 、(8)式は前節の(4)式と同一に なる。また、

Kを前節のレンタル

r

と見なせば、(9)式も前節の(5) 式と同一になる。(10)式、(11)式、(12)式は、それぞれ、前節の (1)式、(6)式、(7)式と同一であることが分かる。したがって、 こ の制限付き の最大化問 題を解いた 変数の値と 前節の均衡 におけ る 変数 の値は同じ になるため 、(8)式から(12)式までの条件式を解 いた解で受入国における経済の均衡を表すことができるのである。 ここで定義したGDP 関数は、資本と労働から 2 つの最終財が生産 される伝統的な2 部門モデルにおける GDP 関数と同じであり、その 性質も同一となる。したがって、ここでのGDP 関数は次のような性 質を持つ。 1 2

( ,

, , ) /

1, 2

i p i i

R

 

G p p L K

 

 

 

p

x

i

(13) 1 2

( ,

, , ) /

L L

R

 

G p p L K

 

 

 

L

w

(14) 1 2

( ,

, , ) /

K K

R

 

G p p L K

 

 

 

K

r

(15) (13)式から均衡における第 i 財の生産量は

( )

i i i p

X

h G R

、(14)式 と(15)式から賃金やレンタルは、それぞれ

R

Lと

R

Kとなる。すなわ ち、ここで定義したGDP 関数を用いれば受入国における均衡の生産 量や要素価格を簡単に導出することができる。

(13)

四 「四位一体」型の援助の経済分析

1 公共資本の資金調達と要素支払い 図 1 には、援助に関連するお金の流れが、点線の矢印で描かれて い る。公共資 本の生産に 必要となる 経費は、そ の一部、あ るいは す べ てを援助に よって賄わ れるとする 。経費の一 部だけが援 助によ っ て 賄われる場 合、受入国 の政府はそ の経費を何 らかの形で 調達す る 必要がある。ここでは、中国からの援助額を T とし、受入国が負担 する経費をM としよう。 一 般的に 、政 府は、 所得 税、法 人税 、消費 税な どの種 々の 租税の 徴 収 、 あ る い は 国 債 発 行 な ど に よ っ て 資 金 を 調 達 す る こ と が で き る 。しかし、 そのような 経済に「ゆ がみ」をも もたらす手 段で調 達 し た場合には 、それら自 体が経済に 非効率性を もたらす可 能性が あ る 。そこで、 純粋に援助 の効果を見 るために、 ここでは「 ゆがみ 」 の 生じさせな い国内の一 括税(ある いは海外か らの借入) で資金 を 徴収するものと仮定する。 ま た、公 共資 本の生 産に 用いら れる 労働や 資本 には対 価が 支払わ れ なければな らない。中 国からの労 働や資本に 対して支払 われる 賃 金 やレンタル は中国にお ける賃金や レンタルと 同一の水準 である と 仮 定し よう。 以下 では、 中国 におけ る賃 金を

w

、 レン タルを

r

で 表 す。公共資本の生産に用いられる労働や資本のうちの

の割合が 中 国 から調達さ れるので、 援助国から 受け入れた 労働や資本 への支 払 いは、それぞれ、

wL

G

rK

Gとなる。また、受入国内の労働や資 本 に対して国 内の賃金や レンタルが 支払われる とすると、 その労 働 や資本への支払いは、それぞれ、

(1

)

wL

G

(1

)

rK

Gとなる。

(14)

2 公共資本の生産費用の負担割と受入国の国民所得 ま ず、こ こで は受入 国の 公共資 本が 中国か らの 労働と 資本 のみを 用 いて生産さ れ、受入国 の労働や資 本は一切用 いられない ケース を 考 察 す る 。こ の 場 合 は

1

で あ り 、(2)式と(3)式を用いると、公共 資 本 の 生 産 の 総 費 用 は

wL

G

rK

G

(

wa

LG

ra

KG

)

G c w r G

( , )

と な る。ここで、

c w r

( , )

は公共資本の単位費用(関数)を表している。 ま た、援 助に よるプ ロジ ェクト の入 札にお いて 汚職が ある ような 場 合には、中 国や受入国 の政治家に 援助の一部 が分配され てしま う 可 能性がある 。本節では 、このよう な点も考慮 し、公共資 本の費 用 が単位あたり

z

だけ水増しされて計上され、それを政治家が受け取 ると仮定しよう16 ま た、そ の費 用の一 部は 受入国 側が 負担し 、残 りを中 国か らの援 助 によって賄 うとしよう 。以下では 、総費用の うち中国の 援助で 賄 われる割合を

とすると、援助額 T は、

{ ( , )

}

T

c w r

z G

(16) となる。 受入国の国 民所得は、 最終財の生 産の生産要 素(労働と 資本) に 支 払われる金 額から一括 税を差し引 いた金額と なる。最終 財の生 産 関数

f

iが一次同次であることから、最終財の生産からその労働と資 本に支払われる金額は、上述のGDP 関数

R p p L K

( , , , )

 

1 2

 

で表される。 また、

1

より、

L L

K

K

なので、その額は

R p p L K

( ,

 

1 2

, , )

と な る。また、 公共資本の 総費用と中 国からの援 助の差額を 受入国 が 一 括 税 で 賄 う こ と に な る の で 、 一 括 税 の 総 額 M は

{ ( , )

c w r

z G T

}

 

{(1

 

) / }

T

となる。

16 政府開発援助に関係する汚職は、必ずしも中国特有のものではない。

(15)

したがって、受入国の国民所得を I で表すと、 1 2

( ,

, , ) {(1

) / }

I

R p p L K

 

 

T

(17) となる17。そこで、中国からの援助が受入国の国民所得に与える影響 は、(17)式を中国の援助 T で微分することによって考察することが で き る 。 (16) 式 か ら

G T

/ {

c w r

( , )

z

}

と な る の で 、

( / { ( , )

})

i i i

p

p h T

c w r

z

である。この点に注意して、(17)式を中 国の援助T で微分すると、 1 1 2 1

/

[ (

/

)

(

/

) (1

){ ( , ) }]/ { ( , ) }

dI dT

p X

 

G p X

  

G

c w r

z

c w r

z

(18) を得る。ここで、

X

i

/

 

G

(

dh G dG f L K

i

( ) /

) ( ,

i i i

)

であり、これは第 i 部門における公共資本の限界生産性を表している。(18)式の分母 は 正の値であ るので、中 国の援助が 増加した時 に受入国の 国民所 得 が増加するかどうかは、分子の符号に依存する。 援助の第1 の効果は、

p X

1

(

1

/

 

G

)

p

2

(

X

1

/

G

)

で表されている。 これは、公共資本の供給が 1 単位増加した時に受入国全体の生産価 値 額がどれだ け増加する かを意味し ており、援 助によって 建設・ 整 備 されたイン フラの生産 性効果を示 している。 もし、援助 によっ て 公共資本の生産費用をすべて負担するのであれば

1

なので、分子 に はこの項だ けが残る。 その場合、 入札で汚職 があったと しても 、 援 助によって 生産される 公共資本が 民間のいず れかの部門 の生産 性 を 向上 させる ので あれば 、

p X

1

(

1

/

G

)

p

2

(

X

1

/

G

) 0

と なり、 援 助は受入国の国民所得を増加させる。

17 ここでの国民所得には受入国内の政治家が受け取った金額は計上されていない。あ るいは、公共資本の生産費用の水増し分は中国の政治家が受け取っていると仮定し ている。

(16)

援助の第 2 の効果は、

 

(1

){ ( , )

c w r

z

}

で表されている。援助 が 公共資本の 生産費用( 水増し分を 含む)の一 部にしか充 当され な い 場 合は

0

 

1

であるので、この負の効果が発生する。援助が行 わ れても、公 共資本の生 産の増加に 伴って、受 入国側が実 際の費 用 の 増加分や供 与国の政治 家に渡る不 正なお金の 増加分の一 部を負 担 し なければな らず、それ が受入国の 国民の負担 を増加させ る。そ の 結 果、その負 担によるマ イナスの効 果が大きけ れば、援助 によっ て 受入国の国民所得は減少してしまうのである。 い ずれに して も、援 助が 無駄な 公共 資本の 建設 や整備 に向 けられ た 場合、民間 部門の生産 性を向上さ せることは ないので、 中国か ら の 援助によっ て受入国の 国民所得は 減少する可 能性が高い 。すな わ ち 、中国の援 助が単に中 国からの労 働や資本、 あるいは中 国の政 治 家 に移転され ただけの効 果しか持ち 合わせない のである。 例えば 、 榎 本(2017)は、中国の援助によって整備されたスリランカのコロ ン ボ港やハン バントタ港 や新しく建 設されたマ ッタラ・ラ ジャパ ク サ 国際空港が 十分に利用 されていな い実態を紹 介しており 、その よ う な 場 合 に は ス リ ラ ン カ の 国 民 所 得 は 向 上 し て い な い と 考 え ら れ る。 3 生産要素の受入割合と受入国の国民所得 次 に、受 入国 の公共 資本 が、中 国か らの労 働と 資本だ けで なく、 受 入国の労働 や資本を使 って生産さ れる場合を 考えてみよ う。こ の 場 合 は

0

 

1

で あ り 、 中 国 か ら の 労 働 と 資 本 に 対 す る 支 払 額 は

( , )

c w r G

と な り 、 受 入 国 の 労 働 と 資 本 に 対 す る 支 払 額 は

(1

) ( , )

c w r G

と な る 。 こ こ で 、

c w r

( , )

は 受 入 国 内 の 賃 金 と レ ン タ ルで評価した公共資本の単位費用(関数)を表している。 ま た、中 国か らの援 助は 中国か らの 労働や 資本 と中国 の政 治家へ

(17)

の支払いに充てられる仮定してみよう18。この時、中国からの援助額 は、

{ ( , )

}

T

c w r

z G

(19) となる。 受入国の国 民所得は、 最終財と公 共資本の生 産において 国内の 生 産 要素(労働 と資本)に 支払われる 金額から一 括税を差し 引いた 金 額 となる。国 内の民間部 門で使われ る生産要素 に対しては 、上述 の GDP 関数

R p p L K

( , , , )

 

1 2

 

が支払われる。また、公共資本の生産に用い られる受入国内の労働や資本への支払いは

(1

) ( , )

c w r G

となる。受 入 国の政府は 、公共資本 の総費用の うち自国の 労働と資本 への支 払 い分だけを負担すればよいので、一括税の総額M は

(1

) ( , )

c w r G

と な る。公共資 本の生産に 用いられる 受入国内の 労働や資本 への支 払 い 分と一括税 の額は等し いので、受 入国の国民 所得は国内 の民間 部 門で使われる生産要素への支払いのみで表され、 1 2

( , , , )

I R p p L K

 

 

(20) となる。 そこで、中 国からの援 助が受入国 の国民所得 に与える影 響を検 討 し て み よ う 。(19 ) 式 か ら

G T

/ { ( , )

c w r

z

}

と な る の で 、

( /{ ( , )

})

i i i

p

p h T

c w r

z

L L

  

(1

)

a T

LG

/{ ( , )

c w r

z

}

(1

)

KG

/{ ( , )

}

K K

  

a T

c w r

z

と表すことができる。これらの点に 注意して、(20)式を中国の援助 T で微分すると、

18 公共資本の生産費用の水増し分の一部を受入国の政治家が受け取るとして分析する ことも可能である。

(18)

1 1 2 1

/

{ (

/

)

(

/

) (1

) ( , )}/{ ( , )

}

dI dT

p X

 

G

p X

  

G

c w r

c w r

z

(21) を得る。(21)式の分母は正の値であるので、中国の援助が増加した 時 に受入国の 国民所得が 増加するか どうかは、 分子の符号 に依存 す る。 援 助 の 第 1 の 効 果 は 、 先 の ケ ー ス と 同 様 に 、 1

(

1

/

)

2

(

1

/

)

p X

 

G

p

X

G

で表されている。受入国の公共資本がすべ て中国からの労働や資本で生産されているとすると、

1

なので、 分子は

p X

1

(

1

/

G

)

p

2

(

X

1

/

G

)

となる。その場合には、やはり入札 で 汚職があっ たとしても 、援助によ って生産さ れる公共資 本が民 間 の いずれかの 部門の生産 性を向上さ せるとすれ ば、この分 子の値 は 正 となり、援 助は受入国 の国民所得 を増加させ る。しかし 、その 公 共 資本が無駄 な施設など の建設であ った場合に は、援助を 受け入 れ ても受入国の国民所得は増加しない。 援助の第2 の効果は、

 

(1

) ( , )

c w r

によって表されている。公共 資 本 の 生 産 に お い て 受 入 国 内 の 労 働 や 資 本 も 使 わ れ る 場 合 、

0

 

1

なのでこの 項が現れる 。援助が行 われて公共 資本の生産 の 増 加がすると 、それまで 受入国の民 間で用いら れていた労 働や資 本 の 一部を公共 資本の生産 に投入しな くてはなら い。その結 果、民 間 部 門で投入さ れる労働や 資本が減少 し、最終財 の生産額が 減少し て し まうのであ る。仮に、 援助によっ て生産され る公共資本 が民間 部 門 の生産性を 向上させる としても、 受入国内の 労働や資本 を用い た 場合の公共資本の単位費用あるいは平均費用

c w r

( , )

が大きければ 、 援助が受入国の国民所得を引き下げてしまう可能性もある。 も し、公 共資 本の生 産が すべて 中国 からの 労働 や資本 を用 いて行 われるならば

1

となり、この第2 の負の効果はなくなる。すなわ ち 、インフラ 建設や整備 の際に、国 内の労働や 資本が必要 なので 、

(19)

民 間部門の生 産を圧迫す ることがな いのである 。中国の援 助の特 徴 と 考えられて いる対外工 事請負や対 外労務協力 に対して批 判的な 考 え 方も存在す るが、経済 的な考慮だ けをするの であればそ れらが 良 くないとは言えない。 ま た、本 稿の モデル では 、受入 国に おいて 労働 が完全 雇用 され、 ま た 資 本 の 遊 休 設 備 が な い よ う な 均 衡 の 状 態 を 想 定 し て い る 。 も し 、受入国に おいて失業 が存在し、 公共資本の 生産の増大 に伴っ て そ こでの雇用 が増えるの であれば、 このような 効果は生じ ないか も しれない。

五 おわりに

本稿では、 いわゆる「 四位一体」 型の政府開 発援助が受 入国の 国 民 所得に及ぼ す影響を理 論的に分析 した。その 結果、援助 によっ て イ ンフラが整 備され、受 入国の民間 部門の生産 性が向上す るとし て も 、受入国の 国民所得が 低下してし まう可能性 があること を指摘 し た 。そのよう な事態は、 供与国が受 入国のイン フラ整備の ための 費 用 (水増し分 を含む)を 一部しか負 担しない場 合や、受入 国がイ ン フ ラ整備に用 いられる生 産要素の一 部しか供与 国から調達 しない 場 合に生じうる。 逆 に、経 済学 的な観 点か らのみ で判 断すれ ば、 インフ ラ整 備の費 用 をすべて供 与国の援助 によって賄 い、その整 備のために 投入さ れ る 労働や資本 も供与国か らすべて調 達する方が 、受入国の 国民所 得 を増大させる可能性が高い。「四位一体」型の援助に対して批判的な 考 え方も存在 するが、本 稿で想定し たような経 済環境にお いては 必 ずしもそれは悪いわけではない。 もちろん、「四位一体」型の援助が受入国の国民所得を高めるため に は、それに よって作ら れたインフ ラが受入国 の民間部門 の生産 性

(20)

を 高めなくて はならない 。生産性を 高める産業 は輸出産業 でも、 輸 入 産業であっ てもどちら でも良いが 、民間部門 に利用され ないよ う な インフラを 整備しても それは国民 所得の増大 にはつなが らない 。 援 助の形態の 問題のみな らず、援助 によって実 施されるプ ロジェ ク トの有効性を考えることが重要である。その意味で、「四位一体」型 の 援助を受け 入れる際に 、どのよう なインフラ 整備をする のかに つ いて、その内容をきちんと精査することが望ましい。 本稿では「 四位一体」 型の援助の 特徴を捉え た非常に簡 単な経 済 モ デルを用い ているため に、ここで 取り上げら れなかった 重要な 側 面 もある。今 後の研究に おいて、受 入国におけ る失業の存 在、供 与 国 と他国の援 助国とのコ ンフリクト 、援助によ るインフラ 整備と 海 外 からの直接 投資など、 経済学的に も重要な視 点を入れて 分析を 行 う 必要がある 。また、政 策提言を行 う上では、 理論的な分 析のみ な ら ず、実証的 な分析を追 加すること も必要であ る。本稿は それら の 研 究につなが る基本的な 枠組みを提 示しており 、本稿の枠 組みを さ ら に拡張して いくことで より包括的 で精緻な分 析が可能で あると 考 えられる。これらの研究は今後の課題としたい。 (寄稿:2017 年 10 月 31 日、採用:2017 年 12 月 4 日)

(21)

政府開發援助之經濟學分析

―以中國模式的援助為中心―

部 顯 三

(大阪大學大學院經濟學研究科教授)

【摘要】

本 文從 經濟學 理論 的觀點 分析 政府開 發援 助對於 受援 國之國 民所 得 的影響。尤 其,為了釐 清存在於中 國的獨特「 四位一體」 型之援 助 特 徵,援助國 針對受援國 的公共資本 (基礎設施 )進行建設 與維護 援 助 之際,針對 其建設與維 護時所動用 之援助國勞 動力與資本 建構經 濟 模型,並運用包含公共資本中生產的GDP 函數進行援助的分析。本研 究 發 現 , 即 便 藉 由 政 府 開 發 援 助 而 使 受 援 國 的 基 礎 設 施 得 以 整 頓 完 備、民間部門的生產力提高,卻仍有可能導致受援國的國民所得降低。 上 述情況於政 府開發援助 僅負擔受援 國維護基礎 設施所產生 的一部 分 費 用(包含浮 報之部分) 時;或是援 助國僅提供 一部分維護 基礎設 施 所須使用的生產要素(勞力或資本)時,可能產生。此外,研究顯示, 除 了援助型態 的問題之外 ,考慮因援 助所實施計 畫之有效性 也是很 重 要的。 關鍵字:援助、公共資本(基礎設施)、對外承包工程、對外勞務合作、 GDP 函數

(22)

An Economic Analysis of Official

Development Assistance: The Chinese Model

Kenzo Abe

Professor, Graduate School of Economics, Osaka University

Abstract】

This article undertakes an economic analysis of the impacts of official development assistance (ODA) on the expansion of national income in recipient nations. In particular, it seeks to explain China’s unique ‘Four in One’ model of assistance. To do this, it presents an economic model under which ODA is provided to build and improve public capital (infrastructure) using donor nation labor and capital, and employs a GDP function that includes production of public capital. This analysis reveals that, while ODA projects to improve infrastructure may raise the productivity of the private sector in recipient nations, there is potential for reduced national income overall. This potential is generated in circumstances where ODA only covers part of the expenditure related to infrastructure improvement (including floating costs), or where recipient nations only provide part of the factors of production (labor and capital) used in these projects. Besides the issues associated with ODA models, these results demonstrate the importance of considering the effectiveness of each official assistance projects.

Keywords: development assistance, public capital (infrastructure), overseas

construction contracting, foreign labor cooperation, GDP function

(23)

〈参考文献〉 阿部顕三「対外援助と公共的中間財」近藤健児・藪内繁己編『現代国際貿易の諸問題- 環境、対外援助、国際間要素移動と不完全競争-』(中京大学経済学部付属経済研 究所、2007 年)、64~79 ページ。 大野泉「中国の対外援助と国際援助社会-伝統的ドナーとアフリカの視点から」『中国 の対外援助』(日本国際問題研究所、2012 年)、1~19 ページ(http://www2.jiia.or.jp/ pdf/resarch/H23_China/H23_China_AllReports.pdf、2017 年 10 月 1 日閲覧)。 榎本俊一「中国の一帯一路構想は『相互繁栄』をもたらす新世界秩序か?」RIETI Policy

Discussion Paper Series 17-P-021 ( 2017 年 )( http://www.rieti.go.jp/jp/publications/ pdp/17p021.pdf、2017 年 10 月 1 日閲覧)。 小林誉明「中国援助に関する「通説」の再検討-伝統ドナーからの乖離と途上国への開 発効果」『中国の対外援助』(日本国際問題研究所、2012 年)、21~33 ページ (http://www2.jiia.or.jp/pdf/resarch/H23_China/H23_China_AllReports.pdf、2017 年 10 月1 日閲覧)。 小山直則「アジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加要因について」『問題と研究:ア ジア太平洋研究専門誌』第45 巻第 2 号(国立政治大学国際関係研究センター、2016 年)、73~104 ページ。

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(24)

參考文獻

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