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パブリックスピーキング

第四章 「わ」の用法・意味分析

4.2 フォーマル場面における「わ」

4.2.1 パブリックスピーキング

パブリックスピーキングにおける「わ」の使用は以下のよう に示す。

5-12場面説明:女性大生に対する悠里がの講演会である。

テーマは「現代を生き抜く女性論」である。

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1Y それが、男よ。男子は弱いわよ。(中略)それなのに 最近の子は、自然体だの、自分らしくだの、要は、逃 げ道用意しているようにしか私には聞こえない。原因 は何だと思うか考えたわ。

悠里自分が男女関係のことについて男性の弱い原因を示す。

それは主な内容が悠里の考えを述べているが、「わ」が使われた 文はただ過去の動作を相手に示すことで、主張度が弱い用法で ある。意味は「考えた」という動作の完了である。

6-12 刑務所 場面:早乙女ファミリー(悠里、悠里の夫、洸、

廉、晶)演奏会の後、悠里が刑務所の人への講演 1Y まだよ、まだ言い足りないわ!!

この場面はパブリックスピーキングに分類した。聞き手は刑 務所の人であったが、話を進めれば進めるほど刑務所の人の反 応が激しくなって、悠里の主人が安全のため彼女を連れて行こ うとすると悠里はまた話を続けたいと言う意志を伝えた。つま り、この場面における「わ」は自分の考えを表わすもので主張 度が強い用法である。

6-12 場面説明:刑務所 場面:早乙女ファミリー(悠里、悠 里の夫、洸、廉、晶)演奏会の後、悠里が刑務所の人への講演 1Y かつてこの国でも島流しという罰があったわ。私が現

代でもそうするべきだと思っています。

ここではこれから展開していきたい内容を前提として相手に 提示している。自分の考えや判断が入っていないことから見れ ば主張度が弱い用法と判断できる。

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4.2.2 職場での談話

職場での談話における「わ」の使用は以下のように示す。

1-2 場面説明:悠里が社長の身分で、自分の秘書を選ぶ面接官 として応募者に質問している場面である。

1Y あなたはもういいわ。帰って結構。初めに私言ったは ずよ。時間はあまりないと。正直あなた達の答えなん てどうでもいいわ。秘書は、自己主張の強い人間は向 いていないわ。

ここは悠里が自分の秘書を募集している場面である。いくつ かの質問をし、応募者の応答を採用するかどうかという基準で 判断した。「わ」が使用された三つの文は悠里の応募者に対する 判断である。話の内容によって、自分の秘書に向いているかど うかという判断をするわけである。「わ」の用法は主張度の強い 用法である。

1-4 場面説明:悠里と丈治がさっき入ったクレーマの電話につ いて話している。

1J 2Y

またあの女か。

仕方ないわ。耳に痛い言葉には必ずクレーマーが出て くるものだから。

電話をかけ続けているクレーマーの聖子に悠里はどうしよう もない気持ちで「わ」を使ったと判断した。それは悠里自分な りの考えであり、主張度の強い用法に属している。

1-6 場面説明:悠里が丈治にリカを紹介する。

1Y 丈治。紹介するわ。新しい私の秘書。

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これは丈治とリカの初面会の場面である。悠里は 1Y でこれか らの動作を示しながら、話の内容を展開していくと相手に示す と見られる。ここでの「わ」は主張度が弱い用法である。

1-16 場面説明:失恋で太ったエステティシャンの部門のスタ ッフ千恵子が悠里のところに来た。

1Y 構わないわ、そんなこと。

社員を解雇しようとする悠里はリカの意見を受け入れなく、

わがままで自分の最も主観的な意見を示す。「わ」は発話者自分 なりの考えを示す主張度の強い用法である。

2-4 場面説明:あくる朝、悠里のもとに、聖子からまたクレー ムの電話が入った。

1Y 名前が言えないなら、幽霊と一緒ですね。申し訳ない けど、存在しない人の言葉など、耳には届かないわ。

迷惑電話に耐えられない悠里は直接に相手から名前を聞いた。

そこで相手の返事を聞き出そうとしている。自分にとっては名 前が言えない人には存在しないという考えを相手に示す。そし て存在しない人が言っていることは耳に届けないという判断が 主張度の強い「わ」であると判断できる。

4-7-1 場面説明:リカから報告を受けた悠里は怒りに震え、

全社員をロビーに集めるよう、丈治とリカに指示した。

1Y 家にいるのが苦しくて、パチンコ店に逃避していたら しいわ。その間だけは、忘れる事が出来た。ええ。そ うね。だから何?そんなことは理由にならない。事実

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彼女は息子を死なせてるわけだから!・・・言われる までもないわ。

最初の「わ」では前にある「らしい」から発話者自分の判断 だと明らかになった。それは主張度の強い「わ」である。次の 文では悠里でも当事者でもなく第三者の判断だと思われる。当 事者は事情があるとしても第三者の立場からは許さないことに 決まっているという判断をした。その第三者が気持ちを示すの は「わ」の主張度の強い用法である。

4-7-2 場面説明:悠里は全社員をロビーに集め、相馬が死な れた子供を病院へ送って偶然と出会った話をしている。

1Y 私は・・・死んだらいけない、それは楽になることだ から決していけない!生きて生きて、毎日毎晩苦しま なければいけない。それ程、あなたの罪は大き

い!・・・彼女は、その言葉に、初めて反応したわ。・・・

それから彼女は、私の下で働く事になった。

この場面は全体を見れば内容が過去のこと見られる。戸惑っ ていた相馬さんが悠里の言葉に反応してくれたということは過 去の事実である。そこで「わ」の使用は知的内容であり、主張 度の弱い用法である。

11-3 場面説明:リカが悠里と会うために、ある部屋に入っ た。

1Y 秘書は私に一番近い、プライベートさえ覗き見ること もある。決して裏切らないという安心感をもたらすこ とが、最大のテーマにならなきゃいけない。それは、

正しいとか正しくないとかいう次元ではない。懐刀と

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2R

言われる仕事よ。持ってる主を刺すなんてあり得ない わ。仰るとおりです。秘書じゃなければ、こんなに責 めたりしないわ。

・・・はい。

この場面では悠里にとって秘書の仕事についてはどんな意味 があるかという彼女自分の考えを示している。特に悠里は秘書 が決して上司を裏切らないという特質をもっていると考えてい る。二回目の「わ」の用法は同じであって、むしろも悠里の心 の中ではリカが大切な存在だと認識している。以上を踏まえ、

この場面における「わ」の使用は二つとも主張度の強い用法で ある。

4.2.3 しめくくり

フォーマル場面における「わ」の出現回数と場面における使 用状況を以下の表に示す。

表 4. 1、フォーマル場面における「わ」

場面/「わ」の用法 主張度の強い 主張度の弱い パブリック

スピーキング

1 2

職場での談話 8 2

場組の出演・

インタビュー

なし なし

総計 9 4

1.「わ」を使用する発話者はすべて四十代の女性で「GOLD」の ヒロイン―早乙女悠里である。

2.各文で使われる「わ」は談話内容によって意味が違う。

3.「わ」が使用されるフォーマル場面は十一の場面である。そ の中で、十五個の「わ」が出現している。

4.一番多いのは職場での談話である。使用対象は発話者の部下 である。それは上司が部下に対して明確的に自分の判断や考え を示すという機能が考えられ、管理者の役割である。

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5.パブリックスピーキングにおける「わ」の使用は三つしか見 られないが、主には主張殿弱い用法である。その状況から見れ ば、話しては多数の聞き手に対して強く自分の判断や考えを示 さないと考えられる。

6.第三章の考察結果に沿って番組の出演・インタビューにおけ る「わ」の使用が見られない。それは多数の視聴者に対する談 話内容の中立性を保つと考えられる。

7. フォーマル場面を全体的に見れば主張度の強い「わ」が多い。