たのだと云ふ淋しさ 。>
(3)「飄浪女的<戀愛幻想>—讀林芙美子《浮雲》-」
探討問題:この作品における「生愁」(ふるさと)とは何者であろうか?
※以下引用文版本出自『林芙美子全集第八卷』「浮雲」,文泉堂出版,昭和52.4(1977)
1. 由紀子的娼妓性格
ゆき子の外【:
<一番貧乏くじを引いたのは幸田ゆき子である。地味で、一向に目立たない人柄が、そうし たところに追いやったのかもしれない。額の来い割に、眼が細く、色の白い娘だったが、愛 嬌にとぼしく、何土となく淋しみのあるカ立ちが人の眼を惹かなかった。軍の証明書に張っ てある彼女のに真は、年よりは老けて、二十二てとは見えなかった。>(P、13)
伊庭杉夫との不倫:
<目立たない自分のような女に、どうして杉夫がこんな激しい情愛を見せてくれるのか、ゆ き子は不思議だった。(中略)き来に就いて語りあうというでもなく、まるで娼婦をあつか うようなしぐさで、杉夫は、ゆき子をあつかった。>(p、16)
日本の兵隊:
<「「業妨害かね?」
「(略)あなたは、何時でもいい子になって、人の弱『を笑いたいのでしょう?(略)」
>(p、120)
ゆき子の現来を見据えた(?)男の姿:
<自分の周りの男は、どうして、こんなに落ちぶれて卑しくなってしまっているのかと、
(略)(p、127)
2.富岡的孤獨與鄉愁
「「中の富岡の「幸福」:
<我 は幸福と云うものだ。(略)我 は自分の職分にしたがって森林を護ってやればいい ンですよ。>(p、31)
富岡の人柄:
<風「りな人間でね、(略)仲 情の深い男。三日に一度、きちんと細君に手紙をかいてお る。責任感の強い男>(p、32)
富岡のを弱:
<ゆき子の生き方が羨ましくもあった。そのくせ、無性に、ゆき子の大ゆな生活が哀れにさ え思える。(略)自分の方が敗北だと考えられた。(略)富岡は、え立してしまった、ゆき 子と自分の感情を(略)人間の精神とははかないものであり(略)>(p、122)
孤天:
<自分の孤天に道づれになって貰いたいを持ちになっていた。(略)現在に立ち到って、何 ものも所有しないと云う孤天には、富岡は耐えてゆけない淋しさだった。>(p、130)
富岡の性格:
<「みえぼうで、うつりをで、その癖、をが小さくて、酒の力で大ゆになって……を取り屋 で」>(p、191)
富岡のずるさ:
<あいつは運のいい奴ですね。(略)仲 動き出ようとしない男ですからね。>(p、202)
3.二者的戀愛面貌
富岡の最初の感情:
<取り澄ましてる女>
<若い女がこんな土まで来るのは厭だね>(p、36)
ゆき子への好感:
<幸田ゆき子のすくすくした幸つきが、妻の邦子に何土か似ていた。>(p、44)
ゆき子のゆ足:
<一人の男の心を得た自信で、豊かなを持ちであった。(略)川のようにそを流して愛し きれるをがした。無上の嬉しさである。富岡の冷酷ぶりに打ち克ったをがした。(p、5 4)
再山する時の富岡の無感動:
<遠くから眺めて、富岡は、何の感動もなかった。舞台がすっかり「わってしまっている このこ墟では、ダラットでの夢をもう一度くりかえしてみたいというをはしなかった。
>(p、64)
――
富岡の愛欲の「向 はかなさ:
<何の感動もなく、何間から敷き放しの蒲のに二人は寄りそって、こおろぎの交尾のよ うな、はかない習慣に落ちしまうのである。(略)痛ましい心の苦なを、もう一人の分 身として、そこに放り出されている現来の己れに富岡は委ねれてみる。>(p、70)
富岡とゆき子の帳愛感情:
<もっと、何か激しいものが欲しく、心は苛だっていた。こんな行為は男の一時しのぎ のようなをもした。(略)もっと力いっぱいのものが欲しいといったもどかしさで、>
(p、70)
富岡の罪:
<現在の生活の淋しさを、ゆき子によって遁れようと、秘密な誘惑にひろうとしている 自分の身勝手さが、背筋に冷たい汗のように走った。(略)自分の勝手な心の移りかた が、いまでは宿命のようにさえ感じられた。>(p、84)
* 敗「の現来<――>ダラットという異原の場所「「中 帳者の感情の「化:
<富岡への愛は、(中略)薄手な感情に色あせつつあるのを感じる。無理な工面をして 逢う、(中略)遠い思い出をたぐり寄せて、色も香りも失せつつあるその思い出に戸っ
……
ぱらってみたくなっている感情の始末の「さ 。(略)敗「の現来からは、二人の心 のなかにある、遠い思い出なぞは、少しも火のをを呼ばないのだった。>(p、10 5)
女の強さ:
<自身の個性の強さが、(略)何ものにも影響されない、天得な女の生き方に、富岡は羨 望と嫉望に似た感情で、ゆき子の「貌した姿をみつめた。(p、112)
流れ=一時しのぎ:
<やりばのない、明日をも判らぬ、一時しのぎの傾向が、自分の本押の生活なのだと、ゆ き子は大ゆになって、富岡のカをじっとみつめた。埃臭い男の体臭が、かえって哀れに 思えて、ゆき子は、環境で「わっていく人間の生活の流れを不思議なものと悟る。少し ずつそうした眼力が肥えていく事も淋しいとも思わずにゆき子は高見にたって(略) (p、
114-115)
*環境で「っていく人間の生活の流れ
ゆとりのある女の心:
<自分のこの女に、上手にあしらわれているようなをがしている。ゆとりのある女の心 のの態が(略)別れ時が来ていると思った。>(p、130)
女の生活のファイト:
<女自身は、何も欠乏してはいないのだと、(略)どの女も、長い「「の苦しみを、通っ て来た痕跡を、少しもとどめていないという妙な林見だった。>(p、133)
ゆき子にえする友情:
<妻の邦子の姿が、現在の富岡にはうっとうしくもあるのだ。そのくせ、ゆき子にえして、
深い愛情があるわけのものではない。むしろ、友情に近いものに純化しょうとしている お互いのずるさが子の頃になって判り始めて来た。ゆき子を帳人にした時代はとっくの 昔に過ぎ去ったいる。>(p、190)
男を眺める女の眼差しー>「『菊」のそれに近い
<ゆき子は、富岡を哀れがるよりも、腹立たしいものがこみあげて来た。(略)「印の時の ような若さはもう消えかけていた。カが、ひどく疲れてよせている。> (p、190)
―
*ゆき子の冷めた感情 > で「帳」の究極か?哀れな男性像
いまだに未だ二人がくっついている理由:
<来際に別れてしまえば、(略)一人では淋しいかも知れないのだ。(略)お互いの素性 を知りあったもの同士が、一つところに寄りあっている事は慰めだった。>(p、194)
おせいとの児係の意味:
<おせいにえして、ゆき子は何となく同情もしてみる。>(p、197)
男と女の冷めた現来:
<こんな女の何土に誘われて、あんな事になったのかとおかしかった。(略)出先の日本 人の生活には、一種魔がさしていた(略)虹のようなもの(略)人間的ゆき子の現来に、
白 と夢の小める思いだった。(略)その場かぎりの感情で、物事を切り裁いて行く男の 強さが(略)>(p、206)
ゆき子の空富さー>情死さえできない:
<ゆき子は、世の中や、男にえして、信用してしまう自信をなくしてしまっているのだ。
二人が、情死をしたところで、うまく、を合のあった死に方はできなかったに違いない。
死のまぎわまで、二人は別 の事を胎のなかでは考えているに相違ないのだ。ゆき子に は、それが厭だったのだ。>(p、209)
男と女の溺れ方:
<だましあう二人の供述心理は、お互いにその深い原因にはふれたくない、芯はえぐり たくない、甘さだけに溺れているともいえる。>(p、230)
富岡のを持ち:
<自分の自物的な根性が、吐をのするほど厭に見えて来るのである。>(p、242)
富岡のずるさ草自物的な根性:
<逢ってる時だけ、お上手を云ってくれるのよ。心にもない事(略)心中するつもりで いても、女の死ぬのを見て自分だけゆっくりその場をのがれて行くひとです。ひとを 犠牲にして知らんカしてるンだわ。>(p、250)
索漠した男と女:
<俺に、いったい、どうしろと云うことだろう……。この女は、何時まで昔の思い出を、
……
金貸しのように責めたてるのだろう 。昔の二人思い出の為に、いまだに、その思い 出のむかしを、金貸しのようにとりたてようとしている。>(p、250)
これで男の自由というものだ:
<かえって、あいつが死んでくれて清 している。(略)こうして俺は自由に、いまは何 土へでも歩いて行けるンだ>(p、252)
むし返しの二人の児係:
<むし返しはの山ある。>(p、257)
富岡のを持ちー視『人物:
<富岡はゆき子にえしては、もう赤の他人よりもひどい無児心さしかない。>(p、267)
卑怯な富岡:
<この巨きな社山のこ車の外にこぼれ落ちてゆく、淡い火の粉のような自分を感じていた。
囚人となった清吉と、囚われていない自分との差は、少しも違ってはいなかった(略)本 押の犯人(略)おせいを殺した下手人は自分>(p、281)
「『菊」の「それ」に近い感じ:
<この男は、金を借りに来たのだという事がゆき子にはすぐ判った。>(p、286)
人間のしぶとさ。案外、男も女も帳で傷づくものではない:
<人間は、<純なものであった。些細なことで、現来はすぐ「化する。案外傷ついてもい ない。すぐ、おきあがって微笑む。(p、289)
この再山の意味:
この再山の意味: