1.3 CIM の効果的な活用方法
1.3.2 CIM 導入の活用例
国土交通省では、平成24 年度から CIM 試行事業を開始し、平成 27 年度までに 165 件の業務、工 事で試行を行っている。試行を通じて特に効果が認められた活用例を示す。
(1)設計段階での活用例
設計段階での試行を通じて特に効果が認められた活用例と活用イメージを示す。
表 1 平成 27 年度 CIM 試行事業(業務)で効果が認められた活用項目・検証内容
出典:国土交通省 第 9 回 CIM 制度検討会資料 1)可視化による関係者協議の迅速化、合意形成の迅速化
地元説明会等の場で、計画内容を3 次元モデルや立体模型によって説明することで、関係者との 理解促進が図られ、結果、合意形成の迅速化に寄与することができる。
図 8 可視化による協議打合せの円滑化イメージ
出典:国土交通省 第 7 回 CIM 制度検討会資料
第1 編 11 2)数量算出作業の効率化
地形情報を3 次元化しておくことで、施工予定区間内の切土・盛土の土量を自動的に算出するこ とができる。
図 9 3 次元化による数量自動算出イメージ
出典:国土交通省 第 7 回 CIM 制度検討会資料
構造物の3 次元モデルを作成し、構成部材毎に材料に関する情報を属性情報として付与しておく ことで、部材や材料毎の数量を自動的に算出することができる。
図 10 属性付与による数量自動算出イメージ
出典:国土交通省 第 7 回 CIM 制度検討会資料
第1 編 12 3)可視化による景観検討の効率化、協議打合せの円滑化
景観検討において、複数の構造の3 次元モデルを作成することで、様々な角度から景観性を比較 することができる。また、地元との円滑・迅速な合意形成に活用することができる。
図 11 可視化による複数の景観確認イメージ
出典:国土交通省 第 7 回 CIM 技術検討会資料
4)可視化による照査作業の効率化
2 次元図面を 3 次元モデル化することで、図面では気づきにくい不整合箇所を瞬時に確認でき、
照査作業の効率化が図られる。
図 12 可視化による照査作業の効率化イメージ
出典:国土交通省 第 7 回 CIM 制度検討会資料
第1 編 13 5)将来の点検・補修作業を想定した検査路の動線検討
桁端部においては、端横桁や支承で囲まれる狭隘な空間となることや制振ダンパー等の橋梁付属 物が設置されることを踏まえ、将来の維持管理における点検作業や点検動線を可視化し、補修作業 のイメージ等を設計段階において検討することで、維持管理時に非効率となることを未然に防止す る。
図 13 橋脚廻り検査路における点検動線確保の検討イメージ
出典:国土交通省 第 7 回 CIM 制度検討会資料 検査路の動線を
ウォークスルー機能で確認
第1 編 14
(2)施工段階での活用例
施工段階の試行を通じて特に効果が認められた活用例と活用イメージを示す。
表 2 平成 27 年度 CIM 試行事業(工事)で効果が認められた活用項目・検証内容
出典:国土交通省 第 9 回 CIM 制度検討会資料
1)施工対象可視化による安全管理の向上
施工手順を3 次元で可視化することで、危険作業・箇所の事前確認を行う。
図 14 施工手順可視化による KY 活動イメージ
提供:株式会社大林組
第1 編 15
施工計画時に、3 次元モデルにより施工対象と(特別高圧警戒範囲等の)周辺環境の関係が把握 しやすくなることで、安全性が向上する。
図 15 特別高圧警戒範囲の確認イメージ
出典:前田建設工業株式会社 公表作成資料
2)施工計画検討、施工手順計画・工程管理の効率化
設計段階で作成された3 次元モデルを施工段階(時間軸)で表現することで、施工手順、数量が 可視化され、施工手順の確認や工程管理が効率化される。資材、機材調達の効率化、最適化にもつ ながる。
図 16 3 次元データ+時間軸による工程管理イメージ
提供:一般財団法人先端建設技術センター
第1 編 16 3)出来形管理
計測機器と連携し、出来形情報を3 次元モデルに反映、設計データとの比較を可視化できる。数 量算出、設計変更対応等の迅速化が図られる。
図 17 出来形管理、数量自動算出イメージ 4)鉄筋干渉チェックによる設計照査の効率化
鉄筋に関する3 次元モデルを作成し、鉄筋間が干渉しているか否かの確認を容易に行うことがで きる。
図 18 可視化による干渉確認イメージ
出典:国土交通省 第 7 回 CIM 制度検討会資料
第1 編 17
(3)維持管理段階での活用例
維持管理段階では、図 19 に示すようなGIS 等を情報基盤として、調査、設計、施工の各段階で 作成された各種データ(3 次元モデル、属性情報等)を一括管理し、関係者間のデータ共有・活用を 図るような活用イメージが考えられる。
事務所で管理する路線を対象とした GIS のベースのプラットフォーム(図 19 の①)を構築し、
そこから各構造物のCIM モデル(図 19 の②)の立ち上げを可能にすることで直感的な情報検索が 期待できる。
維持管理段階で活用する②の各構造物のCIM モデルは、調査・設計・施工段階で作成した各 構造物のCIM モデル(図 19 の③)に設計・施工段階で作成された報告書、図面、工事記録 等の維持管理段階に必要な属性情報を付与して構築する。
さらに、各構造物のCIM モデル(図 19 の②)に維持管理段階で作成・更新する点検記録と ともに既存維持管理DB(図 19 の④)の記録を 3 次元モデルに紐付け、日常的に情報の集約・
統合を図ることで、維持管理情報の一元管理とともに資料検索等の業務効率化が期待できる。
今後は、点検・診断に関する新たなICT 技術によるデータ蓄積、また 3 次元モデルを活用し たFEM 解析、劣化予測等に応用していくことで、高度な活用が期待できる。
図 19 管内図をプラットフォームとした維持管理のイメージ(トンネル CIM モデルの場合)
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④
②
①
第1 編 18