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表 4 における「その他」の品詞分け

2.2 先行研究と問題点

2.4.1 表 4 における「その他」の品詞分け

立 政 治 大 學

N a tio na

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る頻度の高い語を分類し、その共起傾向を表 1 のようにまとめたが、そのよう な傾向は、いったいどのようなことを反映しているのかについて述べていない。

また、使った資料は新聞と知恵袋のみで、コーパスの種類が限られている。本 稿は、現代日本語書き言葉均衡コーパスを通して集めた資料に基づき、「ぜん ぜん(全然)」と共起する使用回数の高い表現を示す。さらに、その共起傾向を 通して、副詞における「ぜんぜん(全然)」の位置づけについても述べてみる。

2.4「ぜんぜん(全然)」と共起する肯定表現の特徴及び傾向

「ぜんぜん(全然)」と共起する肯定表現の特徴は主として「程度性を持つ語 が多い」ということである。本稿はその語の「程度性の有無」を「程度副詞(相 当、かなり、ずいぶんなど)」と共起するかどうかということによって判断す る。たとえば、「足りる」という単語は、「相当/足りる」「かなり/足りる」「ず いぶん/足りる」などのように、程度を修飾する副詞と共起する。よって、「足 りる」という単語を「程度性を持つ語」と扱うことにする。

2.4.1 表 4 における「その他」の品詞分け

この節では、まず、2.3.2 節の表 4 の「その他」に分類された語をさらに品 詞で分類する。品詞は、語彙と文法の特徴による単語の分類である。文法上の 共通の特徴を持った単語のグループのことを品詞というが、本稿では、表 4 の

「その他」に分類された語を「ぜんぜん(全然)」と共起する場合の品詞的特徴 によって分類する。たとえば、「アリ(あり)」のような、動詞の連用形からな った単語を品詞で分類する時には、用例の中でどのような品詞として機能が働 いているのかによって分類する。以下示した例のように、「アリ(あり)」はそ れぞれの用例の中で、「名詞」として機能が働いている。したがって、「アリ(あ り)」は「名詞」のグループに分ける。

◎「アリ」:

(5)2人きりの時は全然アリだと思います。 (Yahoo!知恵袋)

‧ 國

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l C h engchi U ni ve rs it y

(6)うどん・そばならパスタなんかより全然有りでしょう!(Yahoo!知恵袋)

(7)見るまではキャストが納得いかなかったけど、全然ありですね。

(Yahoo!知恵袋)

以下、便宜のため、表 4 の「その他」に分類された語を再掲し、「ぜんぜん(全 然)」と共起する場合の品詞的特徴によって分類したものを表 6 にまとめる。

[表 4] 「ぜんぜん(全然)」と共起する肯定表現のグループ分け

(その他の部分のみ再掲)

その他

OK、平気、いい、大丈夫、普通、まし、アリ、

ある、いける、安い、余裕、同じ、同O/同OO、

まとも、強い、凄い、元気、綺麗、新しい、

新しき人、一致する、楽、おいしい、早い、静か、

かわいい、かわいらしい、かっこいい、慣れる、

~やすい、~たい、~直す、一般的、優しい、

楽しい、甘い、暖かい、若い、高い、でかい、

うまい、ちっちゃい、派手、おしゃれ、びっくり、

けっこう、好印象、平和、幸せ、充分、可能、

公的、快適、初耳、赤ちゃん、当たり前、

すっきりする、ありえる、心得る、響く、行く、

言う、言える、いる、なる、従う、足りる、する、

できる、楽しめる、着られる、断れる、

走れる、使える、見(ら)れる、見える、

長持ちする、理解する、実現する、信用できる、

間に合う、似る

[表 6]「その他」の品詞わけ

‧ 國

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動詞

ある、いる、似る、なる、する、従う、足りる、響く、

行く、いける、慣れる、ありえる、心得る、言う、言える、

できる、楽しめる、断れる、着られる、走れる、使える、

見(ら)れる、見える、間に合う、信用できる

~直す(見直す、やり直す)

~する(一致する、すっきりする、びっくりする、理解する、

長持ちする、実現する)

形容詞

第一形容詞(イ形容詞):

いい、安い、強い、凄い、新しい、おいしい、

早い、かわいい、かわいらしい、かっこいい、

優しい、楽しい、甘い、暖かい、若い、高い、

でかい、うまい、ちっちゃい

第二形容詞(ナ形容詞):

OK(オーケー)、平気、大丈夫、普通、まし、

余裕、同じ、まとも、元気、綺麗、静か、

平和、一般的、派手、初耳、楽、おしゃれ、

けっこう、幸せ、充分、可能、公的、快適、

当たり前

第三形容詞(ノ形容詞):

同O/同OO(同意、同一物、同意見)、 好O/好OO(好印象)

文法的な派生形容詞:

~やすい(住みやすい、吹きやすい)、

‧ 國

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~たい(見たい、洗い去りたい)

名詞 アリ、赤ちゃん

表 6 は、「ぜんぜん(全然)」と共起する場合の品詞的特徴によって分類した ものである。以下では、表 6 の各品詞について説明する。まず、動詞について、

「~直す(見直す、やり直す)」という「動詞連用形+直す」の形で用いられ る複合動詞と、「~する(一致する、すっきりする、びっくりする、長持ちす る、理解する、実現する)」という「名詞/副詞+する」の形で用いられる「ス ル動詞」とも、動詞という品詞に分ける。

次に、形容詞をさらに、「第一形容詞(イ形容詞)」、「第二形容詞(ナ形容詞)」、

「第三形容詞(ノ形容詞)」と「文法的な派生形容詞」という下位種類に分け る。日本語学の研究において、「優しい」「楽しい」などのように、規定用法と 述語用法の「-い」、修飾用法の「-く」というパラダイムを持っている単語を、

「第一形容詞」いわゆる「イ形容詞」と扱われている。それに対して、「綺麗 な」「静かな」などのように、規定用法の「-な」、修飾用法の「-に」、述語用 法の「-だ」というパラダイムを持つ単語を、「第二形容詞」いわゆる「ナ形容 詞」と扱われている。さらに、「第三形容詞」という用語については、村木(2012)

の指摘によると、以下のようにまとめられる。

◎「第三形容詞(ノ形容詞)」:

「第三形容詞」あるいは「ノ形容詞」というのは、従来名詞あつかいされ てきた「抜群」「真紅」のような単語を形容詞の一部と見なされ、第一形

‧ 國

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容詞(イ形容詞)、第二形容詞(ナ形容詞)、第三形容詞(ノ形容詞)とい うように、形容詞の範囲をさらに広げるという見解である。第三形容詞(ノ 形容詞)というタイプの形容詞は、

①主語・補語にならない、

②連体修飾を受けない、

③後続の名詞を属性規定する、

④述語として用いられる、

⑤後続の動詞(ときに形容詞)を修飾する修飾成分として用いられる、

といった特徴をもっている。

①と②は、これらが名詞でないことを意味する。③④⑤は形容詞の特徴であ る。そして、「第三形容詞」、規定用法の「-の」、修飾用法の「-に」、述語用法 の「-だ」のパラダイムを持っているが、修飾用法である「-に」と述語用法で ある「-だ」のいずれかが欠けていることもある。ただし、名詞の格のパラダ イムである「-が」「-を」をしたがえないこと、連体修飾を受けないことを条 件とされている。また、このグループに所属する単語は合成語が多いという特 徴がある。本稿は村木(2012)の分類に従い、「同O/同OO(同意、同一物、同 意見)」と「好O/好OO(好印象)」といった一見名詞の分野に所属すべきな 単語を、「第三形容詞(ノ形容詞)」という形容詞の下位分類に分ける。

「文法的な派生形容詞」という分類について、高橋太郎(2003)は、「『よみた い』『よみそうだ』『よみやすい』『よみにくい』などは動詞に接尾辞をくっつ けて作られたものであり、動詞として名詞を格支配しながら、形容詞のパラダ イムによって活用するので、文法的な派生形容詞である」と指摘している。し たがって、「~やすい(住みやすい、吹きやすい)」と「~たい(見たい、洗い 去りたい)」を、「文法的な派生形容詞」というグループに分類する。

最後に、表 6 の名詞のところに「アリ(あり)」のような、動詞の連用形か らなった単語が配属されているのは、前述したようにそれらが用いられた用例 から見ると、「アリ(あり)」は「名詞」として機能を働かしているからである。

‧ 國

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以上では、「その他」の表現を品詞で分類し、そして、各品詞にどのような 下位分類があるかを説明した。続いて 2.4.2 節では、表 6 の動詞・形容詞・名 詞という品詞グループについて、それぞれの特徴を考察してみる。また、「ぜ んぜん(全然)」と共起する肯定表現には、共通的にどのような特徴があるのか についても調べてみる。

2.4.2 「ぜんぜん(全然)」と共起する肯定表現の特徴

表 6 の動詞・形容詞・名詞という品詞グループには、それぞれどのような特 徴があるのかについて調べた。まず、動詞のグループを見ると、以下のように、

可能表現(あるいは動詞の可能形)が多いということがわかる。

◎表 6 の動詞グループ:

可能表現か動詞の可能形:いける、できる、言える、ありえる、楽しめる、

着られる、断れる、走れる、心得る、慣れる、

使える、見える、見(ら)れる、信用できる

可能表現は、益岡・田窪(1989)によると、可能の意味をあらわす接辞‘(rar)

eru’が、動態動詞について状態動詞を作る。たとえば、「太郎は花子に会う。」 が動作の表現であるのに対して、「太郎は花子に会える。」は状態の表現である。

また、表 6 の動詞グループには、「ある、いる、似る」などのような存在な どの状態を表わす動詞もある。よって、表 6 の動詞グループの特徴は、可能動 詞・状態を表わす動詞が多いと言えよう。

また、「足りる、間に合う、響く、言う、従う」などの動詞は、たとえば「相 当/足りる(間に合う、響く)」「かなり/言う」「ずいぶん/従う」のように、程 度を修飾する副詞と共起できる。したがって、これらの動詞は程度性を持ち、

また、「足りる、間に合う、響く、言う、従う」などの動詞は、たとえば「相 当/足りる(間に合う、響く)」「かなり/言う」「ずいぶん/従う」のように、程 度を修飾する副詞と共起できる。したがって、これらの動詞は程度性を持ち、