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普通 1 0.0% 23 0.0%
いける 10 1 10.0%
余裕 5 0.0%
まし 16 16 100%
その他 27 7 25.9% 137 38 27.7%
合計 2989 18 0.6% 2777 91 3.3%
表 2 によると、「ぜんぜん(全然)」が「良い」「まし」などの肯定表現と共起 する場合は、「明示的比較形式」を伴う例の比率が極めて高い。しかし、「ぜん ぜん(全然)」がほかの「普通」「余裕」などの肯定表現と共起する場合は、そ ういう傾向が見当たらない。したがって、「ぜんぜん(全然)」が肯定表現と共 起する場合は、必ず「明示的比較形式」を伴うとは限らない。よって、「明示 的比較形式」以外に、どのような言語形式が「ぜんぜん(全然)+肯定表現」と 共起しやすいのかについて、さらに明らかにする必要があると思われる。また、
そのような言語形式が「ぜんぜん(全然)+肯定表現」とともに現れやすい理由 についても明らかにしたいと思う。
以上のように、「ぜんぜん(全然)」の先行研究を、「副詞における位置づけ」
と「意味用法」に分け、概観した。従来の先行研究において、まだいくつかの 問題点が残っているということがわかった。次の 1.3 節では、それらの問題点 をまとめる。
1.3 問題点
前節で述べたように、従来の先行研究において、まだいくつかの問題点が 残っている。それらの問題点は、主に以下のようにまとめられる。
問題点①:肯定形式と共起する場合の「ぜんぜん(全然)」の副詞における
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位置づけである。
従来の研究(鈴木、近藤、仁田など)は、「ぜんぜん(全然)」
の副詞における位置づけについて、否定形式と呼応する場合を 考察するものが多い。肯定形式と共起する「ぜんぜん(全然)」
の場合については、詳しく述べられていない。したがって、肯 定形式と共起する「ぜんぜん(全然)」の「副詞における位置づ け」について、さらに検討する余地がある。
問題点②:先行研究の指摘のほかに、どのような肯定表現が「ぜんぜん(全 然)」と共起するか。
「違う」「だめ」以外に、「凄い」「普通」「OK」など、「ぜん ぜん(全然)」と共起する肯定表現が存在する。先行研究の指摘 のほかに、どのような肯定表現が「ぜんぜん(全然)」と共起す るかについて、考察する必要がある。
問題点③:「ぜんぜん(全然)」と共起する肯定表現はどのような特徴があ るか。
問題点②に引き継ぎ、先行研究の指摘以外に、「ぜんぜん(全 然)」と共起する肯定表現は、どのような特徴があるかについ て、さらに考察する必要がある。
問題点④:「ぜんぜん(全然)+肯定表現」はどのような意味用法を持つの か。
肯定形式と共起する「ぜんぜん(全然)」の意味用法については、
あまり述べられていない。1.2.1 節で述べたように、辞書には
「ぜんぜん(全然)」を「(俗な言い方)非常に。とても。」と いう用法の解説がある。また、茅野他は、「ぜんぜん(全然)」
は肯定表現と共起する場合、「とても」「非常に」と意味用法が 重なっていると指摘している。したがって、肯定表現と共起す
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る「ぜんぜん(全然)」の意味用法をさらに明らかにし、「とて も」・「非常に」とどう違うかを述べる必要がある。
問題点⑤:どのような言語形式が「ぜんぜん(全然)+肯定表現」と共起し やすいのか。なぜか。
服部によると、「ぜんぜん(全然)」が「良い」「まし」などの肯 定表現と共起する場合は、「明示的比較形式」を伴う例の比率 が極めて高い。しかし、「ぜんぜん(全然)」がほかの肯定表現 と共起する場合は、そういう傾向が見当たらない。「明示的比 較形式」以外に、「ぜんぜん(全然)+肯定表現」とともに現れ やすい言語形式がある。それはどのような言語形式なのかを、
考察する必要がある。また、そのような言語形式が「ぜんぜん (全然)+肯定表現」と共起しやすい理由について、考察する必 要もある。
以上のように、従来の先行研究において、まだ解決されていないいくつか の問題点をまとめた。これからは、それぞれの問題点をひとつずつ明らかに したいと思う。