漏 水 層
非透水層
漏水層あるいは 帯水層
掘削中の湧漏水 ケーシング
試験区間
作業後水位 GL-m 翌日水位 GL-m
汲み上げ結果 上昇
下降 一定
漏水 湧水 凡 例
9.17
10.66
試錐日報解析判定
ボーリング掘進中の水位変動凡例
地下水検層判定
水頭高さ GL-12.45m
水理地質判定
3.部分ストレーナ孔の設置計画 3.1.部分ストレーナ区間の検討
ストレーナ区間は、目的とするすべり面付近の間隙水圧のみを計測するため、水理地質調査結果を もとに計画する。
解説
部分ストレーナ孔による間隙水圧観測では、すべり面付近の帯水層の水頭高さをすべり面の間隙水 圧とする。そのため,ストレーナ区間を適切な位置に設置することが必要である。
ストレーナ区間の上部及び下部は、他の帯水層からの水の回り込みや漏水が生じないように確実な 止水を行う。すべり面までで掘り止めた調査孔(ストレーナ区間の下部で漏水がない観測孔)では、
止水処理はストレーナ区間の上部のみで行う。すべり面を貫通する観測孔の止水は、上部及び下部に ついて検討しなければならない。
ストレーナ区間および止水区間の設定の考え方を表3-1に示す。
表3-1 部分ストレーナ区間および止水区間の設定
ストレーナ区間 ・ストレーナ区間は、すべり面を含むか、または、その直上に位置する帯 水層区間とする。
・すべり面の近くに複数の帯水層がある場合,それらの水頭高さがすべり 面付近の帯水層と同じであれば,それを含めてストレーナ区間としても よい場合がある。しかし、帯水層間に漏水層がある場合や,すべり面直 上の帯水層とは異なる水頭高さをもつ帯水層である場合は含めてはなら ない。
上部止水区間 ・上部止水区間は,ストレーナ区間より上部にあり、十分な厚さを有する 非透水層とする。
下部止水区間 ・下部止水区間は、すべり面以深まで掘削した孔で,すべり面以深に漏水 層や水頭高の低い帯水層があり,漏水が懸念される場合に設ける。
・下部止水区間は,ストレーナ区間より下部にあり,十分な厚さを有する 非透水層とする。
・すべり面直下に漏水層がある場合は、埋め戻しを行う。
3.2.観測孔の構造の検討
観測孔構造は、ストレーナ区間での透水性を損なわず、かつ、止水区間で確実に止水ができるよう、
地盤状況や地下水状況に合った構造及び部材とする。
解説
部分ストレーナ孔は、保孔管、止水材、間詰材、フィルター材等で構成される。また、孔口部分に は、表流水の侵入を防ぐための孔口処理を施す。図3-1に部分ストレーナ孔の標準的な構造を示す。
(解説資料4を参照)
保孔管には、塩ビ管が一般的に用いられ、観測区間にのみ保孔管内外の水の出入りが可能なように ストレーナ加工を施す。
ストレーナ区間上下の止水区間の止水材としては、セメント類やベントナイト、ゴム製止水材、パ ッカーが用いられ、削孔径や地質・地下水状況に応じて適切なものを選定する。すべり面以深で漏水 層までボーリングを掘進して地下水位が大きく低下した場合は、漏水層の埋戻しあるいは漏水層上部 の非透水層において止水処理を行う。
間詰材とフィルター材は、孔内外の水の流れを妨げず、フィルター効果(地山の細粒分や間詰材が 保孔管内に入らないようにする効果)を発揮するもの選定する。
孔口保護の方法には、保護コンクリートの打設、大口径の塩ビ管やコンクリート桝等による保護な どの方法がある。
図3-1 部分ストレーナの標準図
キャップ キャップ
3.3.観測機器等の検討
水位計や記録器等は、計測レンジやサイズ、記録容量等を考慮し、十分な性能を有する機器を選定す る。水圧式水位計の設置深度は、計測期間中の最低水位以下の深度にする必要がある。また、安定的に 計測が出来るよう十分な電源容量を確保する。観測機器等は収納箱等を用いて保護する。
解説
水位計は、想定される水位変動幅をカバーできる計測レンジを有し、観測孔に設置可能なサイズの 機器を選定する。最近は設置の容易さ、データ処理の簡便さから水圧式水位計が多く用いられている。
圧力センサには大気圧補正機能の付いたものと補正機能が別に必要な絶対圧水位計の2種類があるた め、選定にあたっては注意を要する。
水圧式水位計の設置深度は、計測期間中の最低水位以下の深度にする必要がある。計測期間中に地 下水排除工が施工される場合には、地下水排除工による水位低下も考慮する必要がある。
記録器は、観測期間(データの回収間隔)と測定間隔を考慮し十分な記録容量を有するものとする。
地すべり機構解析に用いるためには、移動量計測の時間間隔を考慮し、測定間隔は1 時間またはそれ よりも短い間隔で計測することが望ましい。電源(電池)は、欠測が生じないように定期的に交換す る、特に冬期間の観測では十分な容量を確保する。
収納箱(記録器を地上に設置する場合)は、風雨や直射日光を防ぐだけでなく記録器を湿気から保 護するため防湿性のあるものを用いる。また積雪地においては雪囲いで保護することが必要である。
電気式水圧計は検出部にひずみゲージ等の精密機器を使用する場合が多く、落雷等により検出部及び ケーブルが破損する可能性があることから、落雷が懸念される現場では避雷対策を行う必要がある。
受圧面 間詰材
H
P
大気圧補正
止水区間
記録器
(止水材)
保孔管
止水材(埋め戻しの 場合はセメント)
圧力センサ
ストレーナ区間
(帯水層)
間詰材
受 面 力
P=ρ H
P:受 面 力
ρ:水 比重
H:水深
図3-2 部分ストレーナ孔・水圧式水位模式図
4.観測孔の設置
4.1.部分ストレーナ孔の設置
部分ストレーナ孔の設置においては、計画した深度にストレーナを設置し、確実な止水処理を行う。
また、施工不良が生じないように作業状況を確認しながら設置を行うことが重要である。
解説
部分ストレーナ孔の設置においては、まず、孔壁崩壊物やスライムの孔底への堆積による深度不足、
予期しない漏水等の異常がないか等、ボーリング孔の状態を確認してから行う。保孔管の設置にあた っては、接合部の破損や孔内への落下等に注意する。セメント系、ベントナイト系の止水材について は、所定の深度に到達するように触針式水位計や検尺棒などで沈殿状況を確認しながら設置する。セ メント系はグラウトホースを用いるとより確実に設置できる。間詰材についても、充填不良を防ぐた めに触針式水位計や検尺棒などで沈殿状況を確認しながら設置する(解説資料4を参照)。
観測孔設置後は、目詰まりを防止するため孔内洗浄を十分に行うほか、観測孔設置後の地下水位と 観測対象とした帯水層の調査時の水頭高さを比較し、大きな差がないことを確認する。
4.2. 観測機器等の設置
観測機器等の設置後は、正確なデータが取得されていることを触針式水位計の計測結果と比較して 確認する。
解説
観測機器等を計画に基づき設置した後には、触針式水位計の計測結果との比較確認、センサを上下 させた際の追従性の確認等によって、データが正しく取得されているかを確認する。保護設備等につ いては、設置が適切に行われているか目視等で確認する。点検結果は設置・点検台帳に記録する(解 説資料5を参照)。
4.3.地下水観測孔の設置・点検台帳の整備
観測孔および観測機器に関する情報は、設置・点検台帳に記録し、維持管理に役立てる。
解説
設置・点検台帳には、観測孔及び観測機器の仕様や作動状況についての情報を記載する。台帳の例 は解説資料5に示した。観測孔の設置時には、観測孔の仕様やその根拠となった水理地質調査総括図、
5.観測データの回収と確認・観測孔等の点検 5.1.観測データの回収と確認
半自動観測の場合は、記録器の記録容量を超える前に適切な間隔で観測データの回収を行う。また、
観測データに異常な値が記録されていないか確認を行い、必要に応じて観測孔や観測機器の点検を行 う。
解説
記録器の記録容量を超えた場合、データが上書き記録されるなどして、一部のデータの消失が生じ るため、適切な間隔で観測データの回収を行う必要がある。
観測データを回収した後には、観測データに異常な値が記録されていないか確認を行う。異常な値 が記録されている場合は、観測孔や観測機器の点検を行う。適切に観測された間隙水圧データであれ ば、降雨量や地すべり移動量との応答が見られることが多い。
観測データを回収した後には、観測データに異常な値が記録されていないか確認を行う。異常な値 が記録されている場合は、観測孔や観測機器の点検を行う。適切に観測された間隙水圧データであれ ば、降雨量や地すべり移動量との応答が見られることが多い。