測定器で測定電極
を切り替える。
図 3.8 微流速測定の概要 (3)流向流速測定
地下水に混入している微細物質の動きをカメラに捉え、その移動量・移動時間・移動方位から地下 水の流向・流速を測定する。流れが見られた箇所で5 箇所程度、5cm 程度の間隔で測定する(図 3.9)。
ゾンデ部の外形は34mm と細く、内径 40mm のストレーナパイプでの観測も可能で、深度 100m まで観測できる。電源は内蔵電池、AC100V、自動車用バッテリーの 3 種類が使用できる。
① 流向:磁北に対するトレーサ物質の2 点間移動方向測定
② 流速: トレーサ物質の2 点間移動速度測定
③ 水温: 半導体水温計によるゾンデ温度計測
図 3.9 流向流速測定の概要 (4)平衡水位調査(孔内水位測定)
ボーリング作業終了後の水位から平衡水位になるまでの地下水位変化を把握し、平衡水位を予測す る手法を得ることを目的とする。水位変化から平衡水位を予測し、効率的な汲み上げ量の予測や次の 掘進工程の計画に利用することができる。
3.4.3 由比地区 (1)食塩検層(単点式)
①概要
以下の条件で計測を実施した。
a) 自然水位法:裸孔・地下水位 GL-47.7m b) 汲み上げ法:裸孔・地下水位 GL-47.7m
c) 汲み上げ法:保孔管(VP-50・フィルター巻)・地下水位 GL-47.58m
②結果
a)および b)の検層結果を図 3.10 に、c)の検層結果を図 3.11 に示す。
深度51.0~58.0m 区間では、自然水位条件では地下水流入はなく、汲み上げ法によりごくわずかな 揚水で深度51.25~52.25m で地下水の流入がみられた。
図 3.10 裸孔における検層結果(上:自然水位法、下:汲み上げ法)
ケーシング
帯水層1.0m
非検出
ケーシング 非検出
保孔管を挿入した場合と裸孔での汲み上げ検層結果と比較すると、流入部での回復の遅延やピーク の不鮮明化がみられるほか、ケーシング部における全層流入のような変化(どの深度も同じ程度で比 抵抗地が増加していく状態)、基岩部の比抵抗地の微増、などの差異が認められた。
図 3.11 保孔管内での検層結果(汲み上げ法)
自然水位条件では、全区間で非流入層と判定されるが、前日水位が深度47.7m より高かったことか ら、本区間には逸水層があり、本試験時の孔内水は平衡状態にあったものと考えられる。
深度51.25~52.25m は、自然水位条件の検層では地下水流入はなく、ごくわずかな揚水で地下水流 入が生じたことから帯水層と推測される。
すべり面以深の基岩部は、逸水も流入がみられなかったことから、裂か水を有していない非透水層 と考えられる。したがって、孔内水位が深度47.7m より上昇した場合に、孔内水は深度 51.25~52.25m で逸水していると考えられる。
保孔管による影響については、保孔管の影響で食塩の溶解が保孔管外に及びにくく、濃度が保孔管 の内外で異なること、揚水によって保孔管外の低濃度の孔内水が、ストレーナをとおして保孔管内に 流れ込むことが原因で、裸孔状態よりも流動層が不鮮明になると推測される。
(2)微流速測定
①概要
試験の条件は、裸孔-自然水位法、裸孔-注水法、保孔管-自然水位法および保孔管-注水法を計 画した。試験区間は深度51.0~56.6m である。当初は改良型微流速計(応用地質㈱製)を使用したが、
濁り水の影響でいずれの条件とも正しいデータが取得できなかったため、後日従来型の微流速計にて 試験を行った。注水法における注水量は、試験時に使用したポンプや注水時の上昇量に応じて5~20L/
分の間で調整した。使用資材のセンサ部および孔内の濁り水を写真 3.2~写真 3.3 に示す。改良型が
ケーシング
帯水層 2.0m
非検出
挿入した保孔管
②結果
改良型微流速計は、濁り水でセンサが正常に作動せず測定ができなかった。一方従来型微流速計で は、濁り水区間以外は正常に測定ができた。従来型では自然水位法ではほとんど動きがなく、注水法 で流動層が検出された。流動層は、ケーシング下端の深度51m 付近が裸孔・保孔管条件とも明瞭で、
裸孔条件の流動層は深度51.0~52.0m、保孔管条件では深度 51.25~51.5mであった。
試験結果の一覧を表3.6 に示す。
表 3.6 微流速測定試験結果一覧
試験が可能であった従来型微流速計で得られたデータのうち、濁り水の影響を受けた深度のデータは 除外して裸孔条件および保孔管条件でグラフを作成した。試験結果を図3.12 に示す。
自然状態で比較すると、裸孔条件では流動層が検出されなかったが、保孔管条件では深度 51.25~
51.5m 付近にわずかな上昇流が検出された。一方注水条件で比較すると、ケーシング内は一定の下降流 であり難透水層であり、下端の深度51m付近で流速が落ちることからケーシング下端の深度 51m 付近 が透水層(K=3.1×10-5m/s)になっていることを示す。また、裸孔条件では深度 51.25~52m 付近に流 動層(K=1.3×10-6m/s)が検出されたのに対し、保孔管条件では深度 51.25~51.5m付近であった。
以上により、裸孔条件と保孔管条件で地下水の流動層の検出深度が若干異なっていた。この理由とし て、水位観測孔は一般には孔壁と塩ビ管の間に豆砂利等を充填するのに対し、今回の保孔管条件では豆
計測器 実施日 試験結果概要
裸孔自然条件 裸孔注水条件 保孔管自然条件 保孔管注水条件 改良型
微流速計
H24/9/4 濁り水で 試験不能
濁り水で 試験不能
実施せず 濁り水で
試験不能 従来型
微流速計
H24/9/6 流動層なし 51~52m で 流動層検知
51.25~51.50m に わずかな流動層
51~51.25m で 流動層検知 写真 3.2 使用機材のセンサ部 写真 3.3 孔内の濁り水
改良型 羽は固定式
従来型 羽は取り 外し可能
砂利が無いので孔壁と塩ビ管の隙間が水みちとなり、地山の地下水流動層が塩ビ管内で正確に測定でき 51.25~51.5m 深度(GL-m)
52.1m(すべり面) 流動層
51.25~52.0m