5 維持管理
5.1 CIM モデルの維持管理移管時の作業【発注者】
発注者は、工事完了に当たり、設計業務や複数工事(土堤工事、護岸工事、樋門・樋管工事等)で 納品されたCIM モデルを管理区分(範囲)で統合の上、共有サーバ等に格納し、維持管理段階で事務 所・出張所職員等が共有・活用できるようにすることが望ましい。
また、必要に応じて、維持管理での使用用途に応じ CIM モデルを更新することが望ましい(次頁、
「【参考】維持管理段階の河川 CIM モデルと更新作業の例」を参照)。なお、設計・施工で作成した CIM モデルについても、災害対応や施設更新時に必要となることから、あわせて保管、共有できるよ うにすることが望ましい。
なお、維持管理段階では各河川の距離標で対象位置を確認している。CIM モデルを活用する場合で も、この距離標をCIM モデル上に表現すると共に属性として付与することが望ましい。
注)モデル統合・更新等の作業は、工事や発注者支援業務等の受注者の活用も想定する。
第3 編 78
【参考】維持管理段階の河川 CIM モデルと更新作業の例
維持管理段階の河川CIM モデルの運用とその際には必要な更新作業の例(検討例)を示す。
本運用例は、平成29 年度時点で、必ずしも対応が必要となるものではないが、今後の維持管理での CIM の運用をイメージできるものとして掲載した。
[概要]
設計・施工段階で作成された報告書、図面、工事記録等や維持管理段階で作成・更新する点 検記録を 3 次元モデルに紐付け、日常的に情報の集約・統合を図る。(付与する情報の例は
「表 23 維持管理段階での CIM モデル活用例(日常時)」、「表 24 維持管理段階での CIM モデル活用例(災害時)」を参照。)
3 次元モデル上に点検結果である損傷度や損傷の種類を色分けで表現する機能を有する。
維持管理段階で、航空レーザ測量、音響測深等で取得した3 次元測量データと重ね合わせる ことができる機能を有する。
図 34 維持管理段階の河川 CIM モデルの例
出典:国土技術政策総合研究所 CIM モデル作成仕様【検討案】<河川堤防・護岸編>
第3 編 79
[本モデル運用による効果]
適切に区分した河川管理単位で設計、施工、維持管理等の各段階の成果を一元管理し、日常 時及び災害時に活用できる。対象部材の関連情報を、3 次元モデル上の各部材に付与してお くことで、維持管理の検討に必要な資料が容易に閲覧・入手可能となる。
日常時においては、過年度点検時からの変状の進行状況を迅速に把握できるため、補修の必 要性や補強方法の検討等の効率化につながる。また、災害時においては当初の周辺状況の確 認や、原因究明・応急復旧のために必要な情報を素早く入手可能となる。
点検結果の損傷度や変状種類を色分け表示し、周辺環境と併せて3 次元モデル上で確認する ことによって原因究明に寄与するとともに、補修範囲や補修方法の適切な選定が可能とな る。
航空レーザ測量、音響測深等で取得した3 次元地形データと CIM モデルを重ね合わせるこ とで、河川の変状や課題点の抽出が容易となり、適切な対策を講じることが可能となる。
[必要な更新作業]
本モデルの運用に必要な、設計・施工時のCIM モデルからの更新作業は次のとおり。
河川堤防では 20m 単位でのモデル分割とする。また、河川定規断面や計画高水位もモデル 化し、維持管理段階の河道変動を確認するベースとする。また、樋門・樋管では、「CIM モ デル作成仕様(案)樋門・樋管編」(国土技術政策総合研究所)に示される部材単位に分割 する。詳細度は200 程度とする。
3 次元モデルと点検記録、補修履歴の関連情報を紐付け、局内の共有サーバ(ファイル)等 に格納し、関係者がCIM モデルにアクセス・共有可能にする。点検記録等は Excel 形式で 紐付けし点検業者に提供する。点検業者が更新した記録(Excel ファイル)を、サーバ内に 戻すことで、点検業者が CIM モデルを参照する環境を有していなくても情報の更新が可能 となる。
第3 編 80