CIM 導入ガイドライン(案)
第 3 編 河川編
平成 29 年 3 月
国土交通省
CIM 導入推進委員会
目 次 第 3 編 河川編
はじめに ... 1
1 総則 ... 4
1.1 適用範囲 ... 4
1.2 モデル詳細度 ... 7
1.3 地理座標系・単位 ... 8
1.4 属性情報の付与方法 ... 9
1.5 CIM の効果的な活用方法 ... 12
1.6 対応するソフトウェア環境 ... 23
2 測量及び地質・土質調査 ... 24
2.1 業務発注時の対応【発注者】 ... 24
2.1.1 CIM 活用業務の発注【発注者】 ... 24
2.1.2 成果品の貸与【発注者】 ... 24
2.2 事前準備 ... 25
2.2.1 貸与品・過年度成果の確認(地質・土質調査)【受注者】 ... 25
2.2.2 事前協議の実施【発注者・受注者】 ... 25
2.3 測量成果(3 次元データ)、地質・土質モデルの作成【受注者】 ... 26
2.3.1 測量成果(3 次元データ)作成指針 ... 26
2.3.2 地質・土質モデル作成指針 ... 27
2.4 業務完了時の対応 ... 32
2.4.1 電子成果品の作成・納品【受注者】 ... 32
2.4.2 電子成果品の納品・検査【発注者・受注者】 ... 32
3 調査・設計 ... 33
3.1 業務発注時の対応【発注者】 ... 33
3.1.1 CIM 活用業務の発注【発注者】 ... 33
3.1.2 成果品の貸与【発注者】 ... 33
3.2 事前準備【受注者】 ... 34
3.2.1 貸与品・過年度成果の確認【受注者】 ... 34
3.2.2 事前協議の実施【発注者・受注者】 ... 35
3.2.3 CIM 執行環境の確保【受注者】 ... 37
3.3 CIM モデルの作成【受注者】 ... 38
3.3.1 河川堤防 CIM モデルの基本的な考え方 ... 38
3.3.2 河川堤防 CIM モデル作成指針 ... 43
3.3.3 河川堤防 CIM モデル 属性情報 ... 55
3.3.4 樋門・樋管 CIM モデルの基本的な考え方 ... 56
3.3.5 樋門・樋管 CIM モデル作成指針 ... 61
3.3.6 樋門・樋管 CIM モデル 属性情報 ... 65
3.4 業務完了時の対応 ... 67
3.4.1 電子成果品の作成・納品【受注者】 ... 67
3.4.2 電子成果品の納品・検査【発注者・受注者】 ... 67
4 施工 ... 68
4.1 工事発注時の対応【発注者】 ... 68
4.1.1 CIM 活用工事の発注【発注者】 ... 68
4.1.2 成果品の貸与【発注者】 ... 68
4.2 事前準備 ... 69
4.2.1 CIM モデルの確認【受注者】 ... 69
4.2.2 事前協議の実施【発注者・受注者】 ... 71
4.3 CIM モデルの更新【発注者・受注者】 ... 72
4.4 モデルへの施工情報の付与【受注者】 ... 73
4.5 出来形計測への活用等【受注者】 ... 74
4.6 監督検査への活用【発注者】 ... 75
4.7 工事完了時の対応 ... 76
4.7.1 電子成果品の作成【受注者】 ... 76
4.7.2 電子成果品の納品・検査【発注者・受注者】 ... 76
5 維持管理 ... 77
5.1 CIM モデルの維持管理移管時の作業【発注者】 ... 77
5.2 維持管理段階での活用【発注者・受注者】 ... 80
5.3 維持管理段階での活用(既設河川堤防管理の事例)【発注者】 ... 88
5.3.1 河道管理のための基本フレームについて ... 88
参考文献 ... 90
第3 編 1
はじめに
「CIM 導入ガイドライン」(以降は、「本ガイドライン」という。)は、公共事業に携わる関係者(発注 者、受注者等)がCIM(Construction Information Modeling/ Management)を円滑に導入できること を目的に、以下の位置づけで作成したものである。
【本ガイドラインの位置づけ】
これまでのCIM 試行事業で得られた知見やソフトウェアの機能水準等を踏まえ、現時点で CIM の活用が可能な項目を中心に、CIM モデルの詳細度、受発注者の役割、基本的な作業手順や留意 点とともに、CIM モデルの作成指針(目安)、活用方法(事例)を参考として記載したものであ る。
CIM モデルの作成指針や活用方策は、記載されたもの全てに準拠することを求めるものではな い。本ガイドラインを参考に、適用する事業の特性や状況に応じて発注者・受注者で判断の上、
CIM モデルの作成や活用を行うものである。
公共事業において CIM を実践し得られた課題への対応とともに、ソフトウェアの機能向上、関 連する基準類の整備に応じて、本ガイドラインを継続的に改善、拡充していくものである。
【本ガイドライン(平成 29 年度版)の対象】
CIM の導入においては、2 次元図面から 3 次元モデルへの移行による業務変革やフロントローディン グによって、合意形成の迅速化、業務効率化、品質の向上、ひいては生産性の向上等の効果が期待され る。
なお、本ガイドライン(平成29 年度版)では、現行の契約図書に基づく 2 次元図面による業務・工事 の発注・実施・納品を前提に、これまでのCIM 試行事業で取り組まれた実績と知見を基に、以下を対象 に作成している。
国土交通省直轄事業(土木)における設計・施工分離発注方式による業務、工事
CIM の活用に関する知見を蓄積してきた分野:土工、河川、ダム、橋梁、トンネルの 5 分野
平成29 年度以降も、CIM の導入・実施状況を通じて、更なる CIM の効果的な活用方策の検討ととも に、実運用上の課題に対して、必要な取り組み・対策検討や、その対応策を踏まえた内容改定を随時行 っていく。また、対象分野の拡大、多様な入札契約方式への適用の検討も進めていく。なお、国土交通 省直轄事業を前提に記述しているが、CIM の考え方や活用策については、今後の地方公共団体等でのCIM の展開にも期待できる。
第3 編 2
【国土交通省の CIM 導入・推進に関する施策の体系】
国土交通省では、平成29 年度からの CIM の導入・推進にあたり、必要な目標、方針、要領・基準及 びガイドラインを整備し、体系的な推進を図るものとしている。本ガイドラインに基づくCIM の導入に 当たっては、関連する実施要領や各要領・基準を参照しながら進められたい。
国土交通省の CIM 導入・推進に関する施策の体系
CIM 導入により目指す全体像・将来像(案) 今後の CIM が目指す全体像・将来像(※1)
・CIM の段階的な拡大方針(案)
・CIM 活用業務実施要領、
CIM 活用工事実施要領
・CIM の段階的な達成目標、達成時期(※2)
・CIM 活用業務・工事の対象(対象業務・対象工種、活 用内容)、実施方法(発注、成績評定等)等(※3)
CIM に関する要領・基準 CIM 活用業務・工事等を実施する上での仕様・規定 CIM 導入ガイドライン(案) CIM に関する要領・基準に基づく業務・工事及び維持管
理を行う上での解説、作業手順(CIM の導入目的、活用 方策、CIM モデル作成上の指針(目安)等)
(※1)第 3 回 CIM 導入推進委員会資料 P32-33 (http://www.mlit.go.jp/tec/it/pdf/shiryou3.pdf)
(※2)第 3 回 CIM 導入推進委員会資料 P34-37 (http://www.mlit.go.jp/tec/it/pdf/shiryou3.pdf)
(※3)http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/constplan/sosei_constplan_tk_000031.html
図 1 本ガイドラインの位置づけ(要領・基準との関係)
【数字・アルファベットの表記について】
本ガイドラインで用いられている、漢数字を含む数字及びアルファベットについては、参照・引用し ている文書、本ガイドラインの上位の要領・基準の表現にかかわらず、半角英数字を用いて表記してい る。必要に応じ、読み替えを行うこと。
ただし、引用している図表内については、変更できない場合には、そのままの表現としている場合が ある。
ICT土工 3次元データ 報告書
工事書類 等
・土木設計業務等の電子納品要領
・工事完成図書の電子納品等要領
電子納品運用ガイドライン
LandXML1.2に準じ た3次元設計データ 交換標準(案)
Ver.1.1および同ガイ ドライン
要領
・ 基準
受発注者の役割・作業手順 運用上の留意点 等
【業務・工事成果全体の規定】
電子媒体、フォルダ構成(全体=第一階層※)、業務・工事管理情報 ※ICONフォルダ含む
データ作成仕様、
ファイル形式、
フォルダ構成(ICONフ ォルダ以下)、
ファイル命名ルール
CIM導入ガイドライン(案)
CIMの導入目的、活用事例、CIMモデルの定義、詳細度 受発注者の役割・作業手順、運用上の留意点
CIMモデル作成指針・属性情報(例示)※
CIM事業における 成果品作成の
手引き(案)
ファイル形式 フォルダ構成 ファイル命名ルール
=電子納品に関する規 定
データ作成仕様、
ファイル形式、
フォルダ構成、
ファイル命名ルー ル、
成果品管理情報
・CAD製図基準
・測量成果電子納品 要領
・地質・土質調査成果 電子納品要領 データ作成仕様、
ファイル形式、
フォルダ構成、
ファイル命名ルール 成果品管理情報
図面、測量
地質土質 CIMモデル
(構造物)
(土工編)
数量算出要領 出来形管理・
監督検査要領 数量算出、出来形管理・監 督検査等に関する基準・規 定
運用 ガイド ライン
要領・基準に基づき業務・工事を行う上での解説(補足説 明、参考となる情報提供)、作業手順等
業務・工事実施上の仕様、規定
※CIMモデルの作成については、3次元モデルの作成範囲や付与する属性情報等をガイ ドライン上で例示し、活用目的に応じて受発注者で協議するものとし、どの業務・工事で も必ず作成するモデル仕様としては規定しない。
(成果品毎の要領・基準)
第3 編 3
【本ガイドラインの構成と適用】
構成 適用
第1 編 共通編 第 1 章 総則 公共事業の各段階(調査・設計、施工、維持管理)にCIM を 導入する際には共通で適用する。
第2 章 測量 第3 章 地質・土質
第2 編 土工編 道路土工及び河川土工を対象に、測量段階でUAV 等を用いた 公共測量を行うこと、設計段階(土工の3 次元設計)で3 次元 データを作成すること、更には施工段階(ICT 活用工事)で 3 次元データを情報化施工に活用する際に適用する。
第3 編 河川編 河川堤防及び構造物(樋門・樋管等)を対象にCIM の考え方 を用いて調査・設計段階でCIM モデルを作成すること、作成さ れた堤防・構造物モデルを施工時に活用すること、更には調査・
設計・施工の堤防・構造物モデルを維持管理に活用する際に適用 する。
第4 編 ダム編 ロックフィルダム、重力式コンクリートダムを対象にCIM の 考え方を用いて調査・設計段階でCIM モデルを作成すること、
作成されたCIM モデルを施工時に活用すること、更には調査・
設計・施工のCIM モデルを維持管理に活用する際に適用する。
第5 編 橋梁編 橋梁の上部工(鋼橋、PC 橋)、下部工(RC 下部工(橋台、橋 脚))を対象にCIM の考え方を用いて調査・設計段階で CIM モ デルを作成すること、作成されたCIM モデルを施工時に活用す ること、更には調査・設計・施工のCIM モデルを維持管理に活 用する際に適用する。
第6 編 トンネル編 山岳トンネル構造物を対象にCIM の考え方を用いて調査・設 計段階でCIM モデルを作成すること、作成された CIM モデルを 施工時に活用すること、更には調査・設計・施工のCIM モデル を維持管理に活用する際に適用する。
各分野編(第2 編から第 6 編)については、施工段階から 3 次元データ(第 2 編)、CIM モデル(第 3 編から第6 編)を作成・活用する場合も適用範囲とする。また第 3 編から第 6 編について、上記に記載 の工種、工法以外への参考とすることを妨げるものでない。
【改訂履歴】
基準名称 内容 作成・改訂者
CIM 導入ガイドライン(素案)
平成28 年 8 月
平成28 年度 CIM 試行業務・工事での評 価版作成
国土交通省
CIM 導入推進委員会 CIM 導入ガイドライン(案)
平成29 年 3 月
平成29 年度からの CIM 活用業務・工事 への適用版作成
国土交通省
CIM 導入推進委員会
第3 編 4
第 3 編 河川編
1 総則 1.1 適用範囲
河川堤防及び構造物(樋門・樋管等)を対象にCIM の考え方を用いて調査・設計段階で堤防・構造 物モデルを作成すること、作成された堤防・構造物モデルを施工時に活用すること、更には調査・設 計・施工の堤防・構造物モデルを維持管理に活用する際には適用する。
施工段階からCIM モデルを作成・活用する場合も適用範囲とする。また、上記の工種、工法以外へ の参考とすることを妨げるものでない。
CIM を活用した業務、工事における CIM モデルの作成、活用の流れを図 2 に示す。
図中の各項番は、本ガイドライン第3 編(河川編)の 2 章以降に記載した、各段階において発注者、
受注者それぞれが取り組むべき内容と対応している。施工段階からCIM モデルを作成する場合は、「3 調査・設計」章も参照すること。なお、各段階におけるCIM モデル等の作成・更新の範囲は、受発注 者間協議で決定するが、決定事項の履行は発注者の「指示」により「受注者」が行う。
図 2 CIM モデルの作成、活用の流れ
【用語補足】
CIM モデル作成:CIM モデルを新規に作成する。
CIM モデル更新:前工程で作成された CIM モデルに対し、当該工程での活用用途に応じて、3 次元形状の変更(詳細 度変更を含む)や、属性情報の追加付与などを行う。
CIM モデル活用:CIM モデルを効果的に利用する。
CIM モデル統合:複数の設計業務や工事の単位で作成・更新された CIM モデルを、構造物等の管理単位に合わせる。
CIM モデル運用:CIM モデル作成(更新、統合を含む)及び CIM 活用と、そのための CIM モデルの共有・保管等の 管理全般を指す。
測量 地質・土質 調査設計 施工 維持管理
測量 地質・土質
CIMモデル 作成 調査・設計
貸与品(CIM モデル)確認
CIMモデル活用
(出来形計測、
施工計画等)
受注者側
施工 維持管理
施工情報(属性)の 付与 CIMモデル活用
(住民説明等)
3次元データ/
モデル作成 発注者側 発注・貸与
成果受領
・管理
成果受領
・管理
貸与品 確認
貸与品 確認
2.3 および 共通編2,3
発注・貸与 CIMモデル活用
(監督検査)
4.1
4.4 1.5 , 4.5 4.6
成果受領
・管理
1.5 2.1
発注・貸与 3.1
3.3
CIMモデル 更新
4.3 2.1 対応するガイドライン上の見出し番号
事前協議 2.2
納品・検査 2.4
事前協議 納品・検査 3.2 3.4
事前協議 4.2
納品・検査 4.7
CIMモデル 統合・更新
5.1
CIMモデル活用
(点検・補修、
被災時の確認等)
5.2
CIMモデル 活用
3.2 4.2 5.2
2.2
第3 編 5
なお、河川堤防の「ICT 土工」における 3 次元設計データ(地形モデルを含む)の作成・活用につ いては、土工編(「3.河川土工」章)を参照すること。
河川堤防における河川編と土工編の関係について、次の図に示す。
測量 地質・土質 調査設計 施工
測量 地質・土質
河川堤防モデル(地形、
堤防、護岸、付帯工・土 工・仮設工)の作成・納品
調査設計
モデルの 更新
地元協議や施工計 画での活用 河川堤防
(護岸、水路等付帯 構造物、仮設工含)
河川構造物
(樋門・樋管等)
施工 CIM導入ガイドライン(案)
[河川編]
堤防モデルの内、土 工モデルの作成は、
土工編参照
施工情報(属性)の 付与・納品 住民説明等への活用
測量 地質・土質調査で の3次元データ作成
(共通編参照)
注)
土工編と河川編の関係整理上、受注者側の作業中心に記載。
実際は、発注者側の作業、受発注者間の事前協議等も記載する。
情報化施工での活 用は土工編参照 測量
(UAV等を用いた公共測量)
設計
(土工の3次元設計)
施工
(ICT活用工事)
測量
(UAV等を用いた公共測量)
UAV等による公共測量・
3次元測量データ納品
【UAV を用いた公共測量マニュ アル(案)、電子納品要領
(SURVEYフォルダ)】
土工モデルの作成・
LandXMLへの出力・納品 設計
(土工の3次元設計) 施工(ICT活用工事)
ICT建設機械による施工
【LandXML1.2 に準じた3次元設 計データ交換標準(案)、同ガイ ドライン、電子納品要領(ICONフ ォルダ)】
CIM導入ガイドライン(案)
[土工編]
3次元出来形管理等の 施工管理 3次元起工
測量・3次元 設計データ
作成
3次元データの納品
【電子納品要領(ICONフォルダ)】
河川堤防
(河川堤防の形状 等、ICT土工に関す
る範囲)
3次元設計全体につ いては、河川編参照
維持管理維持管理
【空中写真測量(無人航空機)を用い た出来形管理要領(土工編)(案)等】
河川CIMモデルの統 合・更新
点検・補修、被災後の 確認等で活用
図 3 CIM 導入ガイドライン河川堤防における土工編と河川編との関係
また、河川堤防及び構造物の設計、施工において、各段階の地形モデル、土工モデル、構造物モデ ル(護岸、樋門・樋管)等の作成・更新、活用する流れと、設計、施工で作成したCIM モデルを維持 管理に活用する流れを図 4 に示す。
第3 編 6
図 4 河川堤防及び構造物における CIM モデルの作成、更新及び活用の流れの例
護岸工モデル作成
土工モデル作成
(3次元設計データ)
詳細調査(ボーリング、
物理探査等)
地形モデル作成
予備調査(ボーリング、
物理探査等)
地形モデル活用 地形モデル活用 地形モデル活用
細部の取り合い確認等
地質データ活用 地質データ活用
基本断面、仮設計画等
※ 路線測量・地形測量を元に、
地形モデルを作成 施工計画等
土工モデルの活用
ICT建機による施工
護岸工モデル作成・活用
干渉チェック、品質確保等
護岸工モデル活用 盛土材、地盤安定処理に
よる地質情報の追加
線形検討 線形モデル作成 線形モデル活用
<< CIMモデル作成・活用・更新の流れ【河川】 >>
地形
地質・
土質
線形
土工
護岸工
維持管理 施工
測量 詳細設計 予備設計 地質調査
地形モデル更新
※ 基盤地図情 報(5・10mメッシュ)、
航測図化等より、地形モデルを作成
樋門・
樋管 樋門・樋管モデル作成
基本形状、仮設計画等
樋門・樋管モデル 作成・活用
干渉チェック、品質確保等
樋門・樋管モデル活用
施工計画の共有・出来形管理 等
定期縦横断測量等 による更新
維持管理モデルの構築
※ 複数工事で活用したモ デル
維持管理モデルの活用 点検作業の効率化・補修補強 検討の効率化
測量 地質調査
施工計画の共有・出来形管理 等
凡例
:モデルの一部作成
:モデル更新
:モデル活用
:活用例
※:モデル作成・更新の内容
注)「モデル作成」(一部作成を含む)・「モデル更新」の 凡例では、モデル活用有無での区別は行わない
:モデル作成
第3 編 7
1.2 モデル詳細度
工種共通のモデル詳細度の定義は、第1 編「共通編」第 1 章「総則」1.4「CIM モデルの考え方・詳 細度」に示すとおりである。河川分野におけるモデル詳細度の定義を次に示す。
3 次元モデル作成時の受発注者協議等において、次の定義を参考に用いるものとする。
表 1 構造物(河川)の詳細度(参考)
詳細度 共通定義 工種別の定義
土工部(河川)のモデル化 サンプル
100 対象を記号や線、単純な 形状でその位置を示した モデル。
対象位置や範囲を表現するモデル
(河川)当該区間全体の河川の法線形を 示す。
200
対象の構造形式が分かる 程度のモデル。
標準横断で切土・盛土を 表現、又は各構造物一般図 に示される標準横断面を 対象範囲でスイープさせ て作成する程度の表現。
対象による概略の影響範囲が確認できる 程度のモデル
(河川)河川の法線形と基本断面形状(天 端高、天端幅、法勾配、小段等)でモデ ル化。地形情報、縦断情報に応じて堤防 法面範囲もモデル化する。
300 附帯工等の細部構造、接 続部構造を除き、対象の外 形形状を正確に表現した モデル。
一般部の土工部の影響範囲が確認できる 程度のモデル
(河川)詳細度200 に加えて坂路や裏法 階段工、堤防道路の舗装構成のモデル・
情報を含む。
また、樋門や水門となどの大きな河川 構造物及び道路橋・鉄道橋などの交差構 造物による影響を考慮した堤防法面形状 をモデル化する。
400
詳細度 300 に加えて、附 帯工、接続構造などの細部 構造及び配筋も含めて、正 確にモデル化する。
詳細度300 に加えて小構造物も含む全て をモデル化
(河川)堤脚水路、管渠、距離標、光ケ ーブルといった付帯構造物等の形状、配 置も含めて正確にモデル化する。
500 対象の現実の形状を正確
に表現したモデル - -
出典:土木分野におけるモデル詳細度標準(案)(平成 29 年 2 月) 社会基盤情報標準化委員会 特別委員会
※スイープ・・・平面に描かれた図形をある基準線に沿って移動させて3 次元化する技法のこと。
第3 編 8
1.3 地理座標系・単位
作成するCIM モデルにおいて使用する測地座標系は世界測地系(測地成果 2011)、投影座標系は平 面直角座標系を使用する、単位系はm(メートル)に統一する。また、施工段階、維持管理段階にて活用 するに当たり、作成された3 次元モデルの座標系を確認する。
作成したモデルの地理座標系、単位の情報は、「CIM モデル作成 事前協議・引継書シート」へ採用 した座標系、単位を記載する。
【解説】
設計成果の一部には、日本測地系や世界測地系(測地成果2000)を利用するものも多いが、今後作 成される測量成果・計測データは、世界測地系(測地成果2011)である。データごとの座標参照系を 管理できないソフトウェアを利用する場合には、その都度、測地系を変換する作業が必要となり、間 違いの原因となる可能性が高い。このためモデルを作成する際の測地座標系は、世界測地系(測地成 果2011)とし、投影座標系は平面直角座標系に統一する。
なお、平面直角座標系では、西⇒東方向がY 軸、南⇒北方向が X 軸であり、数学座標系の X 軸 Y 軸 と逆転していることにも留意する。使用するソフトウェアにおける座標系への対応状況を確認する。
複数の都道府県を跨ぐモデルを作成する場合など、平面直角座標系について複数の系を跨ぐ場合に はいずれか一つの系に統一する。
また、施工、維持管理についても、測地座標系、投影座標系及び単位を確認する。
日本測地系の座標を、測地成果2000 による座標に変換するには、国土地理院の Web サイト「Web 版TKY2JGD」(http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/tky2jgd/main.html)等を利用すること等で変 換が可能である。
更に、測地成果2000 による座標を、測地成果 2011 による座標に変換するには、「Web 版 PatchJGD」
(http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/patchjgd/index.html)等を利用することが可能である。
構造物の設計で、mm(ミリメートル)の精度が求められる場合は、作成する構造物モデルも mm(ミ リメートル)の精度で作成する。これはモデル作成時の単位を mm(ミリメートル)に限定するもの ではなく、単位をm(メートル)として、小数点以下第 3 位の精度でモデルを作成してもよいことを 示している。
ただし、世界測地系で使用する単位は m(メートル)を規定していることから、構造物モデルを地 形モデル(現況地形)や地質・土質モデルに重ね合わせる際に m(メートル)単位で座標を合わせる 必要がある。
また、同上の理由により構造物モデルは小座標系にて作成し、地形モデル(現況地形)や地質・土 質モデルに重ね合わせる際に大座標系に変換すればよい。
構造物モデルを作成する単位は、作成するソフトウェアに依存するため、使用したソフトウェア、
バージョン、単位を「CIM モデル作成 事前協議・引継書シート」に明記する。
第3 編 9
1.4 属性情報の付与方法
平成29 年度からの当面の CIM モデル(構造物モデル)への属性情報の付与は、次のとおりとする。
・属性情報の付与方法は、「3 次元モデルから外部参照する」方法を原則とする。
・外部参照する方法には、次の方法がある。
①表計算ソフト等で作成したファイルやその格納フォルダへ外部参照する。
属性情報を表計算ソフト等で作成し、表計算ソフトのオリジナルファイルやCSV 形式で保存 したファイルへ外部参照する。
②当該業務・工事の成果・提出物等(図面、報告書、工事書類等)やその格納フォルダへ外部参 照する。
当該業務・工事において、納品又は提出される図面、報告書、工事帳票等のファイルに外部 参照する。
【解説】
CIM モデル(構造物モデル)における属性情報には、付与方法によって次の 2 種類がある。
1)3 次元モデルに直接付与する属性情報 2)3 次元モデルから外部参照する属性情報
平成29 年度からの CIM 事業では、構造物モデルの納品ファイル形式に、オリジナルファイル及び
「IFC」での納品を求めるものとしており、「3 次元モデルから外部参照する」形での属性付与を前提 とする。
なお、「3 次元モデルに直接付与する属性情報」は、当面、IFC でのデータ交換は行えないが、オリ ジナルファイルでは、受注者が当該業務ないし当該工事において、CIM モデル内の属性情報を活用す るために、「3 次元モデルに属性情報を直接付与」してもよい。
次頁に「CIM 事業における成果品作成の手引き(案)」での関連する記述(抜粋)を示す。
また、図 5 に CAD システムでの外部参照による属性情報の付与、IFC によるデータ交換のイメー ジを示す。
第3 編 10
各CIM モデルの納品ファイル形式(「CIM 事業における成果品作成の手引き(案)抜粋」)
オリジナルファイルでの納品を行い、国際標準の採用を念頭に置いて、現時点でソフトウェア製 品がIFC※1 及びLandXML※2に対応しているモデルについては、同ファイル形式による納品を求 める。
なお、上記ファイル単独で完全なデータ交換や有効活用が行えない当面の間は、両ファイルの納 品を求める。
※1 buildingSMART JAPAN「土木モデルビュー定義」
※2 国土交通省国土技術政策総合研究所「LandXML1.2 に準じた 3 次元設計データ交換標準(案)Ver.1.1 平 成29 年 3 月」
CIM モデル 納品ファイル形式
構造物モデル IFC 2x3※1及びオリジナルファイル
「IFC について」(「CIM 事業における成果品作成の手引き(案)抜粋」)
IFC(Industry Foundation Classes)は、buildingSMART International(以下 bSI)が策定した 3 次元モデルデータ形式である。2013 年には ISO 16739:2013 として、国際標準として承認され ている。当初は、建築分野でのデータ交換を対象にしていたが、2013 年にはbSI 内に Infrastructure Room が設置され、土木分野を対象にした検討が進められている。
平成29 年度からの CIM 活用業務及び CIM 活用工事では、構造物モデルのデータ交換形式とし て(オリジナルファイルに加え)IFC を採用し、属性情報は外部参照の扱いとする。
当面、土木構造物としてのクラス定義や(3 次元モデルに直接付与する)属性情報を含むデータ 交換は行えないが、データの長期再現性や、政府調達(WTO・TBT 協定)を踏まえ、現時点でデ ータ交換可能な範囲で国際標準を採用していく。
「属性情報の扱いについて」(「CIM 事業における成果品作成の手引き(案)抜粋」)
「CIM 導入ガイドライン(案)」に基づき、設計や施工段階において、受注者が電子成果品等で ある図面、報告書、工事書類等を属性情報として付与する場合は、各々の成果品格納フォルダとは 別に、CIM モデルの属性情報として格納する。納品された CIM モデルが CIM フォルダ単独で次 工程等で活用できるよう、CIM フォルダ外のほかの成果品格納フォルダへの外部参照は行わず、
フォルダ内に別途格納が必要となる。
第3 編 11
図 5 外部参照による 3 次元モデルへの属性付与~データ交換のイメージ
■設計者側での属性付与時
①構造物モデル格納フォルダ配下のATTRIBUTE フォルダに外部参照するファイルを格納
② 設計者が使用するCADシステムで、部材(オブジェクト)に ファイルを関連付け
ATTRIBUTE TUNNEL.×××
※CADオリジナルファイル
区間△△~△△.○○○
※外部参照ファイル TUNNEL.IFC
※IFCファイル TUNNEL
STRUCTURAL_MODEL TUNNEL
ATTRIBUTE TUNNEL.×××
※CADオリジナルファイル
区間△△~△△.○○○
※外部参照ファイル TUNNEL.IFC
※IFCファイル 電子媒体等で
データ交換
■発注者、施工者側での確認時
①発注者ないし施工者が使用するCADシステム で部材を選択し、プロパティ画面で外部参照
されたファイルのパス(格納フォルダ、ファイル名)を確認
②パスを選択し属性ファイルを表示
※使用するCADシステムによりファイルの閲覧方法 は異なる。
第3 編 12
1.5 CIM の効果的な活用方法
事業の上流側となる調査・設計段階から CIM を活用することで、概略検討及び詳細設計の効率化、
検討内容の綿密化、設計品質の向上等が期待できる。
また、CIM を活用することにより、施工管理効率化、施工計画検討の綿密化、関係者間情報共有の 円滑化、出来形管理の効率化等の効果が期待できる。
更に、施工段階から提出されたCIM モデル、施工データについて、維持管理の日常点検、定期点検 等の場面での効果的な活用が期待できる。
CIM の効果的な活用方法として、これまでの CIM 試行事業での事例を示す。
(1)調査・設計段階
これまでの設計業務等では、次の活用方法に着目した取り組みが実施されている。
■活用方法① 協議時の仕上がりイメージ確認
図 6 協議時の利用イメージ(例)
出典:産学官 CIM 検討会 千曲川河川事務所資料
<<効果>>
図面を見慣れていない者でも河川改修後の仕上がりがイメージしやすい。
図面のみでは理解しにくい堤防巻込部の詳細形状が一目瞭然でわかる。
付帯施設との取り合いがわかりやすい。
第3 編 13
■活用方法② 設計照査
堤防の高さが合わない箇所や法面が連続していない箇所があることが判明。
図 7 不連続発生イメージ
出典:産学官 CIM 検討会 千曲川河川事務所資料
樋門の座標値に誤りがあったため、堤防に対して樋門の位置が川側に突出していることが判 明。
.
図 8 樋門の位置突出イメージ
出典:産学官 CIM 検討会 千曲川河川事務所資料
<<効果>>
従来であれば、設計時には見過ごされ、施工時において顕在化する図面間の不整合、構造物 の干渉等が、3 次元モデルの作成によって一元化されることで発見しやすくなる。
第3 編 14
(2)施工段階
これまでの試行工事等では、次の活用方法に着目した取り組みが実施されている。
■活用方法① 関係機関協議、地元説明会の実施
図 9 説明会風景
出典:産学官 CIM 検討会 千曲川河川事務所資料
<<効果>>
完成形や施工途中の堤防形状が立体的に表示可能であり、視点を変えることも可能であるた め、地元説明会でも「イメージしやすい」というアンケート結果が得られた。
施工状況を踏まえた 3 次元施工ステップモデルを見せることによって、現場状況のイメージ が浮かびやすく、転落防止柵の設置など、新たな要望が出た。
2 次元図面を使用しての説明と比べ、様々な角度からの視点における現場の状況説明が可能と なり、口頭で説明する労力が軽減した。
第3 編 15
■活用方法② 設計図書の照査
図 10 照査用CIM モデルでの段差発見イメージ
出典:産学官 CIM 検討会 千曲川河川事務所資料
<<効果>>
施工段階の 3 次元モデル作成から、取り合いがより具体化し、施工時に問題が発生する可能 性を抑えることができる。
断面変化部の取り合いが難しい摺り付け箇所が事前に把握でき、設計段階では考慮されてい ない摺り付け方法について、事前検討を行い、スムーズな施工につなげることができた。
■活用方法③ 施工計画書の作成(1)
図 11 掘削形状のイメージ
出典:産学官 CIM 検討会 千曲川河川事務所資料
<<効果>>
3 次元モデル化することにより、床掘り範囲と根固めブロック、仮締切堤との取り合いがわか り、掘削形状のイメージを事前に確認することができた。
本事例では施工範囲全体の 3 次元モデルを作成しているが、目的や効果によった検討対象箇 所のみを抽出したモデルを作成すれば、作業に必要な時間や手間が軽減可能な場合もある。
第3 編 16
■活用方法④ 施工計画書の作成(2)
図 12 クレーンと架空線の取り合いの可視化
出典:産学官 CIM 検討会 千曲川河川事務所資料
<<効果>>
施工計画図を 3 次元モデル化し、根固工設置箇所にクレーンを据えた場合のクレーンと架空 線の取り合いを可視化することで、平面、断面のほか、斜め方向からも離隔の確認が可能と なり、より具体的でわかりやすくなった。
第3 編 17
(3)維持管理段階
1)CIM モデルの考えられる活用方法
CIM モデルが充実する将来の段階では次の活用方法が考えられる。
■対象堤防周辺の不可視部や地下埋設物位置の確認に活用
図 13 対象堤防周辺の不可視部や地下埋設物位置
出典:産学官 CIM 検討会 国土技術政策総合研究所資料
堤体内の川表遮水工や床止め工部の矢板などの不可視部分が、巡視時にCIM モデルを通じて 確認できることで、変状部の原因究明につながる。
地下埋設物(光ファイバーケーブル)などの設備管理も容易となり、堤防改修時や構造物新 設時の際の事故防止につながる。
第3 編 18
■対象堤防の構造、地層、築堤履歴等のモデル化
図 14 履歴の反映イメージ
出典:産学官 CIM 検討会 国土技術政策総合研究所資料
堤防の構造形式や被災履歴、補修履歴をあらかじめ確認しておくことで、巡視精度の向上が 期待できる。
地層・築堤履歴がモデルに反映されていれば、被災時の原因究明や復旧対策工の選定や範囲 設定の迅速化につながる。
第3 編 19
■変状箇所の明示による補修の効率化(リスク管理)
図 15 LP データと出来形の比較イメージ
出典:産学官 CIM 検討会 国土技術政策総合研究所資料
堤防の定期縦横断測量、LP データと CIM モデルを重ね合わせ、沈下、変形等、機能低下の おそれがある大きい変状や越水の可能性のある箇所を色分けすることで補修の計画に活用で きる。
洗掘、堆砂等の変状情報を示すことで、補修や維持掘削の計画に活用できる。
河川敷の植生や利用状況管理への活用も考えられる。
第3 編 20
■災害時にCIM モデルを活用した現場状況の確認(緊急対応)
図 16 災害時に CIM モデルを活用した現場状況の確認イメージ
出典:産学官 CIM 検討会 国土技術政策総合研究所資料
被災後にLP データ、防災ヘリや衛星による画像等を取得し、CIM モデルに重畳させること で、原因究明や対処方法の選定に活用できる。
第3 編 21 2)CIM モデルの活用の方向性
当面の維持管理段階への活用については、次の方向性が考えられる。
■河川分野の維持管理の特徴
河川の維持管理については、ほかの分野と異なり、①管理延長が長い②対象が自然物と人工物 の複合構造であり、図面等が無い部分が多い③変状情報を常に収集・把握する必要があるという 特徴がある。
■維持管理への適用に当たっての課題
短期間に広範囲の3 次元モデルを構築するに は、かなりの費用を要するため現実的でない。
施工でのCIM の成果を活用しようとしても、
管理対象のほんの一部分に留まり、すぐには 活用できない。
図 17 管理区間と事業区間の比較
出典:第 4 回産学官 CIM 検討会資料
■断面配置モデルの活用
断面配置モデルとは、元々は 2 次元の 状態のデータを 3 次元モデル空間内の正 しい位置に配置したものである。
図 18 断面配置モデル例
出典:第 4 回産学官 CIM 検討会資料
第3 編 22
■河川維持管理での段階的なCIM 整備のイメージ
第1 段階 第2 段階 第3 段階 第4 段階 断面配置モデル①
最低限のデータで 運用
断面配置モデル② 追加可能なデータを付
加して運用
3 次元形状モデル (一部適用) CIM の施工等から取 得できたものについて 3 次元形状の重ね合わ せ
3 次元形状モデル (全延長) 全延長について 3 次元 形状のデータを活用
【使用データ】
・平面図
・定期縦横断
・水位(計画・現況)
・河道(セグメント等)
・地盤高・河床高
【追加データ】
・地質地形分類図
・MMS(天端高)
・護岸根入れ
・耐震対策
・ボーリング
・地質断面図
【追加データ】
・施工段階のCIM で作 成したデータ
・LP データ
【RMDIS 等との連携】
第 3 段階の内容を全延 長に拡張
図 19 河川維持管理の段階別 CIM 適用のイメージ
出典:第 4 回産学官 CIM 検討会資料
維持管理段階における具体的なCIM の活用方法は、「5.2 維持管理段階での活用【発注者・受 注者】」に示す。
第3 編 23
1.6 対応するソフトウェア環境
CIM 導入ガイドラインに対応した IFC 及び LandXML に関するソフトウェアについて対応範囲や留 意事項等を掲載している。事前に使用するソフトウェアについて確認しておくこと。
(1)CIM 導入ガイドライン対応ソフトウェア一覧/(一社)オープン CAD フォーマット評議会 http://www.ocf.or.jp/cim/CimSoftList.shtml
(2)LandXML 対応ソフトウェア一覧/(一社)オープン CAD フォーマット評議会 http://www.ocf.or.jp/cim/LandList.shtml
第3 編 24
2 測量及び地質・土質調査
測量段階では、測量精度が必要とされる範囲を対象とし、設計段階で作成する地形モデルの基となる3 次元データを取得する。
地質・土質調査段階では、モデルを作成する時点までに行った成果を基に、地質・土質モデルを作成 することを基本とする。なお、地質・土質モデルを活用する目的・用途を踏まえ、モデルの精度向上の ために追加の地質・土質調査について、必要に応じて計画・実施することに留意する。
2.1 業務発注時の対応【発注者】
2.1.1 CIM 活用業務の発注【発注者】
発注者は、CIM の活用に関する実施方針、国土交通省内の事務連絡等を踏まえ、CIM 活用業務を 発注する。
2.1.2 成果品の貸与【発注者】
発注者は、CIM モデル作成に活用できる業務成果等の有無を確認の上、必要な成果を受注者に貸与 する。
第3 編 25
2.2 事前準備
2.2.1 貸与品・過年度成果の確認(地質・土質調査) 【受注者】
地質・土質調査において、受注者は、貸与品・過年度成果をチェックし、地質・土質モデルを作成 する際には参考となるボーリング柱状図、地質横断図等の有無、ボーリング位置(地理座標系)、作 図の単位を確認する。
2.2.2 事前協議の実施【発注者・受注者】
(1)測量
測量業務の発注者及び受注者は、業務着手時に受発注者協議を行い、測量方法・納品時のファイ ル形式などを決定する。
(2)地質・土質調査
地質・土質調査業務の受注者及び発注者は、業務着手時に受発注者協議を行い、設計・工事の対 象分野やCIM モデルの活用目的を確認の上、作成する地質・土質モデルの種類・データ構成等を決 定する。地質・土質モデルの種類、データ構成等の共通事項は、本ガイドライン共通編 第3 章「地 質・土質調査」を参照する。
(3)測量、地質・土質調査共通
「CIM モデル作成 事前協議・引継書シート」の事前協議時記入欄に、事前協議結果を記入する。
「CIM モデル作成 事前協議・引継書シート」については本ガイドライン共通編 第 1 章総則を 参照。
事前協議の例については、「3.2.2 事前協議の実施【発注者・受注者】」を参考にする。
第3 編 26
2.3 測量成果(3 次元データ) 、地質・土質モデルの作成【受注者】
受注者は、測量及び地質・土質調査を通じて、測量成果の 3 次元データ、地質・土質モデルを作成 する。
2.3.1 測量成果(3 次元データ)作成指針
測量業務の受注者は、河川構造物設計の各段階における測量業務を実施するとともに、次の3 次元 データを作成する。
表 2 測量段階で作成する 3 次元データ(河川測量)
項目 河川測量
測量手法・ 既成
成果 TS 測量、UAV 写真測量、地上レーザ測量、車載写真レーザ測量、空中写真測量、航空レーザ測量※1
作成範囲 計画堤防法線周辺地形
作成対象 地表面 周辺地物(建物等)
変換後の幾何モ
デル 3 次元点群データ※2 オルソ画像※3 ポイント、ポリゴン、
サーフェス、ソリッド 地図情報レベル
(測量精度) 地図情報レベル 250,500 ※4 ※8
点密度(分解能)
4 点/㎡以上
(高密度範囲 100 点/㎡以上)
※5
地上画素寸法 0.1m 以内 ※6 ※8
保存形式 CSV※2 TIFF+ワールドファイル ※8
保存場所 /SURVEY/CHIKEI/DATA
※7
/SURVEY/CHIKEI/DATA
※7 ※8
要領基準など
※1:UAV 等を用いた公共測量実施要領
※4:設計業務等共通仕様書
※5:UAV を用いた公共測量マニュアル(案)
※6:公共測量作業規程 第 291 条
※7:測量成果電子納品要領
備考
※1 UAV 等を用いた公共測量実施を前提としている。詳細は、本ガイドライン第 2 編土工編「3.1 測 量」を参照。
※2「UAV を用いた公共測量マニュアル(案)」に準じた場合を示している。
※3 オルソ画像は、測量手法によっては存在しない。
※5「UAV を用いた公共測量マニュアル(案)」に準じた場合の点密度を記載している。ほかの測量手法を 用いる場合には、その測量手法での密度に従う。
また、「三次元点群データを使用した断面図作成マニュアル(案)」を用いて断面図を作成する場合に は、UAV 写真測量、地上レーザ測量を用いた場合に限られる。また、分解能は 4 点/㎡の場合に限られる。
※8:地物は設計又は施工上のコントロールとして必要な場合には、測量時に取得し、3 次元形式にて保存す る。ただし、その表現方法や保存形式については、今後検証を行いながら定める。
【UAV等を用いた公共測量】
UAV 等を用いた公共測量とは、公共測量において、トータルステーションを用いた測量のほか、
「UAV を用いた公共測量マニュアル(案) 平成 29 年 3 月」(国土交通省国土地理院)に基づく UAV を用いた測量、地上レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)(国土交通省国土地理院・平 成29 年 3 月)、規定第 3 編第 3 章に基づく車載写真レーザ測量等により実施する公共測量をいう。
第3 編 27
2.3.2 地質・土質モデル作成指針
地質・土質調査の受注者は、河川堤防の築堤・護岸、河川構造物(樋門・樋管等)等の設計に求め られる地質・土質調査を実施するとともに、受発注者協議において決定した内容に基づき、地質・土 質モデルを作成する。
なお、受発注者協議では、モデルを作成する時点までに行った地質・土質調査の成果とともに、「表 3 河川分野における地質・土質モデルの活用目的(築堤・護岸)」「表 4 河川分野における地質・
土質モデルの活用目的(河川構造物(樋門・樋管等))」、「表 5 地質・土質のモデル作成指針(築堤・
護岸)」、「表 6 地質・土質のモデル作成指針(樋門・樋管)」を参考に、地質・土質モデルの作成有 無・作成範囲、作成対象のモデル、保存形式を決定するものとする。
なお、地質・土質モデルの種類、データ構成等の共通事項は、本ガイドライン共通編 第3 章「地 質・土質調査」を参照する。
(1)地質・土質モデルの活用目的
各段階の地質・土質調査の目的・内容と、地質・土質モデルの主な活用目的を次表に示す。
各段階で利用可能なCIM モデル、地質・土質モデルを 3 次元空間に配置することで、相互の位置 関係の把握が容易になり関係者協議の円滑化が期待できるとともに、各段階の地質リスクの関係者 間共有等を講じることで、対策検討に関わる意志決定の迅速化等の効果が期待できる。
第3 編 28
表 3 河川分野における地質・土質モデルの活用目的(築堤・護岸)
段階 地質・土質調査の目的・内容
地質・土質モデルの主な活用目的
目的 内容
予備調査 及び現地 踏査(※
1)
河川堤防を築堤する地域の概括的 な把握と地形、土質・地質等の状況 を把握すること
(※1)
・既存の地盤に関する資料の調査
・既存構造物の調査
・その他の資料の調査
・現地踏査
(※1)
・3 次元視覚化による悲観的地質リス ク(※2)の位置関係の把握。
・関係者間協議用の資料、住民説明 用の資料の作成
・3 次元視覚化による堤体・地盤と河 川構造物の位置関係の明確化
・盛土材料と地質の 3 次元把握によ る設計・施工への提言・助言
本調査
(第1 次)
(※1)
築堤する河川堤防付近に主に縦断 方向の地盤調査を実施し、軟弱地 盤、液状化地盤又は透水性地盤の 存在を把握する。
(※1)
・ボーリング調査及び標準貫入試験
・サウンディング試験(標準貫入試験 を除く)
・土質試験 (※1)
・3 次元視覚化による悲観的地質リス ク(※2)の位置関係の把握。
・盛土材料と地質の 3 次元把握によ る設計・施工への提言・助言
本調査
(第2 次)
(※1)
河川堤防の築堤を計画・設計・施工 するに当たり、予備調査及び現地踏 査、本調査(第 1 次)において築堤 計画区間の基礎地盤が軟弱地盤、
液状化地盤又は透水性地盤である ことが判明した場合、これらの地盤の 詳細を把握すること(※1)
・ボーリング調査及び標準貫入試験・
試料採取
・サウンディング試験(標準貫入試験 を除く)
・土質試験 (※1)
・3 次元視覚化による堤体・地盤と河 川構造物の位置関係の明確化
・盛土材料と地質の 3 次元把握によ る設計・施工への提言・助言
(参考)
施工
・施工計画立案
・補足資料の収集
・施工管理資料
必要に応じて実施。 ・3 次元視覚化による堤体・基礎 地盤と構造物の位置関係の明確化 による施工性の向上
・盛土材料や基礎地盤の3 元分布 把握による施工と維持・管理時の 安全確保
・地質リスクの把握による施工と 維持・管理時の安全確保
(※1)「河川砂防技術基準 調査編 平成 26 年 4 月」(国土交通省 水管理・国土保全局)
(※2)地質リスク:地質リスク学会では、『「地質に係わる事業リスク」を"地質リスク"と定義し,事業コスト損失そのも のとその要因の不確実性をさす』としている。(http://www.georisk.jp/?page_id=558)
第3 編 29
表 4 河川分野における地質・土質モデルの活用目的(河川構造物(樋門・樋管等))
段階 地質・土質調査の目的・内容
地質・土質モデルの主な活用目的
目的 内容
予備調査及 び現地踏査 (※1)
河川構造物を新設する地点の地形 特性及び地盤を構成する地層の性 状の概要を把握し、基礎形式の選 定、予備設計、本調査の計画等に 必要な資料を得ること
・既存の地盤に関する資料の調査
・既存構造物の調査
・その他の資料の調査
・現地踏査 (※1)
・3 次元視覚化による悲観的地質リ スク(※2)の明示化
・関係者間協議用の資料、住民説 明用の資料の作成
・3 次元視覚化による堤体・地盤と河 川構造物の位置関係の明確化 本調査
(※1)
河川構造物を新設する地点の基礎 地盤の構成、性質、地下水の状況 等を把握すること
・ボーリング調査
・サウンディング試験
・その他の原位置試験
・土質試験等 (※1)
・3 次元視覚化による悲観的地質リ スク(※2)の明示化
・関係者間協議用の資料、住民説 明用の資料の作成
・3 次元視覚化による堤体・地盤と河 川構造物の位置関係の明確化
(参考)
施工時
・補足資料の収集
・施工管理資料
必要な内容 ・3 次元視覚化による堤体・基礎
地盤と構造物の位置関係の明確化 による施工性の向上
・盛土材料や基礎地盤の3 次元分 布把握による施工と維持・管理時 の安全確保
・地質リスクの把握による施工と 維持・管理時の安全確保
(参考)
維 持 管 理 ・ 予備調査及 び現地踏査
既設河川構造物付近の地盤を構成 する地層の性状の概要を把握し、既 設河川構造物や周辺堤防への影響 等を点検するための必要な資料を 得る
・構造物(施設)台帳、設計・竣工図 書、構造物地点及びその周辺の土 質・地質調査資料、破堤・沈下・液 状化・漏水等の被災履歴を記録した 資料等の調査
・現地踏査
-
(参考)
維 持 管 理 ・ 本調査
必要に応じてボーリング調査及びサ ウンディング試験、原位置試験(連 通試験等)、土質試験等を行うこと
・ボーリング調査
・サウンディング試験
・原位置試験(連通試験等)
・土質試験 等
・3 次元視覚化による悲観的地質リ スク(※2)の明示化
・関係者間協議用の資料、住民説 明用の資料の作成
・3 次元視覚化による堤体・地盤と河 川構造物の位置関係の明確化
(※1)「河川砂防技術基準 調査編 平成 26 年 4 月」(国土交通省 水管理・国土保全局)
(※2)地質リスク:地質リスク学会では、『「地質に係わる事業リスク」を"地質リスク"と定義し,事業コスト損失そのも のとその要因の不確実性をさす』としている。(http://www.georisk.jp/?page_id=558)