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5.2 今後の課題

本研究に引き続く課題としては、「認識成立の要求」に属する「吧」の文が、

ダロウとどの程度対応しうるのか、ということを明らかにする必要があると考え る。たとえば、2 番の「班長 你講的話惹人厭了吧」の場合、本研究が確認しえ た範囲でも、対応する日本語文において、確認要求のダロウを用いることが不適 格であると感じる日本語母語話者が存在した。この 2 番に限らず、今後は、母語 話者を対象とした調査を行うことによって、ダロウとの対照を進めていきたい。

また、本研究では、非下降イントネーションで発話することによって、「吧」

の推量用法と確認要求用法との弁別が可能となっていることを述べた。しかし、

「吧」の確認要求用法において、非下降イントネーションの持つ意味がそれだけ であるとは限らないだろう。非下降イントネーションの機能については、今後、

確認要求用法以外の「吧」の例、及び、「吧」が以外のケースも含めて、より広 範囲からの検討を加える必要があると考える。

さらに、ダロウの確認要求用法の場合においても、イントネーションの違いに よって、そこにどのような差異が生じるのかという問題については、これまで十 分に研究されているとは言えない。そこで、日本語の文末のイントネーションに 関する知見をふまえつつ、今回、本研究が「吧」に関して行ったような言語調査 をダロウに関しても行いたいと考えている。

以上のように、今後、検討すべき課題は多いのであるが、本研究の結果をふま えて、より新しい視座から、ダロウと「吧」の対照研究を進めていくこととした い。

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参考文献

井上 優 (2016)「日本語と中国語の真偽疑問文と確認文の意味」庵功雄・佐藤琢 三・中俣尚己編『日本語研究のフロンティア』くろしお出版

王 嘉偉(2013)「台灣華語語尾助詞『吧』的研究」輔仁大學 跨文化研究所語言學 碩士班 修士学位論文

王 其莉(2015)「日本語の「だろう」と中国語の“吧”」『判断のモダリティ関する 日中対照研究』ひつじ書房

木村 英樹・森山 卓郎(1992)「聞き手情報配慮と文末形式」大河内康憲編『日本 語と中国語の対照研究論文集(下)』くろしお出版

栗田 岳・劉 泱伶・樊 毓(2019)「確認要求文 – 吧とダロウの場合 –」『政大日本 研究』16

黄 琬婷(2011)「文末助詞 “吧”の機能についての統一的説明」『慶應義塾外国語 研究』8

呉 紅哲(2002)「「ダロウ」と「吧(ba)」の確認要求用法の比較」『岡山大学大学 院文化科学研究科紀要』13

三枝 令子(2003)「「だろう」の意味と働き : 助動詞から終助詞まで」

『一橋大学留学生センター紀要』6

張 恵芳(2008)「『推量確認要求』用法の日中対照研究 - 情報伝達・語用論的な観 点から- 」『言語学論叢』オンライン版創刊号

唐 玉紅・鄒 善軍(2015)「確認要求を表す「だろう」と“吧”の日中対照研究」

日中対照言語学会編『日本語と中国語のモダリティ』白帝社 仁田 義雄(2000)「第 2 章 認識のモダリティとその周辺」

森山卓郎・仁田義雄・工藤浩著『日本語の文法 3 モダリティ』岩波書店 蓮沼 昭子(1995)「対話における確認行為―「だろう」「じゃないか」「よね」の

確認用法―」 仁田義雄編『複文の研究(下)』くろしお出版 三宅 知宏(2010)「「推量」と「確認要求」―“ダロウ”をめぐって―」

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『鶴見大学紀要第 1 部 日本語・日本文学編』47

宮崎 和人・安達 太郎・野田 春美・高梨 信乃(2002)『モダリティ 新日本語文法 選書 4』くろしお出版

宮崎 和人(2004)「確認要求形式の類型と互換性」『岡山大学大学院文化科学研究 科紀要』18-1

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