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非下降イントネーションで発話される「吧」の確認要求用法 - ダロウとの対照に向けた一考察 - - 政大學術集成

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(1)國立政治大學日本語文學系研究所 碩士學位論文. 非下降イントネーションで発話される 「吧」の確認要求用法 治. 政. 大. - ダロウとの対照に向けた一考察 立. ‧. ‧ 國. 學. n. er. io. sit. y. Nat. al. Ch. engchi. i n U. v. 指導教授:栗田 岳 博士 研究生:劉泱伶 撰. 中 華 民 國 一 〇 九 年 一 月 DOI:10.6814/NCCU202000274.

(2) 摘要 本研究以台灣中文裡「吧」的確認要求句中非下降聲調之句子(以下,稱之為 「非下降的吧」)作為考察的核心。具體而言,以對 20-29 歲之台灣中文母語人士 共 20 名進行語言調查的結果進行分析,並主張下述之要點。 ○在前行研究中,確認要求用法大致分類為三類,而本論文之先行研究栗田・劉・ 樊(2019)中,將此三類分別稱為 A 類型「命題確認」、B 類型「認識共有の確認」、 C 類型「認識欠如の是正」。然而,「非下降的吧」於「吧」的確認要求用法體系 中,應被歸類於第四類別之「認識成立の要求」較為恰當。. 治 政 大 ○「非下降的吧」的確認要求用法,可再區分為【正当性主張型】及【共感喚起 立 型】。其中【正当性主張型】的成立條件為「說話者於先前已言明之主張的正確性 ‧ 國. 學. 得到證明」,另一方【共感喚起型】的成立條件為「說話者驅使聽話者認同其說話 內容」。. ‧. ○「非下降的吧」的例句,亦可將原句改為下降聲調發音,惟此時的語意與「非下. Nat. sit. y. 降的吧」之語意不同。將【正当性主張型】的句子以下降語調發音時,一時可解釋. io. al. er. 為是 C 類型「認識欠如の是正」,然而實際使用上並非如此。因此,必須修正先前 對於 C 類型之概念及規定,亦將名稱更名為「認識訂正の要求」較為適當。另外,. n. iv n C 【共感喚起型】的句子以下降語調發音時,可視為 h e n g c h i AU類型「命題確認」的一種。 【關鍵字】DAROU、吧、確認要求、聲調、語言調查. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(3) 要旨. 本研究では、台湾中国語における「吧」の確認要求文のうち、非下降イントネ ーションで発話されるもの(以下、「非下降の吧」と称する)を考察の中心とし た。具体的には、20 代の台湾中国語母語話者計 20 名に対して言語調査を実施し、 それを分析した結果、以下のことを主張する。 ○先行研究において、確認要求用法には概ね三つに分類されており、本研究に先 立つ栗田・劉・樊(2019)では、それらを、A タイプ「命題確認」、B タイプ「認. 政 治 大. 識共有の確認」、C タイプ「認識欠如の是正」と称している。しかし、「非下降. 立. の吧」は「吧」の確認要求用法の体系の中で、「認識成立の要求」という第 4 の. ‧ 國. 學. カテゴリーに属するものと考えられる。. ○「非下降の吧」の確認要求用法は、【正当性主張型】と【共感喚起型】という. ‧. 下位区分が設定される。【正当性主張型】の成立条件は「話し手がそれ以前に言. y. Nat. 明していた主張の正しさが明らかになること」であり、一方、【共感喚起型】の. n. al. er. io. である。. sit. 成立条件は「話し手が聞き手に共感してもらいたいために働きかけを行うこと」. Ch. i n U. v. ○「非下降の吧」の文は、そのまま下降イントネーションに変えて発話すること. engchi. が可能である。しかし、その意味内容は「非下降の吧」とは異なってくる。【正 当性主張型】の文を下降調で発話した場合は、一見、確認要求用法の C タイプ 「認識欠如の是正」と解釈されそうなのであるが、実際にはそうならないことか ら、C タイプの概念規定を改め、名称も「認識訂正の要求」とすることが適当で あると考えられる。一方、【共感喚起型】の文を下降調で発話する場合は、A タ イプ「命題確認」の一種として理解される。. 【キーワード】ダロウ、吧、確認要求、イントネーション、言語調査. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(4) 目次 第1章. 序論 ............................................................................................................................... 01. 1.1. 研究動機と目的 ............................................................................................................. 01. 1.2. 研究対象 ......................................................................................................................... 03. 第2章. 先行研究 ....................................................................................................................... 04. 2.1. ダロウの確認要求用法に関する先行研究の概要 ..................................................... 04. 2.1.1 宮崎(2004) ............................................................................................................. 05 2.1.2. 木村・森山(1992) ................................................................................................. 06. 2.1.3. 三宅(2010) ............................................................................................................. 08. 2.2. ダロウの確認要求用法の分類 まとめ ....................................................................... 11. 2.3. 「吧」とダロウの対照に関する先行研究 ................................................................. 13. 2.3.2. 2.4. 學. 2.3.3. 唐・鄒(2015) ......................................................................................................... 14. ‧ 國. 2.3.1. 政 治 大 井上(2016) ............................................................................................................. 13 立 呉(2004) ................................................................................................................. 15. 「非下降の吧」相当の文に関する先行研究 ............................................................. 16. ‧. 2.4.1. ダロウに関する言及 ............................................................................................. 17. 2.4.2. 「吧」に関する言及 ............................................................................................. 19. y. Nat. 3.1. 【対立型】と【新情報型】 ......................................................................................... 22. 3.2. 【対立型】【新情報型】と非下降イントネーション ............................................. 22. n. al. er. sit. 「非下降の吧」をめぐる論点 ................................................................................... 22. io. 第3章. Ch. i n U. v. 3.2.1. 【下降の吧】における推量用法・確認要求用法の弁別 ................................. 22. 3.2.2. 【対立型】【新情報型】が非下降イントネーションで発話される所以 ..... 24. engchi. 第4章. 「吧」の確認要求文についての言語調査の結果分析 ........................................... 26. 4.1. 調査の概要 ..................................................................................................................... 26. 4.1.1. 予備的調査 ............................................................................................................. 26. 4.1.2. 本調査の概要 ......................................................................................................... 26. 4.1.3. 本調査の方法 ......................................................................................................... 28. 4.1.4. 本調査の調査対象 ................................................................................................. 30. 4.2. 本調査の結果 ................................................................................................................. 30. 4.3. 調査結果の分析 ............................................................................................................. 36. 4.3.1 【対立型】 - 非下降イントネーションに関する調査結果 - ......................... 37 4.3.1.1. 非下降イントネーションでの発話が相対的に少なかったスクリプト ..... 37. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(5) 4.3.2 【正当性主張型】(旧【対立型】) - 下降イントネーションに関する調査 結果 - ................................................................................................................................... 40 4.3.2.1. 「命題確認」乃至「推量」という解釈の不成立 ....................................... 40. 4.3.2.2. 「認識欠如の是正」という解釈の不成立 ..................................................... 43. 4.3.2.3. 「認識欠如の是正」から「認識訂正の要求」へ ......................................... 45. 4.3.3【新情報型】 - 非下降イントネーションに関する調査結果 - ....................... 46 4.3.3.1. 非下降イントネーションでの発話が相対的に少なかったスクリプト ..... 46. 4.3.3.2. 「聞き手との共感」 ......................................................................................... 50. 4.3.3.3. 「望ましくない事柄」をめぐって ................................................................. 51. 4.3.3.4 【新情報型】 - 非下降イントネーションに関する調査結果 –. まとめ . 54. 政 治 大. 4.3.4 【共感喚起型】(旧【新情報型】) - 下降イントネーションに関する調査結 果 - ....................................................................................................................................... 54. 立. 「推量」乃至「命題確認」という解釈の不成立 ......................................... 54. 4.3.4.2. 「認識訂正の要求」という解釈の成立 ......................................................... 57. 4.3.4.3. 「命題確認」という解釈の成立 ..................................................................... 58. 4.3.4.4. [話し手<聞き手]という環境をめぐって ..................................................... 61. ‧ 國. ‧. 第5章. 學. 4.3.4.1. おわりに ....................................................................................................................... 63. y. Nat. 5.1 本研究のまとめ ................................................................................................................ 63. sit. 5.2 今後の課題 ........................................................................................................................ 65. 付録 2. al. iv n C スクリプト別の被験者のコメント ............................................................................ 73 hengchi U 本調査に用いた会話スクリプト一覧 ........................................................................ 68. n. 付録 1. er. io. 参考文献 ....................................................................................................................................... 66. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(6) 表目次 表1. 先行研究によるダロウの確認要求用法の分類. 表2. 栗田・劉・樊(2019)による、ダロウの確認要求用法の 3 分類 ......... 12. 表3. 非下降イントネーションの先行研究のまとめ ....................... 20. 表4. 予備的調査から本調査までの調査内容 ............................. 28. 表5. 調査結果の一覧表及びスクリプト例文の分類・内容 .............. 32-33. 表6. 被験者別の調査結果一覧 ...................................... 34-35. 表7. 調査の分析結果まとめ ........................................... 36. 立. ..................... 05. 政 治 大. ‧. ‧ 國. 學. n. er. io. sit. y. Nat. al. Ch. engchi. i n U. v. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(7) 図目次 本調査の調査手順 ............................................... 29. 立. 政 治 大. 學 ‧. ‧ 國 io. sit. y. Nat. n. al. er. 図1. Ch. engchi. i n U. v. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(8) 第1章. 1.1. 序論. 研究動機と目的. 「吧」とダロウはモダリティに関わる形式として、それぞれ多様な役割を持つ が、従来の研究から、両者には少なくとも推量と確認要求という 2 種類の共通す る用法があることが分かっている。ここでは、まず三宅(2010)が提示した「確認 要求」の定義を確認しておく。. 政 治 大 「確認」は、話し手にとって何か不確実なことを、聞き手によって確実にし 立. 「確認要求」とはまさに聞き手に確認を要求するということであるが、その. ‧ 國. 學. てもらうための「確認」である。すなわち、「確認要求」とは、話し手にと って何か不確実なことを、聞き手によって確実にしてもらうための確認を要. ‧. 求する、と一般化される。. Nat. sit. y. 確かに、「吧」とダロウには、この定義にかなう確認要求用法が存在するが、両. er. io. 語の間にどのような違いや共通点があるかは、まだ十分明らかにされていない。. al. したがって、現段階では、ダロウと「吧」の確認要求用法が完全に対応している. n. iv n C かどうかもからない。よって、今後は、より詳細に両者の対照を進めていく必要 hengchi U があるだろう。. また、これまで、ダロウとの比較における「吧」の考察は、ほとんどが下降イ ントネーション1の例を扱うものであった。しかし、実のところ「吧」の確認要 求用法には、非下降イントネーション2で発話されるタイプも存在する。なお、 以下、簡潔さのために、「吧」の確認要求用法における下降タイプ、非下降タイ プを、それぞれ「下降の吧」「非下降の吧」と呼ぶことにする。. 1「吧」の発音は通常「軽声」であるが、本研究において考察対象となる確認要求用法の文は、文末助詞. 「吧」に異なる 2 種類の発音パターンが見られ、従いここではイントネーション別と称する。下降イントネ ーションの「吧」は中国語の声調において「軽声」で発音される。 2 非下降イントネーションの「吧」は中国語の声調において「一声」に近い声調で発音される。. 1. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(9) しかし、こうした「吧」の確認要求用法におけるイントネーション上の相違は、 従来、重視されることがなく、先行研究でも「非下降の吧」に言及するものは、 ほぼ見当たらない。けれども、台湾中国語母語話者である筆者の観察によると、 「非下降の吧」は、若年層を中心に広く用いられている日常言語である。したが って、ダロウとの対照研究を行う際に、「非下降の吧」の分析は欠くことができ ない。 このような問題意識のもと、筆者は、栗田・劉・樊(2019)において、「非下降 の吧」に触れ、それが、内容上、【対立型】と【新情報型】という二つのタイプ に分類されることを述べた。. 立. (1)果然下雨了吧。. 政 治 大 栗田・劉・樊(2019). ‧ 國. 學. (やはり雨降ったでしょ) (2)我家的小孩考試前還一直在玩遊戲。很誇張吧。. 筆者訳 栗田・劉・樊(2019). ‧. (うちの子は試験前なのにゲームばかりしてるのよ。ありえないでしょ). sit. y. Nat. 筆者訳. er. io. まず、 (1)の文は【対立型】に属する。「果然(やはり)」という言葉に見られ. al. n. iv n C hengchi U があったのだが、結局は、話し手の主張通りであったことが明らかになった際に. るように、以前、話し手と聞き手との間には、降雨の有無について意見の不一致. 発話されるものである。一方、(2)の属するのが【新情報型】である。ここでは、 話し手が、我が子に関する新しい情報を聞き手に提示しつつ、それに纏わる「あ りえない」という自身の認識への共感を求めている。 先述のとおり、これら「非下降の吧」の例は、異なるイントネーションで発話 されるにも関わらず、本格的に考察されることがなかった。一方、ダロウにおい ても、上に示した日本語訳のように、内容上、「非下降の吧」に対応する確認要 求文は存在する。しかし、台湾中国語の場合とは異なり、そもそも、それらは、 ダロウの確認要求用法全般と同様のイントネーションで発話される。よって、ダ. 2. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(10) ロウにおいては、それらを特別なタイプと考える契機に乏しいと言える。つまり、 「非下降の吧」は、「吧」の確認要求用法という観点でも、今後の研究を要する 文であり、かつ、「吧」とダロウの対照という観点でも、明瞭にダロウとの差異 を有する文である。 本研究は、そのような「非下降の吧」に関する言語調査を実施して、台湾中国 語母語話者における「非下降の吧」の使用実態を明らかにする。それによって、 これまでほとんど言及されることのなかった「吧」独自の確認要求用法の体系を 展望し、今後、より広い視野からダロウとの対照研究を行う第一歩としたい。. 1.2. 研究対象. 立. 政 治 大. 本研究では、「非下降の吧」が、先述のとおり、主に若年層によって使用され. ‧ 國. 學. るものであることから、20 代の台湾中国語母語話者男女各 10 名にインタビュー を実施し、その結果に基づき、「非下降の吧」の性格が「下降の吧」とどう相違. ‧. し、あるいは、どう関連しているのかを明らかにしていく。. y. Nat. また、従来の「吧」とダロウの対照研究は、そのほとんどが日本語と中国大陸. sit. の中国語と比較したものであったが、本研究は、「非下降の吧」など、台湾にお. n. al. er. io. ける日常言語としての確認要求用法に注目するものである。よって、中国大陸の 中国語は本研究における考察対象とはしない。. Ch. engchi. i n U. v. 3. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(11) 第2章. 2.1. 先行研究. ダロウの確認要求用法に関する先行研究の概要. まず、「吧」とダロウの対照研究を行うにあたって、まず、先行研究において、 ダロウの確認要求用法の全体像がどのように捉えられてきたかを確認していく。 従来、ダロウの確認要求用法は、主として三つあるいは二つに分類されてきた。 仮にそれらを A、B、C タイプとし、次に、それぞれに属する例文(3)から(5)を示 す。. A タイプ. 立. 政 治 大 宮崎(2004). (3)もしかして、君、噓ついてるだろう。. ‧ 國. 學. B タイプ. (4)「同級生に加藤さんっていただろう。背の高い男の子。」. ‧. C タイプ. 三宅(2010). sit. y. Nat. (5)「そんなのんきなことを言っている場合じゃないだろ」. 蓮沼(1995). n. al. er. io. 先行研究が、上述の A、B、C 三タイプをどのように扱っているのかについて、 次頁の表 1 にまとめる。. Ch. engchi. i n U. v. 4. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(12) 表1. 先行研究によるダロウの確認要求用法の分類. 宮崎(2004). 木村・森山. 三宅(2010). 蓮沼(1995). 命題確認の要求. 推量確認. (1992) A タイプ. 聞き手 依存型. 伺い型の確認. B タイプ (直接言及され ていない3). 聞き手 誘導型 C タイプ. 知 識 確 認 の 要 求. 潜在的共有 知識の活性 化. 政 治 大. 押し付け型の 確認. 立. 認識の同一 化要求. 共通認識の 喚起. 認識形成の 要請. ‧ 國. 學. 確認されるように、宮崎(2004)は B と C を区別せず、木村・森山(1992)は B タ イプへの直接の言及が見られず、さらに三宅(2010)は、区別はするものの、同一. ‧. のタイプの下位区分としている。それに対して、蓮沼(1995)では、三つがそれぞ. y. Nat. れ独立するタイプとされている。. io. sit. 次に、上記の表 1 に提示した宮崎(2004)、木村・森山(1992) 、三宅(2010) 、蓮. n. al. er. 沼(1995)の所説を確認していく。. 2.1.1. 宮崎(2004). Ch. engchi. i n U. v. 宮崎(2004)は、ダロウの確認要求用法を、話し手自身の認識が確かである場合 (「聞き手誘導型」)と、不確かである場合(「聞き手依存型」)とに分類して いる。まず、「聞き手依存型」を見る。. 2.1.1.1 「聞き手依存型」 宮崎(2004)によると、「聞き手依存型」の確認要求用法とは、話し手自身の認識. ただし、木村・森山(1992)における pp.29 の例文の日本語訳文に現れたダロウは、事実上、B タイプに該当 するものである。 3. 5. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(13) が不確かな状況において、確かな情報を有していると見込まれる聞き手の応答に 依存して、話し手がその情報の確定化を図る意図のもとに言語化されるタイプで ある。. (3)もしかして、君、嘘ついてるだろう。. 宮崎(2004). (6)明日のパーティーには君も来てくれるだろう。. 宮崎(2004). 政 治 大 であるか no であるかに話し手の関心があると説明している。そして、話し手の認 立 識に不確かさの存する用法は、より推量用法に近いものとして位置づけられると 宮崎(2004)は、「聞き手依存型」では、通常の質問文と同様、聞き手の応答が yes. ‧ 國. ‧. 2.1.1.2. 學. される。. 「聞き手誘導型」. sit. y. Nat. 宮崎(2004)によると、「聞き手誘導型」の確認要求用法とは、話し手自身の認. io. al. n. である。. er. 識が確かな状況下において、聞き手にその情報を認識するように働きかけるもの. Ch. engchi. i n U. v. (7)ほら、昔ここに本屋があっただろう?. 宮崎(2004). (8)よく見ろよ。君の計算、間違えてるだろう。. 宮崎(2004). 宮崎(2004)は、「聞き手誘導型」では、聞き手の応答のあり方よりも、聞き手に そのことを認識させられるかどうかが重要であると述べている。. 2.1.2. 木村・森山(1992). 木村・森山(1992)によれば、平叙文におけるダロウは、聞き手に情報が保持さ れていない場合は、いわゆる推量の意味になるが、聞き手の情報の保持の仕方に 6. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(14) 配慮する場合は、二つの意味 - 聞き手の情報に誘導してもらう場合(「伺い型の 確認」)と、聞き手の情報の持ち方を誘導する場合(「押し付け型の確認」) -を 持つことになると指摘している。. 2.1.2.1. 「伺い型の確認」. このタイプに属するのは、次の (8)のような例である。. 木村・森山(1992). (9)お疲れでしょう。. 政 治 大. 木村・森山(1992)によると、(9)は、聞き手の情報に全面的に依存し、聞き手によ. 立. って正確な情報に導かれることを期待する意味合いを持つ。また、聞き手のいる. ‧ 國. 學. 前で、聞き手が知っていると見なされる情報を推量してみせて、当該情報を保持 している聞き手から同意を得ようとする意味になるという。ここで注意すべき点. ‧. としては、このタイプが、単なる推量だけでなく、聞き手に伺うようにして共通 理解へ達しようとする意味を持つ(つまり、聞き手に伺うようにして確認する). y. Nat. sit. という点である。なお、一般に、この意味では、上昇のイントネーションである. n. al. er. io. ことが多いが、下降になることもあると指摘されている。. 2.1.2.2. Ch 「押し付け型の確認」. engchi. i n U. v. 木村・森山(1992)によると、このタイプは、話し手が確実に情報を有している にもかかわらず、聞き手との情報のあり方に何らかのギャップを感じているため、 あえて決着をつけない言い方にして、確認のために聞き手の判断を求めるという ものである。つまり、このタイプは、話し手は当該情報が正しいと認識している が、聞き手はまだその認識に至っていないという関係において言語化される。そ して、話し手は、聞き手に判断を形成させるようにしむける(確認を押し付ける) というわけである。具体的には、次の(10)などがその例である。. (10)[自分が 3 時だと思っているのに相手が 4 時だと主張するような場合] 7. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(15) 「何を言っているんですか、今、3 時でしょう。」. 木村・森山(1992). また、木村・森山(1992)は、このような意味でのダロウがネと対立すると述べて いる。ネは単純に同意を予想し、認識のずれを意識しないものとされるのに対し て、ダロウの方は、何らかの認識のずれがあることを表すというのである。よっ て、「押し付け型の確認」は、「伺い型の確認」とは異なり、ダロウとネが共起 できないとされている。. 治 政 三宅(2010)では、大きく「命題確認の要求」と「知識確認の要求」という 2分 大 立 類が設けられている。「命題確認の要求」は「聞き手に対して、命題が真である 2.1.3. 三宅(2010). ‧ 國. 學. ことの確認を求めるもの」で、一方の「知識確認の要求」は、「聞き手が当該知 識を有していることの確認を求めるもの」である。三宅(2010)はさらにこの「知. y. sit. n. al. er. 「命題確認の要求」. io. 2.1.3.1. Nat. 類している。. ‧. 識確認の要求」を、「潜在的知識の活性化」と「認識の同一化要求」とに下位分. i n U. v. 次に「命題確認の要求」と考えられる用例について、まず(11)から(12)までを 見る。. Ch. engchi. (11)「金沢、寒かったでしょう」「ええ、雪がいっぱい降ってて」三宅(2010) (12)「ねえワタナベ君、正直言って私の料理って私の料理ってそんなに期待 していなかったでしょ?見かけからして」. 「まあね」. 三宅(2010). 三宅(2010)は、「命題確認の要求」の例では、例(11)のように、「金沢が寒か った」という話し手にとって不確実なことについて、聞き手に確認を求めている ことが表されると述べている。また、これらにおいては、命題の真偽が確認の対. 8. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(16) 象とされる(命題が真であることの確認を要求する)。それゆえに「命題確認の 要求」と称されるわけである。. 2.1.3.2. 「知識確認の要求」. 先述のとおり、「知識確認の要求」はさらに下位分類されているが、まずは (13)から(15)までを見る。. (13)「あのね、 駅の地下街にね、『テイク』ってブティックがあるでしょ」. 治 政 (14)「この間、私、東京に帰ったでしょう?」「はあ」 大 立 「あのとき、立川に行ってみたんです」 「うん、 ある」. 三宅(2010). 三宅(2010). ‧ 國. 學. (15)「ほら、 こういう広告がいっぱい新聞に載っているでしょう。新聞社の経 営は安い購読料ではとてもまかなってはいけないので、 こういう広告収 三宅(2010). ‧. 入で経費を出すのです」. y. Nat. sit. 三宅(2010)によると、上の例(13)は「~があることを知っているでしょ」と言. n. al. er. io. い換えても大差ない。また、三宅(2010)は、これらを、聞き手の知識を確認する. i n U. v. ことによって、話し手と聞き手が潜在的に共有しているはずの知識を活性化させ. Ch. engchi. る機能を有するものとして、「潜在的共有知識の活性化」という名称を与えた。 このタイプの特徴としては、“ホラ”と共起できるという点が重要であるとされ ている。 一方、次の例(16)から(17)は「潜在的共有知識の活性化」とは異なる類である。. (16)「へえ。いつからお姉ちゃんとこ、お手伝いさん置いたのかと思った」 「あんな狭いアパートにお手伝いさんがいるわけないでしょ」. 三宅(2010). (17)「エーッ本気でお仕事に出るんですか?」「もちろん本気ですよ」「そん な急に」「急ではありませんよ。前々から言ってたでしょう」三宅(2010). 9. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(17) 三宅(2010)は、例(16)と(17)が、聞き手の知識を確認することによって、聞き手 に話し手と同じ認識を持つことを要求する性格を持つ点で共通していると述べ、 これらを「認識の同一化要求」と呼んでいる。. 2.1.4. 蓮沼(1995). 蓮沼(1995)は、ダロウに限らず、ジャナイカ、ヨネも考察しているが、ここで はダロウの確認要求用法に関する点のみに言及する。蓮沼(1995)においては、 「推量確認」「共通認識の喚起」「認識形成の要請」という三つの区分が設けら れている。順に確認していく。. 2.1.4.1. 「推量確認」. 立. 政 治 大. ‧ 國. 學. 蓮沼(1995)は、「推量確認」が、聞き手の知覚・感情・判断など、本来的にそ の直接の経験者・持ち主である聞き手に帰属する情報や、聞き手の領域の情報に. ‧. ついて、話し手の推測が正しいことを確認する用法であると説明している。以下. (18)「疲れたでしょう。ゆっくり休んでね。」. n. al. er. io. sit. y. Nat. の例文(18)から(21)がそれに該当する例である。. i n U. 蓮沼(1995). v. (19)「昨日の夕方、三宮センター街を彼女と歩いていただろう。」 蓮沼(1995). Ch. engchi. (20)「私の料理の腕前上がったでしょ。」. 蓮沼(1995). (21)[お酒を飲んで自分の顔が見えない状態で] 「僕の顔、赤いだろう。」. 2.1.4.2. 蓮沼(1995). 「共通認識の喚起」. 蓮沼(1995)によると、「共通認識の喚起」は、聞き手が忘れている、あるいは、 まだ気づいていない事柄について、話し手が聞き手の認識を喚起し、その成立状 態を確認するという特徴を持つ。そして、喚起の対象となる知識・情報には様々 なものがあると指摘されている。例(22)から(24)まで及び(4)を観察していく。. 10. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(18) (22)[タクシーの運転手に行く先を指示して] 「あそこに郵便ポストが見えるでしょう。そのすぐ先の角を右に曲がって ください。」. 蓮沼(1995). (4)「同級生に加藤さんっていただろう。背の高い男の子。」 蓮沼(1995) (23)A:「子供って、みんなカレーが好きでしょ。」 蓮沼(1995). B:「そうね。家の子もみんな好きだわ。」. 治 政 (24)「仮に 30 人来るとするだろう。そしたら、一人 大 5 千円の会費で、15 万く 立 らいの予算でいけるよ。」 蓮沼(1995) ‧ 國. 學. 2.1.4.3. 「認識形成の要請」. ‧. 蓮沼(1995)は、「認識形成の要請」を、通常の認識能力を持っていれば認識で. y. sit. io. n. al. er. いる。. Nat. きて当然といった見込みに基づいて、聞き手の認識形成を要請する用法だとして. i n U. v. (25)「だから言ったでしょ。あの人には気をつけなさいって。」. Ch. engchi. (26)[帰りの遅い夫を非難して]. 蓮沼(1995). 妻:「遅いじゃないの。」 夫:「仕方がないだろう。仕事が忙しいんだから。」. 2.2. 蓮沼(1995). ダロウの確認要求用法の分類 まとめ. ここまで、ダロウの確認要求用法の分類に関する先行研究を確認してきた。そ れらはみな、A を独立したタイプとする点では共通している。しかし、B と C を 一つのタイプと見なすのか、一つのタイプとはしつつも下位区分として B、C を 分けるのか、それとも、A 、B、C 三つをそれぞれ並び立たせるのか、という点. 11. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(19) では差異が認められた。ともあれ、何らかのかたちで A 、B、C を区別するのが 通説的であるとは言え、本研究においても、この根幹部分を踏襲する。具体的に は、栗田・劉・樊(2019)での枠組を本研究でも用いることとしたい。ただし、B と C の別を下位区分と見るのが適当であるのかについては今後の課題とし、本 研究の範囲では立ち入らない。次頁の表 2 に、各タイプの名称、及び、それぞれ の概念規定をまとめる。. 栗田・劉・樊(2019)による、ダロウの確認要求用法の 3 分類(筆者作成) 名称. 手に求めるものである。言語主体にとって、命題自体の真偽. 學. が確定しているわけではないため、そこには推量的な意味合 いも認めうる。. 認識共有の確認. ‧. B タイプ. 命題確認. ‧ 國. A タイプ. 概念規定 治 政 話し手は、命題が真であるとは思っているが、実際に真だと 大 立知っているわけではなく、命題が真であることの確認を聞き. 話し手は命題が真であると思い、何か特別な条件でもつけぬ. y. Nat. io. sit. 限りは、実際にも真と言いうると考えている。そうした認識 は聞き手も共有するものと見なしているため、両者の間で認. er. 表2. n. a l 識が共有されている旨を顕在化させようとするものである。 iv n C hengchi U 主として、聞き手に伝達したいことの前提をなす発話とな る。. C タイプ. 認識欠如の是正. 話し手は命題が真であると思い、何か特別な条件でもつけぬ 限りは、実際にも真と言いうると考えている。そうした認識 は聞き手にも共有されているはずであるが、聞き手の方に、 必ずしもそうとは言い切れぬ様子が見出されたため、その是 正を求めるものである。基本的には、聞き手を咎めるような 発話となる。. 12. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(20) そして、これらダロウの確認要求用法 3 分類には、それぞれ「吧」の確認要求 用法も対応可能である。. A タイプ 宮崎(2004). (3)もしかして、君、噓ついてるだろう。. 筆者訳. (27)該不會,你是在説謊吧。 B タイプ (4)「同級生に加藤さんっていただろう。背の高い男の子。」. 蓮沼(1995). 政 治 大. 筆者訳. (28)同年級的同學裡有個叫加藤的吧。身高很高的男生。 C タイプ. 筆者訳. ‧ 國. 三宅(2010). 學. 立. (5)「そんなのんきなことを言っている場合じゃないだろ」 (29)現在不是講那種風涼話的時候吧。. ‧. このように、「吧」の確認要求用法も、ダロウの 3 分類と、一定程度の対応を. y. Nat. 見せているとは言える。しかし、本研究が直接の考察対象とする「非下降の吧」. sit. は、これら 3 分類に対応する諸例とは、イントネーションという点で大きく異な. n. al. er. io. っており、それらを確認要求用法の体系の中でどう位置づけるのが適切であるの かという問題が残されているのであった。. 2.3. Ch. engchi. i n U. v. 「吧」とダロウの対照に関する先行研究. ここまでは、ダロウの確認要求用法の分類について、先行研究の主張を概観 したが、以下は、「吧」とダロウの対照に関する先行研究を確認する。. 2.3.1 井上(2016) 井上(2016)では、確認要求用法のダロウと、確認要求用法の「吧」との間に見 られる性格の違いについて、下記のように述べている。. 13. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(21) 中国語の確認文“P 吧?"は、「P であるはずだ/P であってほしい」という信 念を持つ話し手が、自らの信念の確かさをより強化したい(現実にも P であ ることを確認したい)として、現実にはどうであるかを聞き手に確認する文 である。“P 吧?"において聞き手に求められるのも、「現実にはどうか」に 関する情報の提供にとどまる。 一方、日本語の確認文「P だろう? / P よね?」は、「現実に P である」と 判断した話し手が、自らの判断の確かさをより強化したい(自分だけの判断 ではないことを確認したい)として、聞き手の同意が得られるかどうかを確. 治 政 し手の判断に同意できるか否か」の検討である。「だろう/よね」に、蓮沼 大 立 (1995) の言う「推量確認」のほかに、「共通認識の喚起」、「認識形成の要 認する文である。聞き手に求められることも,情報の提供というよりは,「話. ‧ 國. けの“吧”には「推量確認」の用法しかない。. 學. 請」の用法があることもその反映である。現実に関する情報提供を求めるだ. ‧. sit. y. Nat. 確認されるように、井上(2016)の理解では、「吧」の確認要求用法には、本研. io. er. 究の A タイプ「命題確認」に相当する例しか存在しないことになる。しかし、 栗田・劉・樊(2019)で指摘したように、「吧」の確認要求用法には、B タイプに. al. n. iv n C 該当する(30)と、C タイプと見なされる(31)のような例も存在する。 hengchi U (30)你看得到那裡有個紅色屋頂吧。那旁邊是我家。. 栗田・劉・樊(2019). (あなたには、あそこに赤い屋根があるのが見えるでしょう。その隣がうち です。) 栗田・劉・樊(2019). (31)我説過很多次了吧。 (何度も言ったでしょう。). 2.3.2. 唐・鄒(2015). 14. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(22) 唐・鄒(2015)では、A タイプの確認要求用法は日中両語が対応しているが、 「話し手が聞き手に確認する話題内容」が「非事実的な命題内容4」である場合 は日中両語が対応せず、中国語の「吧」のみが適格になると述べている。具体的 には、話し手が、既に確実な情報を把握しているにもかかわらず、わざと聞き手 情報に依存し、聞き手に確認する形を取ることによって、聞き手を責めたり、自 分の不満を表したりするものとされる。. (32)什麼,你瘋了吧? 奇珍齋你能搬走?. 唐・鄒(2015). 治 政 (*あなた、気が狂ってるでしょ?奇珍齋は運んでいけるの?) 大 立 (あなた、気が狂ってるんじゃないの?. 奇珍齋は運んでいけるの?5). ‧ 國. 學. しかし、「あなた、気が狂ってるでしょ」は、上昇イントネーションでは発話で きないが、下降イントネーションの場合は適格な確認要求表現である。このよう. ‧. に、従来のダロウや「吧」の研究においては、イントネーションの問題が見落と. y. Nat. されがちだと言えよう。先述のとおり、本研究の範囲では「吧」における非下降. n. al. er. io. 課題とする。. sit. イントネーションの問題を論じ、ダロウのイントネーションに関しては、今後の. 2.3.3. 呉(2004). Ch. engchi. i n U. v. 呉(2004)では、聞き手が命題について認識していて当然の場合、ダロウと「吧」 は対応を見せるが、話し手と聞き手の共通経験ではなく、聞き手が認識している 可能性が低くなる場合は、日中両語に差が見られるという。. (33)「私たち高校のときのクラブ活動で知りあったの。私は女子校で、彼は男 子校で、ほらよくある{でしょ/ジャナイ}? 合同コンサートとか、そうい. 唐・鄒(2015)によると、非事実的な命題内容とは、聞き手を責めたり、話し手の不満を表したりする場合 のことである。 5 訳文は唐・鄒(2015)の原文引用である。 4. 15. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(23) うの。恋人っていう関係になったのは高校出ちゃったあとだけれど。」 呉(2004) (34)我們是在課外活動中相識的。我在女校,他在男校。不是經常有合作音樂演奏 會什麼的嗎? 就是這種活動。確立戀愛關係倒是在高中畢業以後。. 呉(2004). (35)*我們是在課外活動中相識的。我在女校,他在男校。不是經常有合作音樂演 奏會什麼的吧? 就是這種活動。確立戀愛關係倒是在高中畢業以後。呉(2004). (35)の「吧」が不適格となるのは、これらの文における「女子校と男子校で合同 コンサートをやる」という事柄が、話し手にのみ関係しており、聞き手が知るよ. 政 治 大. しもないからだとされるわけである。しかし、この (35)を二人称主語文に変えた. 立. 「你知道我們經常有合作音樂演奏會什麼的吧。」の場合は、中国語においても許. ‧ 國. 學. 容度が上がると考えられる。こうした二人称主語についての問題は、改めて 3.2.1 節で触れるが、呉(2004)においては、それに関する考慮がなされていないわ. ‧. けであった。なお、重複となるため、詳細な言及は省略に従うが、次の(36)も、 「話し手が仕事に行く」ことを、聞き手が知っているはずはないため、「吧」が. y. Nat. n. er. io. al. sit. 非文になるとされている例である。. (36)朗「先輩、どこ行くんですか?」. Ch. engchi. i n U. v. 野口「男と散歩する趣味はねえよ。仕事に決まってるだろ」. 呉(2004). (37)朗「前輩,您要去哪呢?」 野口「我才沒興趣跟男人去散步咧。*當然是去工作吧。」. 2.4. 筆者訳. 「非下降の吧」相当の文に関する先行研究. 第 1 章で述べたように、先行研究においては「非下降の吧」に関する考察はな されていない。しかし、内容上、「非下降の吧」に相当する文について言及され ることはある。まず、第 1 章で示した「非下降の吧」の例を再掲しておく。. 16. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(24) 【対立型】 栗田・劉・樊(2019). (1)果然下雨了吧。 (やはり雨降ったでしょ). 筆者訳. 【新情報型】 栗田・劉・樊(2019). (2)我家的小孩考試前還一直在玩遊戲。很誇張吧。. (うちの子は試験前なのにゲームばかりしてるのよ。ありえないでしょ) 筆者訳. 政 治 大 び、②【イントネーションの差異には言及されていないものの、非下降イントネ 立 ーションで発話可能な「吧」の例】に関して、先行研究がどのように言及してき ここでは、①【内容上、「非下降の吧」に相当すると考えられるダロウの例】及. ‧ 國. 學. たのかを確認していく。まず、次の 2.4.1 節では①のダロウに関する言及を見る。. ‧. 2.4.1. ダロウに関する言及. 三宅(2010). sit. y. Nat. (38)「うまいだろう、ここのランチ」「ええ」. al. n. ることができる。. er. io. この(38)は、次に示すような「非下降の吧」【新情報型】の例(39)に置き換え. Ch. engchi. (39)「很好吃吧,這裡的午餐」 「對啊」. i n U. v. 筆者訳. 三宅(2010)は、(38)のような例を A タイプに属するものと見なしている。ただ し、それらの例においては、確認されるべき命題の性質に多少の特殊性があると される。具体的には、それらは、聞き手の評価によって真偽が異なる可能性のあ る命題を言語化するものと考えられている。話し手の評価において命題は真なの であるが、聞き手の評価における命題の真偽が不確実であるため、聞き手の評価 においても真であるということの確認を求めているとされるわけである。次に蓮 沼(1995)は、(40)の例を紹介している。 17. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(25) 蓮沼(1995). (40)「私の料理の腕前上がったでしょ。」. 筆者訳. (41)我做菜的技術進步了吧。. (40)は、(41)の中国語文のとおり、【新情報型】の「非下降の吧」に置き換え可 能である。蓮沼(1995)も、三宅(2010)同様、この(38)のような例を A タイプに所属 させ、そこで確認の対象となっているのは、「聞き手に最終的判断の決定権のあ ることについての話し手の推測の妥当性」であると述べている。. 政 治 大. (42)[お酒を飲んで自分の顔が見えない状態で]. 立. 「僕の顔、赤いだろう。」. 蓮沼(1995) 筆者訳. ‧ 國. 學. (43) *我的臉很紅吧。. ‧. 上掲の(42)は、蓮沼(1995)において (40)の類例として引かれるものである。し かし、中国語の場合、先の(40) に対応する(41)は適格であったが、(42) に対応さ. Nat. sit. y. せた(43)は不適格となる。即ち、ここで注意されるのは、ダロウには、たしかに. al. er. io. 内容上「非下降の吧」に相当する例があるが、それらは、時に「非下降の吧」に. n. は対応しない例とも同質である旨、指摘されているということである。「非下降. Ch. i n U. v. の吧」とダロウの対応は認められるものの、その範囲には異同が存するのである。. engchi. 今後の対照研究においては、この点について考えていく必要があるだろう。 また、ここまで三宅(2010)及び蓮沼(1995)を確認して明らかとなったのは、内 容上「非下降の吧」に対応するダロウに関して、先行研究が言及する例は、本研 究の言う【新情報型】相当に限られていたということである。しかし、(1)の 【対立型】の「吧」が、ダロウと違和感なく対応することからもわかるように、 ダロウにおいても【対立型】相当の例は存在するはずである。この現象が有意の ものであるかについても、今後、検討を加えていきたい。 次に、イントネーションへの言及はないが、非下降イントネーションで発話可 能な「吧」の例について、先行研究がどう述べているのかを見る。 18. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(26) 2.4.2. 「吧」に関する言及. 井上(2016)は「事実を理解した聞き手に対して、念押し的に確認をおこなう」も のとして、次の例を紹介している。. (44) 你看,我沒有記錯吧?. 井上(2016). (ほらね、(確かに) 私の記憶は間違ってなかったでしょう?) 井上(2016)訳. 2.3.1 節で触れたように、井上(2016)の枠組みでは、「吧」の確認要求は A タイ. 政 治 大. プに限られているので、これも A タイプに属することとなる。そして、ここで注. 立. 目されるのは、井上(2016)が示す例が、内容上、本研究における【対立型】に相当. ‧ 國. 學. するということで、そこが、前節で見たダロウに対する言及との相違点である6。 また、次の黄(2012)も、イントネーションには言及がないが、【対立型】の「吧」. ‧. と目される文を提示している。次の(45)を見る。. y. Nat. n. al. er. io. 我早跟你說過了吧。誰叫你不聽我的。. sit. (45) (話し手の忠告を無視し、聞き手が失敗を犯した状況で). i n U. 黄(2012). v. (あなたにはとっくに言ってあるだろう。言うことを聞けと言ったのに。). Ch. engchi. 黄(2012) 訳. この(45)について、黄(2012)は以下のように述べている。 聞き手側に対して、その事柄について、自分と同様の認識(“我早跟你說過了 (あなたにはとっくに言ってある)”)を有することを話し手は強く期待してい る。即ち、話し手の期待とは、自分と同様の認識を持つという事態が起こる ことである。このことから、「認識確認」の “吧”にも「事態が起こる蓋然. 6. ただし、井上(2016)では、この文がいかなるイントネーションで発話されるのかについて、言及していな. い。. 19. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(27) 性が高い」という意味が存在すると考えられ、「認識確認」の “吧” と「推 量確認」の “吧” のスキーマとして、「事態が起こる蓋然性が高い」という 意味が抽出できる。. ここで「認識確認」とされているのは、B、C タイプを区別なく統合したもので ある(「推量確認」が A タイプに当たる)。つまり、黄(2012)は、この【対立型】 と目される文を、A タイプではなく、B、C タイプのほうに所属させており、そ の点で、これまでに紹介してきた先行研究とは異なっている。 ここまでに確認してきたことを以下の表にまとめる。. 立. 政 治 大. A タイプ. ダロウ. 【新情報型】. A タイプ. 「吧」. 【対立型】. A タイプ. 【対立型】. B、C タイプ. io. y. sit. 「吧」. er. 黄(2012). 【新情報型】. ‧. 井上(2016). 學. 蓮沼(1995. ダロウ. Nat. 三宅(2010). ‧ 國. 表 3 非下降イントネーションの先行研究のまとめ 言及する語 扱う例文 帰属先. al. 見られるように、本研究の「非下降の吧」相当の文に関して、日本語母語話者. n. iv n C がダロウについて言及する場合、そこで扱われるのは【新情報型】であり、それ hengchi U らは A タイプに帰属するものとされる。しかし、日本語母語話者が「吧」につい て言及したものでは、【対立型】が扱われ、そこがダロウの場合とは異なるが、 それらの帰属先については、ダロウ同様、A タイプになっている。一方、中国語 母語話者による「吧」への言及の場合は、日本語母語話者のそれと同じく【対立 型】が扱われているものの、その帰属は B、C タイプと異なるのである。今後は、 「非下降の吧」相当の文に関する先行研究に、このような特徴が生じていること を念頭に置きつつ、分析を進めていく必要があるかと思われる。. 20. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(28) 以上、第 2 章では先行研究を概観した。次章では、本研究の主たる考察対象で ある「非下降の吧」をめぐって、どのような問題点が存在するのかを確認してい く。. 立. 政 治 大. ‧. ‧ 國. 學. n. er. io. sit. y. Nat. al. Ch. engchi. i n U. v. 21. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(29) 第3章. 3.1. 「非下降の吧」をめぐる論点. 【対立型】と【新情報型】. 第 1 章で述べたように、栗田・劉・樊(2019)では、「非下降の吧」に【対立型】 と【新情報型】の例があることを論じた。以下、既に引いたものも含めて、【対 立型】と【新情報型】の例を示しておく。. 【対立型】 (1)果然下雨了吧。 (やはり雨降ったでしょ). 立. 政 治 大. 栗田・劉・樊(2019) 筆者訳 栗田・劉・樊(2019). (46)你看,真的是蛇吧。. ‧ 國. 【新情報型】. 筆者訳. 學. (ほら、本当に蛇でしょ). ‧. 栗田・劉・樊(2019). (2)我家的小孩考試前還一直在玩遊戲。很誇張吧。. y. Nat. (うちの子は試験前なのにゲームばかりしてるのよ。ありえないでしょ)筆者訳 栗田・劉・樊(2019). sit. (47)你看,很可愛吧。. n. al. 3.2. 筆者訳. er. io. (ほら、かわいいでしょ). Ch. engchi. i n U. v. 【対立型】【新情報型】と非下降イントネーション. 「非下降の吧」が非下降イントネーションで発話される所以について、栗田・ 劉・樊(2019)では、「吧」の推量用法と確認要求用法の弁別に、イントネーショ ンを関与させるためであると考えた。以下、それを確認していく。. 3.2.1. 【下降の吧】における推量用法・確認要求用法の弁別. 基本的に「吧」の推量用法と確認要求用法は、共に下降イントネーションで発 話されるので、両者に外形的な差異は存在しない。両者の弁別は、文に言語化さ れる内容によって果たされることになる。具体的には、話し手よりも聞き手の方. 22. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(30) に関わりが深い事柄(以下、[話し手<聞き手]とする)の場合、それに関する推 量の文は基本的に抑制される。たとえば「あなたは明日、学校に行くでしょう」 という文が、普通は不適格となるのはそのためである。「吧」の確認要求用法は、 このように推量が出現しにくい[話し手<聞き手]という環境に現れ、そのことに よって推量との棲み分けが実現している。A タイプ「命題確認」の場合、話し手 が、自身より事情に通じている聞き手に確認するというその内容上、当然[話し手 <聞き手]という環境にある。一方、B タイプ「認識共有の確認」と C タイプ「認 識欠如の是正」においては、それを二人称主語文にすることによって[話し手<聞. 政 治 大. き手]という環境が整い、「吧」の確認要求を成立させている。まず、B タイプに ついて確認する。. 立. ‧ 國. 學. (48)あそこに赤い屋根があるでしょう。その隣が私の家です。 栗田・劉・樊(2019) 栗田・劉・樊(2019). ‧. (49) *那裡有個紅色屋頂吧。那旁邊是我家。. 栗田・劉・樊(2019). (50)你看得到那裡有個紅色屋頂吧。那旁邊是我家。. y. Nat. n. al. er. io. た。. sit. (51)四年生に周くんって人がいたでしょう。昨日、偶然、駅で会って話しまし. i n U. 栗田・劉・樊(2019). v. (52)四年級裡有個周同學吧。我昨天恰巧在車站遇到他聊了一下。. Ch. engchi. 栗田・劉・樊(2019). (53)你記得四年級裡有個周同學吧。我昨天恰巧在車站遇到他聊了一下。 栗田・劉・樊(2019). まず(48)から (50)は、聞き手の視覚に関する確認であるが、この場合、中国語で は「你看得到」(~が見える)が必須である。ここでは、二人称者の動作として 言語化することにより、[話し手<聞き手]という体制が整えられることになるの である。一方、(51)から(53)のような聞き手の知識に関する確認の場合は「你記得」 (~を覚えている)はあったほうが自然だが、なくても非文とは言えない。この. 23. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(31) ような微差も観察されるのであるが、その理由については、本研究では省略に従 いたい。次に C タイプを見る。下に引く(54)は、先掲の(31)と同じ文を、発話の状 況も含めて、改めて示したものである。. (54)[そんなことは初めて聞いた、と述べる聞き手に向かって] 你知道我說過很多遍了吧。. 栗田・劉・樊(2019). (何度も言ったでしょ). 筆者訳. 政 治 大 である。ただし、C タイプの場合は、二人称主語の方が整った文という印象を与 立 えるが、二人称主語がなくても文は成立可能である。栗田・劉・樊(2019)は、この 見られるように(54)も二人称主語の文となっており、その点で、B タイプと同様. ‧ 國. 學. 現象について、以下のように説明している。ここで言語化されている「話し手が 聞き手にその話を何度もした」ことは、話し手にとって、聞き手の認識の中に存. ‧. 在するはずの事柄として把握されている。とすると、「話し手が聞き手にその話. sit. y. Nat. を何度もした」ことという事柄自体は、話し手の行為であるがゆえに、[話し手> 聞き手]の環境にあったとしても、この場合は、あくまで「聞き手の認識内に存す. io. n. al. er. るその事柄」が問題となっているために、話し手は、それに関する最終的な真偽. i n U. v. 判定を下すことができない。つまり、その事柄に関わりが深いのは聞き手の側な. Ch. engchi. のであり、その事柄は[話し手<聞き手]という環境に置かれていることになる。 そのため、C タイプにおいては、二人称主語文にしなくても確認要求用法の出現 を可能とする環境が整っていると考えられるのである。. 3.2.2. 【対立型】【新情報型】が非下降イントネーションで発話される所以. 以上のように、「下降の吧」においては、文内容を[話し手<聞き手]という環 境に適合させることによって、推量用法と確認要求用法との弁別がなされていた。 それをふまえた上で、栗田・劉・樊(2019)では、【対立型】と【新情報型】が非下. 24. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(32) 降イントネーションで発話される所以について、次にまとめるような言及がなさ れている。 1.1 節で触れたように、【対立型】の文が発話される段階において、聞き手は、 その文に言語化されている内容とは異なる認識を持っている。一方の【新情報型】 の場合は、聞き手に、その文に言語化されている事柄に関する情報や判断は存在 していない。即ち、これらの文に言語化されている事柄は、聞き手よりも話し手 の関わりのほうが深く、 [話し手>聞き手]という性格を持っている。そして、こ のような[話し手>聞き手]という環境においては、推量用法と確認要求用法との. 治 政 上、[話し手>聞き手]という性格を持つために、その点では推量用法と棲み分け 大 立 られない。しかし、これらは非下降イントネーションで発話されている。つまり 棲み分けがなしえないわけであった。即ち、【対立型】と【新情報型】は、内容. ‧ 國. 學. は、下降イントネーションで発話される推量用法の例との間に、外形的な差異を 有している。言い換えると、【対立型】と【新情報型】は、文内容上、[言語主体. ‧. <聞き手]という環境を整えることができない代わりに、イントネーションという. sit. y. Nat. 外形において、推量との弁別を果たしているのである。. n. al. er. io. 以上、本章では、【対立型】と【新情報型】が非下降イントネーションで発話. i n U. v. されることについて、基本的なことを確認してきた。次章において、【対立型】. Ch. engchi. と【新情報型】の文に関する、本研究の調査結果を示し、その分析を進めること にする。. 25. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(33) 第4章. 4.1. 「吧」の確認要求文についての言語調査の結果分析. 調査の概要. 本節では、本研究が施した言語調査の手順や内容・対象等について具体的に記 す。. 4.1.1. 予備的調査. 第 1 章で述べたように、非下降イントネーションで発話される「吧」の確認要. 治 政 な観点から分析できるように、予備的な調査を 2 回実施した。1 回目の予備的調 大 立 査では 20 代と 50 代の男性と女性に、前掲した例(1)と(47)の 2 文が、非下降イン. 求用法は、使用・不使用に個人差が認められる。本研究では、その個人差を最適. ‧ 國. 學. トネーションで発話されるかどうかを尋ねた。その結果、「非下降の吧」の使用 は、若年層を中心とするものであることが明らかになった。ただし、個人差が生. ‧. じるテーマに関して言語学的にアプローチするためには、まず調査対象の選択基. y. Nat. 準を定める必要がある。1 回目の予備的調査においては、20 代と 50 代の間で、. io. sit. 使用・不使用の差が顕著であったが、同じ 50 代でも、若年層との接触の度合い. n. al. er. によって、結果も異なってくるのではないかと考えられるため、2 回目の予備的. i n U. v. 調査は 20 代の男性と女性に絞って実施することとした。. 4.1.2. Ch. engchi. 本調査の概要. 次に本調査について述べていく。本研究における本調査にて、録音及びインタ ビューに用いた例文7は、基本的には、台湾中国語の話し言葉コーパス COCT2017 から集め、それを、より自然な台湾中国語に近づけるため、一部修正・加筆を行 った。ただし、本研究の筆者の内省においては存在するものの、コーパスからは 見出せなかったタイプの例文に関しては作例を用いた。さらに、使用する例文の 決定にあたっては、すべて言語学専攻の大学院生 2 名及び非言語学専攻の大学院. 7. スクリプト 3 番は王(2013)の原文通り引用したものである。. 26. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(34) 生 2 名によるネイティブチェックを受け、筆者が 4 名のコメントを集め、内容を 修正した。このチェックを経たことによって、14 の会話スクリプトに、台湾中国 語として容認度の高い文を揃えられたと考える。 また、14 個の会話スクリプトの構成について説明していく。3 章で提示したよ うに、本研究は「非下降の吧」には【対立型】と【新情報型】の 2 種類があると 考えている。この立場から、聞き手情報・話し手情報の別、文内容がプラスイメ ージであるかマイナスイメージであるか、といったさらなる条件を設定し、それ をもとにスクリプトを作成した。その結果、【対立型】のスクリプトが、番号 1. 治 政 型】の方の数が多くなっているわけだが、これは、予備的調査の結果、情報の所 大 立 属先や、文内容がプラスイメージであるかマイナスイメージであるかといった点 から 4 の計 4 個で、【新情報型】は番号 5 から 14 の計 10 個となった。【新情報. ‧. ‧ 國. めである。. 學. で、【対立型】の場合よりも細かく調査したほうが良いという見通しを持ったた. y. Nat. 次頁に示す表 4 は、本調査に至る前の 2 回の予備的調査及び本調査の調査内容. n. al. er. io. sit. をまとめたものである。. Ch. engchi. i n U. v. 27. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(35) 表4. 予備的調査から本調査までの調査内容. 調査の内容 一回目の予備的. . 20 代男性・女性、50 代男性・女性それぞれ 6 名ずつに調査した. 調査. . 単文で構成される例文二つに関し、使用・不使用の二択というかた ちで質問した. . 使用人数を統計するため、録音は取らなかった. 二回目の予備的. . 20 代の男性 7 名と女性 8 名に調査した. 調査. . 会話スクリプトの数は 5 であった. . 學. ‧ 國. . 治 政 フェイスシート、録音と自然度調査との三段階調査であった 大 立 読み上げる前に被験者にスクリプト内容を理解するのに十分な時間 を与えた. 録音は非対面で、SNS 経由で録音・送信をしてもらった. . フェイスシートと自然度調査も非対面で、オンラインアンケートに. ‧. . . 会話スクリプトの数は 14 であった. . 録音とフォローアップインタビューとの二段階の調査としたた. . 読み上げる前に被験者にスクリプト内容を理解するのに十分な時間. y. . io. n. al. Ch. engchi. sit. 20 代の男女各 10 名に調査した. er. 本調査. Nat. した. i n U. v. を与えた . 4.1.3. 録音とフォローアップインタビューは全て対面で実施した. 本調査の方法. 本調査は、次頁の図 1 で示すように、2 回に分けて実施した。. 28. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(36) ①会話スクリプトを黙読して もらう ②会話スクリプトを読み上げ てもらい、発表者が録音を取 った。. 立. ③研究対象となる「吧」が丸 で囲まれた会話スクリプトを 渡し、インタビューを行う。. 政 治 大. 本調査の調査手順. ‧ 國. 學. 図1. (①と②から二週間経った後). ‧. 1 回目の調査では、付録に提示した 14 個の会話スクリプト8すべてを被験者に 読み上げてもらい、録音を取った(2019 年 10 月中旬から下旬・政治大学キャンパ. y. Nat. sit. ス内において実施)。続いて、1 回目の調査から 2 週間後に 2 回目の調査を行った. er. io. (2019 年 11 月上旬から中旬・政治大学キャンパス内において実施)。敢えて 2 週. al. n. iv n C に関する調査であると気づく可能性があるためである。2 h e n g c h i U 回目は、14 個の会話ス. 間の間隔を作った理由は、被験者が録音を取った直後であると、それが文末助詞. クリプトに存する「吧」の文を提示し、「非下降の吧」及び「下降の吧」として の解釈に関して、被験者が直観的にどう感じるかを答えてもらった(以下、下降 イントネーションを「↑」、非下降イントネーションを「↓」という記号を用い て表すことがある)。実際のフォローアップインタビューでは「この前、あなた は、_番の例文を↑ /(或いは↓)で発音しましたが、↑と↓それぞれの場合だ と、文の意味にどのような印象を持ちますか」と尋ねた。意味を回答するのが難. この会話スクリプトは「非下降の吧」と解釈可能な文を会話に仕込んだものである。4 章で述べたように、 会話は台湾中国語母音話者 4 人によるネイティブチェックを受けている。 8. 29. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(37) しい場合、被験者には、そのイントネーションで発話すると、文が自然であるか 否かについて回答してもらった。. 4.1.4. 本調査の調査対象. 今回の調査では、台湾中国語母語話者である 20 代の男性と女性それぞれ 10 名 を調査対象としている。また、調査対象たる 20 名は全員が同じ台湾台北にある 国立大学に所属している学生である。. 治 政 本調査の結果を、表 5 及び 6 によって示すが、まず、表 大 5 の記載の表す意味を 立 説明しておく。「↑不自然」と「↓不自然」の欄には、スクリプトにおける「吧」 本調査の結果. 學. ‧ 國. 4.2. の文を、非下降イントネーション / 下降イントネーションで発話すると、台湾 中国語として不自然だと感じる人数を記載している。また、(. )内の数字は、. ‧. 自身でそのような発話をすることはないが、他人が発話していたとしても、特に. sit. y. Nat. 気にはならないというものである(後続する表 6 の△に相当する)。. io. er. また、表 5 における「予想」について。確認されるように、スクリプト番号 2 番、7 番、8 番、11 番、13 番、14 番(以下、_番とのみ称する)が、本研究の筆. n. al. Ch. i n U. v. 者の予想とは異なる調査結果であった。このうち、【対立型】の 2 番「沒錯 班. engchi. 長 你講的話惹人厭了吧 謝謝你毀了我們開學的第一天」に関しては、話し手と聞 き手との間に対立の構図が認められるため、特段の問題なく非下降イントネーシ ョンで発話されるのではないか、という予想に比して、実際は非下降での発話が 少なかった。残る【新情報型】の場合、本研究の筆者は「プラス的なイメージを 持つ事柄は、非下降イントネーションで発話されやすく、一方、マイナス的なイ メージの場合は、非下降イントネーションで発話されにくい」という予想を立て ていた。しかし、7 番「我訂了一本雜誌 賣家本來說月初就會到貨的 結果現在根 本聯絡不上賣家 很衰吧」、8 番「他最近每天對我拳打腳踢 很誇張吧」、11 番. 30. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(38) 「等一下喔 不對啊 我剛剛才看到網路上說 C 因病要取消台灣場的消息耶 很難過 吧」、13 番「不是所有都能退吧 而且從今年開始去日本還會被收出國稅跟旅館稅 很機車吧」、14 番「節目裡面講到日幣 1 塊的成本是 2 日幣耶 很誇張吧」はマイ ナス的なイメージであるにも関わらず、予想より非下降イントネーションと発話 した人が多かったのである。 続いて、表 6 における記載の意味するところについてである。まず、+と-は、 スクリプトにおける「吧」の文を非下降イントネーションで発話すると、台湾中 国語として自然と感じるかどうか、ということを表している。+なら自然、-な. 政 治 大. ら不自然を意味する。次に、〇×△は、スクリプトにおける「吧」の文を下降イ. 立. ントネーションで発話すると、台湾中国語として自然と感じるかどうか、という. ‧ 國. 學. ことを表す。〇は自然、×は不自然であるが、△とは、自身は下降イントネーシ ョンで発話しないが、他人が使っていても特に不自然とは思わない、ということ. ‧. io. sit. y. Nat. n. al. er. である。. Ch. engchi. i n U. v. 31. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(39) 3 4 5. 7. 11 12 13 14. al. n. 10. (DV される) 很誇張吧 開心吧. io. 9. 立. (1 年で彼氏が 5 人) 很誇張吧 (犬を風呂に入れる) 厲害吧 很衰吧. Nat. 8. 你看真的下雨了吧. (君の分も予約した) 厲害吧 很難過吧 很棒吧 很機車吧 (原価 2 円) 很誇張吧. ↑不自 然. ↓不自 然. 18. 2. ○. 0. 15 (1). 8. 12. ✕. 4. 5(1). 20. 0. ○. 治 政 20 0 大○. 0. 17 (1). 0. 14 (2). 19. 1. ○. 0. 2. 19. 1. ○. 0. 5(1). 20. 0. ✕. 0. 7. 19. 1. ✕. 6. 7. 19. 1. ○. 0. 10(1). C 20 h. 0. i○v n U. 0. 7(2). ✕. 6. 5. 14. e n g c 6h i. 學. 6. 班長 你講的話惹人厭 了吧 我就説很簡單吧. 予想通 りであ るか. y. 2. 我就説不要來吧. ‧ 國. 1. 例文. ↓で発話 した人数. ‧. スクリプト 番号. ↑で発 話した 人数. sit. 調査結果の一覧表及びスクリプト例文の分類・内容. er. 表5. 17. 3. ○. 0. 7 (2). 16. 4. ✕. 3. 9. 18. 2. ✕. 1. 7 (1). 32. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(40) 表 分類. 命題の内容. スクリプト 番号 例文. 対立型. マイナス的. 対立型. マイナス的. 対立型. 自慢. 対立型. マイナス的. 新情報型. 新情報型. ややマイナス的、聞き手・話し手非 関与 自分のプラス的/自慢、聞き手非関 与 自分のマイナス的、聞き手非関与. 新情報型. 自分のマイナス的、聞き手非関与. 新情報型. 聞き手のプラス的、聞き手関与. 新情報型. 自分のプラス的/自慢、聞き手関与. 新情報型. 聞き手のマイナス的、聞き手関与. 新情報型. プラス的、割引情報 聞き手・話し手関与 マイナス的、税金増 聞き手・話し手関与 ややマイナス的、他国の原価 聞き手・話し手非関与. 2 3. 9 10. e n g c h11i 12 13 14. (DV される) 很誇張吧 開心吧. y. 7. (1 年で彼氏が 5 人) 很誇張吧 (犬を風呂に入れる) 厲害吧 很衰吧. sit. 6. 8. n. Ch. 5. er. ‧ 國. io. 新情報型. 我就説很簡單吧. ‧. Nat. 新情報型. 班長 你講的話惹人厭了吧. 政 治4 大你看真的下雨了吧. 立. al. 我就説不要來吧. 學. 新情報型. 1. v. (君の分も予約した) 厲害吧 很難過吧. i n U. 很棒吧 很機車吧 (原価 2 円) 很誇張吧. 33. DOI:10.6814/NCCU202000274.

(41) 表6. 被験者別の調査結果一覧 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. F1. ↑+×. ↓ + ○. ↑ + ×. ↑ +×. ↑ + ○. ↑ + ○. ↑ +×. F2. ↑+×. ↓ + ○. ↑ + ×. ↑ +×. ↑ + ○. ↑ + ○. ↑ +○. F3. ↑+×. ↓ + ○. ↑ + ×. ↑ + ○. ↑ + ○. ↑ + ○. ↑ +○. F4. ↑+×. ↑ + ○. ↑ + ×. ↑ +×. ↑ + ○. ↑ + ○. ↑ +○. F5. ↑+△. ↓ ー ○. ↑ + ○. ↑ + ○. ↓ + ○. ↑ + ○. ↑ +○. F6. ↑+×. ↓ + ○. ↑ +×. ↑ +×. ↑ + ○. ↑ + ○. ↑ +○. F7. ↑+×. ↓ + ○. ↑ + ○. ↑ +○. F8. ↑+×. ↓ ー ○. 治 政 ↑ +× ↑ +× 大↑+○. ↑ + ○. ↑ +×. F9. ↑+○. ↑ + ○. ↑ +×. ↑ +×. ↑ + ○. ↑ + △. ↑ +×. F10. ↑+×. ↑ + ×. ↑ +×. ↑ + ○. ↑ + ○. 學. ↑ + ○. ↑ +○. M1. ↑+○. ↓ ー ○. ↑ +×. ↑ + △. ↑ + ○. ↑ + ×. ↑ +○. M2. ↑+○. ↓ ー ○. ↑ +×. ↑ + ○. ↑ + ○. ↑ + ○. ↑ +○. M3. ↑+×. ↓ + ○. ↑ +×. ↑ +×. ↑ + ○. ↑ + ○. ↑ +○. M4. ↑+×. ↓ + ○. ↑ +×. ↑ +×. ↑ + ○. ↑ + ○. ↑ +×. M5. ↑+×. ↑ + △. ↑ +×. ↑ + ×. ↓ + ×. ↑ +×. M6. ↓+○. ↑ + ×. ↑ + ○. ↑ + △. ↑ + ○. ↑ +○. M7. ↑+×. ↑ + ×. ↑ +×. ↑ + ○. ↑ + ○. ↑ +○. M8. ↑+×. ↑ + △. ↑ +×. ↑ +×. ↑ + ×. ↑ + ×. ↑ +×. M9. ↑+×. ↑ + ×. ↑ +×. ↑ +×. ↑ + ○. ↑ + ×. ↑ +○. M10. ↓+×. ↑ + ○. ↑ +×. ↑ +×. ↑ + ○. ↑ + ×. ↑ +×. n. Ch. y. sit. io. al. ↑ + ○. er. Nat. ↓ + ×. ↑ +×. ‧. ‧ 國. 立. ↑ +×. i ↑v + ○ n U. e n g c ↑h i+ ×. 34. DOI:10.6814/NCCU202000274.

參考文獻

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