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「(Y wo Z) tosuru」 句法結構之研究 - 政大學術集成

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Academic year: 2021

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(1)國立政治大學日本語文學系 碩士論文. 指導教授:蘇文郎. 立. 政 治 大. ‧ 國. 學 ‧. 「(Y ヲ Z)トスル」構文の研究. n. er. io. sit. y. Nat. al. Ch. engchi. i n U. v. 研究生:李郁玲 撰 中華民國一○ニ年七月.

(2) 立. 政 治 大. ‧. ‧ 國. 學. n. er. io. sit. y. Nat. al. Ch. engchi. i n U. v.

(3) 要旨 本論文は、 「( Y ヲ Z)ト ス ル 」構 文 に お け る「 ト ス ル 」の 機 能 、 「 Y」 と 「 Z 」 の 関 係 、「 ト ス ル 」 の 多 義 性 お よ び 「 ト シ テ 」 へ の 文 法 化 の 過程を明らかにすることを目的とする。 「( Y ヲ Z )ト ス ル 」構 文 形 式 に お い て は 、「 ス ル 」が「 Y ヲ Z ト ス ル 」と い う 形 態 的 に 他 動 詞 性 の も の と 、 「 ~ ト ス ル 」の よ う な 自 動 詞 性のものがある。本論文はこの 2 類に分けて考察する。 本論文は 5 章から構成されている。序章と第 1 章は研究動機及び 先 行 研 究 と 問 題 点 で あ る 。第 2 章 で は 、 「 Y ヲ Z ト ス ル 」に お け る「 変 化 」 と 「 認 定 」 の 意 味 的 連 続 性 、「 ト 」 の 機 能 と 「 Z」 に 現 れ る 名 詞. 政 治 大. の 制 約 に つ い て 論 述 す る 。 第 3 章 で は 、「 ~ ト ス ル 」 が 「 ト イ ウ 」、. 立. 「 と 考 え る 」、「 と 主 張 す る 」「 と 思 う 」 に 置 き 換 え る 現 象 、「 と さ れ. ‧ 國. 學. る 」、 「 と さ れ て い る 」形 式 の 用 法 を 記 述 す る こ と を 通 し て 「 、( Y ヲ Z) ト ス ル 」の 多 義 構 造 を 解 明 す る 。第 4 章 で は 、機 能 動 詞 と し て の「 ト. ‧. ス ル 」は 文 法 化 へ の 変 化 す る 過 程 を 探 究 す る 。第 5 章 は 結 論 で あ る 。 「Y ヲ Z トスル」構文であるが、「スル」が表す意味の違いによ. y. Nat. sit. っ て 、「 ト 」の 機 能 、「 Y」と「 Z」の 関 係 及 び「 Z」に 現 れ る 名 詞 も. n. al. er. io. 違っていることが明らかになった。さらに、他の動詞との置き換え. i n U. v. る 場 合 を 探 究 し て 、 「( Y ヲ Z) ト ス ル 」 に 違 っ た 意 味 の 用 法 制 限 と 多義構造を解明した。. Ch. engchi. キーワード:スル、トスル、Y ヲ Z トスル、機能動詞、多義性、文 法化.

(4) 摘要 本 論 文 主 要 探 討 下 列 四 點: 「( Y wo Z)tosuru 」句 法 結 構 中「 tosuru」 的 用 法 、「 Y」 和 「 Z 」 之 間 的 相 互 關 係 、「 tosuru 」 所 表 達 的 多 種 意 思 以 及 變 成 「 tosite」 之 文 法 化 的 過 程 。 「( Y wo Z) tosuru」 的 句 法 結 構 中 又 可 分 為 他 動 詞 型 態 「 Y wo Z tosuru」以 及 自 動 詞 型 態「 ~ tosuru」兩 種 用 法。本 論 文 亦 以 這 兩 種 類 型分開探討。 本論文共分五章。序章和第一章是本論文研究動機以及相關文獻 探 討 。 第 二 章 以「 Y wo Z tosuru」句 法 結 構 為 主 , 探 討 其「 tosuru」在 表 達「 變 化 」和「 認 定 」之 間 意 思 上 的 連 續 性 、「 to」所 表 達 的 意 思 和. 政 治 大. 用 法 、 以 及 「 Z」 所 出 現 的 名 詞 限 制 。 第 三 章 則 是 以 「 ~ tosuru 」 句 法. 立. 結 構 為 主,藉 由 與「 toiu 」 、 「 tokanngaeru 」 、 「 tosyutyousuru」 、 「 toomou 」. ‧ 國. 學. 等 動 詞 的 互 換 情 形 , 以 及 在 「 tosareru 」、「 tosareteiru 」 表 現 的 用 法 來 探 討 其 多 義 性。第 四 章 則 以 機 能 動 詞「 tosuru」為 主,記 述 其 變 為「 tosite」. ‧. 之文法化的過程。第五章為結論。. 本 論 文 發 現 , 雖 然 同 為 「 Y wo Z tosuru」 句 法 結 構 , 但 因 「 suru」. y. Nat. sit. 所 表 達 的 意 思 不 同 , 則 「 to」 所 表 達 的 意 思 和 用 法 、 其 前 接 名 詞 「 Y」. n. al. er. io. 和 「 Z」 的 關 係 以 及 「 Z」 中 所 出 現 的 名 詞 也 有 所 不 同 。 並 且 藉 由 與 其. i n C he 之間不同用法的限制,及其所 表 達 意 思 分i布U ngch 。. v. 他 動 詞 的 互 換 情 形 , 區 分 出 「( Y wo Z) tosuru」 句 法 結 構 中 各 種 意 思. 關鍵字:スル、トスル、Y ヲ Z トスル、機能動詞、多義性、文法化.

(5) 謝辭 「 在 人 這 是 不 能 的 , 在 神 凡 事 都 能 」 (馬 太 福 音 19:26) 考上政大研究所,完成課堂上每次驚悚的發表、寫完每學期令人 爆肝的期末報告、到驚嚇指數百分百的北京發表論文、直到現在完成 碩士論文,我都深深的經歷這句聖經的經節。 回 想 一 路 四 年 來 所 經 過 的 , 首 先 就 要 感 謝 這 位 偉 大 的 創 造 者 --獨 一 無 二 的 真 神 ---主 耶 穌。如 果 不 是 主 一 路 的 引 領,我 早 已 放 棄 論 文 的寫作並且休學了;如果不是主所賜的智慧,我不可能完成這麼艱鉅 的論文題目,寫出這樣的論文內容。撰寫論文的過程,猶如攀登喜馬 拉雅山,需要耐力、體力、意志力。稀薄的空氣隨時要將我吞噬在密. 政 治 大. 密麻麻的黑暗文字中;過少的食物使我的血糖降低,腦袋不清,思慮. 立. 渾沌。原本健步如飛的我,開始踏著沉重的步伐,是肩上背的重擔太. ‧ 國. 學. 重,抑或是自己的重擔所致,我看不到山的頂點。然而,神卻帶領我 走 過 這 死 蔭 的 幽 谷,祂 的 竿,祂 的 杖,都 引 領 我 前 行。「 在 人 這 是 不 能. ‧. 的,在 神 凡 事 都 能 」,過 程 中, 我 焦 慮 過 ,也 大 哭 過,但 在 禱 告 中, 主 卻時時告訴我這句話,叫我不倚靠自己的能力,而完 全倚靠神。甚至. y. Nat. sit. 在最後的關頭,在我就要到達山的頂點卻沒有食物可支撐下去時,神. n. al. er. io. 竟從天降下嗎哪,適時的給我一份關鍵的參考文獻,才使我得以完成. i n U. v. 論文,攻占峰頂。因此,這篇論文真的是主給的,在此我也將它獻給 主。. Ch. engchi. 特 別 感 謝 我 的 指 導 老 師,蘇 文 郎 老 師。謝 謝 老 師 一 路 的 細 心 指 導 , 才能有今天的我。老師就好像爸爸一樣在我身邊默默的守護我,適時 的 給 我 最 正 確 的 方 向 , 使 我 不 致 迷 失 走 迂 迴 的 道 路 。 謝 謝 老 師 2012 年 11 月 給 我 機 會 能 去 北 京 發 表 論 文 , 使 我 學 習 到 了 許 多 ; 更 謝 謝 老 師 沒 有 放 棄 過 我,一 直 微 笑 著 對 我 說: 「 加 油 ! 好 好 努 力 ! 」使 我 更 有 勇氣走下去。感謝東吳大學王世和老師和本校的吉田妙子老師,在論 文口試時不吝提供許多寶貴的意見,才能使得本篇論文更蓁至完善。 感謝王淑琴老師,一路上給了我許多論文寫作的建議。 在此向這四位 老師致上我最深的謝意。 感謝研究所的同學學長姐,感謝月餅學長和張猷定學長,給我許.

(6) 多專業上的指導,每次和學長討論的過程都激盪出許多的論文靈感, 得到很多幫助,對我去北京發表的論文內容也多加指導,才有今天的 成果;感謝杜宜津學姐,因為有學姐的鼓勵和陪伴,還有送我的論文 以及話語,才有今天的論文,我們都是屬神的人,未來,也要一起努 力在這世上發光發熱;感謝張惠茹學姐,學姐開朗活潑的個性總是使 易 緊 張 的 我 能 夠 放 鬆 ; 謝 謝 阿 賢 學 長 , momo 學 姐 , 佳 蓁 , や め て , 安奇,心怡,小安,小花助教,謝謝你們一路上的支持鼓勵與幫忙。 特別感謝廖紋緻學姐,黑白的研究所生活還好有你,都變成彩色 的 啦 ! 謝 謝 你 送 我 的 一 大 堆 參 考 文 獻,謝 謝 你 幫 我 在 老 師 面 前 說 好 話, 謝謝你一路陪著我看我成長到結婚,雖然我不能嫁給強哥了,但是還 是最愛你,哈哈!. 立. 政 治 大. 感 謝 台 北 市 召 會 42 會 所 與 竹 北 市 召 會 的 大 家 , 謝 謝 你 們 的 關 心. ‧ 國. 學. 鼓勵與不斷的代禱,我才能寫完 這篇論文,也才能讓這本論文榮耀神 自己。滿滿的感謝,言語訴說不盡。謝謝我的家人,不斷默默的支持. ‧. 我關心著我;謝謝竹北市博愛國小的同事恬媛老師,奕琦老師,筱宇. Nat. sit. 陪伴和鼓勵,才使得我有力氣完成這最後的部份。. y. 老師,秀雯老師,亦文老師,志勤老師,最後這半年也因著有你們的. n. al. er. io. 最後,感謝我的先生。從來沒有想過我會先結婚,然後婚後的第. i n U. v. 三天口試,就好像主第三天復活一樣,一切都是新生的起頭。謝謝你. Ch. engchi. 包容我的一切,有你,才有這本論文。. 願主祝福每一位,祝福在看這本論文的你。.

(7) 目次 序 章 .................................................................................................. 0 1.. 研 究 動 機 及 び 目 的 ............................................................... 1. 第 1章. 先 行 研 究 と 問 題 点 .............................................................. 5. 1.1. 菊 池 (2009) ......................................................................... 5. 1.2. 菊 池 (1998) ......................................................................... 6. 1.3. 金 子 (1990) ......................................................................... 7. 1.4. 研 究 範 囲 及 び そ の 対 象 ...................................................... 8. 1.5. 研 究 方 法 ........................................................................... 9. 第 2章. 政 治 大 「 Y ヲ Z ト ス立 ル 」 構 文 に つ い て ....................................... 11. ‧ 國. 學. 2.1 は じ め に ............................................................................ 11 2.2「 Y ヲ Z ト ス ル 」 に お け る 「 変 化 」 と 「 認 定 」 の 意 味 的 連 続. 2.2.1. ‧. 性 ....................................................................................... 15 「 変 化 」 と 「 認 定 」 に つ い て ............................... 15. Nat. sit. y. 2.2.2 「 認 定 」の 思 考 過 程: 「頭の中で変化過程の抽象化」. al. er. io. .............................................................................. 17. v i n 2.3「 Y ヲ Z ト ス ル 」 C 構文 に お け る 格 助U 詞 「 ト 」 の 機 能 ......... 21 he ngchi. 「 変 化 」 か ら 「 認 定 」 へ の 意 味 変 化 の 抽 象 化 ...... 19. 2.3.1. 先 行 研 究 と 問 題 点 ................................................. 21. 2.3.2. 「 Z ト 」 と 「 Z ダ ト 」 両 方 取 る 場 合 の 「 ト 」 の 機 能 26. 2.3.3. 「 Y ヲ Z ト ス ル 」 構 文 の み を 取 る 場 合 .................. 27. n. 2.2.3. 2.3.3.1. 変化を表す「Y ヲ Z トスル」の「ト」の機能 .................................................................. 27. 2.3.3.2. 「スル」が機能動詞である場合の「ト」の果 た す 機 能 .................................................... 29. 2.3.3.3 「 ス ル 」が 変 化 と 機 能 動 詞 以 外 の 場 合 の「 ト 」 の 機 能 ....................................................... 31 2.3.4. まとめ. ................................................. 32.

(8) 2.4「 Y ヲ Z ト ス ル 」構 文 に お け る「 Z」に 現 れ る 名 詞 の 制 約 に つ い て ................................................................................... 32 2.4.1. 先 行 研 究 お よ び 問 題 点 .......................................... 32. 2.4.2. 「 Y」 と 「 Z」 の 関 係 に つ い て ................................ 34 「 値 - 値 」に 属 す「 変 化 」、 「 仮 定 」と「 認 定 」. 2.4.2.1. .................................................................. 36 「 役 割 - 値 」 ―決 定 を 表 す 「 Y ヲ Z ト ス ル 」. 2.4.2.2. .................................................................. 37 「値-役割」である機能動詞を表す「Y ヲ Z. 2.4.2.3. ト ス ル 」 構 文 ............................................. 38 2.4.3. 學. 3.1. 立. 「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」 の 多 義 性 ............................................. 41. ‧ 國. 第 3章. 政 治 大. ま と め :「 Z」 の 性 質 及 び そ の 特 徴 ........................ 39. は じ め に ......................................................................... 41. 3.2「 ~ ト ス ル 」 が 「 ト イ ウ 」、「 と 考 え る 」、「 と 主 張 す る 」「 と. ‧. 思 う 」 に 置 き 換 え る 現 象 ................................................... 43. y. sit. 思 考 動 詞 「 ~ と 思 う 」「 ~ と 考 え る 」 に 置 き 換 え ら. io. er. 3.2.2. 「 ~ ト イ ウ 」 に 置 き 換 え ら れ る 場 合 ..................... 43. Nat. 3.2.1. れ る 場 合 ................................................................ 49. al. n. v i n 「 ~ 仮 定C す る 」 に 置 き 換 え る 場 合 ........................ 54 hengchi U. 3.2.3. 3.3「 ト ス ル 」が「 と さ れ る 」、「 と さ れ て い る 」形 式 に 変 わ っ た. 場 合 ................................................................................... 55 3.3.1 主 語 の 省 略. ................................................. 55. 3.3.2「 ~ ト ス ル 」 と 「 と さ れ る 」、「 と さ れ て い る 」 ...... 57 3.4 「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」 の 多 義 構 造 .......................................... 58 3.4.1「 Y ヲ Z ト ス ル 」. ................................................. 58. 3.4.1.1 基 本 義 ―変 化 ................................................. 58 3.4.1.2. 派 生 義 ―変 化 か ら 抽 象 化 し た 認 知 へ の 認 定 、 決 定 、 仮 定 ................................................ 59. 3.4.1.3. 文 法 化 し た 機 能 動 詞 ................................... 59.

(9) 3.4.2. 自 動 詞 性 的 な 「 ~ ト ス ル 」 ................................... 60 派 生 義 ―「 と 思 う 」「 と 考 え る 」「 仮 定 す る 」. 3.4.2.1. を 意 味 し て い る ......................................... 60 3.4.2.2 文 法 化 し た 引 用 機 能 の「 ト イ ウ 」に 等 し い も の .................................................................. 60 派 生 義 ―「 と さ れ る 」「 と さ れ て い る 」 ..... 61. 3.4.2.3 3.5. お わ り に ......................................................................... 61. 第 4 章 「 Y ヲ Z ト ス ル 」 構 文 か ら 「 ~ ト シ テ 」 へ の 文 法 化 .......... 63 4.1. は じ め に ......................................................................... 63. 政 治 大 4.3「 Y ヲ Z ト ス ル 」 に 見 ら れ る 文 法 化 の 連 続 性 ―「 ス ル 」 が 機 立 能 動 詞 で あ る 場 合 を 中 心 に ― ............................................ 65 鈴 木 (2007)―複 合 助 詞 「 ト シ テ 」 ................... 63. 學. ‧ 國. 4.2 先 行 研 究. 4.4 お わ り に ............................................................................ 71 結 論 ................................................................................. 73. ‧. 第 5章. 結 論 ................................................................................ 73. 5.2. 今 後 の 課 題 ...................................................................... 78. al. er. io. sit. y. Nat. 5.1. v. n. 参 考 文 献 ......................................................................................... 79. Ch. engchi. i n U.

(10) 立. 政 治 大. ‧. ‧ 國. 學. n. er. io. sit. y. Nat. al. Ch. engchi. i n U. v.

(11) 序章 研究動機及び目的. 1.. 本 研 究 は 「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」 構 文 を 研 究 対 象 と す る 。 (1) 加 藤 総 務 課 長 か ら 「 委 員 会 を 少 数 と す る こ と で 委 員 の 責 任 を 増 し 、よ り 慎 重 審 議 に 努 め た い 」と の 理 由 で あ る 旨 の 答 弁 を し た 。 (第 1 回 阿 賀 町 入 札 監 視 委 員 会 会 議 録 / http://www.town.aga.niigata.jp/gyousei/bid/img /gijiroku01.pdf ) (2) 私 は 恩 師 の 生 き 方 を 手 本 と し て い る 。 (日 本 語 文 型 辞 典 1998) (3) 新 聞 の 連 載 に さ き だ つ 予 告 に よ れ ば 、 数 種 の 短 編 を 書 き つ ぎ 、. 政 治 大. それをあわせて総題を『心』とする予定だったという。. 立. (新 潮 100 冊 ). ‧ 國. 學. (4) ま た 、 平 面 R 、 x = 0 、 y = 0 、 z = 0 に 囲 ま れ て 構 成 さ れ る閉曲面を S とする。このとき、次の面積分を求めよ。. ‧. (http://homepage3.nifty.com/rikei -index01/ouyoukaiseki/hassankeisan.. y. Nat. html). io. sit. (1)~ (4)の 例 に 示 さ れ る よ う に「 Y ヲ Z ト ス ル 」構 文 で は 、 「スル」. n. al. er. の 機 能 に よ っ て 、 そ れ ぞ れ 「 変 化 」、「 認 定 」、「 決 定 」、「 仮 定 」 と 違. i n U. v. った意味が表されている。同じ形式 でありながら表される意味が違. Ch. engchi. う 。『 日 本 語 文 型 辞 典 』 (1998) で も 、「 ~ ト ス ル 」 は 上 掲 し た 意 味 を 表すとしている。なお、この四つの意味の間に、それぞれ密接な関 係 が 存 在 す る 。ま た 、文 脈 に よ っ て 、 「 ス ル 」が 表 す 意 味 が 変 わ る 例 も た く さ ん 観 察 で き る 。上 述 し た 例 文 に 、 「 ス ル 」は 、二 つ 以 上 の 意 味解釈ができる場合がある。例えば、 (5). 「 委 員 会 を 少 数 と す る 」 (変 化 )(決 定 )(仮 定 ). (6). 「 閉 曲 面 を S と す る 」 (仮 定 )(認 定 )(決 定 ). (7). 「 総 題 を 『 心 』 と す る 」 (決 定 )(変 化 ). しかし、このように同じ文型でいくつもの解釈ができる理由は い. 1.

(12) まだに解明されていない。 「 変 化 」、 「 認 定 」、 「 決 定 」、 「 仮 定 」の 間 に 、 きっと何らかの繋りがあると思われる。 そ の 一 方 、「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」 構 文 に お い て 、「 変 化 」、「 認 定 」、「 決 定 」、「 仮 定 」 な ど と 解 釈 で き な い 例 も よ く 見 ら れ る 。 (8) ア メ リ カ に 比 べ ヨ ー ロ ッ パ で は 、 鉄 道 を は じ め と す る 交 通 機 関 が発達していたから、日常の暮らしに、何が何でも自動車が必 要という状況ではなかったのである。 (BCCWJ/ デ ザ イ ン 「こ と 」始 め :: ホ ン ダ に 学 ぶ ) (9) 先 ほ ど 7 時 32 分 頃 宮 城 県 沖 を 震 源 と す る 地 震 が 発 生 し ま し た 。 (http://news5656.com/510.html). 政 治 大. (10) だ が 、 そ れ を 認 め た く な い と す る 日 本 人 も 多 い 。. 立. (迷 走 日 本 の 原 点 ). ‧ 國. 學. (11) 名 古 屋 、 東 京 の 二 本 社 制 を 推 進 し た わ け で 、 祖 業 以 来 の 名 古 屋 に重点を置くべきだとする次郎左衛門会長と対立した。. 業). ‧. (BCCWJ/ ト ッ プ ・ マ ネ ジ メ ン ト の 経 営 史 :: 経 営 者 企 業 と 家 族 企. y. Nat. sit. 同 じ 形 式 で あ る が 、上 述 し た (1) ~ (4)の「 ~ ト ス ル 」の 意 味 と 違 っ. n. al. er. io. て い る 例 (8)(9) は 、 実 質 的 意 味 が 含 ま れ な い た め 、 (1) ~ (4)と 同 一 視. i n U. v. し て は い け な い 。 村 木 (1991) で は 、 例 文 (8)の よ う な 「 ~ ト ス ル 」 は. Ch. engchi. 機能動詞と認め、機能動詞を「実質的な意味を名詞にあずけて、み ずからはもっぱら文法的な機能をはたす動詞」と定義している。こ の 場 合 、「 ス ル 」 は 機 能 動 詞 と し て 、 実 質 的 な 意 味 が 薄 く 、「 変 化 」 「 認 定 」 な ど を 表 す 「 ス ル 」 と 違 う し 、「 Z」 に 入 る も の も あ る 程 度 の 限 定 が 見 ら れ る 。 例 え ば 、「 Y を 必 要 と す る 」、「 Y を 中 心 と す る 」 「 Y を 目 標 と す る 」 な ど の よ う な も の で あ る 。 で は 、「 Z」 の 表 す 内 容によって「スル」の使い分けに何の違いをもたらすのか という疑 問が湧いてくる。 そ の 一 方 、例 (9)に 関 す る 用 法 は 機 能 動 詞 と 解 釈 で き な い と 思 わ れ る 。 (9)で は 、「 ~ ト ス ル 」 は た だ 「 み ず か ら は も っ ぱ ら 文 法 的 な 機 能をはたす動詞」だけで、何ら意志性もないという意味が見て取れ 2.

(13) る。この点について、もっと深く探究する必要がある。 ま た 、 (10) 、 (11)に つ い て 、『 明 鏡 国 語 辞 典 』 (2002)で は 、「 ~ と 仮 定する」及び「~という、~と考える、~と主張するなどの意の婉 曲的な言い方、~と判断してそういう見解や意見をもつ」という 二 つ の 意 味 が あ る と 説 明 し て い る 。後 者 の よ う な 表 現 は (12)の よ う に 、 「『 言 う 』 『考える』 『 主 張 す る 』な ど に 比 べ て 、形 式 的 、抽 象 的 な 言 い方としてマスコミなどに好まれるが、意味が曖昧になりやすい」 と記述されている。 (12) 気 象 庁 で は 津 波 の 心 配 は な い と し て い ま す 。 (『 明 鏡 国 語 辞 典 』 2002). 政 治 大. な お 、 例 (10)~ (12)で は 、「 ~ ト ス ル 」 の 多 義 性 が 観 察 で き る 。 例. 立. (10)は「 と い う 、と 思 う 、と 考 え る 、と 主 張 す る 」に 置 き 換 え ら れ 、. ‧ 國. 學. (11)は 「 と い う 、 と 考 え る 、 と 主 張 す る 」 に 換 え ら れ る 。 本 研 究 で はその置き換えられる場合にどういうような意味用法の特徴が見ら. ‧. れるかを考察することにする。. (13) だ が 、 そ れ を 認 め た く な い [ と い う / と 思 う / と 考 え る / と 主. y. Nat. sit. 張 す る ] 日 本 人 も 多 い 。 (例 文 10 の 再 掲 ). n. al. er. io. (14) 名 古 屋 、 東 京 の 二 本 社 制 を 推 進 し た わ け で 、 祖 業 以 来 の 名 古 屋. i n U. v. に重点を置くべきだ[という/と考える/と主張する]次郎左. Ch. engchi. 衛 門 会 長 と 対 立 し た 。 (例 文 11 の 再 掲 ). な お 、 そ れ ら の 疑 問 を 抱 き な が ら 、 本 研 究 で は 「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」 構文を考察対象とし、この構文における「スル」の意味・機能を解 明 し 、「 Z」 の 内 容 と 機 能 動 詞 と し て の 「 ス ル 」 と の 繋 が り を 観 察 す る こ と を 試 み た い 。こ の 考 察 に よ っ て 、一 般 化 の 規 則 を 見 出 し 、 「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」 構 文 の 意 味 解 釈 に 少 し で も 役 に 立 て ば と 思 う 。. 3.

(14) 立. 政 治 大. ‧. ‧ 國. 學. n. er. io. sit. y. Nat. al. Ch. engchi. 4. i n U. v.

(15) 第 1章 1.1. 先行研究と問題点. 菊 池 (2009). 菊 池 (2009) で は 、 文 を 受 け る 「 ~ ト ス ル 」 に つ い て 、 例 (1)~ (3)に 示されているように、これらの文に現れる「~トスル」は、すべて 発話された内容を表しているため、発話を 表す動詞に変えても、過 去 形 に 改 め て も 許 容 度 は 下 が ら な い と 述 べ 、そ し て 、 「 ~ ト ス ル 」を 用いて何らかの発話や表現内容を示すには、すでに行なわれたもの に限られるので、近い将来に行われることが予想される発話なら、. 政 治 大. 「スル」を用いられなく、具体的な発話動詞が用いられると指摘し. 立. ている。. ‧ 國. 學. (1) 鳩 山 首 相 は 、 米 軍 基 地 移 転 問 題 に つ い て 「 ア メ リ カ 側 と 協 議 し. ‧. た い 」 と し て い る 。 →話 し て い る ( 話 し た ). (2) 政 府 は 、 公 約 の 達 成 の た め に は 赤 字 国 債 の 発 行 も 「 や む を え な. Nat. sit. y. い 」 と し て い る 。 →述 べ て い る ( 述 べ た ). al. er. io. (3) 日 中 韓 三 国 の 首 脳 は 、 北 朝 鮮 の 非 核 化 を 目 指 す と し た ( →述 べ. n. た)共同宣言を発表した。. Ch. engchi. i n U. v. (菊 池 2009:29). し か し 、 (1)~ (3)の 「 と し て い る / と し た 」 は 、「 と 話 し て い る / と述べている」などの発話を表す動詞に変えた後、もとの文とはニ ュ ア ン ス が 変 わ っ て し ま う の で あ る 。 こ の 点 に つ い て 、 菊 池 (2009) ではあまり詳しく説明されていない。 前 述 し た 『 明 鏡 国 語 辞 典 』 (2002) で は 、 こ の よ う な 「 ~ ト ス ル 」 の形式は動詞を使う文より婉曲な表現であると記述しているが、発 話された内容だけではなく、 「 ~ ト 考 え る 」、 「 ~ ト 主 張 す る 」、 「~ト 判 断 す る 」 な ど の 意 味 も 表 し て い る 。 そ れ ゆ え 、 菊 池 (2009) か ら 提 出した文を受ける「~トスル」はすべて発話された内容を表してい るという説明は明らかに不十分である。 5.

(16) したがって、次のような例に対して、有効な説明にならない こと が 分 か る 。例 (4)(5) は 例 (1)(2) と 同 じ よ う に 、文 末 に 置 い て 、 「トスル」 を用いて何らかの発話や表現内容を示しているが、テイル形や過去 形( と し て い る 、と し た )で は な く 、ス ル 形( と す る )が 使 わ れ る 。 こ の 場 合 、ど う 解 釈 す れ ば 良 い の で あ ろ う か 。(4)と (5)の 主 体 は 第 三 者 な の で 、 動 詞 「 ~ ト 考 え る 」、「 ~ ト 思 う 」 の ス ル 形 に 変 え た ら 、 非 文 に な る 。こ の よ う に 、 「 ~ ト ス ル 」は 動 詞 と の 交 替 現 象 及 び 意 味 の違いはさらに構文的な特徴から検討することが必要である。. (4) つ ま り 野 沢 氏 は 、 『 生 と 死 の 二 極 対 立 の 同 体 概 念 を 否 定 し 、生 が. 政 治 大. 本質であって死はその生の中の一時点で、死は生の系列に含まれ. 立. る』とする。. ‧ 國. 學. ( BCCWJ/ 宇 宙 の 意 思 :: 人 は 、 何 処 よ り 来 り て 、 何 処 へ 去 る か ) (5) フ ァ ー ン ズ は 、 ノ ー マ ン が 外 交 官 に 対 す る 執 着 を も う 少 し あ っ. Nat. y. とする。. ‧. さりと捨てることができたなら、悲劇は避 けられたのではないか、. n. al. er. io. 1909-1957). sit. ( BCCWJ / 外 交 官 E ・ H ・ ノ ー マ ン :: そ の 栄 光 と 屈 辱 の 日 々. 1.2. 菊 池 (1998). Ch. engchi. i n U. v. 菊 池 (1998) で は 、 「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」に 現 れ る 格 助 詞「 ト 」の 本 質 に ついて、 「 認 定 の ト 」と「 引 用 の ト 」と い う 二 つ の 意 味 に 分 け ら れ て い る 。「 認 定 の ト 」 に は 、「 あ る も の を 別 の も の と 同 一 視 す る 、 あ る ものを別のものと認定する」という意味が含まれる。これ に対し、 「引用のト」は「話者の思考や判断の内容を提示する」と 述べてい る 。 (7)の 「 ~ ト ス ル 」 は「 ~ 仮 定 す る / ~ 定 め る / ~ 考 え る 」 と 交 換 で き る の で 、「 認 定 の ト 」と さ れ て い る 。 (9)も 同 じ よ う に 、「 ~ ト 思 う 」、「 ~ ト 考 え る 」 と 書 き 換 え ら れ る 。 (6) a、 b を 実 数 と す る 。 以 下 の 問 い に 答 え よ 。 (7) a、 b を 実 数 と { 仮 定 す る / 定 め る / 考 え る }。 6.

(17) (8) 契 約 更 改 に 臨 ん だ 鈴 木 選 手 は 、球 団 の 2 億 円 の 提 示 の 不 服{ * に /と}した。 (9) 契 約 更 改 に 臨 ん だ 鈴 木 選 手 は 、球 団 の 2 億 円 の 提 示 の 不 服 と{ 思 っ た / 考 え た }。 (菊 池 1998:38-39) 「 考 え る 」は (7)と (9)に 両 方 と も 用 い ら れ る 。こ の 現 象 に つ い て は 、 菊 池 (1998) で は 詳 し い 説 明 が 見 ら れ な い が 、 「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」と 動 詞 「 ~ ト 考 え る 」、「 ~ ト 思 う 」 の 交 替 現 象 に つ い て は も っ と 深 く 探 究 する必要があると思われる。. 1.3. 金 子 (1990). 立. 政 治 大. 金 子 (1990) で は 、「 N 1 ヲ N 2 ニ シ テ 」と い う 構 文 を 後 置 詞 化 1 と 位 置. ‧ 國. 學. づ け て 、い く つ か の 例 文 を 上 げ 、 「 ス ル 」の 機 能 、ほ か の 動 詞 に 置 換 す る 現 象 、「 N 1 ヲ N 2 ニ シ テ 」 の 「 ニ シ テ 」 は 「 ト シ テ 」 に 互 換 す る. ‧. 状 況 な ど が 記 述 さ れ て い る 。中 に は 、 「 を 中 心 に し て 」に つ い て の 分 析 で あ る 。 金 子 (1990) で は 「 中 心 」 を 13 の 例 を 挙 げ て 、「 連 体 修 飾. y. Nat. n. al. er. io. 中 心 に 」 で あ る 。」 と 主 張 し て い る 。. sit. 節 と な る 例 (10)(11) を 除 い て は 、 「 す る 」は 生 起 し て い な い 、全 部「 を. i n U. v. (10) 空 て い 旅 団 や F15 戦 闘 機 隊 の ほ か 空 母 三 隻 を 中 心 と す る 海 上 兵. Ch. 力も配備されつつある。. engchi. (11) 米 、英 両 軍 を 中 心 と す る 多 国 籍 軍 は 必 要 な ら 武 力 衝 突 も 覚 悟 で 、 今のところ最後にノ後されたイラクへの出入り口アカバ湾を含 め、海上封鎖の徹底化を図ろうとしている。 (金 子 1990:26) だ が 、 筆 者 の 考 察 2 で は 、 (10)(11)の よ う に 「 ~ を 中 心 と す る 」 形 は 861 例 が 出 て き て 、 文 末 に 置 く 場 合 も あ る し 、 連 体 修 飾 節 と な る 1. 高 橋 (1983) に よ る と 、「 後 置 詞 化 」 と は 、 動 詞 が 本 来 の 機 能 を や め 、 本 来 の 意 味 を か え る と 、動 詞 的 な カ テ ゴ リ ー を 失 っ て 、語 形 変 化 が 退 化 す る と い う こ と である。 2 考 察 し た コ ー パ ス は BCCWJ「 現 代 日 本 語 書 き 言 葉 均 衡 コ ー パ ス 」( 検 索 エ ン ジ ン : ひ ま わ り ) で あ る 。 BCCWJ の デ モ 版 を 使 用 し た 。 な お 、 用 例 は デ モ 版 が 配 布 さ れ た 2011 年 に 収 集 し た も の で あ る 。 7.

(18) 例も数多く見られる。確かに、連体修飾節 として使う「~を中心と す る 」を 除 い て は 、 「 中 心 」は「 ス ル 」と 共 起 し て い る 場 合 が 少 な い が 、 (12)(13) の よ う に 共 起 す る 場 合 も あ る 。 こ の 点 で は 、 金 子 (1990) の考察した結果である「生起していない」とは明らかに違う。その 上、数多くの連体修飾節となる場合もたくさんあることを無視して はいけない。 (12) 東 日 本 の 森 林 植 生 は 、 冬 に は 葉 が 落 ち る 落 葉 広 葉 樹 、 す な わ ち ナラやブナを中心とする。温暖な西日本は照葉樹を主とする。 ( BCCWJ/ 日 本 古 代 史 と 遺 跡 の 謎 ・ 総 解 説 :: 古 代 ミ ス テ リ ア ス・ジャパンの扉を開く鍵). 政 治 大. (13) 効 率 を 増 す た め 、 技 師 に ソ 連 の 専 門 家 を 任 用 し て よ い 。 実 際 の. 立. 任務は、自動車および重機械の製作 を中心とする。. ‧ 國. 研究範囲及びその対象. 明). ‧. 1.4. 學. ( BCCWJ/ 中 ソ 関 係 史 の 研 究 :: 1945-1950 石 井. 本 研 究 で は 、「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」 構 文 を 研 究 し 、 主 と し て 以 下 の 三. y. Nat. n. al. er. io. [1]. sit. つの点について考察していく。. i n U. v. 「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」 に お け る 「 X が Y を Z と す る 」 構 文 の 「 ト ス. ル」の機能を解明する。. Ch. engchi. こ の 構 文 に お け る 、「 ト ス ル 」は 実 質 的 意 味 を 表 す「 変 化 」、「 認 定 」、「 決 定 」と「 仮 定 」の 四 つ の 意 味 の 互 い の 関 係 を 再 定 義 し て 、 その間に存在する意味的な連続性を説明する 。また、「トスル」は 実質的意味がない機能動詞としての特徴も考察する。. [2]. 「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」 の 多 義 性 を 考 察 す る 。. (14)の よ う な 例 に 現 れ る 「 ~ ト ス ル 」 は 、 「 と い う 、 と 考 え る 、 と思う、と判断する、と主張する、と仮定する」に置き換えられる 場合の特徴、制限などを考察し、一般化の規則を見出す。. 8.

(19) (14) だ が 、 そ れ を 認 め た く な い と す る 日 本 人 も 多 い 。 ( BCCWJ/ 迷 走 日 本 の 原 点 ). [3]. 「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」 の 文 法 化 を 探 究 す る 。. 動詞「~トスル」から複合助詞「~トシテ」への文法化の過程、 機能動詞としての「トスル」は文法化への変化する過程などを探究 する。. 1.5. 研究方法. ま ず 、「 青 空 文 庫 」、「 新 潮 100 冊 」、「 中 納 言 」KOTONOHA「 現 代 日. 政 治 大. 本 語 書 き 言 葉 均 衡 コ ー パ ス 」 な ど の コ ー パ ス を 利 用 し 、「 (Y ヲ Z)ト. 立. スル」の用例を集める。そこで得た資料をさらに形態上の違いによ. ‧ 國. 學. っ て 分 析 し 、「 (Y ヲ Z)ト ス ル 」 を 中 心 と し て 2 節 で 挙 げ た 考 察 す る 点 を 他 の 動 詞 と の 交 替 現 象 及 び 特 徴 を 確 認 し て い く 。ま た 、 「~トス. ‧. ル」から複合助詞「~トシテ」への文法化の現象を考察し、その文 法化の程度及び意味特徴などについて も考えてみたいと思う。. n. er. io. sit. y. Nat. al. Ch. engchi. 9. i n U. v.

(20) 立. 政 治 大. ‧. ‧ 國. 學. n. er. io. sit. y. Nat. al. Ch. engchi. 10. i n U. v.

(21) 第 2章. 「Y ヲ Z トスル」構文について. 2.1 は じ め に 日 本 語 の 「 Y ヲ Z ト ス ル 」 構 文 3は 「 ス ル 」 の 意 味 用 法 に よ っ て 、 実質的な意味を持つ一般的な動詞に似ている実質動詞と実質的な意 味を持たない機能動詞という二つの用法に分けられる。実質動詞に は、 「 ス ル 」は「 変 化 」、 「 認 定 」、「 決 定 」、 「 仮 定 」な ど い ろ い ろ な 意 味を表す。同じ形式であるとはいえ、表される意味が違う。以下、 具体例をあげながら説明していきたい。. 學. ①「変化」. ‧ 國. 〈1〉. 政 治 大 実質動詞としての用法 立. まずは、変化を表す「Y ヲ Z トスル」構文の典型的な例を見てみ. ‧. よ う 。 奥 津 (2007) に よ る と 、「 ス ル 」 は 自 動 詞 「「 な る 」 が 表 現 す る 変 化 を 引 き 起 こ す 」と い う 意 味 の 変 化 他 動 詞 で あ る 。奥 津 (2007) は 、. Nat. sit. y. こ れ を「[ 変 化 ]使 役 」と 表 示 し て い る 。例 (1)(2) の 示 す よ う に 、「 ス. al. er. io. ル 」は 変 化 の 意 味 を 持 ち 、 「 Z」は 変 化 し た 結 果 で あ る 。格 助 詞「 ト 」. v. n. は 変 化 し た 結 果 が 示 さ れ る 。こ の 場 合 、 「 ト 」は「 ニ 」に 換 え る こ と が可能である。. 3. Ch. engchi. i n U. 「 Y ヲ Z ト ス ル 」 構 文 に は 「 結 婚 を 彼 と す る 」、「 テ ニ ス を 友 達 と す る 」 の よ う な 文 が あ る 。 し か し 、 こ の 場 合 、「 と 」 は 「 ~ と す る 」 構 文 に 属 さ な く 、 岩 淵 (2000) で 指 摘 す る よ う に 、 前 に つ い た 名 詞 「 彼 」 が 「 結 婚 を す る 」 動 作 の 相 手 で あ る と い う 意 味 役 割 を 担 っ て い る ( 岩 淵 2 000:49) 。 こ の よ う に 、「 結 婚 を 彼とする」は「彼と結婚をする/彼と結婚する」という意味であり、同じ形 式 と は い え 、上 述 の 例 文 と は 全 然 違 う 意 味 が 見 ら れ る 。C の「 テ ニ ス を 友 達 と す る 」 と 同 様 に 、「 友 達 と 」 は 動 詞 「 ス ル 」 の 前 に 置 か れ て 、「 家 族 、 愛 人 や 他 の 人 で は な く 、『 友 達 』 と テ ニ ス を す る 」 と い う こ と を 話 者 が 伝 え た が っ て い る 意 図 が 現 れ る 。 そ こ で 、 A~ C の よ う な 例 文 は 本 稿 の 考 察 範 囲 か ら 除 外 す る。 (A)「 も し も 希 望 通 り の 結 婚 を 彼 と す る の が 難 し い と し た ら 、 ト ピ 主 さ ん は どうしたいですか?」 (http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2011/0814/434612.htm) (B)「 結 婚 を 彼 と す る 。」 → 「 彼 と 結 婚 を す る 。」 (C)「 テ ニ ス を 友 達 と す る 。」 → 「 友 達 と テ ニ ス を す る 。」 11.

(22) (1) 加 藤 総 務 課 長 か ら「 委 員 会 を 少 数 と す る こ と で 委 員 の 責 任 を 増 し 、 より慎重審議に努めたい」との理由である旨の答弁をした。 (例 文 再 掲 ) (2) 平 成 19 年 に お け る 従 事 者 数 の 目 標 は 、 本 活 性 化 計 画 に 基 づ く 事 業 推 進 に よ り 減 少 傾 向 を く い 止 め 、現 状( 平 成 12 年 )水 準( 7,155 人 ) を 維 持 ・ 確 保 す る こ と と し 、 平 成 19 年 に お け る 付 加 価 値 生 産 性 の 目 標 を 1,096 万 円 / 人 と す る 。 ( http://www. pr ef. ehim e. jp/050keiz air oudou/030chuushouki gy/0000292203052 7/3_mokuhyou. pdf ). 政 治 大 そ し て 、 (3)~ (5)の 例 文 に お い て は「 Y」と い う も の ご と を「 Z」と 立. ②「認定」. いうものに当てられ、あるいは何らかの身分・資格を位置づけ るの. ‧ 國. 學. で、認定の意味を表す。. (3) 私 は 恩 師 の 生 き 方 を 手 本 と し て い る 。 (例 文 再 掲 ). ‧. (4) と こ ろ で 写 真 を 趣 味 と す る 者 、写 真 を 職 業 と す る 者 な ら「 肖 像 権 」. ( http://www. jps. gr . jp/repor t/pdf/127_30 -31. pdf ). al. er. io. sit. y. Nat. という言葉を一度は聞いたことがあるであろう。. n. (5) ふ る く は 徐 福 の 移 住 伝 説 と 関 係 さ せ て 、夷 州 を 日 本 と す る 考 え が. Ch. あ っ た 。 (BCCWJ/ 食 文 化 新 鮮 市 場 ). engchi. i n U. v. ③「決定」 (6)(7)の 「 ス ル 」 は 「 決 定 す る 」 と い う 意 味 を 表 す 。「 認 定 」 と は よ く 似 て い る が 、「 認 定 」 よ り 意 志 性 が 強 く 、 決 定 し た 事 柄 を 表 す 。 (6) 本 件 は 、発 明 の 名 称 を「 鍋 」と す る 特 許 第 4562094 号 の 特 許 権 を 有 す る 原 告 が 、被 告 製 品 の 製 造 販 売 等 を す る 被 告 ら に 対 し 、以 下 の 請 求 を す る 事 案 で あ る 。 (判 決 書 / http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130226114146.pdf ) (7) 新 聞 の 連 載 に さ き だ つ 予 告 に よ れ ば 、数 種 の 短 編 を 書 き つ ぎ 、そ れ を あ わ せ て 総 題 を 『 心 』 と す る 予 定 だ っ た と い う 。 (例 文 再 掲 ) 12.

(23) ④「仮定」 最 後 は「 仮 定 」と い う 場 合 で あ る 。「 Y ヲ Z ト ス ル 」構 文 に 属 す る と い う 限 定 が あ る の で 、「 と す る な ら 」「 と す る と 」「 と す れ ば 」「 と し た ら 」な ど 条 件 文 を 除 外 し て 、(8)(9) の よ う な 用 例 だ け が こ の タ イ プに入ることになる。 (8) x、 y、 z を 実 数 と す る と き 、 次 の 問 い に 答 え よ 。 (http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1043778 815) (9) ま た 、 平 面 R 、 x = 0 、 y = 0 、 z = 0 に 囲 ま れ て 構 成 さ れ る閉曲面を S とする。このとき、次の面積分を求めよ。. 政 治 大. 立. (例 文 再 掲 ). 上 に あ げ た (1)~ (9)か ら 、 そ れ ぞ れ 下 線 部 の 形 式 が 同 じ で あ る が 、. ‧ 國. 學. 意 味 的 に は 異 な っ て い る こ と が 分 か る 。し か し 、こ の よ う な「 ス ル 」 は、二つ以上の意味解釈ができる。例えば、上の例文に下線部が単. ‧. 独 で 現 れ る 場 合 な ら 、「 ス ル 」 が 表 す 意 味 が 変 わ る 例 も あ る 。 (2) の 「 平 成 19 年 に お け る 付 加 価 値 生 産 性 の 目 標 を 1,096 万 円 / 人 と す. y. Nat. n. al. Ch. engchi. er. io. どの例のように二つ以上の解釈ができる。. sit. る 」、(4)の「 写 真 を 職 業 と す る 者 」、(7)の「 総 題 を『 心 』と す る 」な. i n U. v. (10) 「 平 成 19 年 に お け る 付 加 価 値 生 産 性 の 目 標 を 1,096 万 円 / 人 と す る 」 (変 化 )(決 定 )(仮 定 ) (11) 「 写 真 を 職 業 と す る 者 」 (認 定 )(決 定 )(変 化 ) (12) 「 総 題 を 『 心 』 と す る 」 (決 定 )(変 化 ) ( 10~ 12 は 例 文 再 掲 ) しかし、このように同じ文型で多数の解釈ができる理由は今のと こ ろ ま だ 分 か ら な い が 、「 変 化 」、「 認 定 」、「 決 定 」、「 仮 定 」 の 間 に 、 何らかの繋がりがあるに違いない。. 〈2〉機能動詞としての用法 「Y ヲ Z トスル」構文は上述した意味用法以外にもう一つの用法 13.

(24) が 見 ら れ る 。 そ れ は 機 能 動 詞 と し て の 場 合 で あ る 。 村 木 (1991)に で は、機能動詞を「実質的な意味を名詞にあずけて、みずからはもっ ぱら文法的な機能をはたす動詞」と定義している。本研究は村木の 機 能 動 詞 の 定 義 に 従 い 、(13)~ (16) で 使 わ れ る「 ス ル 」を 機 能 動 詞 と 呼ぶことにする。. (13) 広 島 市 を 中 心 と す る 周 辺 の 市 町 村 の 国 民 学 校 は 、 戸 坂 国 民 学 校 と 同 じ く 緊 急 収 容 所 に 当 て ら れ て 、ど こ も 超 満 員 に な っ て い た ら しい。だから遠隔の地に広く散らす必要があるわけだ。 (新 潮 100 冊 ). 政 治 大. (14) ア メ リ カ に 比 べ ヨ ー ロ ッ パ で は 、 鉄 道 を は じ め と す る 交 通 機 関. 立. が 発 達 し て い た か ら 、日 常 の 暮 ら し に 、何 が 何 で も 自 動 車 が 必 要. ‧ 國. 學. と い う 状 況 で は な か っ た の で あ る 。 (例 文 再 掲 ). (15) 政 府 管 掌 健 康 保 険 は 、 主 に 中 小 企 業 の 被 用 者 を 対 象 と す る 健 康. ‧. 保 険 で あ り 、給 付 面 で は 被 保 険 者 本 人 に 9 割( 但 し 、6 1 年 4 月 以 降 ,国 会 で 承 認 を 受 け ,厚 生 大 臣 の 告 示 す る 日 の 翌 日 か ら 8 割 )、. y. Nat. (BCCWJ/ 経 済 白 書 :: 昭 和 60 年 版 ). n. al. er. io. sit. 家族に入院8割・外来7割の保険給付を行う。. i n U. (16) 生 命 は ど う し て 死 を 目 標 と す る の だ ろ う 。. Ch. e n(日 g c経hビiジ ネ ス. v. on line. 2011/2/3). (1)~ (16)は 統 語 上 で は い ず れ も 「 Y ヲ Z ト ス ル 」 形 態 を も つ の が 観 察 で き る 。 だ が 「 Z」 の 違 い に よ り 、「 ス ル 」 の 表 す 意 味 も 違 っ て い る 。(1)~ (9)と 比 べ て 、機 能 動 詞 と し た( 13~ 16)の 場 合 、「 Z」は ある程度の制約が見られるため、意味的にも、形態的にもすべての 例を同一視することができない。 本章では、主として「Y ヲ Z トスル」という構文形式を考察し、 先行研究の分類に踏まえ、この構文における「スル」の使い分けと 意味の連続性の解明を試みたいと考える。さらに「 Y ヲ Z トスル」 構 文 の「 Z」の 内 容 と「 ス ル 」と の 繋 が り を 考 察 し 比 較 す る こ と に よ っ て 、一 般 化 の 規 則 を 見 出 し 、「 Y ヲ Z ト ス ル 」構 文 の 意 味 用 法 の 特 14.

(25) 徴を整理したいと思う。. 2.2「 Y ヲ Z ト ス ル 」 に お け る 「 変 化 」 と 「 認 定 」 の 意 味 的 連続性 2.2.1「 変 化 」 と 「 認 定 」 に つ い て 奥 津 (2007) に よ る と 、「 変 化 と い う の は 、「 Y」〈 主 体 〉 の 始 め の 状 態 〈 始 発 〉 か ら 、 変 化 の 終 わ り の 状 態 「 Z」〈 結 果 〉 ま で の 過 程 」 と い う 。 始 発 と 結 果 (Z)が 違 う 。 一 方 、「 認 定 」 と は 、「 Y」 と い う も の ご と を「 Z」と い う も の に 当 て ら れ 、あ る い は 何 ら か の 身 分・資 格 を 位 置 づ け る と い う 意 味 も 規 定 で き る 。両 者 の 大 き な 差 は 、 「 変 化 」に. 政 治 大. は 始 発 の 状 態 が あ る の に 対 し て 、「 認 定 」 に は そ れ が な い 。 つ ま り 、. 立. 変化はその変化する過程を持っているが、認定はそのような 過程を. ‧ 國. 學. 持たないということである。 (17) 変 化 : 奥 津 (2007). ‧. n. al. er. io. sit. y. Nat. 変化. • 始発の状態 結果(Z) • 主体(Y)を始発の状態から結果(Z)とする. Ch. i n U. v. e n(gそcのh変i 化 す る 過 程 を 持 っ て い る ). (18) そ し て 、 A 方 向 の 信 号 を 青 と し 、 他 方 向 ( B , C 方 向 ) の 信 号 をすべて赤とする。 (http://www.j-tokkyo.com/2001/G08G/JP2001 -291188.shtml) (19) ま ず 、 全 方 向 信 号 を 赤 と す る( S 5 1 )。そ し て 、工 事 車 両 1 5 に 、 出 入 り 許 可 信 号 を 通 知 す る ( S 5 2 )。 (http://www.j-tokkyo.com/2001/G08G/JP2001 -291188.shtml) (20) こ れ は 「 竪 琴 」 あ る い は 芸 術 を 、 善 と 幸 福 へ の 道 と す る 強 い 信 念 が な く て は で き な い こ と な の で 、こ の 物 語 が ひ と つ の 思 想 小 説 だ と さ き に 言 っ た の は 、 こ の 意 味 で す 。 (新 潮 100 冊 ). 15.

(26) (17)に 示 さ れ た よ う に 、例 (18) で は 、主 体 (Y)は「 A 方 向 の 信 号 」で あり、その始発状態は「赤」から「青」になるという変化する過程 が あ る 。(19)も 同 じ で 、主 体 (Y)は「 全 方 向 信 号 」、変 化 す る 過 程 は 逆 に「 青 」か ら「 赤 」ま で で あ る 。さ ら に 、(20) の 主 体 で あ る「「 竪 琴 」 あるいは芸術」は元々「善と幸福への道ではない」ものだと思われ る 思 い か ら 、「 善 と 幸 福 へ の 道 」 に 変 え る 。 そ の 一 方 、 認 定 は (17) の 「 変 化 」 に あ る 変 化 す る 過 程 が 見 ら れ な い。 (21) 認 定 :. 認定. 政 治 大 状態・資格・身分(Z) 立•• 主体 主体(Y)を状態・資格・身分(z)とする. ‧ 國. 學 ‧. (その変化する過程を持たない). (22) ふ る く は 徐 福 の 移 住 伝 説 と 関 係 さ せ て 、 夷 州 を 日 本 と す る 考 え. y. Nat. sit. が あ っ た 。 (例 文 再 掲 ). n. al. er. io. (23) 魔 法 が 能 力 に 勝 つ に は ど う す れ ば い い か ? 一 つ は 魔 力 量 を 多 く. i n U. v. す る こ と だ ね 。そ う だ な あ 、魔 力 と 能 力 の エ ネ ル ギ ー を リ ン ゴ と. Ch. engchi. す る 。 (笹 倉 / 『 M& A 』 http://ncode.syosetu.com/n7796y/). (22)の 「 ト ス ル 」 は 、 変 化 過 程 が な い 主 体 で あ る 「 夷 州 」 が 「 日 本」に変わったのではなく、昔は「 夷州」と呼ばれるところは今は 何と言われるという認定の意味である。上述した変化のように「始 発 か ら 結 果 」へ の 変 化 過 程 を 持 た な い 。つ ま り 、 「 夷 州 」に 一 つ の 名 前や身分をつけるという意味用法の構文である。もう一つの例を見 て み よ う 。 (23)に あ る 「 魔 力 と 能 力 の エ ネ ル ギ ー を リ ン ゴ と す る 」 と い う 文 は 、明 ら か に 変 化 の 意 味 が な く 、 「魔力と能力のエネルギー」 がリンゴで表示するという認定の意味を表す構文である。 す な わ ち 、「 Y を Z と す る 」 構 文 は 、 動 詞 「 ス ル 」 は 「 主 体 」 (Y) 16.

(27) の「 変 化 す る 過 程 を 持 つ か ど う か 」に よ っ て 、 「 変 化 」や「 認 定 」の 判断が下される。. 2.2.2. 「 認 定 」 の 思 考 過 程 :「 頭 の 中 で 変 化 過 程 の 抽 象 化 」. 認 定 は「 と 思 う 」 「 と 考 え る 」な ど の 認 識 動 詞 に 置 き 換 え ら れ る よ う に 、 頭 の 中 で 「 Y」 を 「 Z」 の よ う な 資 格 を 位 置 付 け る 。 例 え ば 、 (23)の 「 魔 力 と 能 力 の エ ネ ル ギ ー 」 を ど う い う も の か と い う 思 考 過 程 が 含 意 さ れ て 、い ろ い ろ な 物 事 を 考 え た 後 、 「 リ ン ゴ 」と 認 定 し た 。 この思考過程は、頭の中で変化過程の抽象化とも言える。すなわ ち、もともと外的に物理的変化は、抽象化して、心理的な変化へ移. 政 治 大. っ て し ま う の で あ る 。つ ま り 、 「 魔 力 と 能 力 の エ ネ ル ギ ー 」は も と も. 立. と「エネルギー」であるが、話者の主観意識により、この思考過程. ‧ 國. 學. を 経 て 、(24) と (25)が 示 す よ う に 、話 者 の 頭 の 中 で「 エ ネ ル ギ ー 」を 「 リ ン ゴ 」と い う も の に つ け て 、 「 エ ネ ル ギ ー 」を「 リ ン ゴ 」で 表 示. ‧. す る 。す な わ ち 、話 者 の 認 識 に 変 化 が 付 与 さ れ 、 「 エ ネ ル ギ ー 」が「 リ ンゴ」に変わったということである。. io. n. al. Ch. (25) 話 者 の 変 化 付 与 認 識 :. 思考過程. engchi. er. sit. y. Nat. (24) 「 エ ネ ル ギ ー 」. i n U. 「リンゴ」. v. 「エネルギー」. 「リンゴ」 頭の中で変化過程の抽象化. (26). 「Y」. 思考過程. 17. 「Z」.

(28) 話者の変化付与認識 :. 「Y」. 変化過程の抽象化. 「Z」. →「 認 定 」: 思 考 過 程 →頭 の 中 で 変 化 過 程 の 抽 象 化. 例 (27)~ (29) も 同 じ で 、「 不 可 能 」、「 枯 れ 木 や 朽 ち 木 、 落 ち 葉 、 腐 っ た 葉 」、 「 物 ま ね 」を 、話 者 や 書 き 手 が 自 分 自 身 の 認 識 ・判 断 な ど 一 連 の 思 考 過 程 を 経 て 、頭 の 中 で「 不 可 能 」が「 可 能 」に 、 「 枯れ木や 朽 ち 木 、落 ち 葉 、腐 っ た 葉 」を「 食 物 」に 、「 物 ま ね 」が「 得 意 」に. 政 治 大. 変わり、認定するということだ。. 立. ‧ 國. 學. (27) そ の 開 発 者 は 、 不 可 能 を 可 能 と す る 科 学 を 標 榜 し て 、 こ の 社 会 がタブーや倫理によって封じ込めてきた悪夢をやすやすと手中. ‧. に す る こ と が 起 こ る 。 (中 納 言 ). (28) 生 き た 植 物 だ け で な く 、 枯 れ 木 や 朽 ち 木 、 落 ち 葉 、 腐 っ た 葉 を. y. Nat. n. al. er. io. も い る 。 (BCCWJ/ 昆 虫 ウ ォ ッ チ ン グ ). sit. 食 物 と す る も の( 腐 食 者 )も い る し 、キ ノ コ や コ ケ を 食 べ る も の. i n U. v. (29) ア ル フ ィ ー に な り き っ た コ ピ ー バ ン ド や 、 自 作 の ア ル フ ィ ー グ. Ch. engchi. ッ ズ を 持 参 し た 人 、物 ま ね を 得 意 と す る 人 な ど の 個 性 豊 か な フ ァ ン が 登 場 す る 。 (中 納 言 ). も ち ろ ん 、 こ こ で 「 変 わ る 」、 つ ま り 「 変 化 過 程 」 の 「 変 化 」 は 、 (17)で 指 す「 変 化 」と は す こ し 違 う 。下 に 掲 げ た (30)か ら 分 か る よ う に 、 主 体 (Y) の 状 態 か ら 見 れ ば 、「 変 化 」 は 、 主 体 の 外 観 あ る い は 自 ら の 成 分 な ど の「 物 理 的 変 化 」と 言 え る の に 対 し て 、 「 認 定 」は 頭 の 中で思考過程を経て、主体を何らかの状態や資格、身分などを帯び るものに変える。この「変える」は、主体には本質で何の変わりも なく、話者の主観的認定、心理的変化と言える。例えば、 (28)生 き た 植 物 だ け で な く 、 枯 れ 木 や 朽 ち 木 、 落 ち 葉 、 腐 っ た 葉 を 18.

(29) 食物とするもの(腐食者)もいるし、キノコやコケを食べるも のもいる。 に は 、「 枯 れ 木 や 朽 ち 木 、 落 ち 葉 、 腐 っ た 葉 」 は 、 元 々 は 「 木 と 葉 」 であるが、話者にとっては、ただの「木、葉」だけではなく、もと もと植物と見られる「木、葉」から、話者の心的思考によって、食 物 に 変 わ っ て 、 食 物 と し て 見 る も の (腐 食 も の )も い る と い う よ う な 心理的な変化が見られる。これは、 もともと外的物理的変化は、抽 象化して、心理的な変化へ移ってしまうということである。. (30) 主 体 の 状 態 か ら 見 れ ば 、. 政 結治 果 (Z) 大. 「 変 化 」: 主 体 (Y). 立. (外的変化). 「 認 定 」: 主 体 (Y). 状 態 ・ 資 格 ・ 身 分 (Z). ‧. (心理的変化) (外的変化ではない). sit. y. Nat. n. al. er. 「変化」から「認定」への意味変化の抽象化. io. 2.2.3. 學. ‧ 國. (物理的変化). i n U. v. こ の よ う な 「 変 化 」( 物 理 的 変 化 ) と 「 認 定 」( 心 理 的 変 化 ) の 関. Ch. engchi. 係 は 日 野 (2001)で 提 出 さ れ た 「 抽 象 化 」 で 解 釈 で き る と 思 う 。 日 野 (2001) に よ る と 、 意 味 変 化 の 一 つ の タ イ プ で あ る 抽 象 化 は 具 体 的 な 意味がなくなり、抽象的な意味が現れる。抽象化については、日野 (2001) に よ っ て 提 示 さ れ た (31)に 示 さ れ て い る よ う に 二 つ の パ タ ン がある。 (31) 抽 象 化 の ニ つ の パ タ ン こと A. も の. 空間. 時間 質. B. 物 理 的. 心理的 (日 野 2001:21) 19.

(30) これによれば、 「変化」 ( 物 理 的 変 化 )と 本 研 究 で 提 出 し た「 認 定 」 ( 心 理 的 変 化 )の 関 係 は 、物 理 的「 変 化 」か ら 心 理 的「 変 化 」 (認知) へ の 意 味 変 化 の 抽 象 化 で あ る 。 こ の 点 に つ い て 、 本 研 究 で は (31)の パ タ ン B に 基 づ き 、「 Y ヲ Z ト ス ル 」 構 文 の 意 味 変 化 を (32)の よ う に 考える。 (32) 本 研 究 の 考 え : 認知 決定 変化. 認定 仮定. 物理的. 心理的. 立. 政 治 大. ‧ 國. 學. (32)が 示 し て い る 如 き 、 変 化 か ら 認 知 へ の 関 係 は 物 理 的 か ら 心 理 的への意味的抽象化ということである。変化と認定、決定、仮定の. ‧. 間 に は 、(32)の よ う に 繋 が っ て い る 関 係 が 存 在 し て い る と 思 わ れ る 。 つ ま り 、前 節 で 述 べ た と お り 、 「 変 化 」は 外 的 に 物 理 的 変 化 、 「認定」. y. Nat. sit. は話者の心理的変化なので、 「 変 化 」と「 認 定 」の 間 に 、物 理 的 変 化. n. al. er. io. から抽象化して、心理的な変化へ移ってしまうということである。. i n U. v. そ れ ゆ え 、 は じ め に 提 出 し た 例 (33)~ (36)は 、 文 脈 に よ っ て 「 Y を Z. Ch. engchi. とする」構文の意味が二つ以上解釈できる場合が見られる。. (33) 「 平 成 19 年 に お け る 付 加 価 値 生 産 性 の 目 標 を 1,096 万 円 / 人 と す る 」 (変 化 )(決 定 )(仮 定 ) (34) 「 写 真 を 職 業 と す る 者 」 (認 定 )(決 定 )(変 化 ) (35) 「 総 題 を 『 心 』 と す る 」 (決 定 )(変 化 ) (36) 「 不 可 能 を 可 能 と す る 」 (変 化 )(認 定 ) ( 33~ 36 は 例 文 再 掲 ) すなわち、この「Y を Z とする」構文において文脈によって変化 と認定、決定、仮定との間に繋がりがあることが説明できる。した が っ て (33)~ (36)に お い て「 ス ル 」に い く つ も の 解 釈 が で き る 理 由 が 20.

(31) 明 ら か に な っ た 。そ し て 、こ こ か ら 、 「 Y ヲ Z ト ス ル 」構 文 に お い て 、 意味的な連続性が見られたわけである 。 なお、認定、決定、仮定との間にもその連続性が見られる。 菊池 (1998) で は 、「 a、b を 実 数 と す る 。以 下 の 問 い に 答 え よ 。」と い う 文 に 、「 Y ヲ Z ト ス ル 」の 「 ス ル 」 は「 仮 定 す る / 定 め る / 考 え る 」に 置き換えられると指摘されている。その置き換えられる理由は菊池 (1998) で 説 明 さ れ て い な い が 、こ の 現 象 は「 Y ヲ Z ト ス ル 」構 文 に 意 味的な連続性があることを証明される。. 2.3「 Y ヲ Z ト ス ル 」 構 文 に お け る 格 助 詞 「 ト 」 の 機 能. 政 治 大. 本節では、 「 Y ヲ Z ト ス ル 」構 文 の 意 味 的 特 徴 を 探 究 す る 。ま ず は 、. 立. 動詞によって、機能が違う可能性のある格助詞「ト」について考察. ‧ 國. 先行研究と問題点. ‧. 2.3.1. 學. を行いたい。. 森 山 (1988) は 「 A ガ B ヲ C ト 思 う 」 に 「 と 」 と い う 引 用 の 格 成 分. y. Nat. sit. が引用成分の中から抽出されたということを指摘している。まず. er. io. (37)を 見 て み よ う 。. n. al. (37) a.. Ch. i n U. v. e n g(引c用h型i ). A ガ「B は C ダ」ト思ウ ↓ b.. A ガ B ヲ「C ダ」ト思ウ. (引 用 繰 り 出 し 型 ). ↓ c. A ガ B ヲ C ト 思 ウ. (同 定 型 ) ( 森 山 1988:80 ). (37)か ら 分 か る よ う に 、 (37c) の 「 ガ 、 ヲ 、 ト 」 型 は 、 (37a) か ら 抽 出 さ れ た も の で あ る 。 森 山 (1988) に よ る と 、 こ の 「 ガ 、 ヲ 、 ト 」 型 は「 同 定 型 」と い う 。し か し 、 「 ト 」の 意 味 は 、引 用 と 言 う べ き か 同 定 の 「 ト 」 と い う べ き か 、 森 山 (1988) で は 、 微 妙 な 境 界 に あ る と 述 べている。 21.

(32) そ の 一 方 、 阿 部 (2004)は 「 A ヲ B ト V」 構 文 は 「 A ヲ B ダ ト V」 構 文 と は 異 な る 構 文 で あ る と 主 張 し て い る 。 金 (2011) は こ の 点 に は 賛 同 す る が 、こ の 論 点 に つ い て の 根 拠 を さ ら に 検 討 し て 、 「 ト 」の 機 能 に つ い て 考 察 を 行 っ た 。 金 (2011) の 考 察 し た 結 果 に よ り 、「 A ヲ B ダ ト V」構 文 の「 ト 」は 引 用 の 機 能 を 果 た し 、 「 A ヲ B ト V」構 文 の「 ト 」 は 同 定 の 機 能 を 果 た す と 論 じ た 。つ ま り 、主 体 の 認 識 の 中 で「 A= B」 と い う「 同 定 関 係 」を 想 定 す る 構 文 に「 同 定 」の「 ト 」の 前 に は「 ダ 」 が現れないという。. (38) 大 阪 で は バ カ を ア ホ と い う 。. 政 治 大. (38)´*大 阪 で は バ カ を ア ホ だ と い う 。. 立. (39) 花 子 は 太 郎 ヲ タ ッ ち ゃ ん と 呼 ぶ 。. ‧ 國. 學. (39)´*花 子 は 太 郎 ヲ タ ッ ち ゃ ん だ と 呼 ぶ 。 (40) 私 は こ の 犬 を 二 郎 と 名 付 け た 。. ‧. (40)´*私 は こ の 犬 を 二 郎 だ と 名 付 け た 。. ( 金 2011:75 ). y. Nat. sit. 金 (2011)で は 、「 Y ヲ Z ト ス ル 」 構 文 の 「 ト 」 は 同 定 の 機 能 を 果 た. n. al. er. io. すなら、 「 ト 」の 前 に「 ダ 」が 現 れ な い と い う 。だ が 、本 研 究 で 検 討. i n U. v. する「Y ヲ Z トスル」構文における「ト」の機能は「同定」である. Ch. engchi. が 、「 Y ヲ Z ダ ト ス ル 」 構 文 に 置 き 換 え ら れ る 場 合 も あ る 。. (41) a.確 か に 、 こ の 物 語 を 傑 作 と す る 人 々 も い る 。 b.確 か に 、 こ の 物 語 を 傑 作 だ と す る 人 々 も い る 。 (BCCWJ/ QED :: ベ イ カ ー 街 の 問 題 ) (42) a.こ の よ う な 状 況 下 で ,新 名 種 夫 は 暗 い 現 実 は「 事 務 所 の 存 在 理 由 を 否 定 す る が 如 き 方 向 に 進 み つ つ あ る 」 と し ,「 原 因 と な る べき最近建築界の諸傾向」を次の3点 とする。 b.こ の よ う な 状 況 下 で , 新 名 種 夫 は 暗 い 現 実 は 「 事 務 所 の 存 在 理 由 を 否 定 す る が 如 き 方 向 に 進 み つ つ あ る 」と し , 「原因とな るべき最近建築界の諸傾向」を次の3点 だと する。 22.

(33) (新 名 種 夫 / 『 建 築 事 務 所 は 何 処 へ 行 く 』 ) (43) 「 東 海 の 小 島 」を 函 館 の 大 森 浜 と す る も の 、日 本 だ と す る も の 、 「 蟹 」を 文 学 も し く は 芸 術 と す る も の 、横 に そ れ た 悲 し い 宿 命 と す る も の 、「 蟹 と た は む る 」 は 、 幻 想 と 自 嘲 を ま じ え た 一 種 の フ ィ ク シ ョ ン と す る も の 、 な ど な ど 。 (BC CWJ/ 事 故 の て ん ま つ ). 例 (41)~ (43) が 示 す よ う に 、 「 ス ル 」と い う 動 詞 は「 Y ヲ Z ト ス ル 」 構 文 と「 Y ヲ Z ダ ト ス ル 」構 文 を 両 方 取 る こ と が 可 能 で あ る 。特 に 、 例 (43)に は「「 東 海 の 小 島 」 を 函 館 の 大 森 浜 と す る も の 」 と「(「 東 海 の 小 島 」を )日 本 だ と す る も の 」が「 Z ト ス ル 」と「 Z ダ ト ス ル 」と. 政 治 大. い う 二 つ の 用 法 が 現 れ る 。 確 か に 、「 確 か に 、 こ の 物 語 を 傑 作 だ と. 立. す る 人 々 も い る 」文 に は 、 「 ト 」は「 引 用 」の 機 能 を 果 た す が 、森 山. ‧ 國. 學. (1988) の 論 点 に よ れ ば 、 「 Y ヲ Z ト ス ル 」構 文 の 場 合 、 「 確 か に 、こ の 物語を傑作 と する人々もいる」という文の「ト」は「引用」の機能. ‧. と「同定」の機能を両方とも果たすことができると思われるが、こ の場合の「ト」の機能は「同定」なのか「引用」なのかはさらに検. y. Nat. n. al. i n U. (44) 「 ト 」 は 「 同 定 」 の 機 能 を 果 た す 場 合 :. Ch. engchi. er. io. sit. 討する余地がある。. v. (金 (2011)に し た が う 場 合 ). a.「 こ の 物 語 を 傑 作 と す る 」 →b.. この物語が傑作である. →c.. 「 こ の 物 語 = 傑 作 」( 同 定 ). (45) 「 ト 」 は 「 引 用 」 の 機 能 を 果 た す 場 合 : (森 山 (1988) に し た が う 場 合 ) a.「 こ の 物 語 を 傑 作 と す る 」 →b.. この物語を傑作だとする。. →c.. こ の 物 語 が 傑 作 だ と す る 。( 引 用 ). 「 A ヲ B ト V」構 文 と「 A ヲ B ダ ト V」構 文 を 両 方 取 る 動 詞 に つ い 23.

(34) て 、 金 (2011) で は 検 討 さ れ た が 、 こ れ ら の 動 詞 は 「 思 う 、 考 え る 、 信じる、判断する、解釈する、意識する、捉える、確信する、思い 込 む 、 勘 違 い 、 誤 解 す る 」 と い う 引 用 動 詞 (内 的 活 動 動 詞 )で 、 動 詞 「 ス ル 」と は 異 な り 、 「 ト 」は 果 た す 機 能 も 同 じ で は な い と 思 わ れ る 。 金 (2011)で 指 摘 さ れ た こ れ ら の 動 詞 は 「 Z ト 」 と 「 Z ダ ト 」 両 方 と も 取 れ る 動 詞 の 場 合 、「 ト 」 は 「 引 用 」 の 機 能 を 果 た す 一 方 、「 Z ト 」 のみ取る動詞の場合、 「 ト 」の 機 能 は「 引 用 で は な い 、同 定 」と い う 。 と こ ろ が 本 研 究 で 検 討 す る「 Y ヲ Z ト ス ル 」構 文 の 動 詞「 ス ル 」は 、 先 述 し た と お り 、 (41) ~ (43)の よ う な 場 合 は 「 Z ト 」 と 「 Z ダ ト 」 を 両 方 取 る の に 対 し て 、 (46)~ (50)は そ う で は な い 。. 立. 政 治 大. (46) a.加 藤 総 務 課 長 か ら「 委 員 会 を 少 数 と す る こ と で 委 員 の 責 任 を 増. ‧ 國. 學. し 、よ り 慎 重 審 議 に 努 め た い 」と の 理 由 で あ る 旨 の 答 弁 を し た 。 b.*加 藤 総 務 課 長 か ら 「 委 員 会 を 少 数 だ と す る こ と で 委 員 の 責 任. ‧. を増し、より慎重審議に努めたい」との理由である旨の答弁 をした。. n. al. er. io. b.*私 は 恩 師 の 生 き 方 を 手 本 だ と し て い る 。. sit. y. Nat. (47) a.私 は 恩 師 の 生 き 方 を 手 本 と し て い る 。. i n U. v. (48) a.新 聞 の 連 載 に さ き だ つ 予 告 に よ れ ば 、 数 種 の 短 編 を 書 き つ ぎ 、. Ch. engchi. それをあわせて総題を『心』とする予定だったという。 b.*新 聞 の 連 載 に さ き だ つ 予 告 に よ れ ば 、数 種 の 短 編 を 書 き つ ぎ 、 それをあわせて総題を『心』だとする予定だったという。 (49) a.と こ ろ で 写 真 を 趣 味 と す る 者 、写 真 を 職 業 と す る 者 な ら「 肖 像 権」という言葉を一度は聞いたことがあるであろう。 b.*と こ ろ で 写 真 を 趣 味 だ と す る 者 、 写 真 を 職 業 だ と す る 者 な ら 「肖像権」という言葉を一度は聞いたことがあるであろう。 (50) a.ア メ リ カ に 比 べ ヨ ー ロ ッ パ で は 、鉄 道 を は じ め と す る 交 通 機 関 が 発 達 し て い た か ら 、日 常 の 暮 ら し に 、何 が 何 で も 自 動 車 が 必 要という状況ではなかったのである。 b.*ア メ リ カ に 比 べ ヨ ー ロ ッ パ で は 、 鉄 道 を は じ め だ と す る 交 通 24.

(35) 機関が発達していたから、日常の暮らしに、何が何でも自動 車が必要という状況ではなかったのである。 (46~ 50 は 例 文 の 再 掲 ) 「Y ヲ Z トスル」構文の動詞「スル」は前接する名詞の違いによ っ て 、表 す 意 味 も 違 う と 思 わ れ る 。 (この点について次節で詳しく説 明 す る 。)そ し て 、前 節 の 考 察 し た 結 果 か ら 、文 脈 に よ り 、動 詞「 ス ル 」は 違 う 意 味 を し て い る 。そ れ ゆ え 、「 Y ヲ Z ト ス ル 」構 文 の み を 取 る 場 合 が あ り 、「 Y ヲ Z ト ス ル 」 構 文 と 「 Y ヲ Z ダ ト ス ル 」 構 文 を 両 方 取 る こ と が で き る 。例 (46) ~ (50)は「 Z ト 」の み 取 る が 、金 (2011) に し た が え ば 、「 ト 」 は 同 定 の 機 能 を 果 た す が 、 (46)の「 委 員 会 を 少. 政 治 大. 数 と す る 」 と (50)の 「 鉄 道 を は じ め と す る 」 で は 「 ト 」 は 同 定 の 機. 立. 能ではない。「委員会=少数」ではなく、「鉄道=はじめ」ではな. ‧ 國. 學. いので、「同定のト」に属さない。それは、動詞「スル」の表す意 味 が 違 う か ら だ 。 (46) に 「 委 員 会 を 少 数 と す る 」 の 「 ス ル 」 は 変 化. ‧. を 表 す 実 質 動 詞 で あ る の に 対 し て 、 (50)の 「 鉄 道 を は じ め と す る 」 に「スル」は機能動詞である。. sit. y. Nat. n. al. er. io. 以上述べたことをまとめてみると、「 Y ヲ Z トスル」構文におい. i n U. v. て 、動 詞「 ス ル 」の 前 接 す る も の の 形 態 は 二 つ あ る 。一 つ は「 Y ヲ Z. Ch. engchi. ダトスル」に置き換えられる場合であり、もう一つは「Y ヲ Z トス ル」構文のみを取る場合である。本研究は以下の点について、考察 を試みる。 〈 1〉:「 Z ト 」 と 「 Z ダ ト 」 両 方 取 る 場 合 に 「 ト 」 の 機 能 。 引用か、同定か、あるいは両方とも機能しているか。 〈 2〉:「 Z ト 」 の み 取 る 場 合 に 「 ト 」 の 機 能 。 こ の 部 分 は 動 詞「 ス ル」の意味により、三つの場合に分けられる。 ア 、「 ス ル 」 は 変 化 を 表 す と き 、「 ト 」 の 機 能 。 イ 、「 ス ル 」 は 機 能 動 詞 で あ る 場 合 、「 ト 」 の 果 た す 機 能 。 ウ 、「 ス ル 」 は 変 化 と 機 能 動 詞 を す る 以 外 の 場 合 、「 ト 」 の 機能。 25.

(36) 2.3.2. 「Z ト」と「Z ダト」両方取る場合の「ト」の機能. 本 研 究 で 扱 っ て い る「 Y ヲ Z ト ス ル 」構 文 は 金 (2011) で 検 討 し た「 A ヲ B ト V」構 文 と 阿 部 (2004) の「 A ヲ B ト V」構 文 と は 異 な る と 思 わ れる。. (51) a、 こ の 物 語 を 傑 作 だ と す る 人 々 も い る 。 b、 こ の 物 語 を 傑 作 と す る 人 々 も い る 。 (例 文 再 掲 ). (51a)に 「 ト 」 が 引 用 の 機 能 を 果 た す の は 森 山 (1988) 、 阿 部 (2004) と 金 (2011) に よ っ て 認 め ら れ る 。 し か し 、 (51b)に つ い て の 果 た す 機. 政 治 大. 能 は 学 者 に よ っ て 異 な る 。金 (2011)で は 、こ の よ う な 場 合 、「 こ の 物. 立. 語 = 傑 作 」と い う 関 係 が あ る の で 、 「 ト 」は 同 定 の 機 能 を 果 た す と 定. ‧ 國. 學. 義 さ れ て い る 。 そ の 一 方 、 森 山 (1988)で は 、 典 型 的 な 引 用 文 「 Y ヲ Z ダト思う」と「Y ヲ Z ト思う」という文には連続性が見られる。そ. ‧. のため、 「 Y ヲ Z ト 思 う 」の 場 合 の「 ト 」は 引 用 の 機 能 を 果 た す の か 、 同 定 の 機 能 を 果 た す の か 境 界 が 微 妙 で あ る と 述 べ て い る 。本 研 究 は 、. y. Nat. sit. 森 山 (1988) の 指 摘 に 従 い 、本 研 究 で 考 察 す る「 Y ヲ Z ト ス ル 」構 文 は. n. al. er. io. 「Y ヲ Z ダトスル」構文との間に連続性が含まれると認める。第 2. i n U. v. 節で述べたとおり、認定、決定、仮定を表す「Y ヲ Z トスル」構文. Ch. engchi. は変化を表す「Y ヲ Z トスル」構文から抽象化した意味変化のもの である。つまり、認知を表す「 Y ヲ Z トスル」構文は最初には変化 を表す「Y ヲ Z トスル」構文から変わってきたものである。このよ うな構文においては、 「 ト 」は 実 際 に「 ダ 」と い う コ ピ ュ ラ の 性 質 を 含 む 可 能 性 が あ る 。な ぜ な ら 、よ く 見 ら れ る 変 化 を 表 す「 な る 」 「す る」の例文を見れば分かると思う。 (52) 綺 麗 だ →綺 麗 に な っ た 。 (53) 大 人 だ →大 人 に な っ た 。 →大 人 と な っ た 。 (54) 肌 を 綺 麗 に す る 。 (55) 同 じ 綺 麗 な 恋 に 憧 れ る 人 で も 「 何 を も っ て 、 綺 麗 と す る か ? 」 26.

(37) と い う 基 準 が 違 い ま す 。 (片 山 恭 一 / 『 世 界 の 中 心 で 、 愛 を さ け ぶ』) (56) 子 ど も を 大 人 に す る 3 つ の 方 法 。 ( http://fujimuralab.com/blog /2013/04/107.html ) (57) で は 、 子 供 を 大 人 と す る あ と の 半 分 は 何 か ? (http://tantakaton.exblog.jp/17134348/ ) 上 の 例 で 、「 綺 麗 」 は 形 容 動 詞 で 、「 大 人 」 は 名 詞 で あ る 。 形 容 動 詞 も 名 詞 も 、変 化 を 表 す 動 詞「 ス ル 」 「 ナ ル 」と 共 起 し た 場 合 、 「ダ」 は 格 助 詞「 ニ 」や「 ト 」に 変 わ っ た 。こ の「 ニ 」に つ い て 、奥 津 (2007) では、 「信号が青になる」 「 バ ラ の 花 が き れ い に 咲 い た 」の よ う に〈 結. 政 治 大. 果〉の二次述語「きれいに」の「に」は「だ」のいわゆる連用形の. 立. 「に」であったと述べている。すなわち、この「ニ」は「ダ」の連. ‧ 國. 學. 用 形 で あ る と い う こ と だ 。本 研 究 で は 、 「 ト 」も「 ニ 」同 様 で 、 「ダ」 の連用形と捉えてよいと考える 。 「 Y ヲ Z ダ ト ス ル 」構 文 に 置 き 換 え. ‧. られる「Y ヲ Z トスル」構文は、変化を表す意味から抽象化して、 認知を表す構文なので、その「ト」は「ニ」と同じように「ダ」の. y. Nat. sit. 連 用 形 で あ っ て 、「 ダ ト 」 の 機 能 を 含 む 。 金 (2011) で は 、「 A ヲ B ダ. n. al. er. io. ト V」 構 文 と 「 A ヲ B と V」 構 文 を 両 方 と る 動 詞 の 場 合 に は 「 ダ ト 」. i n U. v. と「ト」の否定のスコープの違いが見られないとし ているが、本研. Ch. engchi. 究の考察では、この「ト」は「ダト」の機能を持っているので、そ の違いが見られないのは当然であると思われる 。だが、この場合の 「 ト 」 は 「 ダ ト 」 の 機 能 を 含 む が 、「 引 用 」 と ま で は い え な い 。「 Y ヲ Z ダ ト ス ル 」構 文 に 置 き 換 え ら れ る の で 、 「 引 用 」と の 連 続 性 が 見 られるといえる。 と い う こ と で 、「 Y ヲ Z ト ス ル 」 構 文 は 「 Y ヲ Z ダ ト ス ル 」 構 文 に 置 き 換 え ら れ る 場 合 、「 ト 」 は 「 同 定 」 で あ る が 、「 ダ ト 」 の 機 能 を 果 た し 、「 引 用 」 か ら の 連 続 性 が 含 ま れ る の で あ る 。. 2.3.3 2.3.3.1. 「Y ヲ Z トスル」構文のみを取る場合 変化を表す「Y ヲ Z トスル」の「ト」の機能 27.

參考文獻

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