空腹(くうふく)
手引き(てびき)
雇い主(やといぬし)
色彩(しきさい)
放り込まれ(ほうりこまれ)
何さんのコメント
・p.3「変えよう、革命使用、社会主義の社会になろうと、この小説で伝えるのが作者の本 意ではないか。」→強すぎるのではないか。「もしこんな不合理な社会をそのまま放置して おいたら、大変なシチュエーションになるよ」というのが作者の本意ではないか。作者は革 命を目指すのではなくて、社会の不合理を伝えたいだけ。
とうさんの回答
・犬の餌まで食べさせたのは、極端な描写だ。これを書いたのは、みんなを社会運動に参加 させたかったから。そういう意図が通底しているのではないか。
・(ちんゆえん)とうさんは発表の中で、藤原のやさしさを強調しているが、革命したい意 識(いしき)というのは、これと少し矛盾するのではないか。
・(こうはくえい)もし革命の意識を伝えたいなら、劉じいさんの殺人とか金持ちの家の放 火とかを描くのではないか。
・(かくかい)
・(市野)劉老爺のタイプが、それほど典型的な資本家ではない。犬を飼っている裕福な家 の方が金持ちだ。
・(市野)「作者は希望を残す」(p.4)、「弱者の少年に希望を与えたのだろう」(p.6)
希望はありますか?→(とう)社会の悲惨さを訴えたいなら、少年を殺すのでは?少年を殺 さない理由は、少しでも希望を表現したかったから。
・陳忠少年→モデルがいる。
・(ちょうかんりん)「プロレタリア文学者の作者は下の階層の人の生活を写実的に書き、
社会上にこんな人たちの状況を伝えているのである。」(p.3)それでは、誰を読者に設定 しているのか。→(とう)雑誌を発行して、社会に「こういう仲間がいる」と伝えたかった のでは?他の人とは、ひどい状況で働いている労働者。共感を得たいから。
→(かがぶん)作者は、劉老爺や金持ちに、こういう状況を知らせて、反省させたかった。
当時、字が読める人(=たぶんブルジョア?)に読ませたかった。
→「当時の労働者」字が読める?時間がある?
→設定した読者=台湾島内の日本語読者=知識人の意識改革
台湾島内の労働者→農民(IN 田畑(会社))=本島人、文盲(もんもう)、労働者(IN 工 場)
・「左翼文学」→台湾の本島人が書いたプロレタリア文学
・(金城)やはり内地人は上から目線。内容については「空腹」、「月」の分析が面白かっ た。
・(金城)劉老爺の設定が面白い。緩い(溫和)/癒し系プロレタリア文学。
・(かんたいにー)中野重治の影響を受けているから、そんなに革命をねらっていない。改 革(≒改善)がしたいのかも。陳忠少年は最下層、それは今までのと違う。
・(金城)犬の地位?ブルジョアに飼われている犬は陳忠少年より上。
・「蟹工船」の中の少年―性的な意味で最下層(船の中に女性がいないので、女性の代替物 として)*手篭(てご)めにする 『水戸黄門』『暴れん坊将軍』→セクハラ(性的ないじ め)+パワハラ(パワーハラスメント、権力を使ったいじめ)
・中野重治→社会の最下層の少年をよく描いている
・先行研究がない場合(有名じゃない作家、すごく最近の作家)、なにか理論を持ってきて 読むと説得力が増す。
・1920 年代後半―台湾と日本の文壇がほとんどシンクロ(“共通”“同歩”)。藤原たち は、日本の新しい文学、思想に感動して、台湾に紹介したかった。
・しかし、問題は藤原は統治側なので、自分の矛盾がある。階級打破、民族の差別の打破を 唱えながらも、統治側の人間である自分。
・この矛盾を解決するには、民族、階級も関係ない、完璧な最下層。これが彼の見つけた
“少年”。
・「哀しい正月風景」→少女が主人公