資源保管型埋立システム研究会 資源保管型埋立システム研究会
研究代表者
研究代表者 福岡大学大学院 福岡大学大学院 樋口壯太郎 樋口壯太郎
福岡県リサイクル総合研究センター「研究会」
研究会設立の背景 研究会設立の背景
循環型社会形成推進基本計画
(資源化推進・最終処分量削減)
最終処分量を2010年までに 1990年比25%(75%削減)
焼却残渣のリサイクルが遅れてい る(計画目標達成の阻害要因)
北九州市エコタウン実証研究 エリアにおける実証研究活動 の成果
脱塩技術 鋼板遮水
洗浄技術 クローズド型 処分場
高度排水処理
環境ビジネスシーズの集積
実証成果特性をマッチングさせ
た資源保管型埋立システムの開
発と新環境ビジネスの創出
資源保管型埋立システムの概念(セメント)
資源保管型埋立システムの概念(セメント)
灰リサイクル現状:大量排出、輸送効率の良い沿岸部大都市が対 象であり、内陸部、中小都市は埋立に頼らざるを得ない。
課題・収集運搬コスト低減化
・小規模処分場のコストパフォーマンスの向上
対策・小規模処分場とセメント企業、骨材企業等との連携
・繰り返し使用できる処分場構造→鋼板技術、袋体技術
・安価な前処理技術→WOWシステム
・SPC(セメント企業、輸送企業、プラント企業等)による PFI事業推進
研究会構成 研究会構成
研究代表 研究代表 樋口壯太郎(福岡大学) 樋口壯太郎(福岡大学)
自治体、セメント企業、商社、プラントメーカー、 自治体、セメント企業、商社、プラントメーカー、
建設企業、資材メーカー、コンサルタント、廃棄
建設企業、資材メーカー、コンサルタント、廃棄
物処理業 物処理業
資源保管型埋立システム研究概要 資源保管型埋立システム研究概要
法律整理 法律整理
資源化物需要予測検討(短期保管、長期保管) 資源化物需要予測検討(短期保管、長期保管)
埋立地の構造検討(オープン型、被覆型) 埋立地の構造検討(オープン型、被覆型)
埋立(保管)方法の検討(袋体、バラ、区画) 埋立(保管)方法の検討(袋体、バラ、区画)
資源化前処理方法の検討(選別、洗浄) 資源化前処理方法の検討(選別、洗浄)
フィジビリテイースタデイー(事業収支モデル計 フィジビリテイースタデイー(事業収支モデル計 算)による検証、ビジネスモデル化
算)による検証、ビジネスモデル化
試験事業 試験事業
研究実施計画 研究実施計画
全体全体
資源保管型埋立システムの構築 資源保管型埋立システムの構築
平成平成
18年 18
年・コンセプト構築
・コンセプト構築
・基礎情報の集約(セメント工場、処分場、焼却場、人口砂事業場)
・基礎情報の集約(セメント工場、処分場、焼却場、人口砂事業場)
・ビジネスモデルの構築
・ビジネスモデルの構築
・資源保管型埋立地の概念設計
・資源保管型埋立地の概念設計
・パンフレット作成
・パンフレット作成
平成平成
19年 19
年・自治体を対象とした普及啓発
・自治体を対象とした普及啓発
・試験事業
・試験事業
資源保管型埋立地の課題と対策 資源保管型埋立地の課題と対策
法律(埋立地からの資源としての持ち出し制限) 法律(埋立地からの資源としての持ち出し制限)
埋立地の構造(再掘削することを前提として造られてい 埋立地の構造(再掘削することを前提として造られてい ない) ない)
埋立方法(焼却残渣の固結) 埋立方法(焼却残渣の固結)
当面、資源化施設または保管施設として対応(埋立回避)
将来、法律・基準改定された時に掘起しを行なう
資源保管型埋立概念 資源保管型埋立概念
洗浄
脱塩設備
排水処理
埋立・保管中
搬出中
セメント工場 埋立地(被覆型、従来型)
・繰り返し使用することによりコスト低減化を図る!
・パッケージ化し
SPCが自治体にPFI契約
・
SPCにはセメント企業が加盟する
保管区画 搬送区画
セメント工場
洗浄・
水処理施設
市町村A
ごみ焼却場
保管区画 搬送区画
洗浄・
水処理施設
市町村B
ごみ焼却場
保管区画 搬送区画
洗浄・
水処理施設
市町村C
ごみ焼却場
焼却灰の資源保管型埋立システムの概要
焼却灰
洗 浄 前 灰
洗 浄 後 灰
ト ロ ン メ ル 選 別 機
破 砕 施 設
埋立処分
灰洗浄施設(機械洗 金属回収
浄)
粗 大 分
不適用 物 保管施設
焼却場
水処理施設 セメント工
場
洗 浄 排 水
洗 浄 水 再 利用
下 水 道へ放 流
焼却灰
洗 浄 灰
焼却灰の資源保管型埋立システムフロー図
洗浄灰に求められる塩素濃度は1,000ppm以下(セメント原料:粘土代替品 粘土のセメント原料含有率16%)
機械洗浄プラントは福岡大学が開発したプラントで上記条件を実証済み
保管施設構造検討事例
灰搬出中
灰保管中 灰洗浄・洗浄排
水処理設備 セメント工場
へ搬出
清掃工場から搬入
洗浄設備付帯型保管システム
わが国のセメント工場分布
・この図に焼却施設、最終処分場 をプロット、GIS上で道路網を読 み込み運搬費を算出する。
・当面、福岡県ビジネスモデルを 作成
九州山口で10箇所 九州山口の生産量
32,000千t 全国の46%
LCC LCC ケーススタデイー ケーススタデイー
人口10万人都市の主灰を対象 人口10万人都市の主灰を対象
従来埋立ケース等との比較 従来埋立ケース等との比較
洗浄液固比 洗浄液固比 2.0 2.0 、塩素含有量 、塩素含有量 1,000ppm 1,000ppm 以下 以下
資源保管期間( 資源保管期間( 30 30 日、 日、 90 90 日、 日、 180 180 日、 日、 365 365 日) 日)
セメント工場受入費用( セメント工場受入費用( 10,000 10,000 円 円 / / t) t)
搬入距離 搬入距離 50km 50km
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000
従来型 30日保管 90日保管 180日保管 365日保管
従来型 保管型 (円/t)
36,830円/t
23,140円/t 24,240円/t
25,890円/t
29,250円/t
福岡県内の市町村アンケート 福岡県内の市町村アンケート
・福岡県内自治体、組合
・福岡県内自治体、組合 ( ( 34団体 34団体 ) ) の焼却灰埋立処分地の確保状況 の焼却灰埋立処分地の確保状況 把握 把握
・資源保管型埋立システムのプロジェクトへの参画の意思確認と参
・資源保管型埋立システムのプロジェクトへの参画の意思確認と参 加奨励 加奨励
・自治体・組合の焼却灰試料提供依頼
・自治体・組合の焼却灰試料提供依頼
・現状の処分委託費と資源保管型埋立システムが事業化したときの
・現状の処分委託費と資源保管型埋立システムが事業化したときの 希望処分委託費
希望処分委託費
調査結果 調査結果
・ ・ 「長期的確保できている」と言う回答は 「長期的確保できている」と言う回答は 13件と調査対象の 13 件と調査対象の 約 約 1/3処分場の長期的確保ができていないところが多い。 1/3 処分場の長期的確保ができていないところが多い。
・広域処理も含めて事業の参画の可能性があるところは、
・広域処理も含めて事業の参画の可能性があるところは、
「条件による」も含めて
「条件による」も含めて 5 5 件程度と少ない。試験プロジェクト 件程度と少ない。試験プロジェクト の参画も「条件による」も含め
の参画も「条件による」も含め 4件と少ない。 4 件と少ない。
・資源保管型埋立システムの認知度が低い
・資源保管型埋立システムの認知度が低い
・現状の処分委託費
・現状の処分委託費 25,000 25,000 ~ ~ 26,000 26,000 円 円 /t /t 程度 程度 ( ( 主灰 主灰 ) )
・事業化するにあたっての希望委託費は
・事業化するにあたっての希望委託費は 20,000 20,000 円 円 /t /t 程度 程度
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0
処理能力(t/日)
t当り経費(円)
検討結果と資源保管型埋立システムの優位性
焼却灰の広域処理について
tあたりの経費と処理能力図から10t/日までが経費節減の効果が大きい。
それ以上になるとその効果が薄れる。
目標経費を20,000円/tとすると処理能力10t/日は最低必要
対象団体(筑豊地区:
10万人)
セメント工場
対象団体(筑後地区:
18万人)
対象地区と処理人口
筑豊地区 筑後地区
団体名 処理人口 団体名 処理人口
嘉麻市 27,000 大川市 40,000
田川郡東部環境衛生施 設組合
26,000 柳川市 74,000
田川地区清掃施設組合 47,000 八女東部広域衛生施設 組合
22,000 みやま市役所 44,000
合計 100,000 合計 180,000
セメント工場
既設焼却場
+
洗浄保管施 設
既設焼却場 既設焼却場
++
洗浄保管施 洗浄保管施
設設
既設焼却場
+
洗浄保管施 設
セメント工場
洗浄保管 施設
既設焼却 場
既設焼却 場
既設焼却 場
ケース1(資源保管型:個別処理) ケース2(資源保管型:広域処理)
2次フィジビリティスタディ
既設焼却場
+
灰溶融施設
既設焼却場 既設焼却場
++
灰溶融施設 灰溶融施設
既設焼却場
+
灰溶融施設
灰溶融施 設 既設焼却場
既設焼却場
既設焼却場
ケース3(灰溶融:個別処理) ケース4(灰溶融:広域処理)
団体ステー ション
団体ステー 団体ステー ションション
団体ステー ション
ガス化溶 融施設 団体ステー
ション
団体ステー ション
団体ステー ション
ケース5(焼却炉+洗浄保管) ケース6(ガス化溶融)
焼却炉
+ 洗浄保管
施設
灰溶融施設との比較 灰溶融施設との比較
・灰・灰10
10
tt/日~灰/
日~灰18t18
t//
日の範囲では、資源保管型の方が日の範囲では、資源保管型の方がt単価でt
単価で1/31/3
以上経以上経 済的。済的。・灰溶融については
・灰溶融については240tクラスの規模になって
240t
クラスの規模になってtt
当り単価が軽減されスケール当り単価が軽減されスケール メリットを発揮メリットを発揮
・以上より、焼却主灰の処理に限定した場合は資源保管型埋立システムが灰
・以上より、焼却主灰の処理に限定した場合は資源保管型埋立システムが灰 溶融より有効
溶融より有効
灰処理能力
(10t/日)
灰処理能力
(18t/日)
灰処理能力*
(240t/日)
資源保管 灰溶融 資源保管 灰溶融 灰溶融
建設費(億円) 1.5 6.8 1.9 12.3 110.7
維持管理費(億円) 10.9 34.8 18.3 46.4 358.1
合計(億円) 12.4 41.6 20.2 58.7 468.8
t 当り単価(円) 22,705 75,982 20,496 59,564 35,677
ガス化溶融との比較 ガス化溶融との比較
・「焼却施設+資源保管型」は資源保管型の施設の分だけ高くなり、
・「焼却施設+資源保管型」は資源保管型の施設の分だけ高くなり、
経済性の面からは不利 経済性の面からは不利
・ガス化溶融は助燃材の使用等で維持管理費等が高い場合があ
・ガス化溶融は助燃材の使用等で維持管理費等が高い場合があ る。 る。
「焼却施設+資源保管型」が優位になることも考えられる。
「焼却施設+資源保管型」が優位になることも考えられる。
・今後はガス化溶融の技術動向、特に維持管理費やスラグ生成に
・今後はガス化溶融の技術動向、特に維持管理費やスラグ生成に 関して十分に注視要
関して十分に注視要
灰処理能力
(10t/日)
灰処理能力
(18t/日)
焼却施設+資 源保管
ガス化溶融 焼却施設+
資源保管
ガス化溶融
建設費(億円) 57.0 56.6 96.7 92.9
維持管理費(億円) 34.7 23.2 62.8 41.8 合計(億円) 91.7 79.8 159.5 134.7
ごみ t 当り単価(円) 16,753 14,579 16,190 13,664
灰水洗システム及びエコセメントとの比較
建設費の概算は、
資源保管型(数億円)<灰水洗システム(数十億円)<エコセメント(数百億円)
資源保管型埋立システムは処分経費20,000円/tとなり他のシステムより安価
資源保管型 灰水洗システム エコセメント
対象灰 焼却主灰のみ 主灰+飛灰 主灰+飛灰
セメント1t 当りの灰混入 率
10%以上可能
(粘土の代替)
3%(30kg)
(太平洋セメント)
40%(400kg)
セメントの許容塩素濃度 200~350ppm 200~350ppm 1000ppm セメント販売価格(円/t) 約 9000 円/t 約 9000 円/t 約 9000 円/t 焼却主灰の処分費又は設
備の維持管理費
約 20,000 円/t (F/S 調査より)
約 26,000 円/t (アンケート調査)
約 36,000 円/t*
(t 当り維持管理費)
需要 大 大 小
施設建設費 小 中 大
結 結 論 論
①焼却灰の資源保管型埋立システムは処理能力
①焼却灰の資源保管型埋立システムは処理能力10t
10
t//
日の場合で処分費は日の場合で処分費は ほぼほぼ20,000円20,000
円/t程度≒団体の希望価格に相当処理人口の少ない団体は/t
程度≒団体の希望価格に相当処理人口の少ない団体は 広域処理を推奨。広域処理を推奨。
②灰溶融は焼却灰の資源保管埋立システムに対して人口1
②灰溶融は焼却灰の資源保管埋立システムに対して人口10
0
~~20万人を対20
万人を対 象とする場合、経済性で不利。象とする場合、経済性で不利。
③ガス化溶融はFSでは「ストーカ焼却炉+資源保管埋立システム」より経済
③ガス化溶融はFSでは「ストーカ焼却炉+資源保管埋立システム」より経済 性では優位。歴史が浅く溶融に助燃材を必要。
性では優位。歴史が浅く溶融に助燃材を必要。 今後の技術動向を注視要。今後の技術動向を注視要。
④資源保管型埋立システムが灰水洗システムやエコセメントより経済性で優位
④資源保管型埋立システムが灰水洗システムやエコセメントより経済性で優位 (焼却主灰のみのケース
(
焼却主灰のみのケース)。)
。⑤福岡県はセメント工場が集積しており、機械洗浄実証プラントがあり技術的
⑤福岡県はセメント工場が集積しており、機械洗浄実証プラントがあり技術的 リーダーがいるなど事業化に当って好条件。
リーダーがいるなど事業化に当って好条件。