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・原則として,著しい危害のおそれのある土地および危害のおそれのある 土地を設定する。

● ランクⅡ,Ⅲ,Ⅳ

・危害のおそれのある土地のみ設定する。

表Ⅲ-6.4 危害のおそれのある土地等の設定基準

確定度 ランク 区分

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

区域

設定 ◎ ○ ○ ○

◎:著しい危害のおそれのある土地,危害のおそれのある土地の設定

○:危害のおそれのある土地の設定

<手引き>

6 危害のおそれのある土地等の設定

地形調査により得られた資料から地滑り区域を読み取るとともに,現地調査や災害 実績調査等により,危害のおそれのある土地等の区域を設定する。

6-1 危害のおそれのある土地の設定 1)設定条件

危害のおそれのある土地の設定条件は以下のとおりである(図Ⅲ-6.9 参照)。

図Ⅲ-6.9 危害のおそれのある土地等の設定概念図 6-2 危害のおそれのある土地等の設定

イ 地滑り区域(地滑りしている区域又は地滑りするおそれのある区域)

ロ 地滑り区域の下端から,地滑り地塊の長さに相当する距離(250mを超え る場合は,250m)の範囲内の区域(ただし,地形状況により明らかに土石 等が到達しないと認められる土地の区域を除く)

<手引き>

2)設定手順

危害のおそれのある土地の区域の設定手順を以下に示す(図Ⅲ-6.10参照)。

(1) 地滑り区域の地滑り方向,幅,長さの決定

(2) 地滑り区域と地滑り区域下方の土地で,当該地滑り区域の下端から地滑り方向に当 該地滑りの長さに等しい長さの土地の区域(ただし 250m を超えるときは 250m とす る)を「危害のおそれのある土地の区域」として設定する。

図Ⅲ-6.2 危害のおそれのある土地等の設定の流れ

図Ⅲ-6.10 危害のおそれのある土地等の設定手順 地滑り区域の方向,幅,長さの決定

・ 地滑り区域

・ 下側・・・下端から L1 以内(ただし 250m を超える ときは 250m とする)

危害のおそれのある土地の設定

・ 地滑り地塊の滑りに伴って生じた移動土塊の堆 積による力より求まる範囲(ただし,地滑り区 域の下端からの水平距離は最大で 60m)(図Ⅲ -6.9 参照)

著しい危害のおそれのある土地の設定

解 説

(1)危害のおそれのある土地の範囲

危害のおそれのある土地の区域は図Ⅲ-6.11に示すとおり“地滑り区域”および“地滑 り区域の下方”に区分される。

1)地滑り区域

地滑りしている区域又は地滑りするおそれのある区域

地滑り地塊+滑落崖ほか,滑落崖の外側に地滑りの兆候と考えられる亀裂や段 差地形等が認められる場合は,これを範囲に含める。

2)地滑り区域の下方

地滑り区域の下端から地滑り地塊の長さに相当する距離の範囲内の区域 地滑り地塊の長さが250mを超える場合は地滑り区域の下端から250mまでとす る。ただし,地形状況により明らかに土石等が到達しないと認められる土地の 区域を除く

(2)危害のおそれのある土地の設定手順

危害のおそれのある土地の設定は次の手順により行う。

図Ⅲ-6.11 危害のおそれのある土地の設定フロー 地滑り区域の方向の決定

地滑り区域の末端の決定

地滑り下方の危害のおそれのある土地の区域設定 地滑り区域の幅,長さの決定

地滑り区域の危害のおそれのある土地の区域設定 地滑りブロックの決定

1)地滑り区域の方向の決定

・既往資料(調査・観測報告書,災害履歴)に基づく移動方向

・空中写真判読による移動方向

・現地調査に基づく移動方向

・地形図に基づく移動方向

地滑りの移動方向は,孔内傾斜計や定点測量などの動態観測データがある場合,また は既往資料の中で移動方向が明記されている場合には,その方向とする。既往資料や動 態観測データがないものについては,通常であれば空中写真判読と現地調査の中で専門 技術者の判断に基づいて決定される。しかし,本書に示す区域設定の過程では,地滑り の移動方向が重要な意味を持ち,住民への説明が必要となることから,客観的かつ再現 性を持つ手法で移動方向を決定する必要がある。

なお,先述した複合ブロックがある場合,地滑りブロックの外形や内部の斜面傾斜が 大きく乱れていることが多く,単純な手法で地滑りの方向を検討することは非常に困難 となる。特に活動停止中の地滑りでは動態観測も効をなさない可能性があり,その場合 は再現性・客観性に劣るが,専門技術者の判断が最も有効な手段となる。

地滑り区域の方向が決定されれば,現地実測による縦断測量を実施する。地滑り区域 上端から地滑り区域下方の危害のおそれのある土地(最大 250m)を含む範囲で測量を 行う。なお,縦断測量は原則として 1 本とするが,移動方向が複数想定される場合は,

必要に応じ複数の測線を設定するものとする。

図Ⅲ-6.12 縦断測量範囲(赤破線)

2)地滑り区域の末端の決定

一般に,地滑りブロックでは頭部より末端部の決定が難しく,かつ土砂災害防止法に おいては,末端部の位置は「著しい危害のおそれのある土地」の設定に大きく影響する。

したがって地滑りブロック末端位置の設定には特に慎重な作業が必要である。本協議確 認事項の中でも,慎重に扱われるべき事項である。地滑りブロックの末端位置について は以下の①~③の事項をもとに設定する。多くの地滑り地において,③による推定を行 う必要があるものと考えられる。

①既往調査が実施されている場合

・ボーリング調査(コア観察結果,孔内傾斜等によるすべり面調査)により,確認も しくは推定されている位置

・GPSを用いた変動観測により末端位置が確認される部分

・伸縮計等の変動観測により末端位置が確認される部分 伸縮計の設置例には以下のようなものがある。

a)冠頭部のクラック(滑落崖部)に付ける。

b)ブロック内に生じた2次ブロックの冠頭部に付ける。

c)ブロックの頭部から末端部まで通して連続的に付ける。

(圧縮部と引張り部の検出や,2次ブロックの分布活動性把握のため)

d)滑動方向が不明瞭なとき,異なった方向で冠頭部に付ける。

②末端部に明瞭な地滑りによる変状(変状の痕跡)が認められる場合

最近の滑動履歴がある,または活動中の地滑りで,隆起や押し出しの進行など明 らかな変状が認められる場合には,現地で地滑りの下端線を特定する。

③既往調査資料で方向を特定できず変動も認められない場合

以下の事項を参考とし,下端線位置を推定する(図Ⅲ-6.13 参照)。

・地滑り末端付近の遷緩線や末端部の地形変化点

・隆起,圧縮亀裂跡,押し出しの痕跡等の地形変状痕跡

・篭工,擁壁工などの補修痕跡

地滑り区域の末端が決定されれば,現地実測による末端ラインの測量を実施する。地 滑り区域の水平投影のうち,地滑り方向に平行な当該水平面上の二本の直線との接点

(P~P’)を結ぶ線分で地滑り方向にあるもの(特定境界線投影)を測量する。

図Ⅲ-6.13 地滑り末端位置

図Ⅲ-6.14 末端ライン測量範囲(赤破線)

3)地滑り区域の幅,長さの決定

地滑りの長さ,幅の設定は,以下のとおりとする。

・地滑りの長さは,地滑りの移動方向と平行な方向で,ブロックの上端と下端の間の 水平距離とする。なお,ブロック上端の位置は滑落崖の外周とする。

・地滑りの幅は,地滑りの移動方向と直行する方向で,ブロックの左端と右端の間の 水平距離とする。

なお,地滑りの末端位置の設定方法については,5)に示した。図Ⅲ-6.15 に,長さ,

幅の設定例を示す。

図Ⅲ-6.15 地滑りブロックの長さ(L)と幅(W)の取り方

<地滑りブロックの長さ(L)の取り方>

地滑り土塊 滑落崖

滑落崖の水平距離 地滑り土塊の水平距離

地滑りブロックの長さ

土塊の幅<滑落崖の幅

滑落崖の幅=地滑りブロックの幅(W)

地滑り土塊の幅

地滑りブロックの幅

土塊の幅≧滑落崖の幅

土塊の幅=地滑りブロックの幅(W)

地滑りブロックの幅

<地滑りブロックの幅(W)の取り方>

4)複合ブロックの危害のおそれのある土地等の区域設定について

単一ブロックの危害のおそれのある土地等の区域設定は,図Ⅲ-6.16 に示すように,1 ブロック 1 区域(R+Y)となる。複合ブロックについては,ブロック間の影響や移動 方向を考慮して,単独で滑動するブロックか,または他のブロックに連鎖し一連で滑動 するかを判断して区域設定を行う。単独,一連の判断は,以下を基に行う。

単独のブロック:移動方向が異なる。すべり面の深さが異なる。(図Ⅲ-6.17,6.18)

一連のブロック:移動方向およびすべり面深さが同程度。(図Ⅲ-6.19)

著しい危害のおそれのある土地については,単独,一連ブロックともに個別に設定す ることとする。危害のおそれのある土地については,一連のブロックは最も長くなる地 滑り区域の長さを L1 として採用する。これは,一連のブロックが同時に滑動することを

著しい危害のおそれのある土地については,単独,一連ブロックともに個別に設定す ることとする。危害のおそれのある土地については,一連のブロックは最も長くなる地 滑り区域の長さを L1 として採用する。これは,一連のブロックが同時に滑動することを