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第二集-5 地滑り編 第二集-5 地滑り編

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(1)

第二集-5

地滑り編

(2)

広島県 基礎調査マニュアル(案)

(地滑り編)

初版 平成 19 年 3 月 改訂 平成 21 年 3 月

平成 28 年 12 月

広島県土木建築局土砂法指定推進担当

(3)

目 次

ページ 第Ⅰ編 調査対象 (二)-5- 1 第1章 調査目的 (二)-5- 1 第2章 調査対象 (二)-5- 2

第Ⅱ編 調査方法 (二)-5- 21 第1章 基礎調査の手順 (二)-5- 21 第2章 基礎調査実施の際の留意点 (二)-5- 23

第Ⅲ編 調査内容 (二)-5- 26 第1章 調査対象箇所の抽出 (二)-5- 26 第2章 地形・地質調査 (二)-5- 40 第3章 土質調査 (二)-5- 62 第4章 対策施設等状況調査 (二)-5- 66 第5章 過去の災害実績調査 (二)-5- 71 第6章 危害のおそれのある土地等の設定 (二)-5- 73 第7章 危害のおそれのある土地等の調査 (二)-5-105

第Ⅳ編 関係法令 (二)-5-124

(4)

第Ⅰ編 調査対象

第1章 調査目的

本調査は,急傾斜地の崩壊,土石流,地滑りによる土砂災害から国民の生命及び身体を 保護するため,都道府県知事が「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に 関する法律」(以下,「土砂災害防止法」という)に基づいて実施する基礎調査である。

基礎調査は,急傾斜地の崩壊等のおそれがある土地(原因地)に関する地形,地質,過 去の災害実績を調査するとともに,崩壊土砂の予想到達範囲,土砂災害の発生のおそれが ある土地の利用状況等を調査し,住民等の生命又は身体に危害が生じるおそれがあると認 められる土地(以下「危害のおそれのある土地」という)及び建築物に損壊が生じ,住民 等の生命又は身体に著しい危害を生じるおそれがあると認められる土地(以下,「著しい危 害のおそれのある土地」という)の設定,危害のおそれのある土地における警戒避難体制 の整備,著しい危害のおそれのある土地における土石等の移動により建築物に作用する力 の算定等,土砂災害防止法を施行する上で不可欠のデータを収集するためおおむね 5 年ご とに行われるものである。

ここに示す「土砂災害防止に関する基礎調査マニュアル(案)(地滑り編)」は,県内で 実施する基礎調査を円滑にかつ,調査精度を一定以上に維持することを目的とし,一般的 な基礎調査の実施内容等について,調査対象(第Ⅰ編),調査方法(第Ⅱ編),調査内容(第

Ⅲ編)に分けて記載している。

なお,基礎調査の結果と,「地すべり危険箇所調査要領(平成 8 年 10 月)」及び「斜面カ ルテの作成要領(平成 10 年 6 月)」等の調査結果は,その目的や精度を考慮しつつ相互に 活用し,運用するものである。

また,危害のおそれのある土地,著しい危害のおそれのある土地は,土砂災害防止法に 基づいた指定,公示する段階で,それぞれ「土砂災害警戒区域」,及び「土砂災害特別警戒 区域」となる。

(5)

第2章 調査対象

調査対象は,本マニュアルの調査対象箇所の抽出(第Ⅱ編 調査方法)により抽出され た地滑りしている区域又は地滑りするおそれのある地域の,「危害のおそれのある土地」,

及び「著しい危害のおそれのある土地」である。

なお,本調査でいう地滑りとは,地形・地質状況等から予測可能なものとし,斜面の深 層崩壊,山体の崩壊,想定をはるかに超える規模のものについては,技術的に予知・予測 が困難であることから,対象としない。

解 説

「土砂災害防止法」では,国民の生命及び身体を土砂災害から保護するために,土砂災害 のおそれのある土地に対する警戒避難体制の整備,土地利用及び建築の制限等,いわゆる ソフト対策を施策として講じることとしている。土砂災害のおそれのあるとは,発生場所 の予知・予見が可能な現象のことを指している。

この法律において,「土砂災害」とは,急傾斜地の崩壊(傾斜度が 30 度以上である土地 が崩壊する自然現象をいう。),土石流(山腹が崩壊して生じた土石等又は渓流の土石等が 水と一体となって流下する自然現象をいう。),又は地滑り(土地の一部が地下水等に起因 して滑る自然現象又はこれに伴って移動する自然現象をいう。)を発生原因とした国民の生 命又は身体に被害が生ずる災害をいう。

「急傾斜地の崩壊」,「土石流」及び「地滑り」については,既存の砂防三法により,土 砂災害防止のための事業の推進等に努めてきており,その成果としての災害実態データ等 の蓄積により,これらの自然現象に起因する「土砂災害」が生ずるおそれがあると認めら れる土地の区域等の設定が可能となる科学的知見が得られたことにより,土砂災害防止法 の制定が可能となったものである。したがって,土砂災害防止法では対象を自然現象に限 定し,また,土砂移動機構に関して現時点で法律の根拠となるのに十分な知見が得られて いない事項については対象外としている。

「対象とする土砂移動現象」と「想定する土砂移動機構」

○対象とする土砂移動現象

発生場所の予知・予見が可能な土砂移動現象。

○想定する土砂移動機構

現時点で十分な知見が得られている土砂移動機構。

(6)

(1)斜面災害の形態と適用範囲

斜面の移動形態には匍行(creep),滑動(slide),流動(flow),崩落(fall)等があり,

移動物質の種類と移動形態により分類される。斜面における土砂災害の分類例と土砂災害 防止法での適用について,図Ⅰ-2.1 に示す。

崩 壊

急傾斜地の崩壊 表層崩壊 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○急傾斜地編 山体の大規模崩壊 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ×

その他の崩壊 落石 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ×

土工等を誘因とする崩壊 ・・・・・・・・・・・ ×

土石流

通常の土石流 (流域面積≦5km2)

山腹の表層崩壊によって生じる土石流・ ○土石流編 渓流に存する土石等の土石流化 ・・・・・ ○土石流編

大規模土石流 (流域面積>5km2)

大規模地滑り地塊の流動化による土石 流など ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ×

地滑り

活動中の地滑り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○地滑り編 再活動型の地滑り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○地滑り編 突発的な初生地滑り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ×

高速流動型の地滑り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ × 地震に伴う造成地などの地滑り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ × 土工等を誘因とする地滑り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ×

その他

火砕流 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ × 溶岩流 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ × 雪崩 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ×

図Ⅰ-2.1 斜面における土砂災害の分類例と土砂災害防止法での適用 は,地滑り編での適用範囲

(7)

表Ⅰ-2.1 地滑りと急傾斜地の崩壊

地滑り 急傾斜地の崩壊

1)地 質 特定の地質または地質構造のところ

に多く発生する 地質との関連は少ない

2)土 質 主として粘性土をすべり面として滑 動する

砂質土(まさ,よな,しらすなど)

のなかでも多く起こる 3)地 形 5~30°緩傾斜面に発生し,特に上部

に台地状の地形を持つ場合が多い 30°以上の急傾斜地に多く発生する 4)活動状況 継続性,再発性 突発性

5)移動速度 0.01~10mm/日のものが多く,一般

に速度は小さい 10mm/日以上で速度は極めて大きい 6)土 塊 土塊の乱れは少なく,原形を保ちつ

つ動く場合が多い 土塊は撹乱される

7)誘 因 地下水による影響が大きい 降雨,特に降雨強度に影響される

8)規 模 1~100ha で規模が大きい 規模が小さい 9)兆 候 発生前に亀裂の発生,陥没,隆起,

地下水の変動等が生ずる

兆候の発生が少なく,突発的に滑落 してしまう

10)すべり

面勾配 10~25° 35~60°

(2)土砂災害防止法で対象とする「地滑り」

土砂災害防止法で定義されている地滑りは,「土地の一部が地下水等に起因して滑る自然 現象又はこれに伴って移動する自然現象」で,移動土塊の規模が斜面崩壊に比較して大き く,緩傾斜面でも発生し,その典型的なものの移動は緩慢で,断続的あるいは継続的であ り,誘因としては長雨や融雪,地下水による影響等が関係することが多い。

ここでいう「滑る」とはすべり面に沿って地塊が変位することを指し,「移動する」とは これにより押し出された地塊が移動することを指す。

なお,土砂災害防止法の法律第 7 条及び第 9 条の条文に「おそれがあると認められる土 地」と表現されていることから,「当該地域が地滑り地形を呈している」,「地滑りにより生 じたクラックが存在する」等の現象が見られることが前提となる。したがって「地滑り地 形」や「地滑りにより生じたクラック」が認められない状況で地滑りが発生した場合は,

おそれがあると認められなかったこととなり,本法では対象としない。

また,本法で想定している移動機構は,「第Ⅲ編第 6 章 6-3 に示す告示式により,建築 物等に係る外力を計算することが可能なもの」のみであり,「地塊が流動化を伴わず,一体 で緩慢に滑動するもの」(表Ⅰ-2.1 でいう,土塊の乱れは少なく原形を保ちつつ動く場合)

に限定される。

(8)

土砂災害防止法で取り扱う地滑りの概念図及び「危害のおそれのある土地」,及び「著 しい危害のおそれのある土地」を図Ⅰ-2.2 に示す。

・地滑り区域:A

地滑りしている区域又は地滑りするおそれのある区域をいう。なお,地滑り区域の 水平投影は境界線投影である。

・地滑り区域下方の地滑りによる危害のおそれのある土地(B’を含む):B

地滑り区域の地滑り方向にある土地の区域であって,当該地滑り区域の下端からの 水平距離が当該地滑り区域の最大水平長さ(L1)に等しい長さ(L1’:最大 250m とす る)の土地の区域をいう。

・地滑りによる危害のおそれのある土地:A+B

地滑り区域及び地滑り区域下方の地滑りにより危害の生ずるおそれのある土地の区 域をいう。

・地滑り区域の下端:P-P’

地滑り区域の水平投影のうち,地滑り方向に平行な当該水平面上の二本の直線との 接点(P 及び P’)を結ぶ部分で地滑り方向にあるもの(特定境界線投影 図中赤線)。

・地滑りによる著しい危害のおそれのある土地:B’

地滑り区域から地滑り方向の土地の区域であって,地滑り地塊の滑りに伴って生じ た土石等により力が建築物に作用した時から 30 分間が経過した時において,建築物に 作用すると想定される移動土塊の堆積による力の大きさ※1が,通常の居室を有する建 築物が住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれのある損壊を生ずることな く耐えることのできる力の大きさを上回る土地の区域。ただし,地滑り下端からの水 平距離は最大で 60m とする。

・地滑り区域の長さ:L1

地滑り区域の水平面上の最大長さ

・地滑り区域下方の地滑りによる危害のおそれのある土地(B)の長さ:L1’

当該地滑り区域の地滑り方向の L1 に等しい長さ(最大 250m とする)

・地滑りによる著しい危害のおそれのある土地(B’)の長さ(最大 60m とする):L2’

・地滑り区域の幅:W

・地滑り方向: 地滑り地塊の移動方向。

※1:土砂災害防止法の原文では「地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等の移動により力が建築物に作 用した時から 30 分間が経過した時において,建築物に作用すると想定される力の大きさ」となっているが,

告示式をもとに算定される力は,クーロンの受働土圧式に基づいているため,本マニュアルでは「移動土 塊の堆積による力」であることを明確にした。以下,同様の表記,または「土石等の堆積により当該施設 に作用する力」という表記を用いる。

(9)
(10)

(3)対象外の地滑りと想定外の移動機構

①対象外の地滑り

現時点では「おそれがあると認められる土地」,すなわち地滑り地形や地滑りにより生じ たクラックが認められない状況で地滑りが発生する「初生地滑り」や,前兆がなく通常の 地滑りとかけ離れた規模で発生するような「大規模な火山活動や地震等に起因して発生す る地滑り」は土砂災害防止法では対象としない(表Ⅰ-2.2)。

「発生場所の予知・予見が不可能な場合は基礎調査の対象としない」

②想定外の移動機構

土砂災害防止法で想定している移動機構は,「告示式」により,建築物等に係る外力を計 算することが可能なもののみであり,表Ⅰ-2.3 に示すような移動機構は想定していない。

したがって,「著しい危害のおそれのある土地」や「危害のおそれのある土地」を設定す る際において,これらの移動機構を考慮しない。

「設定に際して,十分な知見が得られていない移動機構は考慮しない」

表Ⅰ-2.2 「対象外の地滑り」(詳細は,表Ⅰ-2.4 参照)

現 象 場所の 特定の可否

滑動機構の 推定の可否 対

象 外 の 地 滑 り

初生地滑り

(地滑り地形でないところに初めて発生する地滑り)

× ○

大規模な火山活動や地震等に起因して発生する地滑り

× ×

※ なお,大地震による宅地盛土(谷埋め盛土等)の滑りについては,「宅地造成等規制 法」で「造成宅地防災区域内における災害の防止のための措置」として検討されて いるため,土砂災害防止法の対象外である。

表Ⅰ-2.3 「想定外の移動機構」(詳細は,表Ⅰ-2.5 参照)

現 象 場所の 特定の可否

滑動機構の 推定の可否

想 定 外 の 現 象

末端隆起のみの現象

○ ×

移動土塊の流動化

(移動速度が速く,到達距離の長い地滑り)

○ ×

地滑り滑動終息後の土砂流出

○ ×

雪上等の土塊移動

○ ×

移動土塊に含まれる巨礫,転石の崩落等

(衝撃による被害)

○ ×

(11)
(12)
(13)

【参考:地滑りと地形・地質】

1.地滑りと地形

第Ⅲ編 1-1 に示すように,地滑り地形は地滑りが変形運動を繰り返すことによって形成 される特有の地形である。一般的な運動形態は頭部の沈下と末端の押出し,隆起を伴う滑 動,回転運動等であって,時間の経過とともにこの運動体はいくつかの小運動体に分化し て地形が複雑になっていく。

地滑り地形は,頭部背後に急崖(滑落崖)を持ち,頭部は緩斜面又は平坦面で,場合に よっては池,沼,凹地等を持ち,末端部(脚部)は比較的急な斜面で,崩壊地を伴うこと になるのが典型的であるが,その発達過程でかなり変化する。

平面形は馬蹄形や四角形が多く,中にはボトルネック状のものもある。全体的には,凸 状のものから凹状のものまで,その発達過程によって異なる。

この特異地形は地滑り危険地を予知するための重要な特徴となっているとともに地滑り運 動の発生以来の地形の変遷経過から,その材料,地下水,運動等の特徴を表わす重要な指 標ともなる。

地滑りの運動及びその繰り返しに伴う地形の発達過程から,地滑りの斜面の変化に着目 して,①岩盤地すべり(新鮮な岩盤よりなる):幼年期,②風化岩地すべり(風化岩及び巨 礫混り岩屑よりなる):青年期,③崩積土地すべり(礫混じり土砂よりなる):壮年期,④ 粘質土地すべり(粘土又は礫混り粘土よりなる):老年期に分類を行った。

①岩盤地すべり:幼年期 ②風化岩地すべり:青年期

③崩積土地すべり:壮年期 ④粘質土地すべり:老年期 参図-1.1 地滑りの発達過程

(14)

2.地滑りと地質

地滑りの素因の中で最も重要になるのが地質である。地滑りの運動は,地滑り粘土の生 成と関連しながら起こることが多い。地滑り粘土ができるということ自身が,地滑りの運 動と関係があり,地滑り運動の産物であると言うことができる。したがって,地滑り運動 は,このような地滑り粘土のできやすい地質条件のところにおこりやすい。

小出(1955)は,その地質的見地により,地滑りを,第三紀層地すべり・破砕帯地すべ り・温泉地すべりと分類した。この区分は地質時代や性状が一緒になっており,必ずしも 厳密な地質区分とはいえないが,地滑りの特徴の概略を区分するときに便利であり,よく 利用される。参図-2.1 にこの区分による日本における地すべり,大崩壊についての災害地 図を示す。

参図-2.1 日本における地すべり,大崩壊についての災害地図

自然環境保全のための保全砂防学入門,電気書院,2008 より抜粋

(15)

3.地滑りの分類

前述のように,これまでに様々な研究者により,地質や地形・運動形態等により地滑り の分類が試みられた。参表-3.1 及び 3.2 には,運動の型と構成物質によって地滑りの分類 を行ったことで有名な David J.Varnes(1958)と C.F.S.Sharpe の分類を示す。また,参表 -3.3 に日本における代表的な地滑りの分類例を示す。

実務上は「岩盤地すべり」,「風化岩地すべり」,「崩積土地すべり」,「粘質土地すべり」

と分類されることも多い。参表-3.4 は地すべり型分類を示したものである。

参表-3.1 地滑りの分類(David J.Varnes,1958)

岩 屑 混合物 塑性物質

上述の2つ以上の組み合わせ 複 合 型

岩屑なだれ Debris avalanche

緩速土流 Slow earthflow

泥流 Mud flow 岩屑流

Debris flow

(回転的)

岩魂のスランプ Block slump

側方伸長による沈下 岩屑すべり

Debris slide

淘汰良好な砂・シルト 岩屑流

Rock fragment flow

(回転的)

スランプ Slump

(平面的)

岩魂のすべり Block glide

岩石のすべり Rock slide

(平面的)

岩魂のすべり Block glide

砂走り Sand run

黄土流 Loess flow

未 襲 固 運動の型

Soil fall

流れ Flows

構 成 物 質 の 型

土 Soils 土の落下

急速土流 Rapid earth flow 砂流あるいはシルト流

Sand or silt flow すべり

Slide

基盤岩 Bedrocks 岩石の落下(落石)

Rock fall 落 下

Falls

参表-3.2 マスウェスティングの分類(C.F.S.Sharpe,1938)

氷の含有率増加 岩石または土壌 水の含有率増加

土石流

砕屑なだれ 泥流

砕屑なだれ EARTH FLOW MUD FLOW 匍行

岩石匍行 土壌 〃 CREEP ROCK CREEP SOIL CREEP

緩~急 Slow to Rapid

水   性   運   搬 RROPSNA TFLAIVULT 氷

  河   性   運   搬 RROPSNA TGLAICALT 運動の性質と速さ

滑   動 SLIDE

緩~急 Slow to Rapid

ソリフラクション SOLIFLUCTION

 DEBRIS   AVALANCHE

スランプ 砕屑すべり 砕屑落下 岩石すべり 岩石落下 SLUMP DEBRIS-SLIDE DEBRIS-FALL ROCK-SLIDE ROCK-FALL

DEBRIS  AVALANCHE 認知できぬ

Imperceptible

流   動 FLOW

ソリフラクション SOLIFLUCTION

(16)

参表-3.3 日本における代表的な地滑りの分類例

分類基準

地すべりの分布する地質に よる分類

平面形状やすべり面 の位置による分類

移動状況や運動機構による 分類

地すべり土塊の構成材料 や発達過程による分類 脇水鉄五郎

(1912)

①山崩れ 1)山崩れ

石崩れ・土崩れ・山津波 2)山すべり

石すべり・土すべり

②地すべり 震引・地すべり 中村慶三郎

(1955)

①第三紀層地すべり

②中生層地すべり

③古生層地すべり

④変成岩地域地すべり

⑤火成岩地域地すべり

①崩壊性地すべり (山崩れ型地すべり)

②普通地すべり

③匍行性地すべり (崖錐匍行性地すべり) 小出 博

(1955)

①第三紀層地すべり

②破砕帯地すべり

③温泉地すべり

①地すべり性崩壊

②一次的地すべり 1)間欠型 2)継続型

③二次的地すべり 高野秀夫

(1961)

①地塊型地すべり

②崩壊型地すベり

③粘稠型地すベり

④流動型地すべり A継続的地すべり B間欠的地すベり 谷口敏雄

(1963)

①円弧型地すべり

②平面型地すべり

③匍行型地すべり

①急激,崩壊型地すべり

②継続的,慢性的地すべり

③継続的地すべり

④ 塑 性 流 動 的 地 す べ り ( 崩 土)

①岩石すべり

②土砂すべり

③混合すべり

芥川・金子 (1965)

①破砕帯地すべり

②第三妃層地すべり

③古生層,中生層地すべり

④温泉地すべり

④結晶片岩地帯の地すべり

①崩 壊

②崩壊性地すべり

③地すべり 1)飴動型地すべり 2)流動型地すべり 農林省

耕地局 (1965)

①温泉地すべり(H 型)

②第三紀層地すべり(T 型) 1)Ta 型

2)Tb 型

③破砕帯地すべり(S 型)

④第四紀層地すべり(Q 型)

①Ta 型 (断続型)

②Tb 型 (継続型)

黒田和男 (1966)

①結晶片岩型地すべり

②蛇紋岩型地すべり

③四万十型地すべり

④釧路型地すべり

⑤北松型地すべり

⑥油田型地すべり

⑦山陰型地すべり

⑧瀬戸内型地すべり

⑨夕張型地すべり

①匍行

②板状地すべり

③円弧状地すべり

植村ほか (1967)

①creep 型

②slide 型

③fall 型 布施 弘

(1971)

①第一次地すべり

②第二次地すべり

③第三次地すべり 山田ほか

(1971)

①基盤すべり

②表層すべり

①継続型

②断続型

③崩壊型 渡 正亮

(1971)

①幼年期 ②青年期

③壮年期 ④老年期 布施 弘

(1974)

①砂礫系地すべり

②粘性土系地すべり 植村 武

(1975)

①潜伏期

②活動期

③消耗期 武田・今村

(1976)

①クリープ(creep)

②流動型すべり(flow)

③弧状すべり(slump)

④岩盤すべり(rock glide) 渡・小橋

(1987)

①岩盤地すべり

②風化岩地すべり

③崩積土地すべり

④粘性土地すべり

(17)

参表-3.4 地滑り型分類

分 類

特 徴 岩盤地すべり 風化岩地すべり 崩積土地すべり 粘質土地すべり 平面形 馬蹄形,角形 馬蹄形,角形 馬蹄形,角形,沢形

ボトルネック形

沢形,ボトルネック形

微地形 凸状尾根地形 凸状台地形

凸状台地形 単丘状凹状台地形

多丘状凹状台地形 単丘状凹状台地形

凹状緩傾斜地形 多丘状凹状台地形 すべり面形 椅子形,舟底形 椅子形,舟底形 階段状,層状 階段状,層状 おもな土塊の性質

(頭部)

岩盤または弱風化岩 風化岩(亀裂が多い) 巨礫または礫混じり土

巨礫または礫混じり土

おもな土塊の性質 (末端部)

風化岩 巨礫混じり土砂または

強風化岩

礫混じり土砂,一部粘 土化

粘土または礫混じり土 砂化

運動速度 (活動時の平均)

2cm/日以上 1.0~2.0cm/日程度 0.5~1.0cm/日 0.5cm/日以下

運動の継続性 短時間,突発性 ある程度断続的(数十

~数百年に一度)

断続的(5~20 年に 1 回程度)

断続的(1~5 年に 1 回 程度)または継続的 すべり面の形状 平面すべり(椅子形) 平面すべり(頭部と末

端がやや円弧状)

曲面状と平面状,末端 が流動化

頭部が曲面状だが大部 分は流動状(沢状) ブロック化 たいてい単一ブロック 末端,側面に 2 次的地

すべり発生

頭部がいくつかに分割 され 2~3 ブロックにな

全体が多くのブロック に分かれ,相互に関連 し合って運動 予知の難易 地すべり地形が不明瞭

なため非常に困難,綿 密な踏査と精査を必要 とする

1/3000~1/5000 地形図 で予知できるし,空中 写真の利用も可能

1/5000~1/10000 地形 図でも確認できる 地元での聞き込みも有

地元での聞き込みによ って予知できるし,非 常に容易に確認できる

一般的な斜面形 一般に台地部があるか 不明瞭である。凸形斜 面に多く,鞍部から発 生する

明瞭な段落ち,帯状の 陥没地と台地を有す。

大 き く 見 れ ば 凹 形 だ が,主要部は凸形

滑落崖を形成し,その 下に沼,湿地等の凹部 があり,頭部にいくつ かの残丘があり,凹形 斜面に多い

頭部に不明瞭な台地を 残し大部分は一様な緩 斜面。沢状の斜面であ

平均的な安全率 大 抵 の 場 合 Fs > 1.10,一時的にある程 度の切土,盛土も可能

Fs=1.05~1.10,一時 的には 5%程度の安 全率を低下させる事 は可能

Fs=1.03~1.05,一時 的には 3%程度安全 率を悪化させても安 定している。

切土,盛土は不可能,

少量の土工でも運動 を再発する。

主要な対策工 深層地下水排除,土塊 除去,抑止工

深層地下排除,土塊除 去,地表水排除,抑止

頭部での深層地下水 排除,地表水排除,渓 流工

頭部での集水井工,末 端での浅層地下水,地 表水排除,渓流工 対策工の効果 即効的で完全安定化

可能

即効的であるが,異常 事象時に再発の恐れ がある。

対策工施工後 1~3 年 を要す,末端部の安定 化が困難

遅効性で対策工施工 後数年を要し,完全な 安定化は困難 主な原因 大規模な土工,斜面の

一部の水没,地震,強

集中豪雨,異常な融雪 や河岸決壊,地震,中 規模な土工その他

異常な霧雨,融雪,台 風,集中豪雨,土工等

霖雨,融雪,河川浸食,

積雪,小規模な土工 主な地質と構造 断層,破砕帯の影響を

受けるものが多い。

結晶片岩地帯,新第三 紀層に広く分布する。

断層,破砕帯の影響あ り。

結晶片岩地帯,中・古 生層,新第三紀層に広 く分布

新第三紀層に最も多 く,破砕帯等の構造線 沿いにも一部見られ る。

(18)

4.広島県の地形・地質と地滑り 4.1 広島県の地形

広島県は,西南日本内帯に属する中国地方のほぼ中央に位置し,北部は島根県及び鳥取 県に,西部は山口県,東部は岡山県に接し,南部は瀬戸内海を挟んで愛媛県,香川県に相 対している。面積は,8,477.58km2で,県下には 14 市 6 郡 9 町がある。

中国地方の地形構造は,比較的単純でやや北に偏り東西に走る脊梁山地とその両側に広 がる高原状の低山地からなり,海岸にはきわめて小規模の平野がみられるにすぎない。

広島県の主な地形の配列は,脊梁山地方向であるが,これと斜交または平行する北東一 南西方向の直線的な谷・山列が発達している。また,西北西一東南方向の直線谷もよく発 達し,北東一南西方向と組み合って菱形模様を形づくっている。

また山地は,三段の平坦面を形成しており,高位より標高 1,339m の冠山を中心とする県 西部の冠山山地及び県北部一帯の中国山地とによって構成される脊梁山地面,その南に標 高 400~600m の世羅台地を中心とする吉備高原面,瀬戸内面に大別できる。これらが移り 変わる部分では,急な崖が形成され,三段峡,二河峡といった景勝地を生んでいる。

特に吉備高原面と瀬戸内面の境界部分は,沿岸部の人口密集地と接するため,土砂災害 対策上の重要部となっている。

このほか瀬戸内海は沈下してできたものでここに浮かぶ大小多数の島々と屈曲に富む海 岸線は,我が国の代表的な沈水海岸の風景美といわれる。

広島県北部地域の水を集める江の川は,脊梁山地を横断して日本海に注ぐが,その流域 面積は,県面積の 1/3 に及ぶ。県北西部に水源を発する太田川は,支流を集め,広島デル タにおいて 7 つの川に分かれて広島湾に注いでいる。

瀬野川・黒瀬川は賀茂台地から南流し,沼田川・芦田川は世羅台地から南流して,それ ぞれ瀬戸内海に注いでいる。

参図-4.1 広島県地形概略図

(広島県砂防災害史,1997 年,広島県より抜粋)

(19)

4.2 広島県の地質

地質は,花崗岩及び流紋岩が広く分布し県下のほぼ 70%を占める。特に花崗岩は 48%を占 め,分布率の高さは全国 1 位である。

吉備高原面などの平坦面では基岩は全般的によく風化しており,特に花崗岩は厚い風化 帯を形成している。花崗岩の大部分は,粗粒の黒雲母花崗岩で石英,カリ長石,斜長石,

黒雲母などの鉱物から構成される。粗粒のものはとくに黒雲母と斜長石が容易に化学的風 化を受け二次鉱物としての粘土鉱物に変質する。また断層や節理などの,割れ目が多く,

これに水が浸み込むと深部まで化学的変質が進行し,いわゆる「マサ土」と呼ばれる風化 花岡岩となる。深い層まで風化している場合は,滑落,崩壊を生じることが少なくない。

よって,地質上,災害をうけやすい状態にある。県北東部の帝釈付近一帯には石灰岩が分 布し,それらに接して南北には砂岩,粘板岩,チャートなどがあり,吉舎町付近にかけて は吉舎安山岩類が分布している。県西部の吉和村から湯来町にかけては緑色岩及び粘板岩 が分布し,加計町から可部にかけての太田川沿いには粘板岩がある。このような粘板岩及 び緑色岩類は県東部の福山及びその周辺部にも見られる。島しょ部の西熊美島や江田島の 津久茂,蒲刈島などでは花崗岩の上部に粘板岩がのっている。

参図-4.2 広島県地質概略図

(広島県砂防災害史,1997 年,広島県より抜粋)

(20)

4.3 広島県の地滑り

「平成 8 年度地すべり危険箇所調査」の結果では,広島県には 80 箇所の「地すべり危険 箇所」が報告され,うち 28 箇所は「地すべり防止区域」の指定を受けている(参表-4.1)。 広島県の地滑りは一般的に規模が小さく,地滑りを地形の観点から見ると,平面形では 馬蹄形が多い。しかしながら,全般的に活動度は小さく,地滑り地形や移動方向が不明瞭 なものも多い。

広島県の地質は古生代後期から現世に至るまでの様々な岩種によって構成されているが,

県土の約 7 割は中生代・白亜紀~古第三紀の火山岩類と花崗岩類(広島花崗岩)に覆われて いる。火山岩類と花崗岩類の分布域内において,地すべり危険箇所の分布密度は相対的に 低く,「破砕帯地すべり」(整理番号 12 坪野,37 僧殿,45 黒目,46 石原)を除いては一般 に滑動性の低いものが多い。これに対し,「中・古生層」の粘板岩や,新第三紀の泥岩・砂 岩・礫岩層は分布域が限られているにもかかわらず,その地域での地すべり危険箇所の分 布密度は相対的に高く,滑動性の認められる地すべりも存在している。

今回の調査で設定された 81 箇所の地すべりを種類別に見てみると,「破砕帯地すべり」

が 4 箇所あり,危険度が A ランクに区分されている。また,「第三紀層地すべり」は 5 箇所 あり,規模も大きく危険度も高い。そして,残り 72 箇所の地すべりの種類は「その他地す べり」に分類され,規模も危険度も様々である。

また,広島県下に 28 箇所ある地すべり防止区域を見てみると,10 箇所が「中・古生層」

の粘板岩(または塩基性岩)の地域に,9 箇所が新第三紀の泥岩・砂岩・礫岩層地域に,

残り 9 箇所がその他地質の地域に分布しており,堆積岩地帯に地すべり防止区域の集中し ていることが分かる。

(21)

参表-4.1 広島県の地すべり危険箇所一覧表 整理

番号

箇所名

( )内は地すべり防止区域名 位置 地質 危険度

1 白木 広島市安佐北区白木町志路 頁岩・砂岩 A

2 後飯谷 大竹市後飯谷町後飯谷 粘板岩 A

3 薬師 大竹市元町 4 丁目 粘板岩 B

○4 本多田(本多田) 広島市佐伯区湯来町多田字下本多田 粘板岩 A

○5 志井(志井) 広島市佐伯区湯来町志井 粘板岩 B

6 粟柱 広島市佐伯区湯来町粟柱 粘板岩 C

○7 女鹿平(女鹿平) 廿日市市吉和花原字女鹿平 粘板岩 A

8 半坂 廿日市市吉和半坂' 粘板岩 A

9 駄荷 廿日市市吉和駄荷 花崗岩 B

10 石原 廿日市市吉和石原 泥岩 B

11 川登西 山県郡安芸太田町川登西 花崗岩 C

○12 坪野(坪野) 山県郡安芸太田町坪野 粘板岩 A

○13 梶の木(梶の木) 山県郡安芸太田町梶の木 花崗岩 A

○14 押ヶ峠(押ヶ峠) 山県郡安芸太田町押ケ峠 花崗岩 C

15 夏明地 山県郡北広島町戸谷 花崗岩 C

16 牛尾原 山県郡北広島町戸谷 花崗岩 C

17 両本滝 山県郡北広島町戸谷 花崗岩 C

18 中久保 山県郡北広島町戸谷 花崗岩 B

19 庄原 山県郡北広島町 花崗岩 C

20 国司 安芸高田市吉田町国司 流紋岩質石英安山岩 B

21 道の谷 安芸高田市八千代町土師 花崗斑岩 B

22 名倉 安芸高田市高宮町佐々部字下式敷 花崗岩 B

23 船木 安芸高田市高宮町船木 甲立礫層 B

24 横川 安芸高田市向原町長田字松尾 流紋岩質石英安山岩 C

○25 小松原(小松原) 東広島市安芸津町小槍原字小浜 流紋岩 A

○26 栗原(栗原) 尾道市栗原町松岡字上ケ追山 礫層 A

○27 山方(山方A) 尾道市木ノ庄町木梨 粘板岩 B

28 野呂 尾道市御調町仁野 粘板岩 B

29 菅 尾道市御調町菅 花崗岩 B

30 山岡 尾道市御調町野間 閃緑岩 C

○31 本郷(本郷) 福山市本郷町(小字高田) 粘板岩 A

○32 小原(小原) 福山市本郷町(小字小原) 粘板岩 C

○33 御領(御領) 福山市本郷町(小字宇根,内田,土井) 泥および礫・砂 A

○34 西山(神村町十四区) 福山市神村町(小字西山) 泥および礫・砂 A

○35 柳津(柳津) 福山市柳津町(小字逓坊寺) 粘板岩 A

○36 藤江(藤江) 福山市藤江町(小字中細) 粘板岩 A

○37 僧殿(僧殿) 府中市僧殿町上田字坂口 粘板岩 A

38 下丈 府中市父石町神田 粘板岩 A

39 黒瀬 福山市沼隈町黒瀬 粘板岩 A

○40 八尋(八尋川) 福山市神辺町八尋.上御領 変斑レイ岩・変輝緑岩 A

○41 馬騎(馬騎) 世羅郡世羅町東上原字馬騎 花崗岩 A

42 梨の木 神石郡神石高原町梨の木 粘板岩 B

43 有木 神石郡神石高原町有木 粘板岩 A

欠番 野呂川南郷 神石郡神石高原町野呂川 粘板岩 A

45 黒目 庄原市総領町黒目 流紋岩 A

○46 石原(石原) 三次市君田町石原字日南 泥岩優勢 A

○47 藤城谷(藤城谷) 庄原市本郷町(小字藤城谷) 流紋岩 A

(22)

整理 番号

箇所名

( )内は地すべり防止区域名 位置 地質 危険度

50 下本谷 庄原市西城町大屋 礫岩(備北層群) C

51 寺谷 庄原市西城町大屋 礫岩・砂岩(備北層群) B

52 胎蔵寺 庄原市西城町入江 礫岩(備北層群) C

53 大佐 庄原市西城町八鳥 礫岩(備北層群) B

54 清正 庄原市西城町八鳥 礫岩(備北層群) B

○55 大二吾(大二吾) 庄原市東城町久代字東山 礫岩(未区分) A

○56 高野(高野) 庄原市東城町久代字高野 安山岩類 A

○57 大草(大草) 庄原市口和町宮内 流紋岩 A

58 永田 庄原市口和町永田 砂岩(備北層群) C

59 下金田 庄原市口和町金田 花崗岩 C

60 大月 庄原市口和町大月 流紋岩 C

○61 中門田下(中門田下) 庄原市高野町中門田川西 礫岩(備北層群) A

○62 奥門田 A(奥門田下) 庄原市高野町奥門田 流紋岩 A

63 奥門田 B 庄原市高野町奥門田 礫岩(備北層群) B

64 奥門田 C 庄原市高野町奥門田 礫岩(備北層群) A

○65 奥門田 D(奥門田上) 庄原市高野町奥門田畑,朽暮,中山 礫岩(備北層群) A

○66 奥門田 E(奥門田中) 庄原市高野町奥門田高沖丸,本郷,

茶臼山,金尾,畑,小滝原,殿丸下 礫岩(備北層群) A

67 奥門田 F 庄原市高野町奥門田 礫岩(備北層群) A

68 奥門田 G 庄原市高野町奥門田 礫岩(備北層群) A

69 新市 庄原市高野町新市 花崗岩 C

70 原口 庄原市高野町下門田 花崗岩 B

71 原上 庄原市高野町下門田 礫岩(備北層群) C

72 又砂 庄原市比和町又砂 流紋岩 A

73 植松 三次市十日市町植松 泥岩・砂岩(備北層群) A

74 荻野 庄原市西城町荻野 礫岩(備北層群) A

75 下川西 庄原市川西町下川西 礫岩(備北層群) C

76 峠 山県郡安芸太田町下殿賀内 花崗岩 B

77 井仁 山県郡安芸太田町中筒賀 花崗岩 C

78 大迫 尾道市美ノ郷町大迫 礫層(西条層) B

79 槙原 福山市本郷町納屋 礫層(西条層) A

80 中横倉 福山市沼隈町中横倉 粘板岩 B

81 鞆 福山市鞆町後地 礫層 B

※地すべり危険箇所は平成 8 年度地すべり危険箇所調査報告書(広島県)より抜粋した。

※位置については平成 28 年度 11 月時点の市町表記とした。

※番号に○印がついているものは,地すべり防止区域の指定を受けているもの。

※地すべり防止区域の指定状況は,平成 28 年度末時点のものである。

※( )内は指定箇所名。

※危険度ランクは,参表-4.2 の基準による。

(23)

参表-4.2 地すべり危険箇所判定表

項 目 着 眼 点 配点 得点

地すべり 徴 候

斜面に連続する亀裂,隆起や陥没,あるいは斜面安定工に異常・変状がみられ

る。路面に隆起,亀裂等の異常が認められる。 20

小鯛壊や斜面に部分的な地形の異常・変状などが認められる。 10

徴候なし 0

地すべり 地 形

滑落崖,丘状地形,緩傾斜地,等高線の乱れ,河雁などへの押し出 し等の地すべり地形が認められる。

10 や や 明 瞭 6 不 明 瞭 2

断層・破砕帯 5

火山変質帯,温泉余土 5

流れ盤 4

受け盤 2

貫入岩またはキャップロック構造の周辺斜面 1

その他 0

中・古生層(結晶片岩,堆積岩) 2

第三紀層(堆積岩) 2

緑色岩・蛇紋岩の分布地域 2

第四紀層(堆積岩) 1

その他(火山岩,深成岩等) 0

常時 湧水

あり 3

なし 0

地すべり

履 歴 過去の災害,地すべりの記録や確かな伝承等 20 0

合 計 点

合計点 判定

判定区分

40 点以上

20 点以上~40 点未満

20 点未満

注:この判定表から判定された区分は,定性的な指標で相対的に評価されており,必ずしもそれ が直接的に現在の地すべりの安定度を示しているとは限らない。

(24)

第Ⅱ編 調査方法

第 1 章 基礎調査の手順

基礎調査は,次に示す手順により行う(図Ⅱ-1.1参照)。

① 調査対象箇所の抽出

地滑りしている区域又は地滑りするおそれのある区域を抽出する。調査対象範囲は,

現況の土地利用状況や開発計画等の社会条件を考慮して選定する。抽出作業は主に縮尺 1/25,000以上の地形図を用いることを基本とする。また,予想される災害形態について も把握する。

② 区域設定のための調査

①で抽出した調査対象箇所において主に区域設定のための調査を実施する。概略を机 上調査で,より詳細な調査として地形や地質及び対策施設等に関する調査を実施する。

過去に発生した災害履歴を文献等で把握するとともに微地形等の調査を行う。

③ 危害のおそれのある土地等の設定

「危害のおそれのある土地」及び「著しい危害のおそれのある土地」(以下「危害の おそれのある土地等」という)の範囲を設定する。

④ 危害のおそれのある土地等の調査

③で設定した当該区域内の人家戸数や公共施設等の実態調査を,机上並びに現地調査 により行う。

なお,基礎調査の実施にあたっては,広島県砂防基盤図や最新住宅地図等を活用し,と り行うものとする。

(25)

危害のおそれのある土地等の調査

基礎調査開始

縦断測量

現地調査及び設定条件の確認

過去の災害実績調査等

対策施設の施設評価

危害のおそれのある土地等の設定

・危害のおそれのある土地の設定

・著しい危害のおそれのある土地の設定

①土地利用状況調査

②世帯数及び人家戸数調査

③公共施設等の状況調査

④警戒避難体制に関する調査

⑤関係諸法令に関する調査

⑥宅地開発の状況及び建築の動向調査

区域調書の作成 告示図書の作成

基礎調査完了

:設計業務(机上)

:設計業務(現地)

:測量業務(現地)

対策施設等状況調査 資料調査

地滑り末端部の座標計測 調査対象箇所の抽出・整理

地滑り地形判読

机上設定

(26)

第2章 基礎調査実施の際の留意点

基礎調査は,法律第三条第一項に定める土砂災害の防止のための対策の推進に関する基 本的な指針に従い,以下の項目に留意して実施する。

① 危害のおそれのある土地等の範囲を設定する参考資料とするため,社会条件の動向を 常に把握する必要があり,区域内やその周辺地域の人口等の変化について一定の期間 ごと(おおむね 5 年ごと)に調査を実施する。

② 現況の土地利用状況や開発計画等により,人家の立地が新たに予想され,区域の指定 が必要になっているかどうかを把握する。

③ 現地の状況に応じ調査項目の追加等柔軟に対応する。

④ 当該区域の土地の状況に変化が生じた場合は,必要に応じて調査を行う。

⑤ 既存資料の整理にあたっては,地すべり防止区域等を所管する部局より資料を収集す る。

解 説

(1)状況の変化に応じた調査

基礎調査の結果と,「地すべり危険箇所調査要領(平成 8 年 10 月)」及び「斜面カルテの 作成要領(平成 10 年 6 月)」等による調査結果は,その目的や精度を考慮しつつ相互に活 用することが望ましい。ただし,その際には,概ね 5 年以内に調査された資料を用いるこ ととする。なお,その期間に地形改変や災害が発生した場合には,新たに調査を実施する 必要がある。

(2)土地利用状況や開発計画の把握

調査箇所における道路,水路,池沼,宅地,農地,山林等の土地利用状況について,資 料及び現地調査により把握する。また,開発計画についても県及び各市町において資料を 収集し把握するものとする。

基礎調査において必要となる資料は,表Ⅱ-2.1を参考に収集を行う。

収集にあたっては,単に資料名の一致するものを機械的に収集するだけでなく,その利 用目的を理解し,図面類の縮尺等に注意する。

また,収集不能な資料があった場合は,発注者へ報告し,代替資料の収集,及び代替措 置について協議する。

(27)

表Ⅱ-2.1 土砂災害危険箇所にかかわる資料

資料名 管理する自治体 資料の摘要

急傾斜地崩壊危険区域台帳 広島県 急傾斜地崩壊危険区域図等

急傾斜地崩壊危険箇所カルテ 広島県 急傾斜地崩壊危険箇所に関する基本資料 急傾斜地崩壊危険箇所見直調査報告書 広島県 急傾斜地崩壊危険箇所に関する基本資料 急傾斜地崩壊防止区域・対策工事台帳 広島県 既存施設の諸元・土質試験結果等の状況

土石流危険渓流カルテ 広島県 土石流危険渓流に関する基本資料

土石流危険渓流見直し調査報告書 広島県 土石流危険渓流に関する基本資料

地すべり防止区域台帳 広島県 地すべり指定区域図等

地すべり危険箇所カルテ 広島県 地すべり危険箇所に関する基本資料

地すべり危険箇所見直し調査報告書 広島県 地すべり危険箇所に関する基本資料 表Ⅱ-2.2 土砂災害に関する参考資料

資料名 管理する自治体 資料の摘要

広島県砂防基盤図 広島県 1/2,500

航空レーザ測量成果 広島県ほか

各種管内図 広島県 管轄管内図など

各種白図 広島県 1/25,000 以上の縮尺のもの

警戒避難基準雨量設定報告書 広島県 警戒避難基準雨量の設定経緯,設定結果が把握で きるもの

雨量計配置図 広島県 既存の雨量計の配置状況が把握できるもの

伸縮計等の設置位置図 広島県 伸縮計等の設置状況が把握できるもの

土質調査報告書 広島県 土質試験結果

既往災害報告書・資料 広島県 急傾斜地崩壊,土石流,地すべり等の災害状況が

把握できるもの 表Ⅱ-2.3 関連参考資料

資料名 管理する自治体 資料の摘要

市町勢要覧 広島県及び各市町 人口等の現況,推移が把握できるもの

市町統計書 各市町 人口や土地利用変遷等の現況,推移が把握できる

もの

市町地域防災計画 広島県及び各市町

市町 DM 各市町 市町により所管が異なる

市町空中写真 各市町 市町により所管が異なる

市町全図(1/2500)白図 各市町 市町により所管が異なる

災害危険区域図 広島県及び各市町 災害危険区域の区域図

宅地造成工事規制区域図 広島県及び各市町 宅造規制区域の区域図

都市計画用途図 広島県及び各市町 市街化区域,市街化調整区域,準都市計画区域が 把握できるもの

土地利用統計資料 広島県及び各市町 建築申請,農地転用の現況,及び推移が把握でき るもの

(28)

表Ⅱ-2.4 関係部局で所管する参考資料

資料名 管理する自治体 資料の摘要

土地利用動向調査 広島県 各種開発計画の位置を示した図面(1/20 万)

保安林区域図 広島県 保安林の区域図

保安施設地区区域図 広島県 保安施設地区の区域図

過疎地域振興特別措置法指定地域図 広島県 左記指定地域図 総合保養地域整備法指定地域図 広島県 左記指定地域図

自然公園法指定地域図 広島県 国立公園,国定公園,都道府県立自然公園の区域

が把握できるもの

自然環境保全法指定地域図 広島県 原生自然環境保全地域,自然環境保全地域特別地 区が把握できるもの

都市緑地保全法指定地域図 広島県 緑地保全地区の区域図

県勢要覧 広島県 人口等の現況,推移が把握できるもの

県統計書 広島県 人口等の現況,推移が把握できるもの

国勢調査資料 広島県 人口等の現況,推移が把握できるもの

建築申請数の統計 広島県 市町毎の建築申請数の推移が把握できるもの

農地転用の統計 広島県 市町毎の農地転用の推移が把握できるもの

既往災害資料 広島県 災害統計資料や報告書等

表Ⅱ-2.5 閲覧・購入等により入手可能な資料

資料名 管理する自治体等 資料の摘要

地価公示資料 国土交通省

住宅地図 民間市販

各種地形図 国土地理院 1/2.5 万図,1/5 万図等

地すべり地形分布図 (独)防災科学技術研究所 http://lsweb1.ess.bosai.go.jp/index.html で閲覧可能 土地分類基本調査 広島県 1/50,000 表層地質図

1/50,000 地形分類図 地質図 地質調査所 1/50,000~1/200,000 地質図

(3)社会条件の動向の把握(第Ⅲ編 調査内容,第7章 危害のおそれのある土地等の 調査参照)

区域内やその周辺地域における,人口,都市計画区域の指定,地価,建築確認申請数,

農地転用等について調査し,社会条件の動向を把握する。

(4)その他

土砂災害防止法にもとづいて指定と公示がなされた区域は,建築物の構造等の規制が発 生する等,私権が制限される場合もある。基礎調査結果は指定の公示の基礎となるため,

特に区域設定にあたっては細心の注意を払うとともに,区域間の設定精度のばらつきをな くすよう,作業の平準化と精度維持を留意しなければならない。

上述した点を踏まえ,調査のための民地立ち入りを行う際は土砂災害防止法第 5 条に基 づき,関係者の承諾を得て身分証明書を携帯するものとする。また,立ち入りの際には範 囲,時間に配慮しなければならない。

數據

図 1.1  凸状尾根型地形  図 1.2  凸状台地型地形  図 1.3  凹状単丘型地形

參考文獻

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