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6-2 著しい危害のおそれのある土地の設定 1)設定条件

著しい危害のおそれのある土地の設定条件は以下に示すとおりである(図Ⅲ-6.9 参照)。

地滑り地塊の滑りに伴って生じた移動土塊の堆積による力及び通常の建築物の耐 力を求める方法は,国土交通省告示第 332 号(平成 13 年 3 月 28 日)に規定されて いる。

「危害のおそれのある土地」のうち,地滑り地塊の滑りに伴って生じた移動土 塊の堆積による力が建築物に作用した時から 30 分間が経過した時において建築 物に作用する力の大きさが,通常の建築物の耐力を上回る土地の区域で,地滑り 区域の下端から最大で 60mの土地の区域。

2)設定手順

sinφ tanφ 2

sinφ tanφ

2

③ 移動土塊の堆積による力(F1)に関する範囲の設定

地滑り地塊の滑りに伴って生じる移動土塊の堆積による力(F1)が,通常の 建築物の耐力(W2)を上回る土地の区域を設定する。

④ 著しい危害のおそれのある土地の区域の設定

上記③の区域のうち,地滑り区域の下端から地滑り方向への水平距離で最大60 mの範囲を「著しい危害のおそれのある土地の区域」とする。

なお,力の算出にあたって用いる土質定数については,地質調査による他,付 近の地滑り防止工事で採用している値や表Ⅲ-6.4及び参考資料2の値を参考にで きる。

図Ⅲ-6.23 著しい危害のおそれのある土地の区域の設定フロー 地滑り地塊の土質定数の設定

下式により,地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等による力が建築物に作 用した時から 30 分間が経過した時において,建築物に作用すると想定され る移動土塊の堆積による力(F1)を算定

ただし,

を越えないもの。

F1が建築物の耐力(W2)を上回る土地の範囲の設定。

上記の範囲のうち,地滑り区域の下端から地滑り方向への水平距離で最 大 60mの範囲を「著しい危害のおそれのある土地」の区域とする。

sinφ tanφ 2 -1 2γ cosφ F

2 1

sinφ tanφ 2 -1 ) cosφ X -L γ(

2 1

解 説

(1)著しい危害のおそれのある土地の設定

著しい危害のおそれのある土地の区域は,“地滑り下方の区域”のみとなる。

地滑りの下端から地滑り地塊の滑りに伴って生じる移動土塊の堆積による力が,通常 の建築物の耐力を上回る地点に挟まれる区域。

(2)著しい危害のおそれのある土地の設定手順

著しい危害のおそれのある土地の設定は,地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等が 流下,建築物に達する場合を想定し,土石等が地滑り区域下方の各建築物におよぼす力 を計算して,建築物が破壊するかどうかを検討して区域を決定する。

地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等により力が建築物に作用した時から 30 分間 が経過した時において,建築物に作用すると想定される移動土塊の堆積による力(F1) を算定する。これに対する力としては,地滑り下方の通常の建築物の耐力を想定し,土 石等の力が建築物の限界耐力を上回った土地の区域が,著しい危害のおそれのある土地 の区域となる。

図Ⅲ-6.24 著しい危害のおそれのある土地の設定フロー 地滑り区域の方向の決定

地滑り区域の末端の決定

地滑り下方の著しい危害のおそれのある土地の区域設定 地滑り区域の幅,長さの決定

地滑り地塊の土質定数の決定

移動土塊の堆積による力の算出

建築物の耐力の算出

sinφ tanφ

sinφ tanφ

2

4 :地滑り地塊の滑りに伴って生じた移動土塊の堆積による力が通常の建築物に作用す る場合の土石等高さ(m)

H4=(L-X)tanφ

ただし,H4=2tanφ を超えないものとする。

7)地滑り下方の著しい危害のおそれのある土地の区域設定

地滑り下方の“著しい危害のおそれのある土地”の区域は,縦断線上において,移動 土塊の堆積による力(F1)が通常の建築耐力(W2)を上回る土地の区域とする。ただし,

地滑り区域の末端から最大 60mまでとする。

また,「地形状況により明らかに土石等が到達しないと認められる土地の区域」がある 場合は地形条件を加味して区域の設定を行う。

図Ⅲ-6.25 著しい危害のおそれのある土地の区域設定

図Ⅲ-6.26 著しい危害のおそれのある土地の区域設定

(F1>W2の範囲が 60mを超える場合)

地滑りの末端 F1>W2の範囲

「著しい危害のおそれのある土地」の範囲

「著しい危害のおそれ のある土地」の末端

地滑りの下端 F1>W2の範囲

「著しい危害のおそれのある土地」の範囲 最大 60mまで。

「著しい危害のおそれ のある土地」の末端

図Ⅲ-6.27 地滑り下方の区域設定

(著しい危害のおそれのある土地)

8)対策施設が整備されている場合

斜面および斜面内において,対策施設が整備されている場合は,対策施設の効果を評 価し,設定の有無を決定する。

9)「著しい危害のおそれのある土地」の設定における計算等の取り決め

「著しい危害のおそれのある土地」を設定するにあたり,移動土塊の堆積による力 と建築物の耐力を比較する地点や計算における数値の桁数等は以下のように定める。

① 地形図から読みとる数値,現地測定値,資料からの引用数値で用いる桁数

区域などの設定にあたって地形図などから読みとった数値,現地で測定した数値,

および資料より引用した数値は,原則として小数第 2 位を四捨五入した値を用いる。

② 著しい危害のおそれのある土地の区域を示す桁数表示

計算により求めた「著しい危害のおそれのある土地」の範囲については,斜面下 端位置からの距離として,整数位以下切り捨て(m刻み)で示す。

表Ⅲ-6.5 計算結果の桁数表示

項 目 記 号 単 位 表示基準 表示例 地滑り区域の長さ L1 小数第 2 位を四捨五入 35.2 土石等の高さ 4 m 小数第 2 位を四捨五入 1.3 移動土塊の堆積による力 1 kN/m2 小数第 2 位を四捨五入 120.3 建築耐力 2 kN/m2 小数第 2 位を切り捨て 20.6

「著しい危害のおそれのある土

地」の範囲 X m

整数位以下切り捨て

(1m 刻み)

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第 7 章 危害のおそれのある土地等の調査