日文補文標識中「NO」和「KOTO」的區別使用:從命題的「特定性」之觀點 - 政大學術集成
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(2) 日 文 補 文 標 識 中 「 NO」 和 「 KOTO」 的 區 別 使 用 —從命題的「特定性」之觀點— 摘要 本 論 文 旨 在 研 究 日 文 補 文 標 識 「 NO」 和 「 KOTO」 的 區 別 使 用 。 研 究方法是從補文句命題與主要句命題做為切入點,以文中的「時態」 (Aspect)、「 論 元 構 造 」(Predicate Argument Structure )以 及「 語 彙 概 念 構 造 」 (LCS)等 論 點 , 針 對 其 命 題 的 時 態 特 定 性 (specificit y)以 及 經 驗 者 (Experiencer)的 特 定 性 , 比 較 「 NO」 二 重 構 文 和 「 KOTO」 二 重 構 文的差異。 本文共分為三部分。第一部分為緒論,簡述以往針對補文標 識研究. 政 治 大 章 。 第 一 章 旨 在 定 義 補立 文 標 識 「 NO」 和 「 KOTO」 的 特 徵 , 並 且 針 對 之不足,以及本論文的研究方法。第二部分為本論文正論部分,共五. ‧ 國. 學. 本論文之觀點「特定性」作文獻探討以及提出尚未解決的問題。在第 二章裡頭,以第一組動詞謂語群為研究對象,從其補文句命題的「時. ‧. 態 的 特 定 性 」進 行 探 討 。 研 究 發 現 ,「 NO」的 場 合 , 補 文 句 的 時 態 特 定 性 較 高 , 「 KOTO」 的 場 合 則 較 低 。 在 第 三 章 裡 頭 , 以 第 二 組 動 詞. y. Nat. sit. 謂語群為研究對象,此群組其補文句皆是「在未來所發生的事態」,. n. al. er. io. 為第二章的延伸論述。在第四章裡,針對表示情意的形容詞與動詞謂. i Un. v. 語 群,其「 NO」和「 KOTO」的 區 別 使 用 進 行 探 討。研 究 發 現,「 NO」. Ch. engchi. 的 場 合 , 主 要 句 的 經 驗 者 之 特 定 性 較 高 , 「 KOTO」 的 場 合 則 較 低 。 第五章的研究對象為形容詞謂語群。此章是利用第二到四章所導出的 規 則 , 探 討 「 NO」 和 「 KOTO」 的 區 別 使 用 。 第 三 部 分 則 為 結 論 。 在 過 去 的 研 究 裡 頭 , 僅 以「 具 體 」「 現 實 感 」來 定 位 「 NO」補 文 句 的 使 用 。 「 KOTO」 補 文 句 的 使 用 則 是 以 「 抽 象 」 「 概 念 」 來 解 釋 。 本論文則更進一步探討補文句與主要句之中,其時態的特定性以及經 驗 者 的 特 定 性 , 以 此 導 出 「 NO」 二 重 構 文 的「 一 次 性 」「 個 別 性 」以 及 「 KOTO」 二 重 構 文 的 「 超 時 性 」 「 普 遍 性 」 的 本 質 。. 關鍵字:特定性、時態的特定性、經驗者的特定性、二重構文 、一次 性、個別性、超時性、普遍性.
(3) 補文標識ノ・コトの使い分け ―事象の特定性制約から― 要旨 本論の目的は、日本語の補文標識「ノ」「コト」の使い分けを研 究することである。本稿では、補文事象のアスペクト、主文事象の 項構造、語彙概念構造という方法で、補文事象の時間的特定性と主 文事象の経験者項の特定性を検討し、ノ補文節とコト補文節を使用 する二重構文の本質を明らかにする。 本稿は三つの部分で構成される。第一部分は序論で、先行研究で 不足と本稿の研究方法を述べる。第二部分は五章で構成される。第. 政 治 大 先 行 研 究 を 検 討 し 、 問立 題点を提出する。第二章と第三章では、動詞 一章では、補文標識ノ・コトの特徴を定義し、特定性制約に関わる. ‧ 國. 學. 述語群を対象とし、事象アスペクトから補文事象の時間的特定性を 分析する。考察の結果から、ノ補文節の場合は補文事象の時間的特. ‧. 定性が高く、コトの場合はより低いということが分かった。第四章 は感情を表す述語群を対象とし、項構造と語彙概念構造から主文事. y. Nat. sit. 象の経験者項の特定性を分析する。考察の結果から、ノ補文節の場. n. al. er. io. 合は補文事象の経験者項の特定性が高く、コトはその特定性がより. i Un. v. 低いということが分かった。第五章は形容詞述語群を対象とし、第. Ch. engchi. 二章から第四章までの考察の結果を利用し、その補文標識ノ・コト の使い分けを検討する。第三部分は結論である。 従 来 の 研 究 で は 、ノ 補 文 節 の 場 合 は「 具 体 的 /実 在 的 」、コ ト 補 文 節 の 場 合 は「 抽 象 的 /概 念 的 」と い う 特 徴 を 有 す る の よ う な 説 明 に 止 まり、補文事象と主文事象の意味特徴と統語構造からの検討を欠け ていると思われる。本稿では、特定性制約を利用し、ノ補文節の場 合 は 「 一 回 性 /個 別 性 」 、 コ ト 補 文 節 の 場 合 は 「 超 時 性 /普 遍 性 」 と いう特徴を有するということを明らかにした。. キ ー ワ ー ド:特 定 性 、時 間 的 特 定 性 、経 験 者 項 の 特 定 性 、二 重 構 文 、 一回性、個別性、超時性、普遍性.
(4) 目次 序 論 ......................................... ...........................................1 1 研 究 動 機 と 目 的 ....................................................... .1 2 研 究 方 法 ............................................................... ....4 第 一 章 ノ・コ ト の 種 類 と 先 行 研 究 の 問 題 点 ........................5 1 ノ・コ ト の 種 類 と 本 研 究 の 研 究 対 象 .........................5 1.1 代 名 詞 の ノ と「 内 の 関 係 」を 持 つ コ ト ....................5 1.2 主 文 節 が 従 属 節 の 連 用 修 飾 成 分 に な り う る 場 合 ...5 1.3 補 文 標 識 ノ・コ ト ............................. ......................8. 政 治 大 1.3.2 「 補 文 節 」 と「 主 要 部 内 在 型 関 係 節 」....................12 立 1.3.1 補 文 標 識 ノ・コ ト の 意 味 的 な 特 徴 に つ い て .........8. ‧ 國. 學. 1.3.3 本 稿 の 研 究 対 象「 補 文 節 」の 特 徴 の ま と め ……18 2 先 行 研 究 と 問 題 点 ......................……….................. 19. ‧. 2.1 [ 特 定 性 ](specificity)に つ い て ..............................19 2.2 [ 特 定 性 ]の 概 念 に 関 わ る 先 行 研 究 .......................21. y. Nat. sit. 2.2.1 中 右 (1983)・ 橋 本 (1991、 1994、 2001) ............. 21. er. io. 2.2.2 鎌 田 (2004) ........................................................22. n. v け ...................24 第 二 章 動 詞 述 語 文a(1)の l 補 文 標 識 の 使 いi分 C. n. h」 i U en 1 「一回限りの事象 かg 「c数 生起した事象の総括/ h回. 普 遍 的 な 出 来 事 」か .................................................24 2 「動作」 「命令」 「禁止」 「許可」 「 阻 止・停 止 」 「記憶」 「 消 滅 」を 表 す 動 詞 群 か ら の 検 証 ...........................26 2.1 ノ を 取 る 場 合 が 多 い 述 語: 「 動 作 動 詞 」.................26 2.2 コ ト を 取 る 場 合 が 多 い 述 語 群 :「 命 令 」「 禁 止 」「 許 可 」な ど の 動 詞 群 ....................................................27 2.3 ノ ・ コ ト の い ず れ も 取 る 述 語 群 :「 記 憶 」「 阻 止 ・ 停止」 「 消 滅 」な ど の 動 詞 群 ......................................28 2.3.1 一 時 レ ベ ル の 「 一 回 限 り の 補 文 事 象 」 を 表 す 場 合 ...........................................................................28.
(5) 2.3.2 超 時 レ ベ ル の「 反 復・習 慣 を 表 す 補 文 事 象 」を 表 す 場 合 ....................................................................29 2.3.3 超 時 レ ベ ル の「 普 遍 的 な 補 文 事 象 」を 表 す 場 合 ..31 3 本 章 の ま と め ..........................................................32 第 三 章 動 詞 述 語 文 (2)の 補 文 標 識 の 使 い け .......................34 1 ノ を 取 る 場 合 が 多 い「 待 つ 」 「防ぐ」 「 待 機 す る 」.......34 2 コ ト を 取 る 場 合 が 多 い 述 語 群 .................................37 3 本 章 の ま と め .......................................................... 39 第 四 章 感 情 を 表 す 述 語 群 の 補 文 標 識 の 選 択 ....................40 1 感 情 形 容 詞 の 補 文 標 識 の 使 い 分 け と 特 定 性 制 約 ....40. 政 治 大 ノ ・ コ ト 両立 用 文 の 感 情 形 容 詞 ..............................42. 1.1 ノ を 取 る 場 合 が 多 い 感 情 形 容 詞 ..........................41 1.2. ‧ 國. 學. 1.3 感 情 形 容 詞 の 補 文 標 識 の 選 択 の 中 間 事 例 ............45 1.4 感 情 形 容 詞 と 語 彙 概 念 構 造 .................................46. ‧. 1.5 感 情 形 容 詞 と 補 文 標 識 の 選 択 の ま と め ...............47 2 感 情 動 詞 の 補 文 標 識 の 使 い 分 け と 特 定 性 制 約 …....48. y. Nat. sit. 3 本 章 の ま と め ....................................... ...................49. er. io. 第 五 章 形 容 詞 述 語 群 の 補 文 標 識 の 選 択 ...........................51. n. a lの 補 文 標 識 の 選 択 のi v分 布 ..................51 1 形容詞述語群 C. n. U .............................52 i 点 e本 2 先 行 研 究 の 問 題 点hと n g章cのh視 2.1 先 行 研 究 の 問 題 点 ................................................ 52 2.1.1 大 島 (2010) ........................................................52 2.1.2 渡 辺 (2008) ........................................................ 53 2.2 本 章 の 視 点 ....................................... ...................53 3 形 容 詞 述 語 群 と ノ・コ ト の 選 択 ...............................54 3.1 補 文 事 象 に「 価 値 判 定 を 下 す 」形 容 詞 述 語 群 ........54 3.2 「 必 要 性・重 要 性 」を 表 す 形 容 詞 述 語 群 .................55 3.3 補 文 事 象 が 「 頻 度 」 を 表 す 形 容 詞 述 語 群 ............55 3.4 「 可 能 性 」を 表 す 形 容 詞 述 語 文 ...........................56 3.5 「 難 易 」を 表 す 形 容 詞 述 語 文 ...............................59.
(6) 3.6 「 補 文 事 象 の 信 憑 性 」を 表 す 形 容 詞 述 語 文 .........61 3.7 本 章 の ま と め .......................................................62 結 論 ...................................................................................64 1 ノ・コ ト の 選 択 と 特 定 性 制 約 ..................................64 1.1 動 詞 述 語 群 (1)と ノ ・ コ ト の 選 択 ..........................64 1.2 動 詞 述 語 群 (2)と ノ ・ コ ト の 選 択 ..........................65 1.3 形 容 詞 述 語 群 (1)と 感 情 動 詞 述 語 の ノ ・ コ ト の 選 択 ........................................................................... 66 1.4 形 容 詞 述 語 群 (2)と ノ・コ ト の 選 択 ........................69 2 ノ・コ ト の 性 質 .......................................................69. 政 治 大. 3 今 後 の 課 題 .............................................. ...............71. 立. ‧ 國. 學. 参 考 文 献 ...........................................................................79. ‧. 表 一 ........................................................... ........................11 表 二 ........................................................... ........................4 7. y. Nat. sit. 表 三 ........................................................... ........................7 0. n. al. er. io. 附 表 ........................................................... ........................72. Ch. engchi. i Un. v.
(7) 序論 1 研 究 動 機 と目 的 「ノ」 「 コ ト 」を 従 属 節 の 後 ろ に 付 加 し て 、体 言 化 さ れ た そ の 従 属 節 は「 名 詞 節 」、 「 埋 め 込 み 節 」、 「 補 文 節 」、 「 補 足 節 」、な ど 、さ ま ざ ま な 名 称 で 呼 ば れ て い る 。本 稿 で は 、こ れ を 一 括 し て 、 「 補 文 節 」と して取り扱いたいと思う。 (1) 私 は 女 の 子 が 通 り を 横 切 る { の / * こ と } を 見 ま し た 。 (工 藤 1985) 政 治 大 (2)「 太 郎 、 親 友 を 裏 切 る { こ と / の } だ け は や め ろ よ 。」 立 (橋 本 1991). ‧ 國. 學. (3) 先 生 は 生 徒 に 明 日 ま で に 宿 題 を や る{ こ と / * の }を 命 じ. ‧. た。. (渡 辺 2008). sit. y. Nat. (1)~(3)の よ う に 、 修 飾 節 (下 線 部 ) と 被 修 飾 語 「 ノ / コ ト 」 か ら な. io. er. る連体修飾節は全体として名詞の性格を有する「補文節」と見なさ れ る 。本 稿 で は 、(1)~(3)の 下 線 部 を「 補 文 事 象 」と 、 「 ノ / コ ト 」を. n. al. Ch. i Un. v. 「 補 文 標 識 」 と 、 補 文 命 題 を 囲 む 命 題 (波 線 部 )を 「 主 文 事 象 」 と 称. engchi. す る 。そ し て 、「 補 文 事 象 」と「 主 文 事 象 」を 合 わ せ て 、全 体 を「 二 重 事 象 構 文 」 と 呼 ぶ ( 以 降 、「 二 重 構 文 」 と 略 称 す る )。 本 研 究 で は 、ま ず 、補 文 標 識 ノ・コ ト を 取 る 述 語 群 を 大 ま か に「 動 詞述語群」および「形容詞述語群」に分ける。 また、本研究は補文標識ノ・コトの許容度を表示するため、次の 記号を使用する。 「 * 」と い う 記 号 は 当 該 の 補 文 が 当 該 の 補 文 標 識 を 使 う こ と が で き な い こ と を 表 す 。ま た{ の > こ と }は ノ 優 先 、 {の< こと}はコト優先ということを表す。. 1.
(8) (Ⅰ) 動 詞 述 語 群 (4) 花 子 は 、太 郎 が 花 子 の 手 紙 を 読 ん で い る{ の / * こ と }を 見つけた。. (作 例 ). (5) い ま か ら 300 年 ほ ど 前 , 京 都 の 人 が , 偶 然 , と こ ろ て ん が凍ると白くなる{*の/こと}を見つけた。 ( 米 山 正 信「 新 潮 文 庫 の 100 冊 」1 ). 知 覚 動 詞 「 見 つ け る 」 は 、 ノ し か 取 ら な い と 言 わ れ る (工 藤 1985) が 、(5)の よ う に 、コ ト を 取 る 例 も 実 在 す る 。ま た 、次 の よ う な 例 も ある。 (6). 政 治 大 白い制服を着た店員は、大きなかまどに火のついた薪を 立. 入れ、その薪が白い熾火になる{の/*こと}をしばらく. ‧ 國. 學. 待った。. (『 悪 魔 の パ ス 天 使 の ゴ ー ル 』 ). ‧. (7) 商 品 を 店 頭 に 並 べ て 売 れ る { こ と / の } を 待 っ て い る だ けでは、売れないし、企業の成長を維持することはできま. Nat. sit. y. せん。たとえ、売れたとしても偶然が何年も続く程市場は. n. al. (『 常 勝 企 業 の 経 営 戦 略 』). er. io. 甘くありません。. Ch. i Un. v. (6)と (7)は 補 文 事 象 が ど ち ら も「 未 来 に あ る 補 文 事 象 の 実 現 が 望 ま. engchi. し い 」こ と を 表 す 。従 来 の 研 究 で は 、 「 待 つ / 防 ぐ 」は ノ し か 取 ら な い タ イ プ と し て 扱 わ れ て い る (渡 辺 2008、大 島 2010 な ど )が 、コ ト を 取 る 例 も あ る 。で は 、ど の よ う な 基 準 で 、ノ と コ ト が 選 ば れ る の か 。 (8) 太 郎 は 母 が 皿 を 洗 う{ の / * こ と }を 手 伝 っ た 。(工 藤 1985) (9) 逆 に 、 も し 隣 に ラ イ バ ル が 出 店 す る { の < こ と } を 邪 魔 し、自分の店だけで市場を独占しようとすれば、サービス も品質もよくならず、お客様もこず、結局失敗してしまう のです。 1. (『 人 は 何 の た め に 生 き る の か 』 ). こ の 例 の 出 典 は 「 新 潮 文 庫 の 100 冊 」 と い う コ ー パ ス で 「 著 作 名 」 が 見 当 た らず、したがって、人名しか記載されていない。 2.
(9) 「手伝う」と「邪魔する」は、従来の研究で、ノを取るのが殆どで あ る と 思 わ れ る (工 藤 1985、佐 治 1993 な ど )が 、コ ト を 取 る 条 件 は 何 だろうか。 (Ⅱ ) 形 容 詞 述 語 群 (10) こ ん な 冷 た い 親 た ち を 持 つ 上 流 の 子 弟 が 不 良 化 す る{ の / * こ と }は 無 理 も な い 。. (『 東 京 人 の 堕 落 時 代 』). (11) 大 き な こ と に 目 を く ば る だ け で は な く 、小 さ な こ と に ま で気をつかって大切に積み重ねていく{こと/*の}が必 要だ。. 立. 政 治 大(『 歴 史 を 動 か し た 名 言 』). (10)と (11)の よ う な ノ・コ ト の 選 択 の 条 件 と 制 約 は 動 詞 述 語 文 と 異. ‧ 國. 學. なり、非常に複雑であると思われる。このような形容詞述語文の補 文標識の場合は、補文標識の選択の検討があまり見られず、さらに. ‧. 一般的な原理が求められる。. y. Nat. io. sit. (12) た と え ば 、結 婚 す る と 、彼 は 彼 女 に「 愛 し て る よ 」と は. n. al. er. めったにいわなくなる。自分の人間としての資質や品性に. i Un. v. 比べ、 「 愛 」と い う 言 葉 の も つ エ ネ ル ギ ー が あ ま り に も 高 す. Ch. engchi. ぎるので、それを口に出す{こと/の}が恥ずかしく、は ばかられるのである。. (『 「あ り が と う 」戦 略 』). (13) お 年 寄 り や ひ と り 暮 ら し の 人 が 飼 う{ の / こ と }は 難 し く、大人の夫婦の家庭がいいでしょう。子どもにも頼もし い友達になります。. (『 間 違 い だ ら け の 室 内 犬 選 び・育 て 方 』). (12)と (13)の よ う に 、ノ も コ ト も 取 る 場 合 が あ る 。そ れ ぞ れ の 意 味 の差異は判別しにくい。ノを取る場合とコトを取る場合と、その意 味のメカニズムの差異はあるのだろうか。 従来の研究では、認知的・語用論的な視点でノ・コトの選択を決 定することが多かったようである。本稿は「補文事象」と「主文事 3.
(10) 象」における統語的・意味的な特徴に着目し、このようなノ・コト の使い分けに通底する一般的な原理を明らかにすることを試みる。. 2. 研究方法 「 現 代 日 本 語 書 き 言 葉 均 衡 コ ー パ ス 」、「 新 潮 文 庫 の 100 冊 」 か ら. 補 文 標 識 ノ・コ ト の 使 用 例 を 収 集 す る 。 「 ノ 」と「 コ ト 」の 例 文 を 収 集して整理した結果、次のような分類が観察される。 (ⅰ ). 動 詞 述 語 群 (1)の 補 文 標 識 の 使 い 分 け : 「 知 覚 動 詞 」「 動 作 動 詞 」「 阻 止 ・ 停 止 動 詞 」. 政 治 大 動 詞 述 語 群 (2) の 補 文 標 識 の 使 い 分 け : 立. 「 命 令 ・ 許 容 ・ 禁 止 動 詞 」「 忘 却 ・ 消 滅 動 詞 」 (ⅱ ). 「 待 つ / 防 ぐ 」「 願 う / 望 む / 祈 る / 期 待 す る 」. ‧ 國. 學. (ⅲ ). 感情を表す述語群の補文標識の使い分け:. (ⅳ ). ‧. 「 感 情 形 容 詞 」「 感 情 動 詞 」. 形容詞述語群の補文標識の使い分け:. Nat. er. io. sit. y. 「価値判定」 「 必 要 性・重 要 性 」 「頻度」 「難易」 「信憑度」 本稿におけるノ・コトの使用の判定基準は、まずコーパスで実際. n. al. Ch. i Un. v. の使用例を見出した。続いては、日本語の母語話者から次のような 判断をしてもらった。. engchi. (ⅰ ) ま ず は 、 原 文 の 補 文 標 識 の 使 用 は 誤 用 で あ る か (ⅱ ) 次 は 、原 文 が 誤 用 で な い 場 合 、も う 一 つ の 補 文 標 識 の 使 用は可能であるか(例えば、当該の原文はノを取るが、同 様な例で、コトの使用が許されるかどうか) (ⅲ ) 最 後 は 、ノ ・ コ ト の ど ち ら も 許 さ れ る 場 合 、ど ち ら の 適 格性がより高いか。 な お 、本 稿 は 、補 文 事 象 の 事 象 ア ス ペ ク ト の 視 点 (第 二 、三 章 の 視 点 )と 主 文 事 象 の 統 語 的・意 味 的 な 特 徴 を 述 語 の 項 構 造 、感 情 形 容 詞 の 二 面 性 (第 四 章 の 視 点 )な ど の 方 法 で 検 証 し 、最 後 、第 二 ~ 四 章 の 4.
(11) 考察結果を利用し、第五章の形容詞述語群の補文標識ノ・コトの選 択の意味規則を明らかにすることを試みる。. 立. 政 治 大. ‧. ‧ 國. 學. n. er. io. sit. y. Nat. al. Ch. engchi. 5. i Un. v.
(12) 第一 章. ノ ・コ ト の種 類と 先行 研 究の 問 題点. 1 ノ・コトの種 類 と本 研 究 の研 究 対 象 1.1. 代 名 詞 の ノ と 「 内 の 関 係 」 2を 持 つ コ ト (1) (ズ ボ ン 売 り 場 で )す そ が 広 が っ た の を 取 っ て く だ さ い 。 (2) 彼 女 が 執 筆 し た の を 読 ん で い る 。. (作例). (1)と (2)の 形 式 名 詞 ノ は そ れ ぞ れ 実 質 的 な 意 味 が あ る 名 詞 「 (1)ズ ボ ン 」、「 (2)小 説 ・ 教 科 書 な ど の 書 類 」に 入 れ 替 え ら れ る た め 、代 名 詞のノだと思われる。. 立. 政 治 大. ‧ 國. 學. (3) 君 の 言 う こ と は 分 か る け ど …。. (作例). (4) つ ま り 公 家 層 は 義 満 が や ろ う と し た こ と を 、 き っ ち り 見 (『 天 皇 家 は な ぜ 続 い た か 』). ‧. ていたということですか。. sit. y. Nat. (3)と (4)は「 修 飾 部 」と「 被 修 飾 部 の コ ト 」と の 間 に 何 ら か の 格 関. al. er. io. 係 が あ り 、 寺 村 (1993)に よ る と 、 こ の よ う な 連 体 修 飾 節 は 「 内 の 関. n. 係」を持つと思われる。本稿はこのカテゴリーのノ・コトを研究対 象から排除する。 1.2. Ch. engchi. i Un. v. 主文節が従属節の連用修飾成分になりうる場合. このカテゴリーのノ名詞節は補文節かどうかという問題がよく議 論される。. 2. 「外の関係」と「内の関係」の判別の基準は各々学説によって異なっている と 見 ら れ る 。例 え ば 、 「 子 供 が 親 を 殺 す 事 件 」は 明 ら か に「 外 の 関 係 」で あ る が 、 「タバコを買ったお釣り」のような文に対する見解は一致していない。それは 「 お 釣 り 」と「 タ バ コ を 買 っ た 」と の 間 に 格 関 係 を 持 た な い が 、 「 因 果 関 係 」を 持つと思われる。このような連体修飾文は「外の関係」か「内の関係」かよく 議 論 さ れ る 。 本 稿 は 寺 村 (1993)の 「「 修 飾 節 」 と 「 底 ( 被 修 飾 節 )」 と の 間 に 何 ら か の 格 関 係 が あ る 場 合 は 、内 の 関 係 が あ り 、何 ら か の 格 関 係 を 持 た な い 場 合 、 外の関係がある」という学説に従って、連体修飾節の「内・外の関係」を判断 する。 6.
(13) (5) 彼 女 の ギ タ ー を 聴 く { の / *こ と } は 久 し ぶ り だ っ た が 、 それは前と同じように僕の心をあたためてくれた。 (『 ノ ル ウ ェ イ の 森 』). (6) 院 号 は 、 天 皇 が 譲 位 し た 彼 の 御 所 を 院 と 呼 ぶ こ と か ら 始 ま っ て 、嵯 峨 天 皇 を「 嵯 峨 院 」と 称 し た{ の / *こ と }が 初 めである。. (『 戒 名 で 読 む 歴 史 』). (7) 慣 れ な い 仕 事 な の だ か ら 、 う ま く い か な い { の / * こ と } は当然だ。 (8) 年 度 の 初 め は 先 輩 社 員 が 新 人 を 連 れ て 挨 拶 に 回 る{ の / ? こと}は普通だ。. 立. 政 治 大. (大 島 2010). (9) 走 り 馬 が 出 て か ら 兵 が 古 府 中 に 集 っ て 来 る の は 、 三 日 も. ‧ 國. 學. 四日もかかる。信濃の奥地からだと更に日数がかかる。だ か ら 、 進 撃 す べ き 場 所 が 示 さ れ ( 又 は 集 合 場 所 が 示 さ れ )、. ‧. 直 接 そ の 方 向 へ 兵 を 進 め る{ の / * こ と }が 常 識 で あ っ た 。. sit. y. Nat. (『 武 田 勝 頼 』). io. n. al. er. (10) 人 間 が 二 本 足 の 動 物 で あ る{ の / *こ と }は な ぜ で す か 。. Ch. engchi U. v ni. (坪 本 1984). ま ず 、ノ し か 取 ら な い (5)~(10)の 主 節 の 述 語 は 問 題 な く 従 属 節 の 連 用修飾成分になりうると思われる。 (5’) 久 し ぶ り に 彼 女 の ギ タ ー を 聴 い た が 、...。 (6’) ... 初 め に 嵯 峨 天 皇 を 「 嵯 峨 院 」 と 称 し た 。 (7’) 慣 れ な い 仕 事 な の だ か ら 、 当 然 う ま く い か な い 。 (8’) 年 度 の 初 め は 普 通 先 輩 社 員 が 新 人 を 連 れ て 挨 拶 に 回 る 。 (9’) 常 識 で は 、 直 接 そ の 方 向 へ 兵 を 進 め る 。 (10’). なぜ、人間は二本足の動物なのですか。. 7.
(14) これらのノしか取らない例は、分裂文の特徴を有すると考えられ る。例えば、 (11) ゆ う べ 、村 を 襲 っ た の は あ の 森 の 熊 だ 。. (作 例 ). (12) 毎 日 何 も 考 え ず 遊 び ま わ っ て た の は あ の 頃 だ 。 (honwaka2ch.blog90.fc2.com ) どちらも、主節の述語は、従属節内部の成分になりうる。 (11’) ゆ う べ 、 あ の 森 の 熊 が 村 を 襲 っ た 。 (12’) あ の 頃 、 毎 日 何 も 考 え ず 遊 び ま わ っ て た 。. 政 治 大. ノ・コトの研究の一部の学説で、分裂文も検討範囲に入れている. 立. こ と が 見 ら れ る が 3 、本 稿 は ノ・コ ト 補 文 節 の 使 い 分 け の 意 味 分 析 に. ‧ 國. 學. 着目するため、文型で必ずノ名詞節を取る分裂文の特徴を有する形 式名詞ノを研究対象から排除する。. ‧. 補文標識ノ・コト. sit. y. Nat. 補文標識ノ・コトの意味的な特徴について. io. 1.3.1. n. al. er. 1.3. i Un. v. (13) 私 は 花 子 が ピ ア ノ を 弾 く の を 聞 い た 。. Ch. engchi. (作 例 ). (14) 先 生 は 学 生 た ち に 、明 日 一 つ の ビ ニ ー ル 袋 を 学 校 に 持 っ てくることを命じた。. (作 例 ). ま ず 、 補 文 節 の ノ ・ コ ト は 、 (13)と (14)の よ う に 、「 被 修 飾 部 ノ ・ コ ト 」 は 、 波 線 部 の 文 (修 飾 部 )と 格 関 係 を 成 し て い な い 。 ゆ え に 、 これは「外の関係」のノ・コトだと思われる。基本的に、補文標識. 3. ここで、分裂文のノと二重構文のノを同様に扱うべきかどうかという議論が 出 て く る 。 大 島 (2010) で は 、 次 の よ う に 指 摘 し て い る 。 分 裂 文 (「 S の は A だ 」 )は 大 ま か に 言 っ て 「 S の 表 す 事 象 と 関 連 す る 要 素 は A だ 」と 解 釈 さ れ る 。こ の 構 文 も「 S の 」に よ っ て あ る 事 象 を 取 り 上 げ 、そ の事象と何らかの要素とを意味的に関連付けており、ノ型補文の一種とし て捉えるのが妥当だろう。 (大 島:p27 1) 8.
(15) ノ・コトは必ず補文事象と「外の関係」となると観察される。 な お 、 坪 本 (2001)は 、 補 文 の 「 ノ 節 」 は 二 通 り の 解 釈 が 可 能 で あ る と 指 摘 し て い る (p45)。 (15) a. 太 郎 は [ リ ン ゴ が 皿 の 上 に あ る ] の を 見 た 。 b. 太 郎 は[ 皿 の 上 に あ る ]リ ン ゴ を 見 た 。. (坪 本 2001). (16) a. [ 頭 の 上 に 赤 っ 茶 け た 電 球 が ひ と つ と も っ て い る ]の が、目にまぶしい。 b. [ 頭 の 上 に ひ と つ と も っ て い る ] 赤 っ 茶 け た 電 球 が 、 目にまぶしい。. (坪 本 2001). 政 治 大. (15a)と (16a)は「 ノ 節 」が < 事 態 指 向 > の 解 釈 と し て 眼 の 前 に 現 れ. 立. る 情 景 を 表 し て い る が 、ま た (15b)と (16b)の よ う に 、事 態 を 構 成 す る. ‧ 國. 學. 中心的な参与者としての具体物の「リンゴ」と「電球」に焦点が当 てられるという<個体指向>の解釈をすると坪本は 説明している。. ‧. ただし、すべての「ノ節」にこの二通りの解釈が存在するわけで. y. Nat. はなく、主文述語の意味特徴によって、一つの解釈しか出てこない. er. io. sit. 場合もある。例えば、. al. iv n C K く ん と ア ド ナh リe ーさんの様 n g c h i 子Uを 見 る と 、何 か あ っ た ら n. (17) 飛 行 機 が 空 に 飛 ん で い く { の / * こ と } を 見 た 。 (18). し い 。−−話 を き く と 、 ず っ と む こ う で 、 女 学 生 の 一 団 が 炎 天下で西瓜の収穫をやっている{の/*こと}を撮ろうと す る と 、… 。. (『 ボ ル ガ 大 紀 行 』). (19) コ ー ト が 乾 く{ の / * こ と }を 待 つ 。. (野 田 1995). (17)の 「 見 る 」 の 「 ノ 節 」 は < 事 態 指 向 > の 「 情 景 」、 < 個 体 指 向 > の「 飛 行 機 」と い う 二 通 り の 解 釈 が 可 能 で あ る が 、(18)と (19)の「 ノ 節」は<事態指向>としか解釈できない。ここで「という事態」の でその補文節の事態性を検証してみよう。 (15’) 太 郎 は リ ン ゴ が 皿 の 上 に あ る と い う 事 態 を 見 た 。 9.
(16) (16’) 頭 の 上 に ひ と つ と も っ て い る と い う 事 態 が 、 目 に ま ぶしい。 (17’) 飛 行 機 が 空 に 飛 ん で い く と い う 事 態 を 見 た 。 (18’) K く ん と ア ド ナ リ ー さ ん の 様 子 を 見 る と 、 何 か あ っ た ら し い 。 −−話 を き く と 、ず っ と む こ う で 、 女 学 生 の 一 団 が 炎天下で西瓜の収穫をやっているという事態を撮ろうと す る と 、 …。 (19’) コ ー ト が 乾 く と い う 事 態 を 待 つ 。 「という事態」などの「という」の挿入ができることで、これら. 治 政 るため、 「 と い う 」の 挿 入 が で き な い が 、抽大 象 名 詞「 音 声 」に 入 れ 替 立 え ら れ る 。同 様 に 、事 態 性 が 高 い と 思 わ れ る 。他 方 、 「 コ ト 節 」の ほ の 名 詞 節 の 事 態 性 が 高 い こ と が 示 さ れ る 。 な お 、 (18)は 、 聴 覚 で あ. ‧ 國. 學. う は ど う だ ろ う 。ま ず 、ノ・コ ト ど ち も 使 用 で き る 例 を 見 て み よ う 。 政 府 は 病 気 が 広 が る{ の / こ と }を 止 め ら れ な か っ た 。. ‧. (20). y. Nat. (坪 本 2001). n. al. er. io. sit. (20’) 政 府 は 病 気 が 広 が る と い う 事 態 を 止 め ら れ な か っ た 。. v. 「の節」も「コト節」も<事態指向>の「事態性」があるという解. Ch 釈しかできないと思われる。. engchi. i Un. ま た 、吉 田 (2011)は 、「 補 文 標 識 の ノ に お い て も 、ノ が「 状 況 丸 ご と 保 存 性 」の 性 質 を 有 す る の に 対 し 、コ ト 補 文 は「 状 況 総 括 保 存 性 」 を 有 す る 。 」 と 説 明 し て い る (p14,p15)。 例 え ば 、 (21) a 太 郎 は 、 花 子 が ピ ア ノ を 弾 く の を 聞 い た 。 b 太郎は、花子がピアノを弾くことを聞いた。 (吉 田 2011:p12). 10.
(17) (21)a で は 、 「 花 子 が ピ ア ノ を 弾 く 」 の 光 景 お よ び ピ ア ノ の 音 声 4 と い う 具 体 的 な 状 況 が 目 に 浮 か ぶ 。し か し 、(21)bで は そ の よ う な 実 在性は一切捨象され、「太郎は花子がピアノを弾くというニュース を聞いた」という読みにしかならない。これは、補文標識ノ・コト が ど ち ら も 事 態 性 を 有 す る と い う こ と を 示 し て い る 。他 の「 コ ト 節 」 も「 と い う 事 態 」の 挿 入 が で き 、同 様 に < 事 態 指 向 > を 表 し て い る 。 (22) 先 生 は 生 徒 に 明 日 ま で に 宿 題 を や る { こ と / * の } を 命 じた。 (23) 明 治 新 政 府 は 町 人 百 姓 が 苗 字 を 名 乗 る { こ と / ?の } を. 治 政 か っ た と い う か ら 笑 っ て し ま う 。大 『 ( 農 の 時 代 が や っ て き た 』) 立 (24) 太 郎 は 、 花 子 の 病 気 が 早 く 良 く な る { こ と / ??の } を 許可した「平民苗字許容令」を出したが、誰も名乗らな. ‧ 國. 學. 願っている。. Ch. engchi. i Un. (18)の 「 撮 る 」 (19)の 「 待 つ 」. <個体指向>. sit. n. al. (16)の 「 目 に 眩 し い 」 (17)の 「 見 る 」. <事態指向>. er. io. (15)の 「 見 る 」. 外の関係. y. Nat. ノ節文. ‧. (表 一 ). (渡 辺 2008). v. ○ ○ ○ X. ○. ○. X. ノ・コト節両用文 (20)の 「 止 め る 」. X. (21)の 「 聞 く 」. X. 4. この例は[太郎は[花子が弾くピアノの音/花子が弾くピアノ]を聞いた] と い う「 個 体 指 向 」の 形 式 に 転 じ ら れ る が 、こ の 場 合 の「 ピ ア ノ の 音 / ピ ア ノ 」 は比喩の一種である隣接性に基づいた「メトニミー」だと思われる。つまり、 「ピアノの音/ピアノ」は具体物の「個体指向」の転換として扱われない。 11.
(18) コト節文 (22)の 「 命 じ る 」. X. (23)の 「 許 可 す る 」. X. (24)の 「 願 う 」. X. このように、補文標識ノ・コトから構成した名詞節は「修飾部と 被修飾部との間に外の関係がある」および「ノ・コト名詞節には< 事態性>を持つ」という二つの特徴を有すると思われる。. 政 治 大. <事態性>を有するかどうか. 立. (25) 太 郎 は [ リ ン ゴ が 皿 の 上 に あ る の ] を 取 っ て 食 べ た 。. 學. (坪 本 2001:pp46). (26)[ 先 生 が 部 屋 か ら 出 て い ら っ し ゃ っ た の ] を 玄 関 ま で ご. ‧. 案内した。. (大 島 2010 :pp270). sit. y. Nat. (27)[ 冷 蔵 庫 の 中 に ビ ー ル が 1 缶 残 っ て い た の ] を 取 り 出 し て 、一 息 に 飲 み 干 し た 。. (吉 田 2011). io. er. 1.3.2.1. 「補文節」と「主要部内在型関係節」. ‧ 國. 1.3.2. (28)[ 泥 棒 が 銀 行 か ら 出 て き た の ]が 待 ち 伏 せ し て い た 警 察. n. al. に捕まった。. Ch. engchi. i Un. v. (29) 京 子 が [ ハ エ が 飛 ん で き た の ] を た た き 落 と し た 。 (30) ト ラ ッ ク が[ 自 転 車 が 角 か ら 出 て き た の ]に ぶ つ か っ た 。 (長 谷 川 2002). (31) [孝 文 が 部 屋 に 上 が ろ う と す る の ] を 直 貴 が 腕 で 止 め た 。 (『 手 紙 』). (32) [ 子 供 が あ と か ら つ い て こ よ う と す る の ]を 、彼 女 は 叱 った。. (レ ー・バ ン・ク ー 1988). (33) [ 人 な つ っ こ い シ ン ち ゃ ん が 近 寄 っ て き た の ]を 捕 ま え て 、目 出 し 帽 を 頭 か ら 被 せ た 。. 12. (『 ど ん ど ん 橋 、落 ち た 』).
(19) (25)~(33)は 補 文 節 で あ る か 否 か と い う 問 題 が よ く 議 論 さ れ る 。 ま ず、次のような転換ができる。 (25’) 太 郎 は 皿 の 上 に あ る リ ン ゴ を 取 っ て 食 べ た 。 (26’) 部 屋 か ら 出 て い ら っ し ゃ っ た 先 生 を 玄 関 ま で ご 案 内 し た。 (27’) 冷 蔵 庫 の 中 に 1 缶 残 っ て い た ビ ー ル を 取 り 出 し て 、 一 息に飲み干した。 (28’) 銀 行 か ら 出 て き た 泥 棒 が 待 ち 伏 せ し て い た 警 察 に 捕 まった。. 治 政 大車 に ぶ つ か っ た 。 トラックが角から出てきた自転 立 部屋に上がろうとする孝文を直貴が腕で止めた。. (29’) 京 子 が 飛 ん で き た ハ エ を た た き 落 と し た 。 (30’). 學. ‧ 國. (31’). (32’) あ と か ら つ い て こ よ う と す る 子 供 を 、 彼 女 は 叱 っ た 。. ‧. (33’) 近 寄 っ て き た 人 な つ っ こ い シ ン ち ゃ ん を 捕 ま え て 、 目 出し帽を頭から被せた。. sit. y. Nat. io. er. (25)~(33)の ノ 節 は 、ノ 節 内 の 具 体 的 な 名 詞 の「 り ん ご 」 「先生」 「ビ ー ル 」「 泥 棒 」「 ハ エ 」「 自 転 車 」「 孝 文 」「 子 供 」「 新 ち ゃ ん 」 は 「 形. n. al. Ch. i Un. 式名詞ノ」に入れ替えられると観察される。. engchi. v. 坪 本 (2001)は 、 (25) 5 を 例 と し て 、「 (25)は 、 取 っ て 食 べ た の は 明 ら か に「 リ ン ゴ 」で あ り 、形 式 的 に は 、< コ ト 6 > の 形 式 を し て い な が ら、節のなかの要素である「リンゴ」が主節述語と意味的に対応し て い る の で < モ ノ > 焦 点 の 性 質 を 持 っ て い る と 言 え る 。 (25)の 「 の 節」の中の「リンゴ」のような名詞句を内在主要部ということがあ る 。 こ れ は 、 (25’)の 「 リ ン ゴ 」 を 外 在 主 要 部 と 呼 ぶ の と 対 照 的 で あ る 」と 説 明 し て い る 。ゆ え に 、(25)の よ う な ノ 節 を 従 来 、「 主 要 部 内 在 型 関 係 節 」( 以 下 : 内 在 関 係 節 ) と し て い る 。 こ れ に 対 し 、 (8’)の 5. 原 文 の 例 の 番 号 は (14b) で あ る 。 原 文 で は 、こ の < コ ト > は 補 文 標 識 の コ ト を 指 す の で は な く 、 「事態/出来事 /事象」を意味している。 13 6.
(20) 関 係 節 は「 主 要 部 外 在 型 関 係 節 」と 呼 ば れ る 。(坪 本 1991、三 原 1994、 黒 田 1999)。こ こ で 、問 題 に な る の は 、 「 主 要 部 内 在 型 関 係 節 」を「 補 文節」と視することが適当だろうかということである。 ま ず 、1.3.1 の「 と い う 事 態 」の 検 証 で 、ノ 補 文 節 は「 少 な く と も <事態指向>という解釈が可能である」という特徴が分かる。しか し 、 (25)~(33)の 「 ノ 節 」 は い ず れ も < 個 体 指 向 > と し か 解 釈 で き な い と い う 特 徴 が あ る 。 ゆ え に 、 こ の 点 で 、 ま ず 、「 内 在 関 係 節 の ノ 」 を「補文標識ノ」として視することができるかどうか、ということ に疑問を覚える。 な お 、(25)~(33)の よ う な「 内 在 関 係 節 」の 文 法 的 な 役 割 は 副 詞 節 ( 副. 政 治 大 く 議 論 さ れ る 。 本 稿 で立 は「ヲ格/ガ格/ニ格」の内在関係節を「必. 詞 句 )な の か 名 詞 節 (名 詞 句 )な の か 」(長 谷 川 2002:p2)と い う 問 題 も よ. ‧ 國. 學. 須成分」か「副次成分」かという格成分の基準で検討することを試 み る 。検 証 の 結 果 を 先 に 言 う と 、 「 内 在 関 係 節 」は「 副 次 成 分 」で あ. ‧. り、 「 必 須 成 分 」で あ る「 補 文 節 」の 文 法 的 な 役 割 と は 異 な る と い う こ と が わ か っ た 。 ま ず 、 (34)を 見 て み よ う 。. sit. y. Nat. al. er. io. (34) 暴 漢 は 、[ 久 美 子 さ ん が 逃 げ よ う と す る の ] を 、 鉄 パ イ. n. プのようなもので力任せに彼女を殴って死亡させたものら しい。. Ch. engchi. i Un. v. (三 原 1994 :p246). (34)の 「 内 在 関 係 節 」 の 後 ろ に 、 ヲ 格 成 分 の 「 彼 女 」 が 顕 現 す る ということは、 [ 久 美 子 さ ん が 逃 げ よ う と す る の を ]と い う ヲ 格 成 分 が 、必 須 成 分 で は な い こ と を 示 し て い る 。つ ま り 、こ の 例 の ヲ 格「 内 在関係節」は事象全体の前提を示す「状況成分」と視することがで き 、副 詞 性 が あ る と 言 え る 。実 に は 、 (25)~(33) 7 は「 そ れ 」を 文 中 に 挿入できる。. 7. (28) と (30) の 「 そ れ 」 の 挿 入 は 少 々 受 け 入 れ に く い と 思 わ れ る 。 そ れ は 格 助 詞 の文法的な役割は、 「 そ れ を 」の「 ヲ 格 の そ れ 」が 明 ら か に 内 在 関 係 節 の 主 語 を 指 示 す る の に 比 べ て 、「 そ れ が 」「 そ れ に 」 の ガ 格 と ニ 格 の 「 そ れ 」 は 、 指 示 対 象がより曖昧だと思われる。 14.
(21) (25) 太 郎 は[ リ ン ゴ が 皿 の 上 に あ る の ]を 、そ れ を 取 っ て 食 べた。 (26)[ 先 生 が 部 屋 か ら 出 て い ら っ し ゃ っ た の ] を 、 そ れ を 玄 関までご案内した。 (27)[ 冷 蔵 庫 の 中 に ビ ー ル が 1 缶 残 っ て い た の ] を 、 そ れ を 取り出して、一息に飲み干した。 (28)[ 泥 棒 が 銀 行 か ら 出 て き た の ] が 、 そ れ が 待 ち 伏 せ し て いた警察に捕まった。 (29) 京 子 が[ ハ エ が 飛 ん で き た の ]を 、そ れ を た た き 落 と し た。. 政 治 大. (30) ト ラ ッ ク が[ 自 転 車 が 角 か ら 出 て き た の ]に 、そ れ に ぶ つかった。. 立. ‧ 國. 學. (31) [孝 文 が 部 屋 に 上 が ろ う と す る の ] を 、 そ れ を 直 貴 が 腕 で止めた。. ‧. (32) [ 子 供 が あ と か ら つ い て こ よ う と す る の ]を 、そ れ を 彼. y. Nat. 女は叱った。. io. sit. (33) [ 人 な つ っ こ い シ ン ち ゃ ん が 近 寄 っ て き た の ]を 、そ れ. er. を捕まえて、目出し帽を頭から被せた。. al. n. iv n C hう これらの文は、 「 そ れ 」と い 代g 名c 詞hをi 挿U入 で き る と い う こ と が 観 en 察 さ れ る 。こ れ は 、 「 内 在 関 係 節 」は 、文 の 必 須 成 分 で は な く 、副 詞 性が高い「文の状況を示す状況成分」であるということを説明して いる。他方、すべてのノ補文節の構文はそうできるわけではないと 思われる。それは、ノ補文節が「事態性」があるからである。例と し て 、 (17)、 (18)、 (20)~(22)を 再 掲 す る 。 (17) 飛 行 機 が 空 に 飛 ん で い く の を 、 そ れ を 見 た 。 (18) 太 郎 は 花 子 が ピ ア ノ を 弾 く の を 、{ ??そ れ を } 聞 い た 。 (20) コ ー ト が 乾 く の を 、{ ??そ れ を } 待 つ 。 (21) 政 府 は 病 気 が 広 が る { の / こ と } を 、{ ??そ れ を } 止 め 15.
(22) られなかった。 (22) 先 生 は 生 徒 に 明 日 ま で に 宿 題 を や る こ と を 、 { ??そ れ を } 命じた。 < 個 体 指 向 > の 解 釈 が で き る (17)の ほ か に 、 < 事 態 指 向 > し か 解 釈できないほかの述語はいっさい「それ」で挿入できない。このよ うに、 「 事 態 性 」を 欠 く「 内 在 関 係 節 」は ノ 補 文 節 と 区 別 す る ほ う が いいと考えられる。 1.3.2.2. 「補文節」と「内在関係節」の統語的な差異. 政 治 大 した。本節では統語構造から「内在関係節」と区別したいと思う。 立 補 文 節 は 少 な く と も < 事 態 性 > を 持 つ と い う こ と を 1.5.1 で 検 証. まず、ノ・コト補文節には、二種類の構文が存在している。. ‧ 國. 學. (35) a. 大 輔 が 恭 子 が 猫 を 拾 っ た こ と を 覚 え て い る 。. ‧. b. 涼 子 が 恭 子 が 猫 を 拾 っ た の を 見 た 。. sit. y. Nat. c. 朋 子 が 哲 也 に 恭 子 が 猫 を 飼 う こ と を 伝 え た 。. io. er. (36) a. 恭 子 が 猫 に エ サ を や る こ と を 忘 れ た 。 b. 哲 也 が ピ ア ノ を 弾 く こ と を 終 え た 。. n. al. Ch. i Un. v. (37) 悠 太 が 朋 子 に 制 限 速 度 を 守 る こ と を 誓 っ た 。(長 谷 川 1999). engchi. (38) 週 末 に お 金 を 銀 行 か ら 引 き 出 す の を 忘 れ て い ま し た 。 (Yahoo !知 恵 袋 ). (35)は 主 語 が あ る 補 文 、 (36)~(38 ) は 主 語 が な い 補 文 で あ る 。 ま ず 、 (35)と (36)は 、 生 成 文 法 8 で は 、 以 下 の よ う な 構 成 と な っ て い る 。 (35’) a. 大 輔 が [ N P [ I P 恭 子 が 猫 を 拾 っ た ]こ と ]を 覚 え て い る 。 b. 涼 子 が [ N P [ I P 恭 子 が 猫 を 拾 っ た ]の ]を 見 た 。 (36’) a. 恭 子 が [ N P [ I P φ 猫 に エ サ を や る ]こ と ]を 忘 れ た 。 8. IP は 文 、NP / VP / AP は 各 々 名 詞 句 / 動 詞 句 / 形 容 詞 句 、N/ V / A は 名 詞 / 動 詞/形容詞を示す。また、枝で結ばれた節点間の上下関係は支配という概念で 示 さ れ 、 上 位 に く る 節 点 が 下 位 に く る 節 点 を 支 配 す る と い う 。 (三 原 1994:p4-5) 16.
(23) ⇒ 恭 子 が [ N P [ PR O 猫 に エ サ を や る ]こ と ]を 忘 れ た 。 b. 哲 也 が [ N P [ I P φ ピ ア ノ を 弾 く ] こ と ]を 終 え た 。 ⇒ 哲 也 が [ N P [ PR O ピ ア ノ を 弾 く ]こ と ]を 終 え た 。 (長 谷 川 1999:p105、 p109). [二種類の補文の統語構造] (37). (38). IP VP. NP NP IP. 立. IP VP. NP VP. NP. VP. 政 治 大PRO. ま た 、 補 文 構 文 の 時 制 の 差 異 か ら 見 れ ば 、 主 語 と 述 語 を 持 つ IP. ‧ 國. 學. 補 文 は 未 然 形 と 已 然 形 と な り え る が 、主 語 を 欠 け る PRO 9 補 文 は 已 然 形が使えないと観察される。. ‧. 続いて、 「 内 在 関 係 節 」の 統 語 構 造 を 明 ら か に し た い と 思 う 。1.5.2.1. sit. y. Nat. のように、 「 内 在 関 係 節 」は 根 本 的 に 全 文 の 状 況 成 分 を 表 す た め 、副. al. n. 例 と し て 、 (25)と (34)を 再 掲 す る 。. Ch. engchi. er. io. 詞性が高い、補文節と区別するほうがいいと思われる。. i Un. v. (25) 太 郎 は [ リ ン ゴ が 皿 の 上 に あ る の ] を 取 っ て 食 べ た 。 (坪 本 2001:pp46). (34) 暴 漢 は 、[ 久 美 子 さ ん が 逃 げ よ う と す る の ] を 、 鉄 パ イ プのようなもので力任せに彼女を殴って死亡させたものら しい。. (三 原 1994 :p246). 坪 本 (2011)は (25)に つ い て 、 次 の よ う に 解 析 し て い る 。 (25) 太 郎 は[ リ ン ゴ i が 皿 の 上 に あ る の ]を PRO 取 っ て 食 べ た 。 9. 項 を 担 う NP に 音 形 が な い た め に 、 主 語 が な い 如 く に 見 え る に 過 ぎ な い 。 ( 主 語 位 置 の 表 記 :φ )そ の よ う な 音 形 を 伴 わ な い カ テ ゴ リ ー を 空 の 代 名 詞 (PRO) と い う 。 (長 谷 川 1999:p107) 17.
(24) 補 文 節 の 構 造 と 異 な り 、(25)の 主 節 述 語「 取 っ て 食 べ る 」の 前 に 、 「 の 節 内 の NP と 共 指 示 1 0 」 の 「 音 形 を 持 た な い ゼ ロ 代 名 詞 [pro]」 と い う 潜 在 的 な 構 造 が あ る (坪 本 2011)。 こ の 論 述 は (34)で 証 明 で き る 。 そ れ は 、 (34)の 「 彼 女 を 」 と い う NP が 、「 内 在 関 係 節 」 の ゼ ロ 代 名 詞 の 顕 在 化 を 表 す の で あ る 。ま た 、内 在 関 係 節 の 後 ろ に「 そ れ 」 を 挿 入 で き る こ と で (1.3.2.1 を 参 照 さ れ た い )、 ゼ ロ 代 名 詞 の 存 在 を 証明している。 こ の よ う に 、 ヲ 格 ま た は ガ 格 「 内 在 関 係 節 (ノ 節 )」 と い う 格 成 分 は 事 象 の 状 況 を 示 し 、副 次 成 分 の「 状 況 成 分 」と 視 す べ き で あ ろ う 。 言い換えれば、副詞的機能を担っていると言える。したがって、枝. 政 治 大. 分かれ図の構造は次のようになると想定できる。. PROi. V. (三 原 1994 :p247). io. sit. Nat. […NPi… のを]. VP. ‧. ADV. al. er. ‧ 國. 學. VP. NP. y. 立 IP. (39). (37)と (38)の 枝 分 か れ 図 と 比 べ て み る と 、 補 文 節 と 内 在 関 係 節 の. n. iv n C 統語構造は根本的な違いがあ 、事態性なし」 Uの よ う に 「 hる e nとg分cかhるi 。こ (個 体 性 の み )と 「 副 詞 性 」 と い う 特 徴 を 持 つ 「 内 在 関 係 節 」 を 本 稿 の研究対象から排除する。 1.3.3. 本稿の研究対象「補文節」の特徴のまとめ. まず被修飾部「ノ・コト」は修飾部とかならず「外の関係」とな っ て い る 。ま た 、ノ・コ ト 補 文 節 は 少 な く と も < 事 態 指 向 > (事 態 性 ) と い う 特 徴 を 備 え て い る 。 場 合 に よ っ て 、 < 個 体 指 向 > (個 体 性 ) も. 10. 「 取 っ て 食 べ る 」に よ っ て 指 示 さ れ た ヲ 格 名 詞 は「 リ ン ゴ 」で あ る た め 、 「ノ 節 」内 の NP「 リ ン ゴ が 」と 同 じ で あ る 。し た が っ て 、 「 の 節 の NP と 共 指 示 」と 言える。 18.
(25) < 事 態 指 向 > も 両 方 と も 備 え て い る 動 詞 述 語 が あ る (例 え ば 、 見 る 、 見 つ け る 、手 伝 う な ど )。た だ し 、< 個 体 指 向 > し か 解 釈 で き な い ノ 節は、 「 内 在 関 係 節 」と し て 扱 わ れ る た め 、本 稿 か ら そ れ を 排 除 す る 。 こ の よ う に 、本 稿 で の ノ・コ ト 補 文 節 は「 外 の 関 係 」も「 事 態 性 」 も備えているものである。これを対象とし、ノ・コトの使い分けの メカニズムを明らかにすることを試みる。. 先行研究と問題点. 2. 補 文 標 識 ノ ・ コ ト の 使 い 分 け の 研 究 は 、 久 野 (1973)の ノ 補 文 節 の 《五感的・具体的補文事象》とコト補文節の《概念的・抽象的補文. 政 治 大. 事 象 》、橋 本 (1990、1994、2001)の ノ 補 文 節 の《 同 時 性・同 一 場 面 性 》. 立. の制約、渡辺のノ補文の《実在》とコト補文節の《概念》などの研. ‧ 國. 學. 究を通じて、盛んに検討されている。しかし、上述のいずれも、認 知的・語用論的な領域に限られ、統語的な視点からの検討を欠いて. ‧. いると思われる。本研究は[特定性]に関わるノ・コトの使い分け. y. Nat. の先行研究を参考にし、それらの論説をめぐって検討して行きたい. er. io. ことを試みる。. sit. と思う。それによって、ノ・コトの研究で、新たな局面を切り開く. n. al. 2.1. i n C U h eつnいgてc h i [ 特 定 性 ] (specificity)に. v. 「 特 定 性 」(specificit y)と い う 学 説 は 1960年 代 に 欧 米 の 言 語 学 者 に よ っ て 提 唱 さ れ た 。 (Baker, C.L. (1966) 、 Fillmore, C. (1967) 1 1 ) Klaus(2002)は 次 の よ う に「 特 定 性 」を 持 つ NPの 特 徴 を 説 明 し て い る 。 ◎ Characterization of specificity (特 定 性 の 特 徴 ) The referent of a specific NP is functionally linked to the speaker of the sentence (or context index) or to another referential expression in the sentence such as the subject or. 11. Klaus(2002 ) に よ る 孫 引 き 。 19.
(26) object. ( 特 定 の NP の 指 示 対 象 は 、 語 り 手 の 指 示 ( あ る い は 文 脈 イ. ンデックスの指示)または文章中の主語、目的語のような 他の参照表現と機能的に結びついている。) Klaus (2002:p36) (訳 文 筆 者 ). さ ら に 具 体 的 に 、 Klaus は 次 の よ う に 指 摘 し て い る 。 Specificity, on the other hand, is sentence bound and links a new discourse item to an already introduced discourse item (in that sentence) or to the speaker (or context index) of that sentence. I. 政 治 大. argued that the reference of a specific expression depends on the. 立. 'anchor' expression.. ‧ 國. 學. ( 特 定 性 と い う の は 、言 い 換 え れ ば 、「 語 ら れ る 言 語 内 容 」と「 す. でに言及された(すでに起こった)出来事」が照応する場合、. ‧. または、「発話された言語内容」と「語り手の履歴/文脈」が. y (同 上 ). io. er. 内容次第であることはすでに述べた。). sit. Nat. 照応する場合に現れるものである。なお、特定性の判定は指示. al. n. iv n C 定 性 ] は 、「 主 文 (補 文 )事 象 h がe 、『 特 定 的iなU n g ch もの』を有するかどうか. こ の よ う に 、 Klaus(2002)の 特 定 性 の 説 に 基 づ き 、 本 研 究 で の [ 特. を表す概念である」と規定する。また、主 文 (補 文 )事 象 が 特 定 か ど う か は 、 常 に (A)文 脈 に お け る 指 示 詞 や (B)名 詞 節 の 格 成 分 ( 主 語 成 分 と か 目 的 語 成 分 な ど )、 ( C ) 事 象 の 時 制 、 ( D ) 語 り 手 の履歴の照応などから判断されると筆者は考える。 例えば、日本語では、文脈における指示詞からの特定性の 有無の判定は次の例である。 (40) 仕 事 が で き る 人 の 周 り に は 、な ぜ か 人 が 集 ま っ て き ま す 。 ミーティングでも和やかな雰囲気の中で熱心な意見が交わ されます。 20.
(27) なぜそうなるかといえば、その人と一緒に仕事をする {の<こと}が楽しいからです。気配りを忘れず、自分に 対して敬意を持ってくれる人となら、心地よく仕事ができ るからです。. 『 ( 「で き る 上 司 」は 部 下 の ど こ を 見 て い る の か 』). (40)の 補 文 事 象 の 「 そ の 人 」 は 全 文 の 「 仕 事 が で き る 人 」 と い う タ イ プ の 人 間 を 指 示 す る 。 意 味 的 に は 、 (40)の 「 楽 し い 」 は 「 仕 事 が で き る 人 と 一 緒 に 仕 事 を す る 」と い う 一 般 的 な 性 質 を 表 し 、 [特定 性 ] が 低 い の で 、 コ ト を 取 る 方 が 適 切 か と 思 わ れ る 。 ま た 、 (36)の 補文が次のような場合に現れると、逆にノを取るほうが好まれる。 (40’). 政 治 大. A: 山 田 さ ん は い つ も ポ ジ テ ィ ブ な 考 え を 持 っ て い る. 立. んですよ。. ‧ 國. 學. B: そ う な ん で す か 。. A: え ぇ 、 あ の 人 と 一 緒 に 仕 事 を す る { の > こ と } が. ‧. とても楽しいんです。. (作 例 ). Nat. sit. y. (40’)の「 あ の 人 」は (36)の 総 体 名 詞 で は な く 、 「 山 田 さ ん 」と い う. er. io. 特定の対象を文脈によって指示した個体名詞である。つまり、意味. al. n. iv n C hを を述べている。聞き手はこれ e n知gらcなhいi 。Uこ の よ う に 、 特 定 の 経 験 的には、話者と山田さんと一緒に仕事した個別的な経験および感想. 者または特定の指示者があるかどうかが、実際にノ・コトの選択を 影響を与えることが観察される。さらに、検討すべきであろう 。 2.2. [特定性]の概念に関わる先行研究. 2.2.1 中 右 (1983)・橋 本 (1991、1994、2001) 中 右 (1983)の「 既 定 性 」は 、「 発 話 時 点 に お い て 、補 文 事 象 に 関 わ る知識が、すでに談話の世界に導入されるか否か」という概念であ る。 「 既 定 性 」を 有 す る 補 文 事 象 の 成 立 す る 時 点 は 、主 文 事 象 の 行 為 の 達 成 さ れ る 時 点 で あ っ て 、発 話 の 時 点 と 直 接 に 結 び 付 い て い る が 、 21.
(28) こ の 場 合 、ノ を 取 る と 指 摘 し て い る 。一 方 、 「 非 既 定 的 」補 文 命 題 は 、 「そこに込められた情報を発話時点において、はじめて談話の世界 に 提 示 す る も の と し て 、 話 し 手 が 把 握 し て い る 命 題 」( 中 右 1994) であり、この場合、コトを取ると指摘している。 橋 本 (1991)の 説 は 、 中 右 の 「 既 定 性 」 と い う 概 念 を 受 け る も の で ある。つまり、上述の既定的補文命題は、橋本のノ補文節の《同時 性・同一場面性》とほぼ等しい。また、非既定的補文命題は、基本 的に、橋本のコト補文節の《生産される事柄》とほぼ等しいといえ る。 しかし、これだけで、ノ・コトの使い分けの規則を一般化するこ. 政 治 大 つ / 防 ぐ 」 は 、 補 文 事立 象の成立が主文事象の成立時点と同時ではな. とは難しいと思われる。例えば、補文事象の生起が未来にある「待. ‧ 國. 學. い が 、ノ を 取 る こ と が 殆 ど で あ る 。ま た 、 「 手 伝 う 」な ど の 現 場 の 補 文事象に対応する主文述語が、コトを取る例もある。これらは 、中. ‧. 右の「既定性」では解釈できないと思われる。. io. sit. y. Nat. 2.2.2 鎌 田 (2004). n. al. er. 鎌 田 (2004)は ノ 補 文 節 の 「 定 名 詞 節 」 と コ ト 補 文 節 の 「 不 定 名 詞. i Un. v. 節」という説で、語用論的観点で成される従来のノ・コトの研究と. Ch. engchi. 明 確 に 一 線 を 画 し た 。 ま ず 、「 統 語 機 能 と し て 、 ノ は 「 定 名 詞 節 」、 コトは「不定名詞節」を形成する」と指摘している。そして、ノ補 文節は「特定性」が高く、コト補文節は低いことを観察している。 なお、 「 特 定 性 」の 程 度 の 判 定 は「 補 文 事 象 の 特 徴 」か ら 判 定 さ れ る 。 鎌田の説は「補文事象の統語的・意味的な特徴が補文標識の選択に 影響を及ぼす」という筆者の立場と一致するものである。しかし、 鎌 田 (2004)で は 、「 特 定 性 」に つ い て の 判 定 は 、補 文 事 象 の 主 格 名 詞 の特定性と補文事象の「既然態か未然態か」に限られており、 主文 述語の意味的な繋がりの分析を欠いていると思われる。. 22.
(29) (41) 白 い 制 服 を 着 た 店 員 は 、大 き な か ま ど に 火 の つ い た 薪 を 入れ、その薪が白い熾火になる{の/*こと}をしばらく 待った。. (『 悪 魔 の パ ス 天 使 の ゴ ー ル 』 ). (42) オ ー ス ト ラ リ ア の 子 が 日 本 に 来 て ツ ア ー に 組 み 込 ま れ てた温泉に裸で入る{の>こと}が恥ずかしいと言うこと で 行 く の を や め ま し た 。 (『 戦 勝 国 イ ギ リ ス へ 日 本 の 言 い 分 』) 例 え ば 、 (41)の 補 文 事 象 は 、 未 然 形 で あ る と も 関 わ ら ず 、 ノ を 取 る の は な ぜ か 、 (42)は ど ち ら も ノ し か 取 ら な い が 、 そ の 事 象 の 特 定 性がどこにあるのかなどの問題は、鎌田の説では解決できないと思. 治 政 大 全般的に、検討する必要があろう。 立. われる。鎌田の説では、説明できないところが多く見られ、さらに. ‧. ‧ 國. 學. n. er. io. sit. y. Nat. al. Ch. engchi. 23. i Un. v.
(30) 第 二 章 動 詞述 語 群 (1)の補文 標識の使い分け 本 章 は「 ヲ 格 補 文 」を 取 る「 知 覚 」、 「 動 作 」、 「 消 滅 」、 「 禁 止 」、 「認 識」などの動詞述語を対象し、それらの補文標識の選択を検討した いと思う。従来の研究は「具体/実在」や「概念」などの抽象的な 言 葉 で ノ・コ ト の 選 択 を 検 討 す る き ら い が あ る (久 野 1973、渡 辺 2008)。 本章は補文事象の意味構造・統語構造から検討を進めたいと思う。 本章の結論を先取りするならば、これらの動詞述語群の補文標識 の選択は「補文事象の時間的特定性の程度」に関わっている。この. 治 政 るものである。例を挙げて説明しよう。 大 立. 「時間的特定性」は「補文事象の生起時点が特定かどうか」に関わ. ‧. ‧ 國. 出 来 事 」か. 學. 1 「一 回 限 りの事 象 」か「数 回 生 起 した事 象 の総 括 /普 遍 的 な. (1) 太 郎 が 花 子 の 手 紙 を 読 ん で い る{ の / * こ と }を 見 つ け た 。. sit. y. Nat. (作 例 ). al. er. io. (2) い ま か ら 300 年 ほ ど 前 , 京 都 の 人 が , 偶 然 , と こ ろ て ん. iv n e n g c(h米i 山U正 信 「 新 潮 文 庫 の 100 冊 」). n. が凍ると白くなる{*の/こと}を見つけた。. Ch. (3) 木 や 草 の 葉 を せ ん じ て 飲 む 方 法 も 研 究 し て い る そ う で 、. ソ連内に自生している七百種の植物が、病気に効果がある { * の / こ と }を 見 つ け て い る 。. (『 ゴ ル バ チ ョ フ の ソ 連 』). (1)~(3)の 主 文 述 語 は い ず れ も 「 見 つ け る 」 で あ る が 、 補 文 標 識 の 選 択 が 違 う と 見 ら れ る 。 (1)は ノ し か 取 ら な い 文 、 (2)と (3)は コ ト の 適格性が高いのである。 「 見 つ け る 」は 、そ も そ も「 あ る も の を 現 場 で発見する」という意味を持ち、ノを取るのが基本である。 で は 、 な ぜ (1)~(3)の よ う な 使 い 分 け と な っ て い る の か 。 こ こ で 、 補文事象のアスペクトの差異に注目したいと思う。 24.
(31) 事象のアスペクトは、 「 一 時 レ ベ ル 」或 は「 超 時 レ ベ ル 」と い う 特 徴を持つ。 「 一 時 レ ベ ル 」と は 、時 間 軸 に 即 し て 、当 該 の 事 象 が 始 ま りの段階と終わりの段階を持ち、恒常的な事象ではないという特徴 を持ち、 「 超 時 レ ベ ル 」と は 、当 該 の 事 象 が い つ 始 ま っ て 、い つ 終 わ る か と い う 時 間 的 な 制 限 に 縛 ら れ ず 、 恒 常 的 な 性 質 を 表 す (影 山 2009)。 (1)の 補 文 事 象 「 太 郎 が 花 子 の 手 紙 を 読 ん で い る 」 は 、「 事 象 の 開 始の段階」も「事象の終結の段階」も持ち、開始と終結の途中とい う 「 特 定 の 時 点 」 で の 「 一 回 限 り の 事 態 」 だ と 言 え る 。 一 方 、 (2) と (3)は 、 多 数 回 の 観 察 で 、 (2)の 「 と こ ろ て ん が 凍 る と 白 く な る 」 、. 政 治 大 と い う 普 遍 的 な 法 則 を立 発見したということになる。言い換えれば、. (3)の 「 ソ 連 内 に 自 生 し て い る 七 百 種 の 植 物 が 、 病 気 に 効 果 が あ る 」. ‧ 國. 學. (2)と (3)の 補 文 事 象 は 、一 回 一 回 の 現 場 で の 観 察 ま た は 体 験 か ら な る 時間を捨象したある程度の普遍性を有する「数回生起した事象の総. ‧. 括」だと言える。. er. io. sit. Nat. アスペクトの差異を検証してみる。. y. こ こ で 、「 場 面 」 を 表 す 「 ト コ ロ 」 で 、 (1)と (2)(3)の 補 文 節 の 事 象. al. (1’) 太 郎 が 花 子 の 手 紙 を 読 ん で い る ト コ ロ を 見 つ け た 。. iv n C い ま か ら 300 年hほ ど 前 , 京 都U en g chi の人が,偶然,ところて n. (2’). *. んが凍ると白くなるトコロを見つけた。 (3’). *. 木や草の葉をせんじて飲む方法も研究しているそうで、. ソ連内に自生している七百種の植物が、病気に効果がある トコロを見つけている。 代 換 結 果 に よ る と 、 (1’)は 、「 ト コ ロ 」 が 補 文 標 識 ノ に 入 れ 替 え ら れ 、 (2)と (3)は そ う で き な い と 示 さ れ る 。「 ち ょ う ど そ の 時 」 と い う 出来事の現場の場面と状況を表す形式名詞「トコロ」は、時間軸に 即 す る (1)の 補 文 事 象 に 入 れ 替 え ら れ 、 時 間 を 捨 象 し た (2)と (3)の 補 文事象に入れ替えられないのは当然である。 25.
(32) こ の よ う に 、(1)の 補 文 事 象 は 特 定 の 時 点 で 行 わ れ る「 一 回 限 り の 事 象 」 で あ る た め 、 補 文 事 象 ア ス ペ ク ト の 特 定 性 ( cf. 補 文 事 象 の 時 間 的 特 定 性 )が 高 い と 判 定 さ れ る 。(2)と (3)の 補 文 事 象 は 事 象 ア ス ペクトから解放され、超時レベルの経験として語られる「数回生起 した事象の総括」となり、補文事象アスペクトの特定性が低いと判 定 さ れ る 。 し た が っ て 、 (1)の 補 文 事 象 は 時 間 軸 に 即 す る 「 一 回 性 」 が あ り 、(2)と (3)の 補 文 事 象 は 時 間 を 捨 象 し た「 超 時 性 」が あ る と 言 える。これらの例の観察によると、補文事象アスペクトの特定性が 高 け れ ば 高 い ほ ど 、ノ を 取 り や す く な る と い う こ と が 分 か る 。次 は 、 他の動詞述語群で、この時間的特定性の制約を検証してみる。. 政 治 大 2 「動 作 」「命 令 」「禁 止 」「許 可 」「阻 止 ・停 止 」「記 憶 」「消 滅 」を 立 表 す動 詞 群 からの検 証. ‧ 國. 學. 2.1. ノ を 取 る 場 合 が 多 い 述 語 :「 動 作 動 詞 」. ‧. このカテゴリーの動詞述語群は、コーパスを検索してみると、ノ. y. Nat. io. sit. を 取 る 場 合 が 多 い と い う 傾 向 を 示 し て い る 12。 ま た 、 従 来 の 研 究 に. n. al. er. お け る「 動 作 動 詞 」の「 ノ 節 」に 、 「 内 在 関 係 節 」の タ イ プ が 多 い こ. Ch. i Un. v. と が 観 察 さ れ る 。補 文 節 の 本 質 を 探 る た め に は 、先 に「 内 在 関 係 節 」. engchi. を 排 除 す る こ と が 必 要 だ と 思 わ れ る 。 (1.3.2.2 を 参 照 さ れ た い ) (4) 太 郎 は 母 が 皿 を 洗 う{ の / * こ と }を 手 伝 っ た 。(工 藤 1985) (5) 太 郎 は 、 姉 が 勉 強 し て い る { の / * こ と } を 邪 魔 し た 。 (渡 辺 2008). (4)と (5)の 補 文 事 象 は い ず れ も 、「 事 象 の 始 ま り の 段 階 」 も 「 事 象 の 終 わ り の 段 階 」も 有 し 、 「 一 回 限 り の 事 象 」と し て 扱 わ れ る 。上 述 の「見つける」の観察で、補文事象が「一回限りの事象」を表す場 合、補文事象の時間的特定性が高くて、ノを取るほうが好まれると 12. コーパスから見出した例数は、付表を参照されたい。 26.
(33) 観察される。しかし、次の場合では、コトの許容度が上がると思わ れる。 (6)逆 に 、も し 隣 に ラ イ バ ル が 出 店 す る{ の < こ と }を 邪 魔 し 、 自分の店だけで市場を独占しようとすれば、サービスも品 質もよくならず、お客様もこず、結局失敗してしまうので す。. 『 ( 人 は 何 の た め に 生 き る の か 』). (6)の 補 文 事 象 は 一 回 限 り の 事 態 で は な く 、不 特 定 の 時 間 の 事 態 だ と思われる。この場合、補文事象の時間的特定性が低く、コトを取 ることが許される。 2.2. 政 治 大 コトを取る場合が多い述語群: 立. 「 命 令 」「 禁 止 」「 許 可 」 な ど の 動 詞 群. ‧ 國. 學. 「 命 令 」「 禁 止 」「 許 可 」 な ど の 述 語 群 は 、 コ ー パ ス の 検 索 に よ っ. ‧. て、コトを取る場合が多いという傾向を示している。. y. Nat. sit. (7) こ の 十 八 ヵ 所 の 庄 領 は 、 頼 長 家 領 の 中 核 を な す も の と 考. n. al. er. io. えられるが、その翌月頼長は二十四ヵ所の庄領に対し、忠. i Un. v. 実およびその室師子に毎月魚・菜・果実を献進すべき{こ. Ch. engchi. と / * の }を 命 じ た 。. 『 ( 藤 原 頼 長 』). (8) ソ コ ル 少 佐 は 腹 心 の 部 下 ケ ー ズ 曹 長 に 、 進 軍 し て く る ソ 連軍と連絡をとり、市街戦をしないで、双方の被害を最小 限におさえるよう説得する{こと/*の}を命令した。 (『 エ リ ザ ベ ー ト 』). (9) 日 本 が 核 不 拡 散 条 約 を 支 持 し 、 そ れ に 調 印 し た の は 間 違 っていた。なぜならば、この核不拡散条約は、アメリカな どの核保有国にすでにある核兵器を維持する{の<こと} を許し、一方で他の諸国に核兵器を持つ{の<こと}を禁 止するものだからである。 (『 ア メ リ カ は 日 本 を 世 界 の 孤 児 に す る 』) 27.
(34) (10) 明 治 新 政 府 は 町 人 百 姓 が 苗 字 を 名 乗 る{ こ と > の }を 許 可 し た「 平 民 苗 字 許 容 令 」を 出 し た が 、誰 も 名 乗 ら な ったというから笑ってしまう。. か. (『 農 の 時 代 が や っ て き た 』). (7)と (8)の 補 文 事 象 は 、時 間 を 捨 象 し た「 や る べ き こ と 」を 表 し 、 時間的特定性が低くなり、コトの使用が好まれる。 (9)は 、あ る 事 の 発 生 (例 え ば 、核 戦 争 の 発 生 、健 康 の 損 害 )を 防 ぐ ために、 「 禁 止 」と い う 動 き を す る こ と を 意 味 し て い る 。こ の よ う な 未然的な防ぎは、だれにとっても従うべきこととして認知され、補 文 事 象 が あ る 程 度 の 普 遍 性 を 備 え て い る 。ま た 、(9)の「 許 す 」と (10). 治 政 的 な 出 来 事 と し て 認 知 さ れ る 。 補 文 事 象 の大 時間的特定性が同様に低 立 く、コトを取ることが増すと思われる。. の「許可する」の補文事象は同様に、だれにとっても従うべき普遍. ‧ 國. 學. だ が 、「 許 可 」 は あ る 場 合 に 、 ノ の 許 容 度 が 上 が る 。. ‧. (11) 先 生 は 恵 子 が 早 退 す る { の / こ と } を 許 可 し た 。. y. Nat. (『 日 本 語 基 本 動 詞 用 法 辞 典 』). al. er. io. こ と }を 許 可 し な か っ た ...。. sit. (12) (会 社 )に 休 暇 を 願 い 出 た が 、 工 場 側 は 休 暇 を と る { の / (『 ア ジ ア 女 性 史 』). n. iv n C し か し 、 (11)と (12)は 、 ノh のe許 容 度 が 上 n g c h i がUる 。 そ れ は 、 前 述 の (7). ~ (10)の 時 間 を 捨 象 し た 「 命 令 / 禁 止 / 許 可 」 と 対 照 し 、 (11)と (12) は、まずある人が請求を提出し、その請求が許可されるという一回 的な出来事が想定できる。したがって、補文事象の時間的特定性が 高くなるので、ノを取ることも許される。 2.3. ノ ・ コ ト の い ず れ も 取 る 述 語 群 :「 記 憶 」 「阻 止・停止 」 「消滅」. などの動詞群 2.3.1 一 時 レ ベ ル の 「 一 回 限 り の 補 文 事 象 」 を 表 す 場 合 「 と め る 」 お よ び 「 や め る 」 な ど の 「 阻 止 ・ 停 止 動 詞 」、「 キ ャ ン 28.
(35) セ ル 」 の 「 消 滅 動 詞 」、「 知 る 」 お よ び 「 忘 れ る 」 な ど の 「 記 憶 動 詞 群 」は 、コ ー パ ス の 検 索 に よ っ て 、ノ・コ ト 両 方 と も 取 る と 分 か る 。 次の場合、ノを取るほうが好まれる。 (13) 「 は い 、先 生 は よ く 、お 鞄 を 私 に 預 け ま し た か ら 。で も 、 私に預けるときは、いつも鍵をかけていました」 「じゃあ、合鍵で開けたのか」 「違います。そのときだけ、鍵をかける{の>こと}を忘 れていらっしゃったんです」. (『 処 刑 病 棟 』). (14) 何 と な く ふ だ ん と 違 っ て 気 も そ ぞ ろ で 、膳 に 向 っ て 箸 を. 政 治 大. 持 っ て も 飯 や 汁 を か か え た り お ろ し た り 食 べ る{ の > こ と } を忘れている。. 學. ‧ 國. (16). (『 残 る 蛍 』 ). 立 今度は家族とドライブしている最中に店の前を通って. 店の白い大きな看板を見て、 「あーこの前ココに行こうと思 っ て い た ん や !」と 丁 度 夕 食 時 で し た の で 、他 の 店 に 食 事 に. ‧. 行く{の>こと}をキャンセルして急遽、車を駐車場へす. Nat. べりこませることに。. io. sit. y. (http ://kuidaore.ne t/s -gen.htm). n. al. er. (13)~(16)の 補 文 事 象 は 上 述 の よ う に 、 「 事 象 の 始 ま り の 段 階 」も「 事. i Un. v. 象の終わりの段階」も有し、時間軸に即する「一回性」がある。こ. Ch. engchi. の場合、補文事象の時間的特定性が高くて、ノの適格性がコトより 高くなる。 2.3.2. 超時レベルの「反復・習慣を表す補文事象」を表す場合 (17) 昼 休 み に 弁 当 を 食 べ 終 え る と 、勇 樹 は す ぐ に 体 育 館 に 足 を向けた。武志がいつも体育館横の桜の木の下で寝転んで い る{ の < こ と }を 知 っ て い る か ら だ 。. (『 魔 球 』). (18) い ま ま で 、ど ん な 吹 雪 の 中 で も 、歩 測 を や め た こ と の な い 斎 藤 伍 長 の こ と だ か ら 、歩 測 の 数 を 口 に 出 す{ の < こ と } をやめて、頭の中で数えるようにしているのに違いない。 29.
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