• 沒有找到結果。

第二章 先行研究と理論的な基礎

2.5 まとめ

立 政 治 大 學

N a tio na

l C h engchi U ni ve rs it y

ある。

このように、かき混ぜ文の文処理負荷が相対的に大きいことによって、文処 理において、かき混ぜ文は基本語順文より、読み時間は長く、正誤判断の誤答 率は高くなることが分かる。本研究は、この理論に基づいて、文正誤判断課題 の実験を行う。

2.5 まとめ

2.1 では心理言語学的な研究に用いられる統計概念について述べた。そして、

2.2 では日本語母語話者を対象とした先行研究と中国語を母語とする日本語学 習者を対象とした先行研究について述べた。先行研究から、日本語母語話者と 日本語学習者の文処理において、かき混ぜ文は基本語順文より長い反応時間を 要し、文正誤判断での誤答率が高いことが分かった。

2.3 では、言語の階層性と日本語の語順について述べた。言語は階層性があ るかないかで階層言語と非階層言語とに分けられ、日本語については階層言語 と非階層言語との両方の論点がある。本研究は日本語が階層言語であるという 論点に基づき、日本語の基本語順について述べた。二項動詞の場合、基本語順 は主語、目的語、述語である。一方、間接目的語を取る三項動詞の場合、基本 語順は主語、間接目的語、直接目的語、述語である。また、目的語が基本語順 における生起位置にない場合はかき混ぜ語順と呼ぶ。

2.4 では、文処理過程について述べた。かき混ぜ文の処理は基本語順文の処 理より空所補充解析というプロセスが必要となる。この空所補充解析によって、

文処理において、かき混ぜ文は反応時間が長くなり、文正誤判断での誤答率が 高くなる。

本研究は日本語が階層性のある言語であり、文には基本語順があるという論 点を取る。基本語順以外の語順の文の処理において、処理負荷が増大し、その 結果、反応時間が長引き、文正誤判断での誤答率が高くなる。本研究は、二項 動詞の能動文と三項動詞の能動文を用いて、日本語母語話者と中国語を母語と する日本語学習者の文処理にはこのような現象が見られるか調査する。次章か らは実験の結果について述べる。

‧ 國

立 政 治 大 學

N a tio na

l C h engchi U ni ve rs it y

第二章では先行研究と本研究が基づく理論基礎について述べた。つづいて、

この章では、日本語母語話者と中国語を母語とする日本語学習者を対象にして 行った二項動詞の能動文の実験結果について述べる。まず、3.1 では先行研究 に基づき、二項動詞の能動文の実験に対する予測を立てる。3.2 では、二項動 詞の能動文の実験に用いられる文を選出するための予備調査について述べる。

3.3 では日本語母語話者による実験結果を述べる。そして、3.4 では中国語を母 語とする日本語学習者による実験結果を述べる。3.5 では実験結果に基づき、

総合考察について述べる。

3.1 本実験の予測

二項動詞の能動文の実験において、日本語母語話者と中国語を母語とする日 本語学習者が二項動詞の能動文の文正誤判断課題を課されて、基本語順とかき 混ぜ語順の文の反応時間と誤答率は計られた。実験に用いられる二項動詞の能 動文は「主語」を表す「ガ格」と「目的語」を表す「ヲ格」・「ニ格」からなる ものである。つまり、「主語ガ目的語ヲ動詞」と「主語ガ目的語ニ動詞」とい う文型を取る能動文である。また、「目的語ヲ主語ガ動詞」と「目的語ニ主語 ガ動詞」という文型をかき混ぜ語順とする。

第二章で述べたように、Tamaoka et al.(2005)の他動詞能動文の実験では、

日本語母語話者の「ガ格」と「ヲ格」を取る他動詞の能動文の処理において、

かき混ぜ語順の文は基本語順の文より反応時間が長く、文正誤判断での誤答率 が高いことが観察された。また、村岡ら(2004)の実験でも、日本語母語話者 の文処理において、かき混ぜ語順の文は基本語順の文より反応時間が長いこと が観察された。

一方、玉岡(2005)の他動詞の能動文の実験では、中国語を母語とする日本 語学習者による「ガ格」と「ヲ格」を取る他動詞の能動文の処理において、か き混ぜ語順の文は基本語順の文より反応時間が長く、文正誤判断での正答率が 低いことが観察された。また、金・小泉(2007)の実験では、中国語母語話者 の日本語学習者による文処理において、かき混ぜ語順の文は基本語順の文より 反応時間が長く、文正誤判断での誤答率が高いことが観察された。

つまり、日本語母語話者と中国語を母語とする日本語学習者による日本語の 文処理において、かき混ぜ語順の文は基本語順の文より反応時間が長く、文正

‧ 國

立 政 治 大 學

N a tio na

l C h engchi U ni ve rs it y

誤判断での誤答率が高いということである。本研究では、先行研究のこのよう な結果に基づいて、「主語ガ目的語ヲ動詞」の能動文(以下、ガヲ能動文)と

「主語ガ目的語ニ動詞」の能動文(以下、ガニ能動文)を用いて、参加者に文 正誤判断課題を課する。そして、本研究の二項動詞の能動文の実験に対して、

「文処理において、かき混ぜ文は基本語順文より反応時間が長く、文正誤判断 での誤答率が高い」という予測を立てる。

3.2 予備調査

文正誤判断課題の実験に用いられる文を選出するよう、予備調査を行うこと にした。また、予備調査においては、基本語順文のみを使った。文正誤判断課 題に用いられる文が決まってからかき混ぜ文を作成する。

3.2.1 参加者

実験の参加者は全員参加の時点で国立政治大学日本語学科修士課程に在籍 していた。参加者は16 名で、そのうち、男性 4 名、女性 12 名であった。平均 年齢は24 歳 7 ヶ月(標準偏差 12 ヶ月)であった。最年長は 26 歳 10 ヶ月で、

最年少は23 歳 3 ヶ月であった。

参加者は全員中国語を母語とする日本語学習者1で、2 名が日本語能力試験 N2 に、14 名が N1 に合格した中上級学習者であった。また、日本語学習歴は 平均7 年 5 ヶ月(標準偏差 2 年)で、最も短いのは 5 年で、最も長いのは 13 年であった。

3.2.2 実験材料

予備調査のために、まず教科書『みんなの日本語 初級』(スリーエーネッ トワーク)から動詞を抽出し、『日本語基本動詞用法辞典』(小泉ほか編:2004)

を参考にしながら、主語を表す「ガ格」と目的語を表す「ヲ格」・「ニ格」とい う二つの項を取る動詞、すなわち本研究でいう「二項動詞」の能動文を作成し た。これら能動文のうち、「ガ格」と「ヲ格」を取る能動文は80 文で、「ガ格」

と「ニ格」を取る能動文は25 文である。また、「ガ格」と「ヲ格」を取る動能 文(以下、ガヲ能動文)と「ガ格」と「ニ格」を取る能動文(以下、ガニ能動 文)の誤った文2を各々20 文作成した。したがって、予備調査に用いられる二

1 『みんなの日本語 初級』は日本語学習者向けの教科書であるため、予備調査は日本語学習 者を対象にした。

2 本研究において、誤ったガヲ能動文は「太郎が桜子を座った」のような文で、誤ったガニ能

‧ 國

立 政 治 大 學

N a tio na

l C h engchi U ni ve rs it y

項動詞の能動文は145 文である。つまり、参加者一人に与えられる二項動詞の 刺 激 文 は 145 文3で あ る 。 こ れ ら の 刺 激 文 は 、 カ ウ ン タ ー ・ バ ラ ン ス

(counterbalance)4という手法を用いて、参加者に呈示することにした。予備 調査の刺激文は付録一を参照されたい。

3.2.3 手続き

実験は、日本語学科修士課程の講義の教室で一人ずつ行った。しかし、講義 に出ていない参加者に、実験は図書館や日本語学科の院生室で行った。場所は 統一されていなかった。実験のプログラム5には、Visual Studio 2015 を使用し た。パソコンのスクリーン画面の中央にはまず、凝視点として「++++++

+」が呈示され、600 ミリ秒後、文が視覚的に提示される。参加者は、提示さ れた文を最初の一文字から最後の一文字まで読み終わると、「次に」というボ タンをクリックするよう指示された。各参加者に与える刺激文が同じ順番で提 示されると、リストの後ろの文の反応時間は疲労によって長引く可能性がある。

そこで、実験に用いられる145 文はカウンター・バランスを用いて参加者ごと に呈示された。文を最初の一文字から最後の一文字まで読み終わる時間は反応 時間としてパソコンに自動的に記録された。実験の前に練習試行はなかった。

また、参加者は一人ずつ番号を付けた。疲労効果(fatigue effect)6を避ける よう、奇数の参加者にはまず二項動詞の実験を行い、次に三項動詞の実験を行 った。一方、偶数の参加者にはまず三項動詞の実験を行い、その後、二項動詞 の実験を行った。実験の後、参加者にデブリーフィング(debriefing)7を行い、

インタビューをした。

動文は「洋子が鈴木に込んだ」のような文である。つまり、目的語の格標示が誤ったものや目 的語と動詞の組み合わせは意味をなしていないものである。

3 145 文からなる刺激文リストに対する総計反応時間は平均 4 分間ほどであった。また、凝視 点としての「+++++++」の呈示時間を含めて、二項動詞の能動文の予備調査は約5 分間

3 145 文からなる刺激文リストに対する総計反応時間は平均 4 分間ほどであった。また、凝視 点としての「+++++++」の呈示時間を含めて、二項動詞の能動文の予備調査は約5 分間