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国公立大学医学部と私立大学医学部の学費

第五章 地方再生計画

第三節 大学制度改革

2. 国公立大学医学部と私立大学医学部の学費

国立大学の場合、学部を問わず初年度納付金は、入学金(28 万 2,000 円)+授業料(53 万 5,800 円)=81 万 7,800 円(2012 年時、昼間)で、国立大学医学部全てで同額であるか ら、日本の北端は、旭川医科大学から南端は琉球大学医学部まで、42 国立大学医学部 の学費を比較する必要は全くない。

公立大学の場合も、学部を問わず学費は同額ですが、学生の出身地によって幾分金 額が異なる。つまり、その大学の所在地(県又は市)の住民であればいくらか優遇さ れる。これは所在地が住民の税金を使って大学を運営しているから当然のことである。

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http://matome.naver.jp/odai/2138536025431788701 を基に,一部筆者改編。

81 19 大阪医科大学 3,207 万円

20 東京医科大学 2,977 万円 (上位一般 35 名+セ 15 名 2,477 万円)

21 関西医科大学 2,814 万円

22 日本医科大学 2,799 万円 (上位 60 名 2,523 万円)

23 東邦大学医学部 2,629 万円

24 昭和大学医学部 2,309 万円 (特待生 2,009 万円)

25 東京慈恵会医科大学 2,286 万円 26 慶應義塾大学医学部 2,157 万円

27 順天堂大学医学部 2,113 万円 (特待生 1,990 万円)

28 産業医科大学 1,130 万円(卒後の指定勤務義務を拒否する場合,最大 2,260 万円)

29 自治医科大学 0 円(卒後の指定勤務義務を拒否する場合,最大 3,049 万円)

注:自治医科大学 1972 年開学。僻地医療の充実を目的に,各都道府県の共同の出資によって作ら れた私立の学校法人,その設置趣旨のため各都道府県の定員枠(2 名ないし 3 名)により選抜する 全寮制で,卒業後は採用枠都道府県の定めにより,公立病院を中心に 9 年間地域医療に従事するこ とが求められる。6 年間の学費は 2,200 万程度だが在学中は貸与され,卒業後 9 年間指定公立病院 等に勤務した場合その返還は免除される。

出所:「Top/私立医学部の学費」

(http://www.saijuken.com/swiki/index.php?%BB%E4%CE%A9%BCE5%B3%D8%C9)

を基に作者が作る。

先ず注目すべきは、表 5-5 を見ると当然のことながら、日本の全医学部の中で、私 立大学の医学部が一位から二十九位までを占めており、次に公立大学が続き、その次 に国立大学が続いている事実である。そして私立大学の学費は国立の最大で 17.4 倍に 達している。次に、表 5-6 の私立大学の六年間の納入金と国公立大学の六年間の納入 金額を比較するために、筆者自身が国公立大学の分を計算した結果、次のようなラン キングが成立した。

表 5-7 国公立大学医学部医学科 6 年間の経費ランキング表

順位 大 学 名 全 学 費

1 福島県立医科大学(県外) 4,448,800 4,448,800

2 奈良県立医科大学(県外) 4,065,600 1,386,600+2,679,000=4,065,600 3 和歌山県立医科大学(県外) 3,966,800 1,287,800+2,679,000=3,966,800 4 福島県立医科大学(県内) 3,884,800 1,205,800+2,679,000=3,884,800 5 横浜市立大学(市外) 3,811,000 1,132,000+2,679,000=3,811,000 6 名古屋市立大学(市外) 3,734,700 1,055,700+2,679,000=3,734,700

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7 京都府立医科大学(府外) 3,707,800 1,028,800+2,679,000=3,707,800 8 札幌医科大学 3,696,800 1,017,800+2,679,000=3,696,800 9 名古屋市立大学(市内) 3,634,700 955,700+2,679,000=3,634,700 10 横浜市立大学(市内) 3,620,000 941,000+2,679,000=3,620,000 11 大阪市立大学(市外) 3,556,800 877,800+2,679,000=3,556,800 12 奈良県立医科大学(県内) 3,545,600 866,600+2,679,000=3,545,600 13 京都府立医科大学(府内) 3,496,800 817,800+2,679,000=3,496,800 14 全国立大学 3,496,800 282,000+3,214,800=3,496,800 15 大阪市立大学(市内) 3,436,800 757,800+2,679,000=3,436,800 注:計算式=(公立)初年度納入金+(1 年間の学費 535,800 円✕5)=6 年間の学費

(国立)入学金(282,000 円)+授業料(535,800✕6)=3,496,800 出所:大学学費ランキングまとめ,NAVERまとめ、

(http://matome.naver.jp/odai/2138536025431788701)を基に筆者が作成する。

私立大学医学部医学科の六年間の学費が最も高い川崎医科大学の 47,160,000 円は公 立で最も高額の福島県立医科大学の 4,448,800 円の約 11 倍であり,国立大学医学部の 3,496.800 円の 13.5 倍の金額になる。何故こんなに大きな差が出るのか、更に一般常 識として、私立大学医学部の場合、入学時に協力金又は助成金の名目で、多くの場合 一口 300 万から 500 万程度を任意で父母に要求する事が多く、これらは正規の学費と してはカウントされていないようである。

図 5-10:サラリーマンの平均年収

出所:「国税庁平成 25 年民間給与実態統計調査結果」年収ラボ http://nensyu-labo.com/heikin_suii.htm

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関西医科大学(私)、近畿大学(私)

8 兵庫県 2 神戸大学(国)、兵庫医科大学(私)

9 岡山県 2 岡山大学(国)、川崎医科大学(私)

10 福岡県

4 九州大学(国)、福岡大学(私)、久留米大学(私)、

産業医科大学(私)

出所:文部科学省の公式サイトに基づいて筆者作成

これに対して、東京都内に医学部医学科を設けている大学は次の通りである。

東京大学(国)、東京医科歯科大学(国)、帝京大学(私)、杏林大学(私)、東京女 子医科大学、(私)、東京医科大学(私)、東邦大学(私)、日本大学(私)、日本医科 大学(私)、昭和大学(私)、慶応義塾大学(私)、東京慈恵会医科大学(私)、順天堂 大学(私)等東京都内には、二つの国立大学医学部と 11 の私立大学医学部があり、合計 で 13 の大学医学部と附属病院が有り、他の道府県の合計 30(平均 3)と比較すると、

実に地方の 4.3 倍以上の医科系大学や附属病院が東京都に一極集中している実態が分 かる。

(2)地域再生と医科系大学の制度改革

上記の記述から医科系大学の東京一極集中が人口の一極集中の大きな原因の一つ であることを分析出来た筈だ。何故ならば、それでなくても出生率が低く、若年層の 少ない地方から、地元に教育機関(特に医学教育機関)が少ないがゆえに、上京せざる を得ないことに加えて、日本の私立大学医学部 29 校のうち、東京都に 13 校(41.3%) が集中していて、高い学費だけでなく物価が日本一高い東京都での生活を考えれば、

一般サラリーマンの子弟にとって、医学部への進学は夢のまた夢なのである。

そこで、この不合理極まりない日本の大学医学部の制度改革を徹底すれば、現在の 安倍内閣が推進している「地方への本社機能の移転」や「政府機関の地方移転」政策よ りも遥かに大きな効果が期待できる上に、日本政府が本気でやる気を起こせば、その 実現の可能性は非常に大きいのである。この改革の主なメリットとして、次の様なも のが挙げられる。

第一、医科系大学制度の改革は文部科学省と厚生労働省に跨る事案であり、両省が 協力して強力に推進すれば、実現の可能性大であり、縦割り行政の是正にも 貢献できる。

第二、地域の深刻な医師不足を解消し、東京一極集中に歯止めを掛けて、地域活性 化が期待出来るので、地方自治体の協力が得やすい。

第三、その対策の一つとして、大学医学部の新設又は定員増は国公立も含めて、地 方都市にのみに許可を与え、大都市では認可しない。

第四、医学部の募集定員の「地域枠」を大幅に拡大することによって、卒業後の地域

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定着率の改善を図る。それは又自宅通学が可能となり、生活費が削減出来る ので、進学率の向上にも繋がる。

事実、筆者の知っている限り、地方の国公立大学医学部の合格者の出身高校又は出 身地を見ると、医学部のみ全国区となっている。もう少し詳しく説明すると、他の学 部の合格者の大部分は同じ道府県又は近隣県の出身者であるのに対し、医学部の合格 者のみ大学の所在地の出身者よりも他道府県の出身者の方が圧倒的に多く、東京や大 阪等の超有名進学校の生徒でも北は旭川医科大学から南は琉球大学まで受験してい る。それ故、地方に国公立大学医学部を新設又はその定員を増やせば、卒業後の地方 定着率を高め、地方の人口減少に歯止めを掛け、医師不足の解消に繋がり、一挙三得 なのである。

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第六章 人口減少時代を乗り切るための対応策