第五章 地方再生計画
第一節 技術革新の促進
2. 淡水での海水魚養殖技術
水と体内の塩分濃度の違いから、淡水魚は体内に過剰に水分を取り込まないように、
海水魚は逆に水分が出過ぎないように浸透圧を調整している。岡山理科大学の山本俊 政準教授らは海水に含まれる約 60 種の元素の中から、魚の浸透圧調整に深く係るカ リュウム、ナトリュウムなど数種類の成分と濃度を特定し、わずかな濃度の電解質を 加えることで、このような水を作り上げることに成功した
同大学では既に内陸 10km以上のキャンパスで生産されたトラフグ、ヒラメ、シマ アジ、ニホンウナギ等の養殖魚を市場に出荷してきたが、今回海水を用いない内陸育
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76 「淡水で海水魚がすいすい成長」、KAKENET 、http://kakenet.net/spec/spec3.html
77「特集 1 食の未来を拓く品種開発(1)」、農林水産省、http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1111/spe1_01.html
78 いもち病(稲熱病):稲の病気。葉、茎、穂くび等が菌に侵されて、小さな斑点ができ変色し、種子が できなくなる病気。
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大きく貢献出来る筈だ。
(二)植物工場
植物工場とは、安全に安定して農作物を生産、供給するために、光や水、温度を人 工的に制御して行う生産システムである。別名野菜工場とも呼ばれ、天然光又は人工 光を利用して、屋内施設で、無農薬で、培養溶液を用いて植物を生産する生産システ ムである。1957 年にスプラウトの一貫生産を行ったデンマークのクリステンセン農場 が植物工場の起源だと言われている。日本での研究開発は 1974 年に日立製作所で開 始された。
植物工場には主に太陽光を活用する太陽光型と完全人工光型の二つのタイプがあ る。
第一、 太陽光型は、温室等の半閉鎖施設内で太陽光の利用を基本とするが、雨天 や曇天時等採光が困難な時は一般電源で補い、周年一定の室内温度を維持 することにより、生産を安定させる方式である。所謂、ハウス栽培である。
しかし、土地を平面的に利用するため、栽培面積が広くなり、地価の高い 地域での設置には困難が伴う。
第二、 完全人工光型は、密閉された空間で LED 等人工光のみを使用して栽培す る方式で、土地を立体的に利用出来るため、栽培面積が比較的狭く済み、
地価が高い都市部でも設置可能である。
植物工場での農作物の栽培を一般の耕作農法と比較すると、次の様な利点が考えら れる。
第一、気象変化の影響を受けない。
第二、病原菌や害虫による被害がない。
第三、農薬なしで栽培するため、安全性が高い。
第四、栽培に土壌を利用せず、専用キットと培養液を用いるため、作物の生育期間 を調整できる上に、施設の空間を立体的に利用できるので、土地の利用効率 がよい。
第五、栽培技術が一定であるため、マニュアル化が可能で、農業知識の充分でない 初心者でも作業が可能である。
三菱総合研究所の調査レポートによると、国内で 2012 年 3 月には、210 の植物工場 が操業し、2013 年 3 月では 304、2014 年 3 月末現在 383 の工場が稼動している。その 大きな要因は 2009 年農林水産省と経済産業省が総額 150 億円の補助金を出して、後 押ししていることだ。
最近植物工場用の設備の小型化が進み、個人の住宅や小さな店舗内でも栽培可能に なってきて、徐々にその数は増加してはいるが、工場を設置するためには、高額の投 資が必要なため、個人での進出はかなり厳しいのが現状である。
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しかし、日本の植物工場ビジネスは関連産業も含めると、2025 年には、6,700 億円 の市場規模が予想されるため、植物工場事業を専業とする企業以外に、建設業界、鉄 鋼メーカー、貿易会社、光学機械メーカー、ベンチャ企業等多くの異業種の企業が進 出している。これは日本の強みである農業技術とテクノロジーが融合した結果であり、
将来この流れが続けば、人口減少時代の日本の労働不足をカバーするだけでなく、都 市部の若年層が農業の知識や技術がなくても、農作物の栽培に参加し、地域再生の促 進を可能にする要素を含んでいる。