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五、データによる相関関係の確認

日本及び台湾での各データによる相関関係572を調べる。相関関係の確認について、

下記の内容で行う。

1.日本のバナナ輸入関係資料については、[別表 1][別表 2-1][別表 2-2]のデータ

571同上掲注、古関善之(民国九七、2008)、p.257

572二つのものが密接にかかわり合い、一方が変化すれば他方も変化するような関係。数学では、一方 が増加すると、他方が増加または減少する、二つの変量の関係。

『デジタル大辞泉』小学館「相関関係」

を使用して相関係数を計算する。計算は、「Microsoft Office Excel 2007」を使用す る。

2.相関係数計算結果表は、[別表 10-1]、[別表 10-2]を参照願う。

3.相関係数の判断について、は以下の通りである。

①相関係数「0.7 以上」:正の相関関係がある、と判断する。

②相関係数「-0.7 以下」:負の相関関係がある、と判断する。

③相関係数「-0.3~0.3」の範囲:相関関係がない、と判断する。

(一)日本のバナナ輸入数量と他資料との相関関係確認 日本国内における相関関係の確認。

1.「バナナの総輸入量」について。

①フィリピン産(値:0.803)、実質 GDP(値:0.816)、総人口(値:0.894)、15-64 歳人口(値:0.896)、65 歳以上人口(値:0.774)と正の相関関係がある。

②0-14 歳人口と負の相関関係がある(値:-0.754)。

2.「フィリピン・バナナの輸入数量」について。

①実質 GDP 支出(値:0.862)、総人口(値:0.907)、15-64 歳人口(値:0.826)、

65 歳以上人口(値:0.819)と正の相関関係がある。

②台湾バナナと負の相関関係が見られる(値:-0.658)。

3.「実質 GDP 支出」、「総人口」、「15-64 歳人口」、「65 歳以上人口」は、相互に正の 相関関係がある(値:0.795~0.988)。

4.「0-14 歳人口」は、「実質GDP 支出」、「総人口」、「15-64 歳人口」、「65 歳以上人口」

に対し、負の相関関係がある(値:-0.721~-0.930)。

上記分析より、日本国内における「少子高齢化」現象が相関分析データより改めて 認識された。バナナの輸入が日本経済及び人口と正の相関関係であることが窺える。

しかし、0-14 歳の人口が減少しているので、今後の輸入量にどのような影響を及ぼす のか予断を許さない状態である。また、将来的展望に立てば、子供も食べやすいバナ ナ、子供向けのバナナの宣伝は先の長い顧客を得る戦略として、必要不可欠であると 思う。子供の心をつかめば、当然親も子供に従うはずである。

(二)台湾バナナと台湾島内の他の関係資料と相関関係確認

台湾島内での各資料における相関関係ついて分かることを記す。なお、台湾バナナ

に関係すると思われる項目の外、古関善之(民国97、2008)で指摘している「バナナ 農家がレーシー栽培へ移転している」573件について、数値的に確認をするため、レー シーに関するデータについても合わせて分析を行う。

1.「全台湾バナナ生産量」について。

①高雄縣・屏東縣・南投縣の三地域の生産量と正の相関関係がある(値:0.978)。

②輸出量と正の相関関係がある(値:0.918)。

③バナナの作付面積と正の相関関係がある(値:0.902)。

④レーシー作付面積とほぼ負の相関関係が見られる(値:-0.682)。

2.「高雄縣・屏東縣・南投縣のバナナ生産量」について。

①上記「1-②」(値:0.923)、「1-③」(0.902)、「1-④」(値:-0.696)と同様である。

3.「レーシーの生産量」について。

①レーシー単位当たり生産量(kg/ha)と正の相関関係がある(値:1.000)。

②他の項目との相関関係はほとんどない、或いは一部バナナの島内販売量及び作付 面積との関係が不明である。

4.「バナナの輸出量」について。

①青果物作付面積と負の相関が見られる(値:-0.691)。

②バナナ作付面積と正の相関関係がある(値:0.908)。

③レーシーの作付面積と負の相関関係がある(値:-0.771)。

④台湾の人口(値:-0.692)、実質 GDP 支出(-0.675)、平均個人所得(-0.679)と 負の相関関係が見られる。

5.「バナナの島内販売」について。

①際立った相関関係が見られるものが無い。

6.「台湾青果物の作付面積」について。

①バナナの作付面積と負の相関関係が見られる(値:-0.625)。

南投県のバナナ作付面積に対して負の相関関係が比較的強い(値:-0.674)。

②レーシー作付面積と正の相関関係がある(値:0.941)。

③南投県のバナナ単位当たり生産量(kg/ha)と正の相関関係がある(値:0.773)。

④台湾の人口(値:0.937)、実質 GDP 支出(値:0.863)、平均所得(値:0.881)

と正の相関関係がある。

573 同上掲注、古関善之(民国97、2008)、p.254、図 4 に記載有り。

7.「バナナの作付面積」(台湾全体)について。

①レーシー作付面積と負の相関関係がある(値:-0.785)。

②バナナの単位当たり生産量(kg/ha)と負の相関関係がある(値:-0.767)。

③台湾の人口と負の相関関係がある(値:-0.772)。

8.「高雄県のバナナ作付面積」について。

①レーシー作付面積と負の相関関係がある(値:-0.745)。

②バナナの単位当たり生産量(kg/ha)と負の相関関係が見られる(-0.677)。

③台湾の人口と負の相関関係がある(値:-0.783)。

④実質 GDP 支出(値:-0.631)、平均所得(値:-0.631)と負の相関関係がみられ る。

9.「屏東県のバナナ作付面積」について。

①レーシー作付面積と負の相関関係がある(値:-0.758)。

②バナナの単位当たり生産量(kg/ha)と負の相関関係が見られる(-0.685)。

③台湾の人口と負の相関関係が見られる(値:-0.699)。

10.「南投県のバナナ作付面積」について。

①レーシー作付面積と負の相関関係がある(値:-0.817)。

②バナナの単位当たり生産量(kg/ha)と負の相関関係がある(値:-0.818)。

③台湾の人口と負の相関関係がある(値:-0.819)。

④実質 GDP 支出(値:-0.625)、平均所得(値:-0.624)と負の相関関係がみられ る。

11.「レーシー作付面積」について。

①バナナの単位当たり生産量(kg/ha)と正の相関関係がある(値:0.726)。

②南投県の単位当たり生産量(kg/ha)と正の相関関係がある(値:0.729)。

③台湾の人口(値:0.930)、実質 GDP 支出(値:0.765)、平均所得(値:0.773)

と正の相関関係がある。

12.「バナナ(全体)の単位当たり生産量(kg/ha)」について。

①高雄県・屏東県・南投県の単位当たり生産量と正の相関関係がある(値:0.760

~0.889)。

②台湾の人口と正の相関関係がある(0.894)。

13.「高雄県のバナナの単位当たり生産量(kg/ha)」について。

①屏東県のバナナの単位当たり生産量(kg/ha)と正の相関関係がある(値:0.783)。

14.「屏東県のバナナの単位当たり生産量(kg/ha)」について。

①台湾の人口と正の相関関係が見られる(値:0.699)。

15.「南投県の単位当たり生産量(kg/ha)」について。

①台湾の人口(値:0.865)、実質 GDP 支出(値:0.869)、平均個人所得(値:0.869)

と正の相関関係がある。

16.降水量及び台風係数を使用して、相関関係を調べたがほとんどの項目に対して、

相関関係が認められなかった。降水量については測量地点と実際の産地との差が 有ったように見られる。また、台風係数については、実際台風による影響が出て いるので、それを正確に数値として表すことができなかった。これについては、

今後の課題である。

17.「台湾の人口」・「実質 GDP 支出」・「平均個人所得」の三者は共に正の相関関係が ある(値:0.862~9.996)。

以上の分析内容から、台湾に関して下記の点が挙げられる。

1.古関善之(民国 97、2008)が指摘しているように、バナナ栽培面積は減少し、レ ーシー栽培が増加しているようである。しかし、注目される点は、バナナの単位面 積当たりの生産量(kg/ha)を上げて、バナナの生産量を現状維持しつつ、空いた 土地でのレーシー栽培ではないかと考えられる。特に南投県のバナナ栽培にその傾 向がデータ的に見られる。

2.台湾における青果物の作付面積は増加し、バナナの作付面積は減少傾向にある。

3.バナナの作付面積は、経済発展と共に減少する傾向が見受けられる。レーシー作 付面積は、バナナの作付面積とは逆傾向にある。

4.南投県のバナナ栽培について、データから見ると状態が良いように見受けられる。

香蕉研究所・蔣世超博士によると、「南投県のバナナについては、長時間の輸送に 耐えられなので、輸出に向いていない。台湾島内の販売で有れば問題ない。」と指 摘している。

おわりに

台湾バナナの移出が日本向けに始まった時、移出業者による無秩序な貿易が行われ た。そのため秩序あるものにするために、台湾総督府の指導の下、大正十三(1924)

年に半官半民の台湾青果株式会社が設立され、生産・販売の一元化体制が敷かれ、強 力な統制により台湾バナナ産業は発展を遂げた。

第二次世界大戦後、青果公会(貿易商)・青果合作社(生産)・省農会(生産)の三 社による台湾バナナの輸出に関する権利を巡って紛糾した。日本市場がバナナの輸入 自由化を昭和三八(1963)年に実施するまでは、台湾バナナの独占状態が続いた。し かし、その後はエクアドル産・フィリピン産と他地域のバナナが日本市場に入る。そ して、台湾バナナが国際市場での対応を誤っている内に、フィリピン・バナナが日本 市場を独占状態とし、今日に至る。

1974 年 1 月 1 日、台湾省青果運銷合作社(略称「青果合作社」)が台湾バナナの輸 出代理権を取得して、生産販売の一元化が実現した。しかし、その後の輸出業務にお いて、以前の活況を取り戻すことはなかった。

ついに、台湾バナナの輸出不振を打開するために、2005 年 1 月 1 日、台湾バナナの 輸出自由化が実施された。その実施後の台湾バナナの輸出状態は、無秩序的である、

と香蕉研究所・蔣世超博士並びに阿萬政宏は指摘している。574

台湾バナナにおける輸出販売体制は、「移出開始初期の無秩序状態」、「台湾青果株 式会社による生産販売の一元化」、「終戦後の青果公会・青果合作社・省農会の三者に

台湾バナナにおける輸出販売体制は、「移出開始初期の無秩序状態」、「台湾青果株 式会社による生産販売の一元化」、「終戦後の青果公会・青果合作社・省農会の三者に