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五、バナナの消費動向

(一)バナナブーム

神戸港の場合、平成十六(2004)年はバナナの全国輸入量の 23.3%、価格では 23.0%

を占め、それぞれ全国シェア第1 位である。559また、バナナ輸入量の変動要因を業界 の見方として平成十七(2005)年の時点で、変動要因を下記のように述べている。560

・生産地の天候

平成十(1998)年はフィリピンの干ばつの影響で生産量が減少し、輸入量も減少 した。

・平成十一(1999)年 9 月に開催された日本癌学界総会で、“熟成されたバナナに は免疫力を高める効果がある”との発表があり、このことがメディアなどに取り 上げられ国内消費が伸び、輸入増加の要因になった。

最近の動向としては、手軽さ、身近さなどから消費者の間で果物としてだけでは なく軽食として食べられる機会が多様化され、また、品揃え(安全なもの、安い もの、甘いもの等)も増え選択の範囲が広がっている。

と述べている。日本癌学会総会での発表がメディアに取り上げられたことは、一種の バナナブームを引き起こしたものと窺える。

日青協の「2008 年(平成 20 年)バナナ輸入概況」では、以下のように述べている。

561

果物全体の消費量が減るなかで、朝食をバナナだけにすれば痩せられるという

「朝バナナダイエット」がメディアに紹介されたのを機に夏場以降バナナ需要を 急増させ輸入量を押し上げた。

最近は、日本でもバナナがスポーツをする人のエネルギー源として広く利用さ れるようになった。

と指摘している。また、「2009 年(平成 21 年)バナナ概況」では、以下のように述べ

559同上掲注、神戸税関(平成十七、2005)〈「バナナ(生鮮)」の輸入〉、p.2

560同上掲注、神戸税関(平成十七、2005)〈「バナナ(生鮮)」の輸入〉、p.4

561同上掲注、日青協・平成21 年バナナ概況

ている。562

生鮮果実の消費量が伸び悩む中、昨年秋から冬にかけて相次いで朝食をバナナ だけにして痩せようという「朝バナナダイエット」をメディアが紹介したのを機 に全国的なブームが到来し、上半期は好調な荷動きであった。しかし、リーマン ショックの影響がロシアなど新興国の引き合いを弱め、諸外国でも需要が減退す る中、日本でも夏ごろより供給過剰や景気低迷による消費者の購買意欲が減退し、

気温の上昇なども重なり在庫が膨らみ、晩秋には輸入量が減少していった。

と状況を述べている。そして、上記のようにメディアに取り上げられ、それが起爆剤 となり大きなブームを作り出している事例といえる。1999 年の日本癌学会総会発表後 のバナナの輸入量は増加している。1999 年は前年比 113.7%(約 11 万 8 千㌧増加)、

2000 年は前年比 109.7%(約 9 万 5 千㌧増加)となっている。また、「朝バナナダイエ ット」によるバナナの輸入量は、2008 年は前年比 112.6%(約 12 万 2 千㌧増加)、2009 年は前年比114.6%(約 16 万㌧増加)となっている。563ブームにより前年比10%以上 の増加となっている。このブームが何時まで続くのか、反動による減少が起こるので、

注意を要するところである。

日本バナナ輸入組合理事長・清水信次は、日本貿易会月報(2009 年 2 月号)で、「近 年、年間約100 万㌧のバナナが安定して消費されていることは、バナナの効能が社会 にしっかりと浸透してきていることの表れであると実感しています。」564と述べてい る。

(二)バナナ・果物消費動向調査より

日本バナナ輸入組合で、2005 年から毎年「バナナ・果物消費動向調査」(以下略称

「消費動向調査」)をインターネットアンケート方式で行っている。毎年若干、調査 統計内容が異なるが、基本的には同じ内容で行われている。なお、2010 年で第 6 回と なる。毎年の調査結果の中から、研究者が項目を選びその結果を一覧表にした。詳細 は、[別表9]を参照願う。調査結果より、バナナの消費に関して以下に述べる。

562同上掲注、日青協・統計資料・バナナ

563詳細は、前掲[図2-10][別表 1]を参照願う。

564社団法人日本貿易会(2009)〈会員トップインタビュー バナナとともに 65 年〉《日本貿易会月報》

667、p.57

http://www.jftc.or.jp/shoshaeye/interview/top_200902.pdf

1.「よく食べる果物」として、調査以来連続 6 回、バナナが首位にある。

2 位・3 位は、リンゴ・みかんの順となっている。

2.「バナナを食べる理由」として、調査以来連続 6 回、「手ごろな値段」が首位に 在る。2 位に、第 5 回・第 6 回ともに「健康に良い」が入っていて、健康志向が 窺える。

3.「バナナの購入基準」として、第 4 回~第 6 回では、価格・外観・産地の順とな っている。購入基準に「産地」を選んだ年齢層について、第2 回(2005 年)消 費動向調査で詳細に述べられているので、以下に記す。

・10~40 代の内「価格の安さ」を基準とする人・・・・・82%

・年齢が上がるにしたがい「熟し具合」の回答が高い(65 歳以上、72%)

・50 歳以上では「産地」の回答率が高い(65 歳以上、38%)

4.「バナナを食べる頻度」では、その頻度が徐々に増えている。第6 回の結果では、

「月1~2 回程度」が約 23%で最も多く、次に「周 2・3 回」が約 20%で続いてい る。

5.「朝食に食べるもの」では、第 4~6 回ともに、パン・ご飯・バナナの順で、バ ナナは、第5・6 回で約 34%を占め、「朝バナナダイエット」の影響によるものと 思われる。

6.「バナナの価値意識」について、第 6 回調査結果での評価として、「どちらかと いえば安いイメージが強い様子がみてとれる」と消費動向調査では指摘してい る。また、「価格相応」と「安い」をあわせると8 割弱に達することからも、バ ナナはコストパフォーマンスの良い果物とも考えられる、とも述べている。

以上の消費動向調査の結果より、日本市場においてバナナが安くて、手ごろな果物で あることが窺えるとともに、「朝バナナダイエット」ブームにより近年はバナナが朝 食に強く入り込んでいることも見逃せない。