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第四章 分析結果と考察

4.3 台湾人日本語学習者による言語行動

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に言及】が最も多く使用される組み合わせであり、割合が30%となっている。

その次には、【謝罪+原因の説明】(21.3%)である。対クラスメートの場合で は、【謝罪+原因の説明】(33.8%)が一番多く使用され、【謝罪+原因の説明+

事前連絡に言及】(30%)が二番目に多く用いられる組み合わせである。以下は 実際の回答例である。

例11. 対先生の場合では一番多く用いられる【謝罪+原因の説明+事前連絡 に言及】

「メールも送ったんですけど、乗っていた電車が事故で遅れてしまい ました。すみません!」

例 12. 対クラスメートの場合では一番多く用いられる【謝罪+原因の説明】

「遅れてごめんね、バスが事故で遅れちゃって。」

このように、JNS は外的要因場面における構成要素の使用には、謝罪するこ とと原因を説明することのほかに、対クラスメートより対先生のほうが、先ほ ど連絡しておくことを述べることに偏るのが観察された。この状況について、

おそらく、先生に対して事前に連絡したことを述べた理由は、相手にこの言葉 を言い訳にはさせたくないため、【事前連絡に言及】を有利な証拠として提出 する可能性があると推測される。一方、JNS はクラスメートに対して謝ったり、

原因を説明したりして、事前に連絡したことを述べなかった理由は、クラスメ ートは同輩であるから、バスが交通事故に遭った状況について説明すれば、相 手に必ず理解してもらうと考えると推測される。

4.3 台湾人日本語学習者による言語行動

本節では、台湾人日本語学習者(JFL)の相手誤解場面・外的要因場面にお

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ける意味公式と構成要素の使用傾向を考察する。

4.3.1 相手誤解場面

この節では、JFL が相手誤解場面における親しい・親しくない先生と親しい・

親しくないクラスメートに対する意味公式の選択と構成要素の使用状況を述 べる。

親しい・親しくない先生に対する場合における意味公式の選択について、表 17 と図 13 のように示す。

表17 JFL が相手誤解場面における先生に対する意味公式の使用頻度とその割合

意味公式 親しい先生 親しくない先生

頻度 割合 頻度 割合

1. 謝罪 33 35.5% 45 47.4%

2. 責任承認 1 1.1% 5 5.3%

3. 責任所在の曖昧化 30 32.3% 25 26.3%

4. 責任否定•追及 7 7.5% 2 2.1%

5. 原因の説明 0 0.0% 0 0.0%

6. 事前連絡に言及 0 0.0% 0 0.0%

7. 相手の攻撃弱化 7 7.5% 10 10.5%

8. 感情表出 11 11.8% 3 3.2%

9. 配慮 0 0.0% 1 1.1%

10.呼びかけ 4 4.3% 4 4.2%

11.その他 0 0.0% 0 0.0%

合計 93 100.0% 95 100. 0%

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曖昧化】を使った大多数の人は「相手は先生だから、直接的に先生の間違いを 指摘しないほうがいい」と回答した。

親しい・親しくない先生に対する場合における構成要素の使用について、表 18 と図 14 のように示す。

表18 JFL が相手誤解場面における先生に対する構成要素の使用頻度とその割合

構成要素 親しい先生 親しくない先生

頻度 割合 頻度 割合

謝罪 1 2.5% 3 7.5%

責任否定•追及 1 2.5% 0 0.0%

責任所在の曖昧化 2 5.0% 0 0.0%

謝罪+責任否定•追及 2 5.0% 1 2.5%

謝罪+責任所在の曖昧化 12 30.0% 15 37.5%

謝罪+責任承認 1 2.5% 5 12.5%

謝罪+相手の攻撃弱化 1 2.5% 5 12.5%

感情表出+責任所在の曖昧化 3 7.5% 2 5.0%

感情表出+責任否定•追及 4 10.0% 1 2.5%

感情表出+謝罪+責任所在の曖昧化 4 10.0% 0 0.0%

謝罪+責任所在の曖昧化+相手の攻撃弱化 5 12.5% 4 10.0%

その他 4 10.0% 4 10.0%

合計 40 100.0% 40 100.0%

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図14 JFL が相手誤解場面における先生に対する構成要素の割合

表18 と図 14 からわかるように、親しい先生に対する場合では、【謝罪+責 任所在の曖昧化】(30%)の組み合わせが最も多く使用される。二番目に多く使 用するのは【謝罪+責任所在の曖昧化+相手の攻撃弱化】(12.5%)である。一 方、親しくない先生に対する場合では、【謝罪+責任所在の曖昧化】(37.5%)

の組み合わせが最も多い。二番目に多く使用するのは【謝罪+責任承認】と【謝 罪+相手の攻撃弱化】であり、二つとも割合が12.5%となっている。以下は実 際の回答例である。

例13.親しい先生に対しても親しくない先生に対しても一番多く用いられる

【謝罪+責任所在の曖昧化】

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40%

その他 謝罪+責任所在の曖昧化+

相手の攻撃弱化 感情表出+謝罪+責任所在の曖昧化

感情表出+責任否定•追及 感情表出+責任所在の曖昧化 謝罪+相手の攻撃弱化 謝罪+責任承認 謝罪+責任所在の曖昧化 謝罪+責任否定•追及 責任所在の曖昧化 責任否定•追及 親しい先生 謝罪

親しくない先生

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13-1 「先日もう一度約束の時間を確認できず、すみませんでした。しかし、

元々約束した時間は2 時半のようですが。」

13-2 「申し訳ありません、約束は 2 時半だと思いましたが…。」

このように、JFL は相手誤解場面における先生に対する場合では、親疎を問 わず、「先日もう一度約束の時間を確認できず、すみませんでした」のような 謝罪の内容を述べることや謝罪の定型表現を使用したり、語尾に「が」がつく 表現で「責任の所在」を柔らかく主張したりする傾向がよく見られた。

親しい・親しくないクラスメートに対する場合における意味公式の選択につ いて、表19 と図 15 のように示す。

表19 JFL が相手誤解場面におけるクラスメートに対する意味公式の使用頻度とその割 合

意味公式 親しいクラスメート 親しくないクラスメート

頻度 割合 頻度 割合

1. 謝罪 8 9.9% 28 33.3%

2. 責任承認 0 0.0% 4 4.8%

3. 責任所在の曖昧化 26 32.1% 31 36.9%

4. 責任否定•追及 12 14.8% 4 4.8%

5. 原因の説明 0 0.0% 0 0.0%

6. 事前連絡に言及 0 0.0% 0 0.0%

7. 相手の攻撃弱化 6 7.4% 6 7.1%

8. 感情表出 28 34.6% 11 13.1%

9. 配慮 0 0.0% 0 0.0%

10.呼びかけ 0 0.0% 0 0.0%

11.その他 1 1.2% 0 0.0%

合計 81 100.0% 84 100.0%

(32.1%)、【責任否定•追及】(14.8%)である。一方、親しくないクラスメー トに対する場合では、最多数のは【責任所在の曖昧化】で、割合が36.9%を占

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直接的に正しい約束の時間を言えばいい」という答えが一番多い。謝罪に対す る解釈に関しては、親しくないクラスメートに対する場面において、その多く は「親しくない相手だから、丁寧にした方がいい」という答えもあれば、「お 詫びで相手の怒りを和らげたい」という答えもある。

親しい・親しくないクラスメートに対する場合における構成要素の使用につ いて、表20 と図 16 のように示す。

表20 JFL が相手誤解場面におけるクラスメートに対する構成要素の使用頻度とその割 合

構成要素

親しい クラスメート

親しくない クラスメート

頻度 割合 頻度 割合

責任否定•追及 2 5.0% 3 7.5%

責任所在の曖昧化 5 12.5% 7 17.5%

謝罪+責任所在の曖昧化 2 5.0% 12 30.0%

謝罪+責任承認 0 0.0% 3 7.5%

感情表出+責任所在の曖昧化 12 30.0% 3 7.5%

感情表出+責任否定•追及 10 25.0% 1 2.5%

感情表出+謝罪+責任所在の曖昧化 3 7.5% 5 12.5%

謝罪+相手の攻撃弱化 2 5.0% 1 2.5%

その他 4 10.0% 5 12.5%

合計 40 100.0% 40 100.0%

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図16 JFL が相手誤解場面におけるクラスメートに対する構成要素の割合

表20 と図 16 に示すように、親しいクラスメートに対する場合では、【感情 表出+責任所在の曖昧化】(30%)の組み合わせが最も多い。二番目に多く用い られるのは【感情表出+責任否定•追及】(25%)である。一方、親しくないク ラスメートに対する場合では、【謝罪+責任所在の曖昧化】(30%)という組み 合わせが一番多く使われており、その次には、【責任所在の曖昧化】(17.5%)

が単独で使われるパターンである。以下は実際の回答例である。

例14.親しいクラスメートに対して一番多く用いられる【感情表出+責任所 在の曖昧化】

「え?私たち2 時半に約束したんじやないの?」

例15.親しくないクラスメートに対して一番多く用いられる【謝罪+責任所 在の曖昧化】

「申し訳ございませんが、約束の時間は2 時半のようですが…。」

このように、相手誤解場面におけるクラスメートに対する場合では、JFL は 親しいクラスメートに対する時、まず、相手の非難に「え?」のように驚きを

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30%

その他 謝罪+相手の攻撃弱化 感情表出+謝罪+責任所在の曖昧化 感情表出+責任否定•追及 感情表出+責任所在の曖昧化 謝罪+責任承認 謝罪+責任所在の曖昧化 責任所在の曖昧化 責任否定•追及

親しいクラスメート 親しくないクラスメート

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表し、次に「2 時半に約束したんじゃないの?」という風に反語的な疑問表現 で正しい約束した時間というヒントを与える。フォローアップ・インタビュー によると、【責任所在の曖昧化】を使った人は「「~じゃないの?」という疑問 表現で反応したのは、相手に約束の時間を思い出させると考える」という答え が一番多い。一方、親しくないクラスメートに対する時、お詫びをしたり、曖 昧な表現で正しい情報を伝えたりする傾向が見られた。

対先生・対クラスメートの場合における意味公式の使用について、表 21 と 図17 のように示す。

表21 JFL が相手誤解場面における対先生・対クラスメートの意味公式の使用頻度とそ の割合

意味公式 対先生 対クラスメート

頻度 割合 頻度 割合 1.謝罪 78 41.5% 36 21.8%

2.責任承認 6 3.2% 4 2.4%

3.責任所在の曖昧化 55 29.3% 57 34.5%

4.責任否定•追及 9 4.8% 16 9.7%

5.原因の説明 0 0.0% 0 0.0%

6.事前連絡に言及 0 0.0% 0 0.0%

7.相手の攻撃弱化 17 9.0% 12 7.3%

8.感情表出 14 7.4% 39 23.6%

9.呼びかけ 8 4.3% 0 0.0%

10.配慮 1 0.5% 0 0.0%

11.その他 0 0.0% 1 0.6%

合計 188 100.0% 165 100.0%

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図17 JFL が相手誤解場面における対先生・対クラスメートの意味公式の割合

表21 と図 17 から見ると、先生に対する場合では、【謝罪】は多く用いられ、

割合が41.5%を占めている。次には、【責任所在の曖昧化】(29.3%)、【相手の 攻撃弱化】(9%)である。クラスメートに対する場合では、【責任所在の曖昧 化】は最も多く使われ、割合が34.5%となっている。以下続いでは、【感情表

割合が41.5%を占めている。次には、【責任所在の曖昧化】(29.3%)、【相手の 攻撃弱化】(9%)である。クラスメートに対する場合では、【責任所在の曖昧 化】は最も多く使われ、割合が34.5%となっている。以下続いでは、【感情表