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第四章 分析結果と考察

4.6 本章のまとめ

立 政 治 大 學

N a tio na

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す。

表47 JNS と JFL の相手誤解・外的要因場面における相手への不満の頻度とその割合

相手への不満

JNS JFL

相手誤解 外的要因 相手誤解 外的要因

頻度 割合 頻度 割合 頻度 割合 頻度 割合 全然ない 43 26.9% 63 39.4% 26 16.2% 74 46.3%

あまりない 47 29.4% 68 42.5% 55 34.4% 65 40.6%

ややある 53 33.1% 27 16.9% 64 40.0% 13 8.1%

とてもある 17 10.6% 2 1.2% 15 9.4% 8 5.0%

合計 160 100.0% 160 100.0% 160 100.0% 160 100.0%

*合計:2 つの場合それぞれの「親しい・親しくない先生」、「親しい・親しくないクラスメート」に対す る総数である。

表47 に示されたように、相手誤解場面における相手への不満に関しては、

JNS と JFL がともに、一番多く選んだのは「ややあるである。外的要因場面 における相手への不満に関しては、JNS は「あまりない」を選んだ人は最も多 く、JFL は「全然ないを選んだ人は最も多い。フォローアップ・インタビュ ーによると、JFL は相手誤解場面において、「自分は時間通りに来たのに、怒 られことに少し不満を感じる」という答えが一番多い。一方、外的要因場面に おいて、「外的要因による遅刻であるが、相手が30 分も待ってくれたという気 持ちを理解できるから、相手の怒りに不満を感じていない」という答えが一番 多い。

4.6 本章のまとめ

本章では、「言われのない非難」に対するJNS と JFL の言語行動の特徴を分 析し、両者の2 つの場面における「親疎関係」と「上下関係」による意味公式 の選択と構成要素の組み合わせ方を述べた。また、JNS と JFL との「言われの

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ない非難」における意味公式の使用の差異を見た。最後に、両者の「非難」に 対する意識調査のデータをまとめた。

相手誤解場面における意味公式の選択について、JNS は【責任否定•追及】、

【責任所在の曖昧化】、【謝罪】という意味公式を多用するのに対し、JFL は【謝 罪】、【責任所在の曖昧化】、【感情表出】という意味公式を多用する傾向がある。

外的要因場面における意味公式の選択について、JNS と JFL がともに、【謝罪】、

【原因の説明】、【事前連絡に言及】という意味公式を多用する傾向がある。

JNS による二つの場面における言語行動の特徴は以下のように示す。

表 48 は、JNS の相手誤解場面における「親疎関係」と「上下関係」による 意味公式の上位順をまとめたものである。

表48 JNS の相手誤解場面における意味公式の選択上位順

相手 上位三つの意味公式

先生 親 1.【責任否定•追及】 2.【責任所在の曖昧化】 3.【謝罪】

疎 1.【謝罪】 2.【責任否定•追及】 3.【責任所在の曖昧化】

クラスメート 親 1.【責任否定•追及】 2.【感情表出】 3.【責任所在の曖昧化】

疎 1.【責任所在の曖昧化】 2.【責任否定•追及】 3.【感情表出】と【謝罪】

先生 上 1.【責任否定•追及】 2.【謝罪】 3.【責任所在の曖昧化】

クラスメート 下 1.【責任所在の曖昧化】 2.【責任否定•追及】 3.【感情表出】

表48 から JNS は相手誤解場面における意味公式の選択について、以下の 3 点にまとめることができる。

(1)親しい先生に対する時、「責任の所在」に関する意味公式がよく選択さ れるのに対し、親しくない先生に対する時、「謝罪表現」がよく選択され る。

(2)親しいクラスメートに対する時、【責任否定•追及】が優先的に選択され

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るのに対し、親しくないクラスメートに対する時、【責任所在の曖昧化】

が優先的に選択される。また、親しくないクラスメートに対する時、【謝 罪】の使用がより目立っている。

(3)上下関係から見ると、対先生の場合では、【責任否定•追及】が多用され るのに対し、対クラスメートの場合では、【責任所在の曖昧化】が多く使 用される。その上、対先生の場合における【謝罪】の使用が際立ってお り、対クラスメートの場合における【感情表出】の使用が際立っている。

表 49 は、JNS の相手誤解場面における「親疎関係」と「上下関係」による 構成要素の上位順をまとめたものである。

表49 JNS の相手誤解場面における構成要素の使用上位順

相手 上位二つの構成要素

先生 親 1.【責任否定•追及】 2.【責任所在の曖昧化】

疎 1.【謝罪+責任否定•追及】 2.【謝罪】

クラスメート 親 1.【感情表出+責任否定•追及】 2.【責任否定•追及】

疎 1.【責任否定•追及】 2.【責任所在の曖昧化】

先生 上 1.【責任否定•追及】 2.【責任所在の曖昧化】

クラスメート 下 1.【責任否定•追及】 2.【責任所在の曖昧化】

表49 から JNS は相手誤解場面における構成要素の使用について、以下 3 点 にまとめることができる。

(1)先生に対する構成要素には、「親疎関係」を意識して、顕著な差異があ る。親しい先生に対して直接的に約束の時間を教え、積極的に責任の所 在を明らかにする言語行動をとることもあれば、婉曲に責任の所在を主 張する言語行動をとることもあるのに対し、親しくない先生に対して主 にお詫びの気持ちを伝える上で、自分の立場を積極的に主張することや

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自分の非ではないことを表明する言語行動をとる。

(2)クラスメートに対する構成要素には、「親疎関係」によって差異が見られ た。親しいクラスメートに対する時と親しくないクラスメートに対する 時には、両者とも直接的に約束の時間を相手に教え、自分の非ではない というヒントを与える言語行動をとる。しかし、親しいクラスメートに 対して発話の最初に「え?」、「いや」のような驚きを表すという特徴が ある。また、親しくないクラスメートに対して婉曲に責任の所在を主張 する言語行動をとることが見られた。

(3)上下関係から見ると、対先生と対クラスメートの場合において、JNS の 構成要素の使用が一致することが見られ、「上下関係」による影響がない ということがわかった。

表 50 は、JNS の外的要因場面における「親疎関係」と「上下関係」による 意味公式の上位順をまとめたものである。

表50 JNS の外的要因場面における意味公式の選択上位順

相手 上位三つの意味公式

先生

親 1.【謝罪】 2.【事前連絡に言及】 3.【原因の説明】

疎 1.【謝罪】 2.【原因の説明】 3.【事前連絡に言及】

クラスメート

親 1.【謝罪】 2.【原因の説明】 3.【事前連絡に言及】

疎 1.【謝罪】 2.【原因の説明】 3.【事前連絡に言及】

先生 上 1.【謝罪】 2.【事前連絡に言及】 3.【原因の説明】

クラスメート 下 1.【謝罪】 2.【原因の説明】 3.【事前連絡に言及】

表 50 によれば、JNS は外的要因場面における意味公式の選択について、以 下の3 点にまとめることができる。

(1)親しい先生と親しくない先生がともに【謝罪】の使用は最も多いが、二

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番目と三番目に多い意味公式はあべこべになっており、親しい先生に【事 前連絡に言及】がよく使用され、親しくない先生に【原因の説明】がよ

く使用される。

(2)クラスメートに対する意味公式の選択は、上位 3 つの順番が親疎を問わ ず、全部同じである。

(3)上下関係から見ると、対先生と対クラスメートの場合では、両者とも【謝 罪】が一番多く使われるが、二番目と三番目の意味公式はあべこべにな っている。二番目の意味公式から見ると、対先生の場合では、【事前連絡 に言及】が用いられるのに対し、対クラスメートの場合では、【原因の説 明】が用いられる。

表 51 は、JNS の外的要因場面における「親疎関係」と「上下関係」による 構成要素の上位順をまとめたものである。

表51 JNS の外的要因場面における構成要素の使用上位順

場面 上位二つの構成要素

先生

親 1.【謝罪+原因の説明+事前連絡に言及】

2.【謝罪+事前連絡に言及】

疎 1.【謝罪+原因の説明+事前連絡に言及】

2.【謝罪+原因の説明】

クラスメート

親 1.【謝罪+原因の説明】

2.【謝罪+原因の説明+事前連絡に言及】

疎 1.【謝罪+原因の説明】

2.【謝罪+原因の説明+事前連絡に言及】

先生 上 1.【謝罪+原因の説明+事前連絡に言及】

2.【謝罪+原因の説明】

クラスメート 下 1.【謝罪+原因の説明】

2.【謝罪+原因の説明+事前連絡に言及】

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表51 から JNS は外的要因場面における構成要素の使用について、以下の 4 点にまとめることができる。

(1)先生とクラスメートに対する構成要素の使用には「親疎関係」によって 大きな差異が見られない。

(2)先生に対する場合では、親疎を問わず、お詫びをして、遅刻した原因を 述べたり、事前に連絡したことについて話したりする言語行動をとる。

しかし、二番目から見ると、親しい先生に【謝罪+事前連絡に言及】が 用いられるのに対し、親しくない先生に【謝罪+原因の説明】が用いら れる。

(3)クラスメートに対する場合では、親疎を問わず、お詫びをしたり、自分 にはコントロールできない状況を説明したりする言語行動をとる。

(4) JNS は「上下関係」を意識して、異なる言語行動をとることが見られた。

上位1の構成要素から見ると、対クラスメートの場合より、対先生の場 合のほうが【事前連絡に言及】の使用に偏ることが観察された。JNS は 前もって連絡したことがあることを目上に伝える必要があると考え、自 分には責任感がない訳ではない人ということを表したいと推測される。

JFL による二つの場面における言語行動の特徴は以下のように示す。

表52 は、JFL の相手誤解場面における「親疎関係」と「上下関係」による意

表52 は、JFL の相手誤解場面における「親疎関係」と「上下関係」による意