第四章 分析結果と考察
4.2 日本語母語話者による言語行動
4.2.2 外的要因場面
國
立 政 治 大 學
‧
N a tio na
l C h engchi U ni ve rs it y
よって、JNS は相手誤解場面では、上下を問わず、相手の責任を追及するこ とや直ちに約束の時間を教え、積極的に相手からの誤解を解く傾向が見られた。
4.2.2 外的要因場面
この節では、JNS が外的要因場面における親しい・親しくない先生と親しい・
親しくないクラスメートに対する場合の意味公式と構成要素の使用状況を述 べる。
親しい・親しくない先生に対する場合における意味公式の選択について、表 11 と図 7 のように示す。
表11 JNS が外的要因場面における先生に対する意味公式の使用頻度とその割合
意味公式 親しい先生 親しくない先生
頻度 割合 頻度 割合
1. 謝罪 38 40.4% 36 41.9%
2. 責任承認 0 0.0% 0 0.0%
3. 責任所在の曖昧化 0 0.0% 0 0.0%
4. 責任否定•追及 0 0.0% 0 0.0%
5. 原因の説明 23 24.5% 25 29.1%
6. 事前連絡に言及 29 30.9% 22 25.6%
7. 相手の攻撃弱化 1 1.1% 2 2.3%
8. 感情表出 0 0.0% 0 0.0%
9. 配慮 0 0.0% 0 0.0%
10.呼びかけ 2 2.1% 1 1.2%
11.その他 0 0.0% 0 0.0%
合計 93 100.0% 86 100.0%
‧ 國
立 政 治 大 學
‧
N a tio na
l C h engchi U ni ve rs it y
図7 JNS が外的要因場面における先生に対する意味公式の割合
表11 と図 7 に示すように、意味公式の使用について、JNS は親しい先生に 対する時、最も多く用いる意味公式は【謝罪】で、割合が40.4%を占めている。
次に多いのは、【事前連絡に言及】(30.9%)、【原因の説明】(24.5%)である。
一方、親しくない先生に対する時、最も多いのは【謝罪】、割合が41.9%であ る。以下続いて、【原因の説明】(29.1%)、【事前連絡に言及】(25.6%)である。
このように、JNS は外的要因場面における先生に対する時、【謝罪】の選択 が大多数を占めている。その次の意味公式を見ると、親疎を問わず【原因の説 明】と【事前連絡に言及】の使用割合の差が小さくて、【原因の説明】と【事 前連絡に言及】の選択が同等であると言える。
親しい・親しくない先生に対する場合における構成要素の使用について、表 12 と図 8 のように示す。
0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45%
その他 呼びかけ 配慮 感情表出 相手の攻撃弱化 事前連絡に言及 原因の説明 責任否定•追及 責任所在の曖昧化 責任承認 謝罪
親しい先生 親しくない先生
‧
‧ 國
立 政 治 大 學
‧
N a tio na
l C h engchi U ni ve rs it y
く使用されている。以下は実際の回答例である。
例 9.親しい先生に対しても親しくない先生に対しても一番多く用いられる
【謝罪+原因の説明+事前連絡に言及】
9-1 「すみません!バスが事故にあったから遅れました!電子メール送り ました。」
9-2 「申し訳ございません。メールに入れたのですが、事故に遭ってしまい ました。」
このように、JNS は外的要因場面における先生に対する時、親疎を問わず、
主に【謝罪+原因の説明+事前連絡に言及】という構成要素で、お詫びをして、
遅刻した原因を述べたり、予め電子メールを送っておくことについて話したり することが多い。
親しい・親しくないクラスメートに対する場合における意味公式の選択につ いて、表13 と図 9 のように示す。
表13 JNS が外的要因場面におけるクラスメートに対する意味公式の使用頻度とその 割合
意味公式 親しいクラスメート 親しくないクラスメート
頻度 割合 頻度 割合
1. 謝罪 38 40.9% 36 39.6%
2. 責任承認 0 0.0% 0 0.0%
3. 責任所在の曖昧化 0 0.0% 0 0.0%
4. 責任否定•追及 0 0.0% 1 1.1%
5. 原因の説明 31 33.3% 31 34.0%
6. 事前連絡に言及 20 22.0% 20 22.0%
7. 相手の攻撃弱化 2 2.2% 1 1.1%
8. 感情表出 1 1.1% 2 2.2%
9. 配慮 1 1.1% 0 0.0%
10.呼びかけ 0 0.0% 0 0.0%
11.その他 0 0.0% 0 0.0%
‧ 國
立 政 治 大 學
‧
N a tio na
l C h engchi U ni ve rs it y
合計 93 100.0% 91 100.0%
図9 JNS が外的要因場面におけるクラスメートに対する意味公式の割合
表13 と図 9 に示されたように、親しいクラスメートに対する場合では、最 も多く用いられる意味公式は【謝罪】で、割合が40.9%となっている。その次 に、【原因の説明】(33.3%)、【事前連絡に言及】(22%)となっている。親しく ないクラスメートに対する場合では、最も多く用いられる意味公式は【謝罪】
で、割合が39.6%を占めている。次に、【原因の説明】(34%)、【事前連絡に言 及】(22%)である。
このように、JNS は外的要因場面におけるクラスメートに対する時、親疎を 問わず、意味公式の選択傾向は完全に一致している。
親しい・親しくないクラスメートに対する場合における構成要素の使用につ いて、表14 と図 10 のように示す。
0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45%
その他 呼びかけ 配慮 感情表出 相手の攻撃弱化 事前連絡に言及 原因の説明 責任否定•追及 責任所在の曖昧化 責任承認 謝罪
親しいクラスメート 親しくないクラスメート
‧
‧ 國
立 政 治 大 學
‧
N a tio na
l C h engchi U ni ve rs it y
例10.親しいクラスメートに対しても親しくないクラスメートに対しても、
一番多く用いられる【謝罪+原因の説明】
10-1 「バスが事故に巻き込まれたんだよね。ごめんね。」
10-2 「遅れてごめんね、バスが事故で遅れちゃって。」
このように、JNS は外的要因場面におけるクラスメートに対する時、親疎を 問わず、主に【謝罪+原因の説明】の組み合わせを使い、お詫びをしたり、交 通事故に遭ったという自分にはコントロールできない状況を説明したりする 傾向が見られた。
対先生・対クラスの場合における意味公式の選択について、表15 と図 11 の ように示す。
表15 JNS が外的要因場面における対先生・対クラスメートの意味公式の使用頻度とそ の割合
意味公式 対先生 対クラスメート
頻度 割合 頻度 割合
1. 謝罪 74 41.1% 74 40.2%
2. 責任承認 0 0.0% 0 0.0%
3. 責任所在の曖昧化 0 0.0% 0 0.0%
4. 責任否定•追及 0 0.0% 1 0.5%
5. 原因の説明 48 26.7% 62 33.7%
6. 事前連絡に言及 51 28.3% 40 21.7%
7. 相手の攻撃弱化 3 1.7% 3 1.6%
8. 感情表出 0 0.0% 3 1.6%
9. 配慮 0 0.0% 1 0.5%
10.呼びかけ 3 1.7% 0 0.0%
11.その他 1 0.5% 0 0.0%
合計 180 100.0% 184 100.0%
‧
‧
‧ 國
立 政 治 大 學
‧
N a tio na
l C h engchi U ni ve rs it y
に言及】が最も多く使用される組み合わせであり、割合が30%となっている。
その次には、【謝罪+原因の説明】(21.3%)である。対クラスメートの場合で は、【謝罪+原因の説明】(33.8%)が一番多く使用され、【謝罪+原因の説明+
事前連絡に言及】(30%)が二番目に多く用いられる組み合わせである。以下は 実際の回答例である。
例11. 対先生の場合では一番多く用いられる【謝罪+原因の説明+事前連絡 に言及】
「メールも送ったんですけど、乗っていた電車が事故で遅れてしまい ました。すみません!」
例 12. 対クラスメートの場合では一番多く用いられる【謝罪+原因の説明】
「遅れてごめんね、バスが事故で遅れちゃって。」
このように、JNS は外的要因場面における構成要素の使用には、謝罪するこ とと原因を説明することのほかに、対クラスメートより対先生のほうが、先ほ ど連絡しておくことを述べることに偏るのが観察された。この状況について、
おそらく、先生に対して事前に連絡したことを述べた理由は、相手にこの言葉 を言い訳にはさせたくないため、【事前連絡に言及】を有利な証拠として提出 する可能性があると推測される。一方、JNS はクラスメートに対して謝ったり、
原因を説明したりして、事前に連絡したことを述べなかった理由は、クラスメ ートは同輩であるから、バスが交通事故に遭った状況について説明すれば、相 手に必ず理解してもらうと考えると推測される。