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ここで柳原より成林に提出した中日仮条約の趣旨をまとめて説明したい。柳 原が 1870 年 9 月 16 日(同治 9 年・明治 3 年)に署三口通商大臣の成林に提出 した『日本国清国条約草稿』57(普通柳原草案と称されている)は、16 条から なり、中に、

①. 中日の和親友好:第 1 款、中日両国の和親友好を明記していること。

②. 在彼国の本国公使や領事の権限:第 2 款、彼国に駐在する本国公使の権限、

55『籌弁夷務始末』同治朝 83 巻頁 7589-7590

56『大日本外交文書』3 巻頁 195-196、柳原前光『使清日記』明治 4 年(日本国会図書館所蔵、

1800)頁 1-7

57 前掲 近史所檔案館史料 外交部門 №01-21-023-01-025「咨送日本所擬條約底稿咨請查核由」

によって、柳原より送られた条約草案は条約名称を載せていないが、『日本国清国条約草稿』

という名は王璽『李鴻章と中日締約(1871)』(台湾中央研究院近代史研究所、2006)頁 50 より取り上げたものである。

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及び彼国官員と接する儀礼を定めていること。第 4 款、彼国に駐在する本 国領事の権限及び彼国官員や民と接する儀礼を掲げること。

③. 通商について:第 3 款、中日両国の開港場を明示すること。第 10 款、両 国が貿易する時使う貨幣を定めること。第 11 款、税則・貨物の運輸・売 買・罰則などの掲示。

④. 彼国の開港場に居留する本国人に対する管理:第 5 款、開港場に駐在する 領事が開港場での在留人民に対する権限を定めること。第 6 款、開港場に 領事が駐在していない時の処置。

⑤. 商民の権限及び保護:第 7 款、本国に居留する彼国人の通商、遊歴権を定 めること。第 8 款、船難などの事故が起こった時施すべき措置。

⑥. 禁令の明示:第 12 款、リスト教の伝教が日本で禁じられているのを明示 すること。第 13 款、阿片の輸入と吸食が日本で禁じられているのを掲げ ること。

⑦. その他:第 14 款、両国に居留する彼国法や本国法を犯した人民に対する 処置。第 15 款、両国の相互的最恵国条款を定めること。第 16 款、日本国 が中国に渡す文書は、日本語が分かる人がいるまで中国語を訳すと明示す ること。58

さらに条文で特に取り上げに値するところを検討する。まず条約内の第 2 款 と第 4 款、

一. 大清國皇帝、大日本國天皇,准依盟約常規,兩國隨意派委全權大臣‧‧‧‧

, 註劄京師…(中略)…,其在京內京外,與內閣大學士尚書及各省監撫等 大憲,文移會晤,總以兩國比肩之禮‧‧‧‧‧‧‧‧

,劃一肅敬,…(中略)…,大清國 派出欽差大臣,註劄日本東京時,亦與此無異。

二. 大清國准開通商各口,由大日本設立領事官…(中略)…,領事官‧‧‧

與道台 同品,其屬係與知府同品,而視凡會晤文移均用平禮‧‧‧‧‧‧‧‧‧

,大清國領事官居 住大日本國准開通商各口時,亦與該各大員平禮相待,兩國無爵紳士及 商民等俱用稟呈。

これは明らかに中日間の「比肩対等」を示している。

また第 5 款と第 15 款、

一. 因兩國人往來各口,居住所有領事責任應辦‧‧‧‧‧‧‧‧‧‧

,諸如戶口產業詞訟交涉,

58 前掲 近史所檔案館史料 外交部門 №01-21-023-01-025「咨送日本所擬條約底稿咨請查核由」

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01-21-061-04-001「中法天津條約暨合約章程補遣通商章程善後條約並稅則」、第 30 款、「…(上 略);如有大法國船隻,在中國進岸地方損壞,地方官聞知即為拯救,給與日用急需,設法打撈

26 史所檔案館史料 外交部門 №01-21-061-04-001「中法天津條約暨合約章程補遣通商章程善後條 約並稅則」、第 8 款、「凡大法國人欲至內地及船隻不准進之各埠頭遊行,皆准前往;然務必與本

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たものから取り上げたのであると表している。そのため、中国にとって不平等 条約である柳原草案は、実に列強と同じような権益を中国よりもらおうと狙っ ていると思われている。

上述柳原草案の趣をまとめて、第 2 款と第 4 款は中日の「比肩対等」を要求 している。第 5 款と第 15 款は中日両国相互の「領事裁判権」及び「最恵国待 遇」を求めている。以上の内容は中日間の対等性を示しているが、第 7 款「内 地遊歴と通商」と第 8 款「遭難船」に関する決まりは日本が中国より明らかに 有利的な立場に立っているということが窺える。しかし、李鴻章が柳原草案に 下した評価より、柳原草案は実に列強と同じような権益を中国よりもらおうと 狙っているということも察知できる。そのため、柳原草案には、1、中日間の 対等性を達成させる。2、列強と同じような権益を中国よりもらう。という 2 点の狙いがまとめられると思われている。