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第 2 章 河川維持管理に関する計画

第 2 節 サイクル型維持管理

2.1 サイクル型維持管理体系の構築

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<考え方>

河道や河川管理施設の被災箇所とその程度はあらかじめ特定することが困難である。河 川維持管理はそのような制約のもとで、河道や河川管理施設において把握された変状を分 析・評価し、対策等を実施せざるを得ないという性格を有している。実際、河川管理では、

従来より河川の変状の発生とそれへの対応、出水等による災害の発生と対策や新たな整備 等の繰り返しの中で順応的に安全性を確保してきている。そのため、河川維持管理にあた っては、河川巡視、点検による状態把握、維持管理対策を長期間にわたり繰り返し、それ らの一連の作業の中で得られた知見を分析・評価して、河川維持管理計画あるいは実施内 容に反映していくというPDCAサイクル(図 2-1 参照)を構築していくことが必要であ る。

その際、状態把握の結果を分析・評価し、所要の対策を検討する手法等が技術的に確立 されていない場合も多いため、学識者等の助言を得る体制を整備することも重要である。

また、河川整備計画は、河川の維持を含めた河川整備の全体像を示すものであり、河川 維持管理におけるPDCAサイクルの中で得られた知見を河川整備計画にフィードバック し、必要に応じて河川整備計画の内容を点検し変更することも検討すべきである。

図 2-1 サイクル型維持管理体系のイメージ

2.2 河道計画等との関係

<考え方>

河道計画の検討において河川維持管理の視点も重要である。土砂の堆積や植生の繁茂に よる流下能力の阻害、あるいは河床低下による河川管理施設の機能障害、河岸侵食による 堤防の安全性の低下等、様々な変状については、日常あるいは出水後の河川維持管理によ

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り対応することになる。このため、河道の状態把握の結果を分析・評価して維持管理対策 の検討を行うとともに、維持管理対策では十分な対応が困難な場合には河道計画にフィー ドバックした検討を行い、必要に応じて河道計画を見直すことが必要である。

また、河道の状態把握の結果を分析・評価するにあたっては、個々の施設や特定の箇所 周辺の河道に限定せず、河道を一つのシステムとして捉えた検討1)を行うことが重要であ る。

河道計画のみならず、河川維持管理は水防活動にも密接に関連している。河川の状態把 握の成果や対策の実施経緯は、重要水防箇所2)を判断する重要な資料になる。

<標 準>

河川整備基本方針あるいは河川整備計画における河道に関する具体的な内容を維持管理 に反映させるためには、大河川においては河川管理を行うために必要とされる直轄河川管 理基図3)4)を作成し、維持管理に反映することを基本とする。

<関連通知等>

1) 河川砂防技術基準調査編,第 4 章:平成 26 年 4 月 1 日,国水情報第 52 号,水管理・国土 保全局長

2) 重要水防箇所評定基準(案)の改定について:平成 18 年 10 月 16 日,国河治第 97 号,治水 課長

3) 直轄河川管理基図の作成について:平成 14 年 7 月 12 日,国河治第 69 号,河川局長 4) 直轄河川管理基図作成要領等について:平成 19 年 10 月 30 日,国河治第 71 号,治水課長

15 第 3 章 河川維持管理目標

第 1 節 一般

<考え方>

河川維持管理目標とは、河道及び河川管理施設を維持管理すべき水準であり、時間の経 過や洪水・地震等の外力、人為的な作用等によって、本来河川に求められる治水・利水・

環境の目的を達成するための機能が低下した場合、これを適確に把握して必要な対策を行 うために設けるものである。

河川維持管理目標は、可能な場合に定量的に設定することを基本としているが、自然公 物である河川では目標を工学的な指標等により定量的に設けることが困難な場合が多く、

そのような場合には過去の経験等を踏まえて定性的なものであっても、設定することとし ている。

なお、利水面については、河川整備計画において流水の正常な機能に関する目標が設定 されるていることから、その目標に基づき低水流量観測等1)を通じて河川の状態把握を行う ものである。

<標 準>

河川維持管理目標は河川管理の目的に応じて、洪水、高潮、津波等による災害の防止、

河川区域等の適正な利用、河川環境の整備と保全等に関して設定することを基本とする。

洪水、高潮、津波等による災害の防止については、具体の対象として河道流下断面の確 保と、施設の機能維持に分けて設定することを基本とする。

河川区域等の適正な利用については、河川敷地の不法占用や不法行為等への対応に関し て設定することを基本とする。

河川環境の整備と保全等については、河川整備計画等に基づいて河川環境の整備と保全 に関して設定することを基本とする。

水防等については、河川の特性や地域の状況、出水特性等に応じて、水防管理団体への 協力、連携や情報提供に関して設定することを基本とするとともに、出水、水質事故、地 震時等の対応に必要な施設・機器の準備や対応等に関して設定することを基本とする。

<関連通知等>

1) 河川砂防技術基準調査編,第 2 章:平成 26 年 4 月 1 日,国水情報第 52 号,水管理・国土 保全局長

第 2 節 河道流下断面に係る目標設定

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<考え方>

河道流下断面を維持する目的は、洪水を安全に流す器(うつわ)を確保するものである。

河道内の土砂堆積、樹木による死水域の発生等の河道流下断面の変化は、維持管理対策の 直接の対象となるものである。また、単に河床や堤防等の地形的な変化の側面だけでなく、

河床材料や植生等による粗度の変化についても考慮する必要がある。

このため、河川維持管理目標は、河川整備計画の目標流量が確保されていない区間にお いては、これまでの河川改修等により確保された流下能力を維持することとし、その流下 能力は改修工事の進捗等により変化することから、目標とする流下能力は必要に応じて再 設定する。

河川整備計画の目標流量が確保されている区間においては、河川整備計画の目標流量の 確保を維持管理の目標とする。

流下能力を評価するためには、水理計算を行うために必要な河床勾配、粗度係数等を把 握することが重要である。

流下能力を持続的に確保していくためには、維持管理が容易な河道であることが重要で ある。そのためには河道の維持管理対策の経緯を踏まえ、流砂系全体の状態から見て上下 流バランスのとれた河道となるよう河道計画への反映に努める必要がある。

<標 準>

維持管理すべき一連区間の河道流下断面の目標は、これまでの河川改修等により確保さ れた流下能力を維持することを基本とする。

なお、大河川においては、流下能力を算定するにあたり、定期的な縦横断測量や河床材 料調査等1)の結果から水理計算を行うことを基本とする。

<推 奨>

現況の流下能力を評価することは極めて重要であり、中小河川においても定期的な縦横 断測量等を行うことが望ましい。縦横断測量の頻度が少ない場合においては、土砂の堆積 状況を目視や定点撮影した写真により把握することや、簡易な手法でも横断測量や洪水痕 跡調査等1)を行うことが望ましい。

河川改修により確保した流下能力は、時間の経過とともに、あるいは出水に伴い急激に 土砂堆積が進行すること等により減少する場合があることから、河川整備計画等の中で、

将来的な土砂堆積を見込むなど、変化を許容した河道計画を検討することが望ましい。

<関連通知等>

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1) 河川砂防技術基準調査編,第 2 章,第 4 章:平成 26 年 4 月 1 日,国水情報第 52 号,水管理・

国土保全局長

第 3 節 施設の機能維持に係る目標設定

3.1 基本

<考え方>

代表的な河川管理施設である堤防をはじめ、護岸、床止め等の河川管理施設は、出水等 の自然現象や、河川利用等により損傷あるいは劣化を生じる。樋門、水門、堰、排水機場 等の構造物や機器についても、経時的な劣化や使用に伴い変状が生じる。このことは、河 川にある許可工作物についても同様である。一方、河川管理にあたっては、施設の維持す べき機能に支障を及ぼす変状の度合いについては、現状では一部を除けば定量的に定める ことは困難であり、変状の経時的な変化を把握し、変状の度合いを判断しながら機能を維 持することが基本である。このため、施設毎に目視を中心とした点検を適切な時期に行い、

代表的な河川管理施設である堤防をはじめ、護岸、床止め等の河川管理施設は、出水等 の自然現象や、河川利用等により損傷あるいは劣化を生じる。樋門、水門、堰、排水機場 等の構造物や機器についても、経時的な劣化や使用に伴い変状が生じる。このことは、河 川にある許可工作物についても同様である。一方、河川管理にあたっては、施設の維持す べき機能に支障を及ぼす変状の度合いについては、現状では一部を除けば定量的に定める ことは困難であり、変状の経時的な変化を把握し、変状の度合いを判断しながら機能を維 持することが基本である。このため、施設毎に目視を中心とした点検を適切な時期に行い、