第 4 章 河川の状態把握
第 2 節 基本データの収集
2.1 水文・水理等観測
<考え方>
水文・水理観測、水質調査のデータは、治水・利水計画の検討、洪水時の水防活動に資 する情報提供、河川管理施設の保全、渇水調整の実施等の基本となる重要なデータである。
また、このほかの観測項目として、震度観測、潮位観測、風向・風速観測、積雪深観測、
地下水位観測等多岐にわたる観測があり、各河川、流域の特性に応じて河川維持管理計画 に適宜追加する必要がある。
<標 準>
大河川においては、水文・水理観測、水質調査は、河川砂防技術基準調査編1)、水文観測 業務規程2)3)、河川水質調査要領4)等に基づき実施することを基本とする。
降水量、水位、流量の観測は自動観測が一般的であるが、河川管理上特に重要となる高 水流量観測は所要の地点において計画的、迅速に実施することを基本とする。また、流水 の正常な機能の維持のためには、低水流量の把握が重要であり、必要な箇所と時期におい て実施することを基本とする。また、水質調査は、公共用水域の水質把握等に必要とされ る適切な箇所において実施することを基本とする。
<推 奨>
中小河川においては、大河川に準じて降水量、水位、流量の観測を行い、高水流量観測 を実施することが望ましい。また、低水流量観測、水質調査についても大河川に準じて実 施することが望ましい。
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<関連通知等>
1) 河川砂防技術基準調査編,第 2 章,第 12 章:平成 26 年 4 月 1 日,国水情報第 52 号,水管 理・国土保全局長
2) 水文観測業務規程:平成 14 年 4 月 22 日,国河環第 6 号,国土交通事務次官
3) 水文観測業務規程細則:平成 26 年 3 月 20 日,国水情第 45 号,水管理国土保全局長 4) 河川水質調査要領(案):平成 17 年 3 月,国土交通省河川局河川環境課
2.2 測量
2.2.1 縦横断測量
<考え方>
河道の状態把握及び適切な許可を行うための基本となるデータとして、河川の縦横断測 量の成果がある。大きな河床変動を生じる沖積河川では、平均年最大流量規模以上の出水 があった場合等を目安にして縦横断測量を実施する必要がある。
河川の縦横断形を現況と大きく変えた場合、ダム・堰等の横断工作物を新たに設置した 場合等、河床の変動が大きくなると想定される区間では、より高い頻度で実施することが 重要である。また、岩河床化が進み長期的に安定した河床等では実施間隔をより長くする こともできる。縦横断測量の範囲、密度の設定にあたっては、築堤直後や地盤沈下等によ り堤防高の変化が考えられる箇所を考慮する必要がある。河口部では、河口テラスの形状 を把握するため、河口より沖合についても必要な範囲で実施することが重要である。また、
河口閉塞を生じる河川では必要に応じて当該区域の測量の頻度を増加させるものである。
<標 準>
現況河道の流下能力、河床の変動状況等を把握するため、適切な時期に縦横断測量を実 施することを基本とする。
大河川においては、5 年以内に 1 回程度は実施することを基本とする。また、出水により 大きな河床変動を生じた場合には実施することを基本とする。
一連区間の縦横断測量を実施した際には、過去の断面との重ね合わせにより顕著な堆積 に伴う流下阻害、局所洗掘、河岸侵食等危険箇所の発生や変化の状態を把握し、あるいは 流下能力の評価を実施することを基本とする。
測量の手法等は河川砂防技術基準調査編1)による。
<推 奨>
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変化の大きい低水路部分のみを密に測量することや、取得したレーザープロファイラを 活用する等、より効率的、効果的な測量手法についても検討することが望ましい。
中小河川においては、大きな出水や河道の改変の状況を踏まえ、必要に応じて縦横断測 量を実施する。
<関連通知等>
1) 河川砂防技術基準調査編,第 22 章:平成 26 年 4 月 1 日,国水情報第 52 号,水管理・国土 保全局長
2.2.2 地形測量及び写真測量
<考え方>
河床(みお筋、平面形状)の変動状況の把握、護岸等の施設管理の基本となる重要な資 料として地形測量や写真測量の成果がある。また、河道内の樹木等の変化と合わせて流下 能力の評価の基本となるデータとして利用することや、河川の適切な利用にあたり必要な 許可を行うための状況を把握するための資料であることから、地形測量や写真測量による 平面図の作成は重要である。
河岸の侵食が進み、堤防に河岸が近づく状況が見られる箇所ではより高い頻度で実施す る等、対策が必要な状態を見逃さないよう留意することが重要である。
<標 準>
大河川においては、平面図を作成するための地形測量や写真測量は、縦横断測量に合わ せて実施することを基本とする。ただし、河川の平面形状の変化がない場合等、状況によ り間隔を延ばす、部分的な測量とする等の工夫を行うことを基本とする。
平面図を修正した場合には、過去の成果との重ね合わせにより、みお筋、平面形状、河 道内の樹木等の変化を把握するなど積極的に活用することを基本とする。
<推 奨>
中小河川においては、大河川に準じて、地形測量や写真測量を行うことが望ましい。
2.3 河道の基本データ
(1)河床材料調査について
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<考え方>
河床材料の粒度分布等は、河床の変動状況や流下能力等を把握するための基本となるデ ータである。
<標 準>
大河川においては、河床材料調査は縦横断測量と合わせて実施することが好ましく、出 水状況、土砂移動特性等を踏まえて実施時期を設定することを基本とする。
具体の調査方法は河川砂防技術基準調査編1)による。
<推 奨>
河床材料調査を実施した際には、過去の結果との比較を行い、他の河道特性との関連分 析、河床変動と連動した粒度分布等の特性変化の把握等、積極的に活用するよう努める。
河川改修によって河川の川幅、縦断形等を変えた区間、ダム・堰等の横断構造物の設置に より河床が安定していない区間、河口部、荒廃山地から流出する支川の合流点下流、セグ メントの変化点等では、特に密に河床材料調査を実施することが望ましい。
中小河川においては、大河川に準じて、河床材料調査を実施することが望ましい。
(2)河道内樹木調査について
<考え方>
河道内樹木の状況は流下能力や堤防等の施設の機能維持を検討するための基本となる重 要な情報である。
<標 準>
大河川においては、航空写真の撮影や河川巡視等によって樹木分布や密度の概略を把握 するとともに、河道内樹木調査を実施することを基本とする。
<推 奨>
樹木の繁茂速度は河川や地域によって様々であるが、伐開した区域の再生状況や新たな 樹林化の状況については、年 1 回程度の目視点検により確認することが望ましい(第 4 章 第 5 節 5.1.1 参照)。過去の資料との比較等により河川の流下能力に影響を及ぼすような大 きな変化が見られると判断された場合等には、樹木の伐採に関する基準2)等に基づいて必要 な区域の樹木群を対象に調査(樹種、樹木群の高さ、枝下高さ、胸高直径、樹木密度等)
を実施するよう努める。河川水辺の国勢調査を実施している河川では、植生図作成調査、
群落組成調査、植生断面調査の成果を活用することが望ましい。
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中小河川においては、大河川に準じて、河道内樹木調査を実施することが望ましい。
<関連通知等>
1) 河川砂防技術基準調査編,第 4 章:平成 26 年 4 月 1 日,国水情報第 52 号,水管理・国土 保全局長長
2) 河川区域内における樹木の伐採・植樹基準について:平成 10 年 6 月 19 日,建河治発第 44 号,治水課長
2.4 河川環境の基本データ
<考え方>
河川環境の整備と保全を目的とした河川維持管理を行うにあたっては、河川における生 物の生息状況等を把握することが必要である。
河川の利用実態や河川に係る歴史・文化の把握も重要である。
また、工事実施箇所においては、多自然川づくりの追跡調査として河川環境の変化を把 握することも重要である。
<標 準>
大河川においては、河川の自然環境や利用実態に関して、河川水辺の国勢調査1)を中心と して包括的、体系的、継続的に基本データを収集することを基本とする。
具体の調査方法は、河川砂防技術基準調査編2)による。
<推 奨>
河川環境の状態把握のために必要とされる基本データとしては、河川水辺の国勢調査の ように、河川全体、生物相全体について、包括的、体系的な調査成果を用いることが望ま しい。
河川環境に関する情報は多岐にわたるため、河川維持管理に活用するためには総括的な
河川環境に関する情報は多岐にわたるため、河川維持管理に活用するためには総括的な