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第 6 章 施設の維持及び修繕・対策

第 8 節 排水機場

<考え方>

排水機場の維持管理については、河川の規模や重要度等によって適切に行うものである。

8.1 土木施設

<考え方>

排水機場本体、沈砂池、吐出水槽、排水門等の土木施設は、ポンプが確実に機能を果た せるよう維持管理する必要がある。

排水機場はポンプにより堤防を横断して内水又は河川水を排除するために設けられる施 設であり、洪水時に確実に運転できるように、日常の点検と整備が重要である。

土木施設のうち排水機場本体は吸水槽、冷却水槽、燃料貯油槽、地下ポンプ室等によっ て構成される。これらは、ポンプ設備等の基盤となるものであり、ポンプ機能に支障とな るような沈下・変形が生じないよう維持管理することが必要である。特に、ポンプ圧送す る排水が周辺に浸出すると、堤防周辺に水みちを形成する原因となるので水密性を確保す る必要がある。

<標 準>

点検によりポンプ機能や水密性に支障となるおそれがある異常が認められた場合には、

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原因を究明し、適切な対策を講じることを基本とする。

コンクリート構造部分のひびわれや劣化については、出水期前の点検等により状態把握 を行い、異常を発見した場合には適切に補修等を行うことを基本とする。点検にあたって は、不同沈下や地震等による沈下・変形や、ひびわれや劣化等が新たに発生していないか どうかに着目するとともに、既に発見されている箇所については、状況に応じて計測によ りその進行状況を把握し、異常を発見した場合には適切に補修等を行うことを基本とする。

<推 奨>

外水はん濫や内水はん濫等に伴って機場が浸水しポンプの運転に支障を生じる場合があ るので、維持管理にあたっては、状況に応じて排水機場の耐水化にも考慮することが望ま しい。

(1)沈砂池について

<考え方>

沈砂池は、ポンプの摩耗、損傷等を防ぐため流水中の土砂を沈降させるため設けられる ものである。

沈降した土砂は、沈砂池の本来の目的を果たすために適切に除去する必要がある。なお、

除去するためにクラブバケット等の機械を使用する場合は、底版や側壁コンクリート等を 損傷しないよう留意する必要がある。

<標 準>

沈砂池は鉄筋コンクリート構造を原則としているので、排水機場本体と同様に、コンク リート構造部分のひびわれや劣化の状態を把握し、異常を発見した場合には適切に補修等 を行うことを基本とする。

また、大きな沈砂池のため適当な間隔に伸縮継手を設けている場合は、不同沈下によっ て目地部が開口すると水密性が確保できなくなるので、地盤が軟弱な場合には特に留意し、

点検により沈下、変形の状態を把握し、異常を発見した場合には適切に補修等を行うこと を基本とする。

(2)吐出水槽について

<考え方>

吐出水槽は、一般に堤防に近接して設置されているので、吐出水槽の変状は堤防に悪影 響を与えやすい。特に漏水が生じ排水門に沿って水みちが発生すると堤防の安定に著しい 影響を及ぼすことがあるので、点検等による異常の早期発見に努める必要がある。

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<標 準>

コンクリート構造部分のひびわれや劣化と両端の継手部の損傷を主な点検項目とし、漏 水等の異常が認められたときには、適切な対策を講じることを基本とする。

また、吐出水槽は一般に覆蓋されないので、ゴミ等の除去や、子供の侵入等の安全対策 にも留意することを基本とする。

8.2 ポンプ設備

<考え方>

ポンプ設備は、確実に始動し必要な時間運転継続できる等、必要とされる機能を長期に わたって発揮しなければならないが、水門等のゲート設備と同様に、出水時のみ稼働し通 常は休止しているため、運転頻度が低く長期休止による機能低下が生じやすい。したがっ て、当該ポンプ設備の設置目的、装置・機器等の特性、設置条件、稼働形態、機能の適合 性等を考慮して維持管理対策の最適化に努め、ポンプ設備の信頼性を確保しつつ効率的・

効果的に維持管理することが必要である。

整備・更新等の対策は、設備の機能を保持し、信頼性を確保することを目的として、戦 略的かつ確実に実施する必要がある。

<標 準>

①大河川におけるポンプ設備の点検・整備等は、ポンプ設備の点検・整備等に関するマ ニュアル等 1)2)3)に基づき実施することを基本とする。なお、救急排水ポンプについて も同様な維持管理を行うことを基本とする。

②ポンプ設備は、点検により機能及び動作の確認等を行い、効果的・効率的に維持管理 対策を行うことを基本とする。

③ポンプ設備の整備・更新等の対策は、予防保全、事後保全に分けて戦略的に実施する ことを基本とする。

④整備・更新等の対策の実施にあたっては、点検作業との調整を行うとともに、同時に 実施する機器の範囲を設定するなど効率化することを基本とする。

⑤整備・更新等の対策は基本的に専門技術者により実施するものとし、実施にあたって は仮設設備や安全設備の整備等による安全対策等に留意して計画・実施することを基 本とする。

⑥ポンプ設備の維持管理を適確に実施していくために、運転、故障、点検、整備、更新 等の内容を整備台帳、運転記録等として記録、整理することを基本とする。

⑦ポンプ設備の整備・更新等の対策を戦略的に実施するため、点検結果を評価するにあ たって、当該設備の社会的な影響度、機器・装置の診断等に基づく健全度等の整理を 行うことを基本とする。

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<推 奨>

中小河川におけるポンプ設備の点検・整備等についても、ポンプ設備の点検・整備等に 関するマニュアル等1)2)3)に基づき実施することが望ましい。

<関連通知等>

1) 揚排水機場設備点検・整備指針(案)の制定について:平成 20 年 6 月 27 日,国技電第 56 号,国総施第 111 号,国河治第 151 号,技術調査課長,建設施工企画課長,治水課長 2) 河川用ゲート・ポンプ設備点検・整備・更新検討マニュアル(案)について:平成 20

年 3 月 31 日,国総施第 270 号,国河治保第 8 号,施工環境技術推進室長,河川保全企画室長 3) 揚排水ポンプ設備技術基準の改定について:平成 26 年 3 月 31 日,国技電第 59 号,国総

公第 146 号,国水環第 14 号,国水治第 189 号

8.3 電気通信施設

<標 準>

電気通信施設については、第 6 章第 7 節 7.6 に準じて適切に維持管理することを基本と する。

8.4 機場上屋

<考え方>

機場上屋は、ポンプ設備等への悪影響、操作への支障及び操作環境の悪化が生じないよ う、適切に維持管理する必要がある。そのため、雨漏りや換気の悪化等による機器や電気 通信施設の劣化等を生じないよう留意する必要がある。

<標 準>

住宅等が近いため騒音対策として防音構造としている場合は、防音構造の点検を行い、

その効果が確実に発揮されているか確認することを基本とする。

<推 奨>

機場上屋の外装を補修する時には、周辺の景観との調和にも配慮することが望ましい。