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河川環境の整備と保全に係る目標

第 3 章 河川維持管理目標

第 5 節 河川環境の整備と保全に係る目標

<標 準>

河川区域等が、治水、利水、環境の目的と合致して適正に利用されるよう、河川敷地の 不法占用や不法行為等への対応のほか、河川の利用に関する目標を設定することを基本と する。

河川維持管理の実施にあたっては、河川の自然的、社会的特性、河川利用の状況等を勘 案しながら、河川の状態把握を行うとともに、河川敷地の不法占用や不法行為等への対応 を行うことを基本とする。

第 5 節 河川環境の整備と保全に係る目標

<考え方>

河川整備計画の目標には河川環境の整備と保全に関する事項が定められている。また、

河川環境管理基本計画が作成されている河川では、河川の水量及び水質、河川空間等に関 してより具体的な管理に関する記載がなされている。河川維持管理にあたっては、現状の 河川環境を保全するだけではなく、維持管理対策により河川整備計画等に定められた目標 に向けた河川環境の整備がなされることが重要である。

そのため、河川維持管理目標は、河川整備計画あるいは河川環境管理基本計画に定めら れた内容を踏まえ、河川環境が適正に整備あるいは保全されるよう設定する必要がある。

河川整備計画や河川環境管理基本計画により河川環境や河川利用に係るゾーニング等の 空間管理の具体的な目標が定められている場合には、それに合致するよう河川が適正に利 用されることが河川維持管理の目標となる。対象別に見ると、希少性や典型性、象徴性、

上位性等の観点から守るべき特定の生物種や群集及びその生息域の保全、あるいは景観法

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(平成 16 年法律第 110 号)等で定められる特定の景観の保全等を河川維持管理の目標とす ることができる。また、地域の歴史文化や伝統行事等に関わる特徴的な河川空間の状態の 保全等も目標とすることができる。

河川環境の整備と保全においては、調査や河川巡視等により河川の状態把握に取り組み ながら維持管理することが重要である。

近年では、外来植物等の外来生物の駆除も、河川環境の保全上重要な課題になってきて おり、これら課題への対応も重要である。

<標 準>

河川整備計画を策定した河川においては、当該河川における、生物の生息・生育・繁殖 環境、河川利用、河川景観の状況等を踏まえ、河川環境の整備と保全に関する目標を設定 することを基本とする。

河川環境の整備と保全に関する目標は、生物の生息・生育・繁殖環境、河川景観、人と 川とのふれあいの場、水質等について、当該河川の特性や社会的な要請等を考慮しながら 検討することを基本とする。

<推 奨>

河川整備計画を策定していない河川においては、速やかに策定するとともに、策定まで の期間においても、当該河川における、生物の生息・生育・繁殖環境、河川利用、河川景 観の状況等を踏まえ、河川環境の整備と保全に関する目標を設定することが望ましい。

24 第 4 章 河川の状態把握

第 1 節 一般

<考え方>

自然公物である河川の維持管理は、状態把握を行いつつその結果を分析、評価して対策 を実施することから、河川の状態把握は特に重要である。河川の状態把握として実施する 項目は、基本データの収集1)、平常時及び出水時の河川巡視、出水期前・台風期・出水後等 の点検、及び機械設備を伴う河川管理施設の点検に分けられる。

(1)基本データの収集

<考え方>

基本データの収集として、降水量、水位、流量等の水文・水理等の観測、平面、縦横断 等の測量、河床材料等の河道の状態に関する資料を収集する。これらの観測や調査方法の 詳細は、河川砂防技術基準調査編1)による。

(2)平常時及び出水時の河川巡視

<考え方>

平常時及び出水時の河川巡視2)では、河道及び河川管理施設等の状況の把握、河川区域内 における不法行為の発見、河川空間の利用に関する情報収集及び河川の自然環境に関する 情報収集等を概括的に行うものである。

(3)出水期前・台風期・出水後等の点検

<考え方>

出水期前・台風期の点検3)4)は、河道及び河川管理施設を対象として状態の変化について 確認を行うものである。また、規定規模以上の出水や高潮、地震等が発生した場合に、そ れらの発生後に施設等の点検を行うものである。また、堰、水門・樋門、排水機場等の機 械設備を伴う河川管理施設については、定期点検等により状態把握を行うことが重要であ る。

(4)河川巡視と点検の区分

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<考え方>

河川巡視と点検とはその目的により明確に区分される。

河川巡視とは、定期的・計画的に河川を巡回し、その異常及び変化等を概括的に把握す ることを目的としており、点検とは一つ一つの河川管理施設の治水上の機能について異常 及び変化等を発見・観察・計測等することを目的としている。不法行為への対応等、発見 時に迅速な初動対応が必要な行為については、河川巡視に含めることができる。

河川の状態把握に求められる内容と精度は、河川巡視と点検でそれぞれ異なるため、目 的に応じて適切に実施する必要がある。

(5)状態把握結果の記録と公表

<考え方>

河川巡視や点検の結果はその後の維持管理にとって重要な情報となるので、河川カルテ 等に適切に記録し、公表することが重要である。

河川の状態把握の技術は経験による部分が大きく、その分析・評価の手法等も確立され ていない場合が多いことから、大河川では、学識者、管理経験者等の助言を得られるよう 体制を整備することが重要である。

<標 準>

河川の状態把握は、基本データの収集、河川巡視、点検等により行うこととし、河川維 持管理の目標、河川の区間区分、河道特性等に応じて、適切に実施することを基本とする。

また、現状の河川管理施設の点検結果を評価し、管理の現況を地域に分かり易く公表し ていくことを基本とする。

大河川においては、河川維持管理データベースシステム(RMDIS:River Management Data Intelligent System 等)により、河川巡視・点検結果や河道基盤情報等の河川維持管理に関 する基本情報を効果的に蓄積することを基本とする。

<推 奨>

CCTV 等 IT 機器を活用することにより、効果的・効率的な河川の状態把握に努める。

中小河川においても、河川の状態把握の分析・評価にあたっては、学識者、管理経験者 等の助言を得られるよう体制を整備することが望ましい。

中小河川においても、状態把握データの保存にあたっては、電子的なデータベースを構 築し、収集したデータについて蓄積、分析、評価を行っていくことが望ましい。

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<関連通知等>

1) 河川砂防技術基準調査編,第 2 章,第 4 章,第 22 章:平成 26 年 4 月 1 日,国水情報第 52 号,水管理・国土保全局長

2) 河川巡視規程例について:平成 23 年 5 月 11 日,事務連絡,水政課河川利用企画調整官, 河川保全企画室長

3) 堤防等河川管理施設及び河道の点検要領について:平成 24 年 5 月 17 日,国水環第 14 号, 河川環境課長

4) 中小河川における堤防等河川管理施設及び河道の点検要領について:平成 26 年 3 月 31 日,国水環保第 4 号,河川保全企画室長

第 2 節 基本データの収集

2.1 水文・水理等観測

<考え方>

水文・水理観測、水質調査のデータは、治水・利水計画の検討、洪水時の水防活動に資 する情報提供、河川管理施設の保全、渇水調整の実施等の基本となる重要なデータである。

また、このほかの観測項目として、震度観測、潮位観測、風向・風速観測、積雪深観測、

地下水位観測等多岐にわたる観測があり、各河川、流域の特性に応じて河川維持管理計画 に適宜追加する必要がある。

<標 準>

大河川においては、水文・水理観測、水質調査は、河川砂防技術基準調査編1)、水文観測 業務規程2)3)、河川水質調査要領4)等に基づき実施することを基本とする。

降水量、水位、流量の観測は自動観測が一般的であるが、河川管理上特に重要となる高 水流量観測は所要の地点において計画的、迅速に実施することを基本とする。また、流水 の正常な機能の維持のためには、低水流量の把握が重要であり、必要な箇所と時期におい て実施することを基本とする。また、水質調査は、公共用水域の水質把握等に必要とされ る適切な箇所において実施することを基本とする。

<推 奨>

中小河川においては、大河川に準じて降水量、水位、流量の観測を行い、高水流量観測 を実施することが望ましい。また、低水流量観測、水質調査についても大河川に準じて実 施することが望ましい。