第 4 章 河川の状態把握
第 4 節 河川巡視
4.1 一般
<考え方>
河川巡視は、河道及び河川管理施設等の状況の把握、河川区域等における違法・違反行 為の発見、河川空間の利用に関する情報収集、河川の自然環境に関する情報収集を対象と して、概括的に行うものである。
<必 須>
河道及び河川管理施設等の河川巡視は、河川管理施設等の構造又は維持若しくは修繕の 状況、河川の状況、河川管理施設等の存ずる地域の気象の状況その他の状況を勘案して、
適切な時期に実施するものとする。
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<標 準>
大河川における河道及び河川管理施設等の河川巡視は、河川巡視規程例1)を定め計画的か つ効率的、効果的に実施することを基本とする。
中小河川においても大河川に準じて、河川巡視規程例1)を参考に計画的かつ効率的、効果 的に河川巡視を実施することを基本とする。
<関連通知等>
1) 河川巡視規程例について:平成 23 年 5 月 11 日,事務連絡,水政課河川利用企画調整官, 河川保全企画室長
4.2 平常時の河川巡視
<考え方>
平常時の河川巡視は、河川維持管理の基本をなすものであり、定期的、計画的に河川を 巡回し、その異常及び変化等を概括的に把握するために行うものである。
巡視により、異常を発見した場合は、ただちにその状況を把握し、河川カルテ等に記録 し、適切に是正することが重要である。
(1)一般巡視と目的別巡視
平常時の河川巡視は、あらかじめ設定した巡視項目について巡視を行う一般巡視と、巡 視項目、目的、場所等を絞り込んだ目的別巡視に分類される。河川は延長が長く面積も広 大であるため、不法係留等の状況や、河川の水質状況、ゴミ等の投棄の有無、河川敷地の 利用状況等について、より詳細に状況を把握する場合には目的別巡視を行うものである。
(2)河道及び河川管理施設等の河川巡視
河道及び河川管理施設等の河川巡視は、河岸、河道内の堆砂、河口閉塞、樹木群、堤防、
護岸・根固工、堰・水門等について目視により確認可能な比較的に規模の大きな変状を発 見するために行うものである。
(3)違法・違反行為発見のための河川巡視
違法・違反行為発見のための河川巡視は、河川区域、河川保全区域及び河川予定地にお いて、土地の占用や工作物の設置状況等に関し、違法・違反行為がないか確認するために 行うものである。
(4)河川の利用状況把握のための河川巡視
河川利用は常時行われるものであるため、日常の河川の利用状況を把握する目的で河川 巡視を行うものである。
(5)自然環境に関する状態把握のための河川巡視
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自然環境に関する日常の状態把握のための河川巡視は、瀬、淵、みお筋の状態、砂州の 位置、魚類等の産卵場となる河床の状況、鳥類の繁殖場となる河道内の樹木の状況、樹木 の洪水流への影響、魚道の状況、堤防や河川敷地の外来植生の状況等について確認するた めに行うものである(第 8 章参照)。
<標 準>
大河川における一般巡視は以下を基本とする。
①車・バイク・自転車などを活用し効率的に移動するものとし、河川管理用通路を通る 等、河川の状況を十分に把握できる方法とする。
②点検により変状が確認された箇所については、特に留意して巡視する。
③一般巡視により発見された変状が施設の機能に支障となると判断される場合には、対 策を検討するために目的別巡視あるいは個別の点検を実施する。
④許可が必要とされている行為を無許可で行っている場合や、禁止されている行為を発 見した場合は、その状況を把握し、必要な措置を行う。
⑤広い河川敷地等を擁する大河川の重要区間においては、不法行為への対応等を確実か つ適切に行えるよう週 2 巡以上実施する。
また、中小河川や堤防のない掘込区間、河川敷地利用のない区間、冬期に積雪する区間 等では、河川の状況や区間区分に応じて巡視の時期や頻度を設定し、点検等の機会も活用 して効率的に実施することを基本とする。
<推 奨>
河川巡視を効果的に実施するため、過去の河川巡視・点検結果や被災履歴を活用するこ とが望ましい。
車止め、標識、距離標等の施設についても目視によりあわせて巡視することが望ましい。
河川空間の利用に関する情報収集として、河川利用者数、利用形態等に関して特に把握 が必要な場合には、目的別巡視や別途調査を実施することが望ましい。
休日・夜間における河川巡視を必要に応じて実施する。
河川協力団体、市民団体等と連携した巡視を行うことが望ましい。
4.3 出水時の河川巡視
<考え方>
出水時においては、状況が時々刻々と変化し、これに対応して適切な措置を迅速に講じ る必要があることから、洪水及び高潮による出水時の河川巡視は、堤防、洪水流、河道内
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樹木、河川管理施設等、堤内地の浸水等の状況を概括的且つ迅速に把握するために実施す るとともに、水防作業状況及び内水排除状況についても把握する必要がある。
出水時の河川巡視により漏水や崩壊等の異常が発見された箇所においては、直ちに水防 作業や緊急的な修繕等の適切な措置を講じる必要があるため、市町村等との情報連絡を密 にしておく必要がある。あわせて、漏水や崩壊等は今後の河川の整備、維持管理に重要な 情報であるため、河川カルテ等に記録する必要がある。
<標 準>
出水時の河川巡視では、出水時に撤去すべき許可工作物について事前に把握し、河川巡 視を行うことを基本とする。
大河川では有堤区間が多いこと等から、河川毎に、はん濫注意水位を上回る規模の洪水 が発生している場合や、顕著な高潮が発生している場合等、河川巡視を実施する条件を設 定し、そのうち、出水が生じている区間を対象として河川巡視を行うことを基本とする。
中小河川では河川の状況等を勘案して、巡視が必要とされる出水時の条件及び巡視の対 象とする区間を設定することを基本とする。
<推 奨>
河川巡視を効果的に実施するため、過去の河川巡視・点検結果や被災履歴を活用するこ とが望ましい。