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第 6 章 施設の維持及び修繕・対策

第 7 節 床止め・堰

<考え方>

床止め・堰の維持管理については、河川の規模や重要度等によって適切に行うものであ る。

7.1 本体及び水叩き

<考え方>

本体及び水叩きは、特に、下流から洗掘を受けて吸出しの被害を受けやすいので、一般 に出水期前点検時に目視により、護床工の変状等についても留意しつつ、下部の空洞発生 状況及び洗掘状況の把握を行い、適切に維持管理する必要がある。

<標 準>

本体のコンクリート構造部分のひびわれや劣化にも留意する必要があり、出水期前の点 検等により状態を把握することを基本とする。その際、ひびわれ、劣化等が新たに発生し ていないかどうかに着目するとともに、既に発見されている箇所については、状況に応じ て計測によりその進行状況を把握することを基本とする。

水叩きは、流水や転石の衝撃により表面の侵食や摩耗が生じる可能性がある箇所であり、

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鉄筋が露出することもあるので、点検によって侵食、摩耗の程度を把握することを基本と する。

7.2 護床工

<考え方>

護床工は、床止めや堰から加速して流下する洪水流による本体上下流部の洗掘の発生を 防止し、本体及び水叩きを保護するものである。一般的にはコンクリートブロック工、捨 石工、粗朶沈床、木工沈床等、屈撓性のある工法が用いられる。護床工の沈下、あるいは 上下流における河床低下や洗掘の発生は、その被害が本体に及ぶ場合もあるので、特に留 意して維持管理する必要がある。

<標 準>

護床工の工法としては、コンクリートブロック工、捨石工、粗朶沈床工、木工沈床工な どがあり、それぞれについて、以下の視点で適切な点検、補修等を行うことを基本とする。

①コンクリートブロック工、捨石工

コンクリートブロックや捨石を用いた護床工では、洪水時に河床材の吸出しによっ て沈下、あるいはブロックや捨石の流失を生じる場合がある。床止めや堰の下流部の 河床低下や洗掘は、洪水時の上下流の水位差を大きくして、被害を拡大させる要因と もなる。上流側の河床低下や洗掘によっても、上流側護床工あるいは本体の被災の要 因となる。

②粗朶沈床、木工沈床等

粗朶沈床、木工沈床等は、木材の腐食が問題となるので、腐食の状況と護床機能の 状態が重要である。

<推 奨>

補修等に際しては、必要に応じて、護床工の延長、あるいはブロックや捨石の重量の増 大等の措置も検討することが望ましい。

7.3 護岸、取付擁壁及び高水敷保護工

<考え方>

護岸、取付擁壁及び高水敷保護工において、沈下や、空洞化、損傷等が発生した場合は、

それが拡大して堤防の決壊等の重大災害を引き起こすおそれがあるため、第 6 章第 2 節 2.2、

及び第 6 章第 3 節に準じて適切に維持管理する。取付擁壁部は、跳水が発生するなど流水 の乱れが激しい区間にあるので、特に留意して維持管理を行う必要がある。

床止めや堰の下流部において河床低下や洗掘が発生している場合は、洪水時の上下流の

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水位差が設計時に想定していたものより大きくなり、護岸や高水敷保護工に作用する流速 や衝撃も大きくなることから、河床の状況に留意して維持管理を行う必要がある(第 5 章 第 1 節参照)。

<標 準>

取付擁壁部に変状が見られた場合には、変状等の状況や程度に応じて補修、補強等の対 策を実施することを基本とする。

7.4 魚道

<考え方>

床止め・堰のように河川を横断する工作物において、魚類等の遡上・降下環境を確保す るために魚道は重要な施設である。魚道の形式は様々であるが、魚道内部における土砂の 堆積、流木等による上流側の閉塞、あるいは流砂による損傷を受けやすい。また、上下流 の河床が変化すると、魚道に十分な水量が流下しない、魚類等が魚道に到達できない等の 障害も生じる。

<標 準>

点検時には、魚道本体に加え周辺の状況も調査し、魚類等の遡上・降下環境を確保する ために、土砂の除去や補修等、魚道の適切な維持管理を行うことを基本とする。

<推 奨>

維持管理対策にあたっては、単に現況の機能を確保するだけではなく、現況の遡上状況 等を踏まえて補修等にあわせて機能の改善を図ることが望ましい。

魚道が設置されていないこと等により、当該施設が魚類等の遡上・降下の支障となって いる場合は、補修等に際して、魚道の設置等の対応を可能な限り実施し、魚類等の遡上・

降下環境の確保に配慮するよう努める。

7.5 ゲート設備

<考え方>

可動堰の機能を保全するため、ゲート設備の維持管理を適切に行うことが重要である。

ゲート設備には、以下の機能が求められる。

・ゲートは確実に開閉しかつ必要な水密性及び耐久性を有すること。

・ゲート開閉装置はゲートの開閉を確実に行うことができること。

・ゲートは設計で見込んでいる荷重に対して安全であること。

ゲート設備は、施設の目的、条件により必要とされる機能を長期にわたって発揮する必要

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がある。しかし、ゲート設備は出水時のみ稼働し通常は休止していることが多いため、運 転頻度が低く長期休止による機能低下が生じやすい。

<標 準>

ゲート設備の機能を保全するため、点検により機能及び動作の確認等を行い、効果的・

効率的に維持管理を行うことを基本とする。

大河川におけるゲート設備の点検・整備等や、中小河川における大規模または重要度の 高いゲート設備の点検・整備等は、河川用ゲートの点検・整備等に関するマニュアル等1)2)3) に基づき実施することを基本とする。

整備・更新等の対策の実施にあたっては、点検作業との調整を行うとともに、効率化に ついても考慮することを基本とする。対策は基本的に専門技術者により実施するものとし、

実施にあたっては仮設設備や安全設備の整備等による安全対策等に留意して計画・実施す ることを基本とする。

ゲート設備の維持管理を適確に実施していくために、運転、故障、点検、整備、更新等 の内容を設備台帳、運転記録等として記録、整理することを基本とする。

整備・更新にあたっては、ゲート設備の機能・目的、設置環境、稼動条件、当該施設や 機器等の特性等を考慮し、戦略的に対策を実施していく必要があり、予防保全と事後保全 を適確に使い分け、対応することを基本とする。また、点検結果を評価するにあたって、

当該設備の社会的な影響度、機器・装置の診断等に基づく健全度の整理を行う事を基本と する。

<推 奨>

点検結果の評価に基づいて具体の対策を検討し、適切に維持管理計画等へ反映させるよ う努める。

中小河川における、大規模または重要度の高いゲート設備を除くそのほかのゲート設備 の点検・整備等についても、河川用ゲートの点検・整備等に関するマニュアル等 1)2)3)に基 づき実施することが望ましい。

<関連通知等>

1) 河川用ゲート・ポンプ設備点検・整備・更新検討マニュアル(案)について:平成 20 年 3 月 31 日,国総施第 270 号,国河治保第 8 号,施工環境技術推進室長,河川保全企画室長 2) ゲート点検・整備要領(案):ゲート点検・整備要領検討委員会編,(社)ダム・堰施設技

術協会,平成 17 年 1 月

3) ダム・堰施設技術基準(案):平成 25 年 7 月 9 日,国技電第 16 号,国総公第 36 号,国水 環第 32 号、国水治第 25 号

7.6 電気通信施設

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<考え方>

電気通信施設は、堰の操作、制御に直接かかわり、その操作制御及び監視を行うための 設備である。このため、高い信頼性が求められており、電気通信施設を構成する機器毎の 特性に応じて、適切に点検を行い、機能を保全する必要がある。

<必 須>

電源設備は、通常自家用電気工作物に該当するため、電気事業法(昭和 39 年法律第 170 号)により、設置者に機能と安全の維持義務が課せられており、具体的な保守業務が適確 に遂行されるよう、保安規程の作成、届出及び遵守、電気主任技術者の選任並びに自主保 安体制を確保するものとする。

<標 準>

電気通信施設については、各機器の目的や使用状況(年間の使用頻度や季節的使用特性 等)等を考慮して、点検、診断等に関する基準等 1)2)3)により適切な点検を行い、異常を発 見した場合には適切に補修等を行うことを基本とする。

なお、電気通信施設については致命的な障害を発生する場合があるため、点検や診断結 果等により部品交換等を適切に実施することを基本とする。

<関連通知等>

1) 電気通信施設点検基準(案):平成 26 年 12 月 22 日,国技電第 39 号

2) 電気通信施設維持管理計画指針(案):国土交通省大臣官房技術調査課電気通信室,平成

2) 電気通信施設維持管理計画指針(案):国土交通省大臣官房技術調査課電気通信室,平成