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第 6 章 施設の維持及び修繕・対策

第 6 節 樋門・水門

<考え方>

樋門・水門の維持管理については、河川の規模や重要度等に応じて適切に行うものであ る。

6.1 本体

<考え方>

樋門は、取水又は排水のため、河川堤防を横断して設けられる函渠構造物である。出水 時にはゲートを全閉することにより、洪水の逆流を防止し、堤防としての機能を有する重 要な河川管理施設であることから、連続する堤防と同等の機能を確保するよう常に良好な 状態を保持する必要がある。

また、水門は、本川の堤防を分断して設けられる工作物で、堤防としての機能、本川か らの逆流を防止(又は高潮の遡上を防止)する機能、それが横断する河川の流量を安全に 流下させる機能、また、舟運等に利用する水門(閘門)においては、安全に通航できる機 能等を有しており、これらの機能を確保するよう常に良好な状態を保持する必要がある。

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舟運に関しては、必要に応じて令第 16 条の 2 に規定する措置を行うものである。

盛土構造物である堤防内に材料の異なる構造物が含まれると、その境界面は浸透水の水 みちとなりやすく、漏水の原因となり堤防の弱点となりやすい。特に、樋門や水門におい ては、門柱や函渠と盛土との境界面に沿って水みちが形成され、出水時に漏水等が発生す る事例が多い。また、杭基礎を有する施設や軟弱地盤上の施設においては、沈下特性の差 異から以下のような問題を生じやすい状況にあるため、樋門・水門周りの堤防の点検につ いては特に留意する必要がある。

・地盤の沈下(圧密沈下、即時沈下)に伴う本体底版下の空洞化

・堤体の抜け上がり、陥没、堤体のクラックの発生

・堤体や地盤の沈下に伴う本体継手部の開き、止水板の断裂、翼壁との接合部開口、本 体、胸壁、翼壁等クラックの発生

・本体周辺での漏水や水みちの形成、これに伴う本体周辺の空洞化

樋門・水門の点検は第 4 章第 5 節 5.1、5.2、5.4 によるが、上記の変状は許可工作物の樋 門・水門周りの堤防にあっても同様である。

なお、近年軟弱地盤上の樋門については、その挙動を周辺の堤体の挙動に合致させるよ う、柔構造樋門として設計することとしている。柔構造樋門は、函軸方向の地盤の沈下・

変位に追随できるように、沈下量を大きく許容しているとともに、函軸方向のたわみ性を 主に継手の変形性能に期待している。このため柔構造樋門では、継手部の変位量の把握が 重要となっている。

<標 準>

高い堤防における杭基礎を有する施設や軟弱地盤上の施設においては、上記の現象が発 生しやすいので施設の規模等を勘案して 10 年に 1 回程度の頻度で函渠のクラック調査を行 うことを基本とし、異常を発見した場合には適切に補修等を行うことを基本とする。

過去の空洞やクラックの発生履歴、地盤の状況等に応じた適切な頻度で空洞化調査を行 い、異常な空洞を発見した場合には適切に補修等を行うことを基本とする。

本体周辺の空洞の発見や補修・補強等の対策にあたっては、点検調査結果を十分に検討 し、学識者等の助言を得るなど適切な手法を検討の上で実施することを基本とする。

軟弱地盤上の樋門の点検では特に継手部の変位量が許容値内にあるかを把握することを 基本とする。

<推 奨>

樋門・水門は、河川環境上の観点からは堤内地の用水路等との連続性を低下あるいは分 断している場合がある。このため、連続性の確保が必要とされる場合には、その機能の保 全あるいは整備がなされるように配慮することが望ましい。

<例 示>

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本体周辺の空洞化の調査の方法としては、コア抜きによって監査孔を設置する方法(連 通試験)、斜めボーリングによる方法等があるので、現地の条件に応じて適切な方法を選定 する。

(1)ゲート部について

①逆流の防止

<考え方>

逆流防止は、直接的にはゲートで行うのでゲートの管理が重要である。土木施設として はゲートの開閉が正常に行え、カーテンウォール部でも水密性が確保されるように留意す る必要がある。

<標 準>

点検にあたっては次の項目に留意し、異常を発見した場合には適切に補修等を行うこと を基本とする。

・不同沈下による門柱部の変形

・門柱部躯体の損傷、クラック

・戸当り金物の定着状況

・戸当り部における土砂やゴミ等の堆積

・カーテンウォールのクラック、水密性の確保

②取水・排水、洪水の流下

<考え方>

取水・排水、及び洪水の流下に支障のないよう、点検にあたって土砂やゴミ等の堆積、

本体等の沈下や変形に留意する必要がある。

<標 準>

ゲート周辺に土砂やゴミ等が堆積している等により、ゲートの不完全閉塞の原因となる 場合には、撤去等の対策を行うことを基本とする。

(2)胸壁及び翼壁、水叩きについて

<考え方>

胸壁及び翼壁、水叩きは、ゲート部の上下流側に設置して、堤防の弱体化を防止するも のであり、ゲート部と同様に重要な施設である。

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また、水叩きと床版との継手は、現河床とのすり付けとして不同沈下に対応する部分で ある。

<標 準>

胸壁及び翼壁、水叩きについては、ゲート部と一連の構造として適切に維持管理し、異 常を発見した場合には適切に補修等を行うことを基本とする。

水叩きと床板との継手が損傷している場合には、水密性が損なわれていることに留意し て適切に補修等を行うことを基本とする。

(3)護床工について

<考え方>

水叩きを直接河床に接続させると洗掘を起こす危険性がある場合、水叩きに接続して護 床工を設置することになる。

護床工の構造は、屈撓性のあるものとしてコンクリートブロック等が用いられているが、

巡視や点検に際しての留意点は第 6 章第 7 節 7.2 による。

<標 準>

護床工の下流側に洗掘等を生じた場合は、護床工を延長する等の適切な措置を講じるこ とを基本とする。

(4)取付護岸、高水敷保護工について

<考え方>

樋門や水門と堤防の接続部は、一般に一連の堤防区間の弱点となる。護岸及び高水敷保 護工は、接続部の侵食対策として設けられるものである。

<標 準>

沈下や空洞化、あるいは損傷が発見された場合は、それらが拡大して堤防の決壊等の重 大災害を引き起こさないよう状況に応じて補修等を実施することを基本とする。

6.2 ゲート設備

<標 準>

第 6 章第 7 節 7.5 を準用して維持管理することを基本とする。

6.3 電気通信施設、付属施設

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<考え方>

電気通信施設は、樋門・水門の操作、制御に直接かかわり、その操作制御及び監視を行 うための設備である。このため、高い信頼性が求められており、電気通信施設を構成する 機器毎の特性に応じて、適切に点検を行い、機能を保全する必要がある。

付属施設には、上屋、水門等操作観測員待機場(台風時等のための待機場)、管理橋、管 理用階段、照明設備、水位観測施設、船舶通航用の信号、繋船環、防護柵等がある。

<標 準>

電気通信施設、付属施設については、第 6 章第 7 節 7.6、及び第 6 章第 7 節 7.7 を準用し て維持管理することを基本とする。

確実な操作のため、川表側及び川裏側に設置された水位標を適切に維持管理し、異常を 発見した場合には適切に補修等を行うことを基本とする。

<推 奨>

樋門や水門の確実な操作のため、必要に応じて水門等操作観測員待機場、CCTV による監 視装置等を設置することが望ましい。