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河川の状態把握の分析、評価

第 4 章 河川の状態把握

第 7 節 河川の状態把握の分析、評価

<考え方>

河川維持管理は、経験に基づく知見の集積に強く依存しており、これまでの河川維持管 理の中で積み重ねられてきた広範な経験や、河川に関する専門的な知識、場合によっては 最新の研究成果等を踏まえ、対応することが必要である。

また、河川維持管理計画に基づく維持管理の実施を通して、個々の河川の具体的な維持 管理の実施内容を充実させるためには、河川毎の状況に応じて解明すべき課題は何かを明 確にした上で、それらを実施する中で順次分析していくことも重要である。そこで、河川 及び河川管理施設の状態を評価するにあたり、学識経験者や専門家から技術的助言が得ら れるような体制の整備についても検討することが重要である(第 1 章第 2 節、第 2 章第 2 節 2.1 参照)。

<標 準>

補修等の維持管理対策を適切に実施するため、河川巡視、点検による河川の状態把握の 結果を分析、評価することを基本とする。

<推 奨>

評価内容に応じて適宜河川維持管理計画等に反映することが望ましい。

48 第 5 章 河道流下断面の維持管理のための対策

第 1 節 河道流下断面の確保・河床低下対策

<考え方>

河道は水と土砂、植生の相互作用で形成されており、そもそも自然河川は安定している ものではなく、出水等により比較的容易に変化するため、河道の維持管理を安定的に行う ことは困難である。土砂動態だけに着目しても、上流からの土砂供給の状況によって河床 の堆積・侵食傾向は異なる。また、過剰な砂利採取は直接的に河床低下の要因となる。河 道は種々の要因で変化することから、適切に河道流下断面を確保するとともに、河川管理 上の支障とならないよう河床低下対策を行うことが必要である。

河道の変化に伴う流下能力の低下に対処するには、河川整備計画等の計画の中で変化を 許容した河道計画を行う、あるいは河川整備計画上許容できない河道の変化を維持管理に より改善するという考え方がある。いずれにしても、河川の河床変動の特性や、河床掘削 等に伴う河川の応答特性等を十分に考慮しながら、河道計画の内容を踏まえて河川維持管 理として河道流下断面をどのように確保するか検討することが重要である。

河道計画では、河川改修の経済性だけでなく、改修後の河川維持管理を含めた総合的な 経済性から見て妥当な流下断面としていくことが重要である。また、維持管理での対策は、

目先の対処療法とならないよう、河道変化の原因を十分に考慮して、当該河道区間の河道 特性に適した方法とするものである。河道変化には直接流下能力に影響する樹木の繁茂も 十分に考慮する必要がある。なお、砂州によって形成された瀬と淵の保全や水際部の環境 の改善等、当該区間の河川環境の保全と整備にも十分考慮する必要がある。

河川管理上問題を生じさせる過剰な砂利採取は適切に規制する必要がある。その一方で、

河積拡大や堆積土砂対策と資源の有効利用を両立させることができることから、河道計画 あるいは河川維持管理計画等の検討にあたっては、砂利採取との十分な調整に努めること が重要である。

<標 準>

目標とする河道流下断面を確保するため、定期的又は出水後に行う縦横断測量あるいは 点検等の結果を踏まえ、流下能力の変化、施設の安全性に影響を及ぼすような河床の変化、

樹木の繁茂状況を把握し、河川管理上の支障となる場合は適切な処置を講じることを基本 とする。

(1)河道の堆積土砂対策について

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<考え方>

出水等に起因し、土砂堆積による洪水流下の阻害、砂州の発達による堤防前面の河岸洗 掘等、河道の土砂堆積により治水上の支障を生じる場合がある。

<標 準>

大河川においては、定期的又は出水後の縦横断測量1)結果により、変動の状況及び傾向を 把握し、一連区間の河道流下断面を確保するよう、河川環境の保全に留意しながら河床掘 削等の適切な対策を行うことを基本とする。

<推 奨>

勾配の急変箇所等、河床の上昇が生じやすいと想定される箇所をあらかじめ把握し、重 点的に監視しつつ、予期せぬ河床変動も起こり得ることに留意し、河床変化の調査を積み 重ねて河道計画等に反映していくことが望ましい。

中小河川においては、一連区間の河道流下断面を確保するよう、大河川に準じて適切な 対策を行うことが望ましい。

(2)河床低下・洗掘対策について

<考え方>

護岸や橋梁の基礎としての河道の維持管理については、継続的な河床低下の状況を把握 するとともに、深掘れやその原因となる流れの状態を把握して、適切な対策を講じる必要 がある。河川の特性によっては、出水に伴う局所洗掘により護岸や橋梁等の基礎が沈下、

陥没する等のおそれがあるため、そのような場合には局所洗掘の状況を調査することも必 要である。

河床低下には河道の全体的な低下と局所的な洗掘があり、それぞれ対策の考え方や工法 が変わるので留意する必要がある。河床が全体的に低下したために基礎が露出した護岸で は、根固工の追加的な対策では不十分な場合がある。また、沖積堆積層が侵食されて土丹 層等の洪積層が露出すると従来の対策が効果を持たない場合もある。それらの場合等には 河道計画の見直しについての検討が必要である。

<標 準>

上流域からの土砂流出の変化等に伴い、護岸や構造物基礎周辺の河床が低下すると災害 の原因となるので、早期発見に努めるとともに、河川管理上の支障となる場合には適切な 対策を行うことを基本とする。

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<関連通知等>

1) 河川砂防技術基準調査編,第 4 章,第 22 章:平成 26 年 4 月 1 日,国水情報第 52 号,水管 理・国土保全局長

第 2 節 河岸の対策

<考え方>

自然の河岸は、出水に伴う河床変動により長年にわたり変化するものであるが、堤防前 面にある高水敷等は、洪水による堤防堤脚部の侵食防止に重要な役割を果たすため、その 観点からは常にある程度の幅が必要である。洪水によりひとたび侵食が始まると、急激に 侵食が進むことがあるため、大河川においては、堤防の防護上必要とされる高水敷等の最 低限の幅で規定される位置を堤防防護ラインとして定めている。また、低水路河岸の侵食 を防止するために必要に応じて低水路河岸管理ラインを定めている1)。このため、河岸の変 状については出水後の点検あるいは河川巡視等によって早期発見に努めることが重要であ る。

侵食防止対策として、護岸、根固め、水制等が施工されるが、侵食された河岸を必要以 上に強固にすると、対岸の洗掘や侵食の原因となることもあるので、河川の特性、低水路 河岸管理ライン、河道の変遷など河川全体の状況に応じて慎重に整備の必要性や整備範囲、

工法を決定する。

<標 準>

堤防防護の支障となる河岸の変状については、河川環境に配慮しつつ適切な措置を講じ ることを基本とする。

侵食防止対策の検討にあたっては、侵食の程度のほか河川敷地(高水敷)の利用状況や 堤防の侵食対策の有無等を考慮して検討するものとし、河岸は河川の自然環境上重要な場 でもあることから、生物の生息・生育・繁殖環境にも十分配慮することを基本とする。

<関連通知等>

1) 河川砂防技術基準計画編,施設配置等計画編第 2 章:平成 16 年 3 月 30 日,国河情第 13 号,河川局長

第 3 節 樹木の対策

<考え方>

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河道内の樹木は、洪水の流勢の緩和等の治水機能、河川の生態系の保全や良好な景観の 形成等の重要な機能を有することがある。一方、洪水流下阻害による流下能力の低下、樹 木群と堤防間の流速を増加させることによる堤防の損傷、あるいは洪水による樹木の流木 化を生じさせることがある。樹木群が土砂の堆積を促進し、河積をさらに狭めてしまう場 合もある。また樹木の根は、堤防、護岸等の河川管理施設に損傷を与えることがある。こ れらのことから、点検あるいは河川巡視等による状態把握に基づいて、適切に伐開等の対 策を行う必要がある。

対策の検討にあたっては、対象とする樹木群の過去からの繁茂状況の変化に留意すると よい。

伐開にあたって一部の樹木群を存置する場合には、まとまった範囲を存置する等により

伐開にあたって一部の樹木群を存置する場合には、まとまった範囲を存置する等により