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先行研究における問題点と本研究の位置づけ

第 2 章 先行研究と本研究の位置づけ

2.4 先行研究における問題点と本研究の位置づけ

今までのニュース見出し研究はおもに新聞を中心とし、ネットニ ュースを対象とする研究はまだ数が少ない。

まず、先行研究における問題点を以下でまとめる。

a.張(2008)はネットニュース見出しにおける文末省略を研究し ているため、記号止めについては「?」のみを論じている。ネット ニュース見出しでよく現れている読点、空白、中点などの記号は分

12 田原(1994)の研究において、字種は漢字、かな、カナ、漢数字、アラビア数 字、アルファベット、記号に分けられている。

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析されていない。

b.野口(2002)は新聞見出しに見られる記号による省略について の研究であるが、挙げられた例には記号による省略だけではなく、

記号の用法も含まれている。また、「客観見出し」を持つ政治面・経 済面と「主観見出し」を持つ社会面という記事種類の見出し資料を 収集しているが、「客観見出し」と「主観見出し」は特に分別が難し く、その二つの分類に言及する意味がないと考える。

c.田原(1994)は新聞見出しの記号における歴史的変化について 分析している。記号は新聞見出しの配置(横書き、縦書き)により、

様相が異なる可能性がある。しかし、田原(1994)は新聞見出しに ついての配置といったものには言及されていない。

以上の問題点から、本研究の位置づけを述べる。

先行研究は主に新聞見出しを対象とした形態に関する研究であり、

具体的には省略、文末表現、助詞などに焦点を当てるものが多い。

本研究ではネットニュース見出しを研究対象とし、記号に主眼を 置くという点で先行研究とは異なる。

本研究では一定期間において、ネットニュース見出しにおける記 号の種類を網羅的に調査し、新聞社別と記事種類別に記号使用状況 について量的分析をする。記号の種類を網羅的に調査するという点 で張(2008)とは異なり、記事種類別について特に政治面・経済面・

社会面に限定せず、広範に記事種類の見出し資料を収集するという 点で野口(2002)とは異なる。

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また、野口(2002)では量的分析はなされていないが、本研究で は量的分析を行った上で、その結果から使用頻度が高い記号を抽出 し、記号による省略も含めた用法全般について見出しと記事本文と 照らし合わせて分析する。

さらに、新聞見出しとネットニュース見出しの表現と特徴につい て比較分析することで、新聞見出しのみを対象とした田原(1994)

とは異なり、見出しの紙面・画面配置上の差についても論じる。

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第 3 章 ネットニュース見出しにおける記号の使用状況